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とても楽しみな蓄音機による「SPレコードコンサート」

2014年11月6日(木曜日)

来る15日の手回しの蓄音機でSPレコードを聴く会が近づきました。
本日友人のAさん宅から保険付きで専門家によって搬入された蓄音機が樹下美術館の陶芸ホールに入りました。

フタをした高さが90㎝はあるコンソールタイプの立派な機械です。

館内で掛けたSPレコードの音の素晴らしさは驚嘆すべきものでした。
ホールと蓄音機の相性は極めて良いものと思われます。
驚くべき音量、しかもノイズは逓減され、上質な音が館内に響き渡ったのです。

蓄音機セットされた蓄音機

 クラシック、ジャズ、ラテン、ポピュラー、童謡、歌謡曲。
電気を一切使わないボックスから歴史上の名演奏家たちの熱演が再現されました。

よく言われることですが、ボックス内で実際人間が演奏しているような手応えと迫力があるのです。
まさにSPレコードの魔法というべきでしょう。
来年、第二回目の予定も一応ありますが、実際に行われるかどうか分かりません。
大変貴重な機会と思われます。現在すでに定数60席に達していますが、もう少々の席が可能です。
どうか楽しみにご参加ください。

お申し込みは電話025-530-4155でどうぞ。

時雨の一日 教養人川上善兵衛 「青い鳥」のDVD

2014年11月3日(月曜日)

昨日に続いて朝から時雨れた一日、世情変わっても四季のうつろいはそうそう変わらない。
毎年今頃になると荒天が多くなるが、又始まったと言った感じである。

外は荒れても生活はそれなりに続くところがやはり有り難い。
昨日本日ともお客様がちゃんと見えられて、先日お抹茶を服した小学生の男子生徒さんが
昨日ふたたび見えたと聞いて嬉しかった。

庭カフェに寄った強い雨降りの午後ほんの一時陽が射した。

カシワバアジサイ庭のカシワバアジサイの紅葉。

ポプラ本日頸城区のポプラ並木(モノクロ写真ではありません)。

夕食は祝事を迎えられるご夫婦と一緒だった。
塩尻の五一ワイナリーに残された地元上越市は岩の原葡萄園の創業者・川上善兵衛の漢詩の話をお聞きした。
詩語および情感の豊かさと髙い教養に驚きを禁じ得なかった。

512bTrWWZ8L届いた1976年米ソ初合作映画「青い鳥」のDVD

帰宅するとマイブームとなっている 「青い鳥」のDVDが届いていた。
時間が無いので先ずざっと観だったが、やはり「未来の王国」のチャプターが素晴らしかった。
「時」と呼ばれるお爺さんと生まれる前の子ども達の場面なのだが、特異な設定と美しいシーンに切なくも胸打れた。

この映画のことは後に記載させて頂ければと思っています。

開府400年の高田へ時間旅行 高田の値打ち。 

2014年10月16日(木曜日)

本日午後の休診日、気がかりな人を午前に往診して午後少々の用事の後高田へ行った。

今年高田は開府400年に当たり多くの行事が進行している。
午後上越総合博物館で開催中の記念特別展「越後の都高田と徳川家康の血族」を見た。

その後日射し傾くころ堀口大學の文学碑「高田に残す」をみて、
高田公園内で岩野勇三のブロンズ10体をみた。

まだ陽が残っていて、長く懸案だった天崇寺で「高田姫と亀姫(寧子様 宝珠院)」の墓所を見た。

1特別展図録 発行:上越市・上越市教育委員会 2014年10月4日
豊富な写真と解説の119ページは労作で2000円。
展示で重文の「唐物肩衝茶入 銘初花」のあっさり感は意外だった。
一方貞松院所蔵・古九谷鉢は実に見事であり、天崇寺所蔵の「持蓮華」の仏のあはれを興味深く見た。

 

2美しい堀口大學の詩碑「高田に残す」
樹下美術館の常設展示陶芸家・齋藤三郎も碑建立世話人の一人。

 

3高田公園内の岩野勇三ブロンズコーナー。
台風の後であるが、園内でここが一番よく手入れされ、落ち着いているように見受けられる。

 

4ブロンズコーナーの「おまんた」
小田嶽夫の「高陽草子」によく似た岩野氏のカットがある。

 

5この辺りの風情には旅情を感じる。

 

6寺町天崇寺にある高田姫とその息女で初代高松宮妃となった亀姫(寧子妃)の墓がある貴重な廟所。
特に亀姫(寧子妃 宝珠院)の墓は地方に於ける宮家御陵として極めて貴重なようだ。
(明治後期であろうか、墓跡再発見と公表についてやはり小田嶽夫「高陽草子」に詳しい。

