樹下だより

忙しかった木曜日 望郷の流木たち。

2018年8月9日(木曜日)

庭に面したカウンターにずらりとお客様が並ぶ時間が
何度かあり、賑やかにして頂いた木曜日。
カフェでお休みして庭の作品へ、あるいは庭からカフェ
へ、皆様には思い思いに過ごして頂いた。

1

 

2
前山忠さん、関根哲男さんは堀川紀夫さんのご友人。
熱い気骨を漂わせる作家の皆さん。

3
午後遅くSPレコードを持参された方と蓄音機を聴いた。

シューマンのオーボエソナタ、ハイフェッツはサンサーン
スのロンドとカプリチョーソ、男性の歌などを楽しんだ。
戦前の名手たちの演奏は端整そのものであり、曲ととも
に聴く人を如何に大切にしていたかが分かる。分けても
カフェに響いたオーボエの音色は抜群だった。

夕暮れはすぐ近くの渋柿浜へ。

5

6

浜の流木たちは揃って望郷の念に駆られている風だった。
いずれもかなり大きく、一体いつ漂着したのだろう。

4
早くも砂浜でノブドウが色づいていた。

台風が去り、再び暑さに晒されている。例えはおかしい
が、激しい気象の前に私たちはマナ板の鯉のようだ。

ウインザーチェア、スリップウェア、正木春蔵さん。

2018年8月2日(木曜日)

本日から第2週に入った堀川紀夫展。久し振りに作家さんが在
館し、様々なお客様も見えて心弾んだ。
その中に正木春蔵さんが大好きというご婦人が来られて感激し
た。名を知って25年は経つが、東京の店や山代の工房を訪ね
たこともある九谷の作家さんだ。
ここに居て正木さんを愛好される方に出合うとは。

 

IMG_2026
↑東京からIターンされている方と堀川さん。お客様は音楽、文
学、美術、農業、生物など何でも造詣深い。

午後やや遅く、ある方がお二人の若い作家さんをお連れして来館
された。
ウインザーチェアーを中心に作る椅子の小島優さんとスリップウ
ェアの山田洋次さんだった。
お二人とも渡英して修行されている。
売れている作家さん独特の物静かでシャイな雰囲気が印象的だっ
た。

両人をお連れした方は趣味の良いコレクターさんで、何と18世
紀の本場英国で制作されたスリップウェアの大きな皿鉢を持参さ
れた。
IMG_8852
↑夢にまで見た40㎝はあろうかという実物が窓辺に置かれている。
褐色の地に施された黄色の紋様が何とも爽やか、かつ重厚だった。
想像以上に滑らかな表面は鉛釉の効果だという。

img019
兵庫県は伊丹で制作されている小島さんの作品展リーフの一部。
下の写真の右に飾られているのは、これもスリップウェアか。塗り
まで一貫される仕事は大変丁寧で人気がある。

また滋賀県は信楽(しがらき)で制作される山田さんの作品は都内
11店舗、全国18店舗で扱われている。
来年春、お二人の作品展が柏崎市はgallery tanneで開催予定だ
ということ、楽しみにしたい。本日は会場の下見の帰路らしかった。

“良い品をリーズナブルに”。若い方達が工芸の世界で活躍されるこ
とは本当に良いことだ。

堀川紀夫さんの教え子さんたち テンセグリティの庭に蝶と虹 米山の夕雲。

2018年7月28日(土曜日)

堀川紀夫展の開会から三日、60余入の入館者さんを数えた。
多いか少ないかの判断は余人に任せるとして、当館としては
順調な出足を喜んでいる。

6 (2)
受付わきに置かれた小品と小さな案内パネル。
パネルは堀川紀夫さんが持参して下さった。
怠け者の当館は催事のノウハウ開発に疎く、このようなことま
で出品者におんぶしている(大汗)。

さて本日、作家が若かりし日に教鞭を執った山間の学校の教
え子さん達が来られた。
かっての師弟の再会は見ていて心温まるもので、二十四の瞳
や山びこ学校の事を思い出した。

 

1
館内外の生徒さんたち。

 

2
閉館後の撒水時四頭のアゲハ蝶がミソハギに来ていた。
吸蜜ではなく、この花をねぐらに選んだのかもしれない。

 

