頸城野点景

先駆ける花の心意気

2010年3月7日(日曜日)

  4月1日から替わる展示の支度に高田の大島画廊へ出掛けた。課題だった倉石隆の挿絵原画およそ35点のフレームが決まってほっとした。冷たい雨の一日、美術館の近くでひっそりと花が咲いていた。

寒桜か

 よくみると桜らしい。カンザクラと言うのだろうか。素性はともかく季節を先駆ける心意気がいじらしかった。

 

急がずにせめて彼岸を待つものを いま咲く花の心如何なる  sousi                                           

準備

2010年2月25日(木曜日)

 4,5日も続いた好天。大雪を嘆いた冬も、過ぎてみればあっという間だった(もう降らないと仮定して,,,)。

 午後は本業の休み日。3月1日の開館準備に美術館へ。駐車場に雪は無くなったが庭やカフェの窓辺にはまだ相当な雪だ。

 

 買い物に出ると近くの頸城区榎の井付近の水田で沢山の白鳥が食餌をしていた。コウコウと鳴きクチャクチャと旺盛な食餌の音が聞こえた。

 

 きびしい冬をどう過ごしたのだろうか、野性を間近にすると力づけられる。

 

白鳥 
暮れても続く食餌。渡りが近づいているのかもしれない。

今日の日長、間もなく開館

2010年2月21日(日曜日)

雪雲のひらけて今日の日長かな       sousi

 

駐車場 

  晴れ上がった日曜日、気温が上がっているので雪は溶けてきた。樹下美術館の駐車場はスタッフによってあらかた除雪された。今年の開館まであと10日、どうか雪はあわ雪程度にしてください。

 頸城野の雪解けの田んぼで白鳥が食餌していた。何かの根を食べているようで、さかんに泥の中をあさる。

 そして樹下美術館の南側の土手にはふきのとう。日が長くなって春に手が届いてきた。

驚くからす 
 農道の脇で白鳥の飛来にあわてるからす
フキノトウ
美術館南の土手と小さな流れ

タブノキに雪

2010年2月3日(水曜日)

 上越市大潟区四ツ屋浜に大きな樹がある。古老からタブノキと聞いていた。旧国道(浜線)脇のすぐ海側にあり、前が空き地のためとてもよく見える。長年の西風を受けて東にヒラリと枝をはねている。

 

 クスに似た種類の常緑広葉樹ということ。当地ではほとんどクスを見ないと先輩に聞いたことがあるが、タブはどうなのだろう。いずれにしても松が多い一帯でこの広葉樹の風格は大変見応えがある。

 

 樹齢は分からないが、旺盛な繁りからまだ壮年期かもしれない。見ていると地域の人の「大切に」という思いが伝わる。雪の日のタブは幽玄な力感があり、あたりに緑の気を放っている。

 
昨日のタブノキ
 
  雪が降った今日のタブノキ

雪止んで鳥、そして猫

2010年1月16日(土曜日)

  雪降り続いた数日間は鳥の姿が途絶えていた。今日は晴れて、部屋から鳥たちが見えた。特に可愛いメジロがカメラに写って嬉しかった。現れた野良ちゃんも雪原の野性を思い出している様子だった。

シジュウカラ キジバト
   
スズメ 

メジロ
ヒヨドリ  猫
 

  鳥の動く姿は愛らしく、佇む姿は高尚に見える。明日はせっかくの日曜日。半日でもお天気が持ってくれますように。

新潟県立大潟水と森公園にリス

2009年12月1日(火曜日)

 朝から特別に良いお天気に恵まれた。それで昼休みに近くの新潟県立大潟水と森公園へ行った。そこで嬉しい発見と撮影ができた。リスとの出会いだ。

 

 あるゾーンに入ってすぐのこと、リスが地上からするすると木登りをする所を目にした。カメラを向けると高い所で隣の杉に移ったところだった。

 

 枝かげになったがモニターに写っていた。目新しいことではないかも知れないと思いつつ、管理棟でパークレンジャーにお会いした。春にもお会いした彼はとても熱心なレンジャーだ。モニターを見て、驚いた様子でコピーをさせて欲しいと仰った。以前から入場者による目撃や松ぼっくりの食べ跡などからリスの生息が考えられていたという。しかし自分では見たことはなく、写真も初めてということだった。コピーはすぐに終わった。