午後の高田巡りはほんのちょっぴりで、足早な秋の陽と競争だった。
町で人を惹きつけるのはやはり「歴史」と「清々しい場所」ではないだろうか。

いつもながら、高田の町の風情は中心部でなく、本町通り両端に位置する古い地区の景観に旅情を感じる。
公園とそこの桜と蓮の値打ちは言うまでも無く、
あとは長く言われている事だが、何処で茶を飲み何を土産に買うかが宿題かもしれない。

高田は金満でない美しい町の魅力を秘めていると思う。

映像と音楽 こころ旅の貴重。

2014年9月16日(火曜日)

テレビで流れる美しい映像や似た場面を私たちも実際目にする事がある。
街や村、山々、海岸、流れなどの自然や風景、あるいは美術・工芸品、建築物などの作品である。

多くの場合映像、中でも旅や美術の特番では音楽とともに映し出される。
海にも仏像にも朝霧の森にも間髪を入れず音楽が入り、荘厳、壮大さあるいは緊張感まで付加される。

しかるに実際、美術館の作品や華々しい夕焼けを見る時、そこに美しい音楽は無い。
美術館なら靴音やさざめきが聞こえ、海には風や波音あるいは足音などだけである。

そんなせいもあって、美術館で作品を目の前にすると、ただポツンとしてあり、拍子抜けして見えることがある。
また音楽無しの絶景も、どこか違うと感じることがあるのではないだろうか。

007「とうちゃこ」した海辺で霧のため見えない利尻島の方角を眺める火野正平。

昼食からその後の時間、火野正平の「にっぽん縦断 こころ旅」が再放映されていて、よく見る。
視聴者の思い出の地を自転車で訪ねるのだが、移動中も現地「とうちゃこ」においても音楽は限定的、極めて控えめにしか用いられない。

車輪と地面の音、息づかい、風、雑踏、すれちがう自動車、、、聞こえるのは私たちが日常耳にしている音だ。
場面に現実感が漂い、視聴者のエピソードと日野氏の個性があいまって「旅情」が伝わる。

2012年早春、九州の母の故郷を尋ねた際、番組で放映された所と出会った。
他者の思い出と我が胸中が重なって感慨深かった。

効果音に関して、送り手側としてはわずかなサイズの画面で、美や壮大さ、時に侘びさびなど雰囲気を伝えるのに相応(過剰?)な音が必要なのは分かる。
しかし一方音楽なしの大自然や大都会の迫力、あるいは社寺仏閣や村落の静謐の実像は音楽付きのテレビ映像を異次元的に凌駕しよう。
これらを考えると過剰とも思われる音楽付き映像の伝え方は功罪なかばしているように思われる。
割り切ればそれでいい話であるが、敢えて言うならやかまし過ぎるのでは、と感じるのである。

さほどTVを見なくなると、ふとした現実の風景や場面に対して感動が深くなることも希ではない。
「こころ旅」の日野氏には体をいたわっていただき貴重な番組を続けてもらいたい。

緑陰の庭 花の二重唱 夕暮れのはくたか。

2014年9月14日(日曜日)

ベンチ本日、閉館直前の美術館うらのデッキ。

毎年夏今頃の庭は花の少ない時期です。その代わりと言って何ですが緑陰濃く涼しく感じられます。

庭の花に代わって「フラワー・デュエット」です


アンナ・ネトレプコ(ソプラノ・右)とエリーナ・ガランチャ(メゾソプラノ)の素晴らしい歌声。
レオ・ドリープ作歌劇「ラクメ」より。
ジャスミンの門をくぐって川辺に降りましょう、というようなことが歌われているようです。

今夕のはくたか21ほくほく線特急「はくたか」最後の秋を撮るために,、広い水田のあちらこちらにカメラを構える人が見えました。
連休の日中は晴れ間が多くはくたかを沢山撮っています。
撮るほどに難しいなあ、と思います。

見応えある雲の日 ジャンゴのNuage。

2014年9月11日(木曜日)

国内では様々に大雨が報じられている。
しばしば凶暴でもある気象、、、
当地新潟県上越地方の私たちの所も作夜から朝はカミナリと激しい雨。
しかし日中は穏やかで、雲は非常に見応えがあった。

頸城野の田圃は早稲が終わりまもなく最後のコシヒカリが刈られようとしている。
先日、農家の方はそのお米のことを「ヒカリ」と仰った。

今日の雲と車10年近く乗っているプログレと今日の雲。

 


ストーケロ・ローゼンバーグのギターは「Nuages(ニュアージュ・雲)」
以前に掲載しましたジャンゴ・ラインハルトの曲です。

サブリーユの土曜JAZZ.