3
帰り際、高い虹が架かっていた。堀川展の挨拶文に“幸福の
テンセグリティ”と書いたが、その事が脳裡をよぎった。

 

4
駐車場を出るとあたかも名画の如く美術館も祝福されていた。

5
台風12号の影響か夕暮れの空は盛大に焼けた。入り陽の反
対方面に位置する米山に湧く雲もいっとき見事に染まった。

さて台風12号は関東沖から東海へ逆走を始めている。
偏西風に逆らう台風など極めて異常ではないだろうか。
まだ勢力もあり、水害を被ったばかりの中国地方は大丈夫だろ
うか。

夏の庭に咲く花。

2018年7月28日(土曜日)

心配した台風が奇妙な進路を取り始め、西へとあた
かも引き返すような動をしている。
庭にセットした堀川氏のテンセグリティ9点は難を逃
れたかに見えるが油断は出来ない。

さて昨日初日撮り損ねた野外作品を以下に掲載しま
した。

 

IMG_8167
美術館の前庭に背の高い4本ストラット作品。

 

IMG_8177
庭の南側リアトリスとミソハギの所からの眺め。

 

IMG_8181
同じ方向を近づいて見る。

 

IMG_8180
建物の裏手スペース(向こう側)にも金属作品がある。
向こうのは上端に張られた青いロープが涼しい。

 

 

IMG_8178
昨日ご紹介した西奥のカラー作品。
野道を思わせる場所だが、草木と仲良くやっている。

暑さの中、大地の生気を吸い大気に放つテンセグリティ。
それは花影少なくなった緑庭に力強く咲いた花を思わせる。

涼しい館内は小品たちがうち揃い、賑やかな夏祭りの風情。
厳しい季節ですが、どうぞ足をお運びください。

無事初日を迎えたが、写真が有事。

2018年7月26日(木曜日)

本日当館2回目の特別展「堀川紀夫展 夏庭のテンセグリ
ティ」が初日を迎えた。
館長のノートのページをめくれば5月15日に最初のお知
らせ記事を書いている。
以来、堀川さんの来訪、小品の持参、アルミパイプの作品、
カラー作品、、、その都度楽しく書かせて頂いた。

本日午前から賑やかにして頂き、8月28日までの一ヶ月
余の期間が楽しみとなった。

ところで本日沢山写真を撮ったは良いが、メモリカードに不
具合を生じていてパソコンに再現できなくなっていた。

明日、再度撮影し庭を一変させた眺めを掲載させて頂きたい
と思います。
本日は昨日設置された以下の作品をどうぞ。
閉館後の夕暮れに撮りました。

1
庭の最も奥にあるカラーの作品。野の雰囲気の中でキキョウと
ともに咲いている。

隅々まで展示をして頂き、庭がくっきりと広くなった印象があり
ます。
気象予報によると、明後日あたりから台風の影響を受けそうな気
配です。
アンカリング強化のほか、移動や撤去復元が容易なので無事越え
られると思っています。

明日から「夏庭のテンセグリティ 堀川紀夫展 -カフェからの眺めを メインに-」。

2018年7月25日(水曜日)

「夏庭のテンセグリティ 堀川紀夫展 -カフェからの眺めを
メインに-」の特別展が明日開会となる。
作者の堀川さんは、本日最後のセッティングのため午前か
ら閉館後遅くまで作業を続けられた。

IMG_7808
最後の大作にかかる堀川さん。とても苦労される場面もみら
れ、そのことがいっそう芸術家らしく感じられました。

以下は本展覧会に向けた私の挨拶文です。

 

page001

 

小規模な美術館ですが、カフェに面して野外展示が出来る
庭を有したことをあらためて幸運に思っています。

一目見て「あっ!」と声が出そうになる堀川展、どうかご
期待ください。

一応現れる雲 待たれる堀川展。

2018年7月23日(月曜日)

連日異常で一種災害レベルの夏晴れを書いている。
それでも雲が見えれば田畑や庭が渇望している雨が期待出
来る所だがつかの間であり、降ることはなさそうだ。

 

IMG_7650
今夕刻6時すぎ、美術館の雲。

 

 

IMG_7660
19時半を過ぎた頃、近くの体育館の雲。

 

 