 

 

 ニホンリスであれば九州中国ではほぼ絶滅したといわれている。本州でも貴重な存在になりつつあるようだ。そもそも自然では一定の閉鎖した森林環境でしか生息しないらしい。建造物や芝生中心の「いわゆる公園」での野外生育はいずれも失敗に終わったという。

 今日見たリスは今後、当公園の環境指標の一つになるだろう。リスがずっと無事で、公園が魚類・植物・鳥類だけでなく、小動物の生息でも豊かな場所であることを祈った。

 

 ところで公園の一部である朝日池は、貴重なハクガンを始め多くの鳥たちの飛来地だ。今日も遠くは名古屋、京都、長野などからの車が並んでいた。彼らが構えるカメラが巨大で並大抵のものではないことに驚いた。

アオイガイ(一つが美しいものの一つ)

2009年11月5日(木曜日)

 10月31日に少し遠い海岸へ行った。実は当日の浜辺でアオイガイに出会った。大きさは長径が10センチほどだった。

 

 沢山持っている人もいて決して珍しいものではないようだが、私もほしいと思っていた。それが先日の渚にポツンと上がっていた。

 

 昔これはタコの一種が作るものだと聞いてにわかに信じられなかった。手のひらのような二本の足(腕?)で頭を覆い、特殊な分泌物を出して形成していくようだ。目的はメスが卵を保護するための殻だという。

 

 しかしどうしてこんな綺麗に作らなければならなかったのだろう。合理的な進化のことだから繊細なヒダやカーブにも意味があるのだろうが、、、。 

 

沢山より一つが美しいものの一つ。

押し縁(おしぶち)の下見板

2009年11月3日(火曜日)

 上越市大潟区内の朝日池付近。民家の押し縁(おしぶち)の下見板が強い時雨で黒々と濡れていた。家影から灯りを点すようにサザンカが見えて、今時分の風情でした。

 

 遠くの妙高山は裾まで雪を被り、今日一日はすっかり初冬の気配でした。

 

しゃんとした押し縁の板壁

走れコッペル号

2009年10月24日(土曜日)

 近くの上越市頸城区で貴重な蒸気機関車コッペル号の公開があった。中学時代の昭和30年前後、国鉄(JR)黒井駅でしばしばこの機関車を見た。いつか列車に乗れると思っていたのが叶わず、50年以上が経っている。往時の吹雪の日、あえぐような新黒井駅到着は印象的だった。

 

 昭和46年、かってコッペル号が走った頸城鉄道は廃線となった。幅わずか76㎝あまりの可愛い線路を走る軽便鉄道。廃線から40年近く経った会場で、子どもたちに混じってポイントを通過するコッペル号を引っ張った。少々胸が熱くなった。

 

いよいよ出発 ゆっくり停車
   
なかなかの風格 機関庫入り
   
可愛いターンテーブルを回す いつかこの子たちを乗せて
   

 いくつか劇的な変転の後、コッペル号は古巣へ帰還した。その後関係者の努力で平成14年秋から毎年公開されるようになった。この間、貴重な関連車両の収集にも恵まれ公開は充実しつつある。今年09年は総延長200メートルとなったレール上で、ディーゼル機関車による牽引へと飛躍。さらにポイント切り替えとターンテーブルの実演も行われた。車両や付帯設備がきれいに化粧されていて驚いた。

 

※公開は明日25日(日曜)も行われます(9時~16時まで)。

 

 小さな駅、小さな踏切、小さな列車。貴重な蒸気機関車はおとぎ話のような夢を乗せて全国を魅了する力を秘めている。走れコッペル号。

 

季節のはざま

2009年9月16日(水曜日)

 午後、所用のあと海へ寄った。お天気に恵まれたとは言えない夏の海は、あっけなく賑わいを閉じた。

 

 カモメたちがぼんやり海を眺め、釣り人が一人竿を振るっている。晴天のもと名残惜しさをにじませながら、季節はゆっくりと引き継がれて行くようだった。

 

 

Img_9628

 

新たな首相が誕生した。映像を見て静かな感動をおぼえた。

いま苦しくとも、新しい文化の誕生と生成を心から祈りたい。

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