2014年8月30日(土曜日)

小船津浜は「サブリーユ」で月一回の「土曜JAZZ」の日に夕食をした。
以前から行われているのを聞いていたが、実際は今日が初めて。
しかも今月はついにサブリーユが4回目となった。
当店は食材が新鮮なうえ油、塩、その他しつこくなく飽きない。

満席となった会場で演奏はギター、ピアノ、ベースのトリオ。
こじんまりしたレストランでジャズの生音の中の食事、それだけで十分だ。
アマチュアだが、そこにはアマチュアらしい楽しさやスリルがあってまた良いのである。

一ヶ月前に予約をしてその時生意気にも「Eealy Autum」をリクエストさせて頂いた。
コードがすこし厄介ながらリリカルな曲調は、この時期ピッタリであろう。
実際、期待以上の演奏となり拍手に力が入った。
ほかに「It Could Happen To You」が聞けたのも嬉しかった。

サブリーユにて三者三様の持ち味を活かしてスイング。

さてジャズの楽しさはやりスイング感だ。
これが聴く人の心を揺らし、演奏者同士の、客席の、そして双方で高まりを共にする。

以下はエラ・フィッツジェラルドとダイナ・ショア-のデュエットです。
コアな人はもしかしたらジャズでない、と言うかもしれません。
しかし二人が体現しているのはまさにスイング、そしてジャズのエッセンスではないでしょうか。


歌は.”メンフィス・ブルースから1:57あたりでセントルイス・ブルースへ変わる。
息が合った見事なハーモニー。
次第に盛り上がり、4:15からのドライブ感などさすが大御所同士です。
晴れ晴れと歌ってエンディングのハイトーンを決めます。

スイングはエッセンスですが、一方で不思議なことにジャズメンたちは、一旦バラードやブルースなどスローとなると人が変わったように叙情的な演奏をするのです。

031次回「土曜JAZZ」の告知。

11月 、楽しみな「SPレコードを聴く会」のお知らせその1

2014年8月28日(木曜日)

今夕、あるご夫婦と食事をしました。
来る11月予定の「SPレコード(手回し蓄音機レコード)を聴く会」で協力を仰いでいたA氏ご夫婦。

SPの会は樹下美術館の発足当初から行いたいと思っていました。
当館にも家庭用HMVと、小山作之助ご長男のSPコレクションなど結構あります。
しかし機械、さらにレコードは氏の協力なくしてコンサートまでは出来まい、と思っていました。

今夜は、そのSPの会にちなんだ一回目の打ち合わせ(表向き)でした。
確固たる原理に基づく応用の人A氏、ご一緒は楽しく有意義でした。

HMV我が家のHMV家庭用機械のマーク。

蓄音機同上の蓄音機の外観。

食事はいつものサブリーユ、その約3時間で以下の概要がまとまりました。

期日は11月何週目かの土曜日 9月中に決めます。
※開始時間14:00は17:30に変更になりました(9月5日)。

お客様はSPコアの人から初めての方まで広く。
演奏家はクライスラー、カザルスなどからひばり、シナトラなどまで。
いつの日か第二回を。

 

11月とは言え残り二ヶ月、今後必要なお知らせを致します。
〝どうかご期待ください〟

お盆休みの上京 ジャポニズム展 豊島園 武相荘。

2014年8月17日(日曜日)

15日16日と上京した。幸い東京は降らず昨日はかなり強い陽がさした。
15日は午前にほくほく線に乗り東京駅から渋谷経由で世田谷美術館へ。

同館は9月15日までの予定で「ボストン美術館 華麗なる ジャポニズム展」が開催されている。
19世紀後半から20世紀前半にかけて日本美術は欧米を文字通り席巻した。
広重と北斎の浮世絵を筆頭に漆器、工芸品、着物、武具、庭園に至るまで広く熱狂的な芸術潮流を引き起こした。
その影響は印象派の絵画から英国のアーツアンドクラフトまで及ぶ。

思いも寄らぬ構図、鮮やかな色彩、モチーフの動きや情愛、粋と洒脱のフィーリング、自然へのこまやかな視点、そして全体、、、ことごとく受け手側のショックが伝わる。

当時の我が国に於いてこれら文化は一部の階層だけでなく、
様々な形で人々の好みとして広く親しまれていたに違いない。
それらは現在言われるクールジャパンやカワイイなど比較にならない深度と地平を有していたと思われる。