IMG_7670
駐車場の合歓と雲間の月。

 

 

窓の内外
夕方、新たな屋外作品を搬入された堀川紀夫さんとしばしお茶
を飲んだ。
外にほの明かりが残るガラス窓にカメラを向けてみた。すると芝
生の向こうの百合とカシワバアジサイに、こちらの人物たちが重
なり、何か映画の回想シーン風に撮れた。

さて堀川展の搬入は2メートル50㎝余りの大作ほかの搬入を残
すだけになり、準備は順調に進んでいる。
熱心に制作された作品は造形美とともに作者の魂や力がこもり、
それがひしひしと伝わる。

26日開場の展覧会は、庭(自然)及び常設展示作品とが溶け合
い、新鮮で楽しいものになることでしょう。

ラ・バルカ(小舟)とバルカローレ(舟歌)。

2018年7月15日(日曜日)

樹下美術館のこじんまりしたカフェ。当初それに名を付けよ
うとした事を以前に書かせて頂いた。
二つの候補があり、一つはかって記載の「カミニート」、ス
ペイン語で小径、もう一つは「ラ・バルカ」で小舟の意味だ
った。
双方に曲があり小の字は樹下美術館に相応しいと思っていた。
本日は近隣の写真とともに、もしかしたらカフェの名になった
「小舟」と、イメージが近い「舟歌」の曲をYouTubeから引か
せて頂きました。

 

IMG_4732
本日の近隣は上越市吉川区の長峰池。

 


ラテンの歌からロス・トレス・カバジェロスの「小舟(ラ・
バルカ)」。

 

 


リヒテルのピアノでチャイコフスキーの「バルカローレ(舟
歌」。

以前にも書きましたが、結局カフェに名を付けることはしま
せんでした。
決めかねているうち、特別な名は要らない、皆様の呼び方に
まかせよう、ということにした次第です。
「樹下」「樹下さん」などとご自由に呼んで頂いており、有り
難いと思っています。

庭向けにカラーのテンセグリティが運ばれた。

2018年7月12日(木曜日)

曇天の空から午後遅く雨が降った木曜日午後、
お伝えしている特別展「夏庭のテンセグリティ 堀川紀夫展
」の作家ご本人が新たな作品を持参された。
お仕事場が一杯なのと調子を見るため次々お運び頂き、毎
回とても楽しい。

1
出来上がっているものを前庭に置いた。
安定した形状と黄色のロープが優しい。

2
持参された8本のストラット(棒材)を張り材のゴムロープ
に掛けて駐車場で組み立てる。本数が多くかつサイズが大きく
なるとロープの張力が一段と強まり、材はバラバラに動こうと
して作業は手間が掛かる。
ストラットの端とロープの接点を他のヒモで仮り結びして組み
立てて行く。最後の一カ所が決まると全体が非常に安定し、転
がすことも出来る。

微力ながら要所を支えるお手伝いをさせてもらった(ご自宅で
は奥様が助手をされることもあるらしい)。

 

3
出来上がった。

 

4
カフェの前に設置した作品は拍手をしたくなる出来映え。
4点が地面に接し、4本のカラーストラットが浮遊して見える。
清々しく美しい眺め。

「鳥でもとまれば最高ですね」とご本人、本当にそう思う。
庭展示に向けたさらに大きな作品があるという。
真摯な作者の熱意が伝わり、心躍らされる午後だった。

写真はいずれもスマホ(らくらくスマートフォン)で、写真力と
いえばいいのか、自然かつ鮮明で記録性に驚かされる。

作品は置き場を確保して一旦格納後、7月26日の開会に備える
つもりです。

IMG_1918

賑やかにして頂いた月曜日。

2018年7月9日(月曜日)

暑さほどほどで好天の月曜日、ある商工会婦人部の皆
様が来館された。
とても熱心に展示をご覧になり、また要点を説明させて
頂いた。

鑑賞の後、椅子と場所をフル活用してお茶を飲んで頂
いた。
氷を浮かべた冷たいお抹茶も好評だった。

 

IMG_1844

 

IMG_4378

 

IMG_4379

団体の皆様、個人の皆様、本日は小さな美術館を賑
やかにして頂き、まことに有り難うございました。

2025年11月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

▲ このページのTOPへ