ジャポニズム展
入場券は当展の象徴的な大作、クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)」
展覧会は大変な人気。若い人が多、く非常に頼もしかった。

ひんやりジャポニズム見終えて出た広い庭、欅の木漏れ日の下でかき氷を食べた。
小さなジャポニズムが刺さっている。

ジャポニズムな女性ジャポニズムの展覧会がとてもお似合だった来館者さん。
名刺をお出しして撮影させて頂いた。
〝有り難うございました。〟

展示された広重の版画は早くから美術館収蔵されていただけに新鮮さと美しさは抜群だった。
私たちにとってジャポニズムは芸術の逆輸入であり、あらためて江戸時代の美とは、日本の美とは、を考えさせられる。

この度の上京は忙しい。用賀のジャポニズム展の後は阿佐ヶ谷で一年生の孫と待ち合わせて「豊島園」へ。
念願の夕刻のメリーゴーラウンドを見ることが出来た。

027豊島園のシンボル、メリーゴーラウンドは「カルーセルエルドラド」。

当メリーゴーラウンドは現存する日本最古の遊戯器械であり、世界的に見ても最古クラスのものだと言われる。
1900年代初めにドイツで制作され、1911年にはアメリカに渡りさらに1971年に豊島園に来たという100年前の貴重なものだ。

このたび私はもっぱら写真を撮る側だった。
メリーゴーラウンドは幼年時代からの密かな憧れ。
来年は是非とも乗ってみたい。

以下は翌16日に訪ねた小田急線は鶴川駅下車の「武相荘」。

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若き白洲次郎氏の愛車

木製の一輪車

木製の一輪車?

アオスジタテハ

レストランの前庭を飛び続けていたルリタテハ
この蝶はもとの主(あるじ)か武相荘

夏水仙湿地のような場所に咲いていた花、夏水仙であろうか。

旧白洲邸武相荘(ぶあいそう)の入場券

武相荘の旧主・白洲次郎氏のおよそは知っていたしTVドラマにもなった。また骨董を通した青山次郎氏との壮絶な交流など正子夫人のこともよく書物で目にした。
本日の訪問で、内部でもう少々お二人の体温や居住まいが伝わればと感じた。

一方予約して食べたカレーはとても丁寧で、家具や農具、あるいは小径などが親しめた。

武相荘からの帰路、暑さの中を歩いていると小田急バスがやってきて飛び乗った。

鶴川から新宿までは早い電車の乗り換えもせず、各駅停車で20数駅をずっと座った。
いつしか近年希なのんびりした気持ちに包まれた。
電車の中で妻が、
「東京の人が都会の生活が楽だというのが分かるような気がする」と漏らした。
一泊の上京だったが色々な電車に乗り、可愛い孫にも会い長旅をしたように感じた。
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東京駅のホームに出ていた新たな北陸新幹線の大きな看板。

後藤丹先生。

2014年8月8日(金曜日)

この所梅雨に戻ったような雨降りが続いている。本日も一日中降り、最高が25度程度でした。

昨夕は上越教育大学の芸術系コース音楽教授の後藤丹先生を交えて6人で食事をしました。

昨年7月、新潟メディアシップに於ける二代陶齋作陶40年記念のパーティーで初めてお会いした先生。
その時「小山作之助について研究してます」と仰られ、
今年7月小山作之助生誕150周年記念行事で「小山作之助の音楽を求めて」の素晴らしい講演をされました。
作之助作曲の唱歌における曲構成の特徴や、斬新なメロディラインおよび部分的な音符配列の特徴などが語られたのです。

当日会場の暑さも忘れ、先生の鋭い感性と深い探求に心奪われました。

庭レストランから見えていた中庭。

先生を囲む食事で話はずみ、食後は友人宅へ場所を移してまた楽しいひと時を過ごしました。

先生の分野は音楽の根幹、作曲。かつ研究室テーマは、日本教育音楽における尋常小学校唱歌、特に黎明期の分析的な研究です。その中で音楽教育の母、小山作之助が主要な対象であることは、大学の建学趣旨および地勢の上からもぴったりだったことをあらためて知らされます。

様々な談義の中で、私は譜面と向き合うことが仕事です、と控えめに仰ったのがとても印象的でした。
昨年の新潟市のパーティーでは一人で同時に二本のリコーダーを吹かれた楽しい先生。
貴重なお人が存分に活躍され、長くこの地でご指導くださることを願わずにはいられません。

音楽のほか美術館の営みについても刺激を受けた夕べでした。

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