樹下だより

本日6月10日は11回目の開館記念日。

2018年6月10日(日曜日)

本日日曜日、6月10日は開館記念日に当たる。
うっかりしていたら夕食に妻がワインを注ぎ、おめでと
う、と言われて初めて気がついた。
今日はどうしよう、明日は、夏は、秋は、来年はと考え
るばかりの毎日、例年記念日は指摘されるまで大抵気が
つかない。

もう12年目ですか、早いですね、と皆様は仰り、私はよ
うやく12年目になった、と感じる。

当初の何年かは、一日誰も来館されない日があったり日
曜日に二人などという閑散も少なくなかった。
しかし来館者さんが次ぎに他の方を誘ってリピートされる
流れが少しずつ出来、またお一人で長くリピーして下さる
方もあり、数的に以前と変わりつつある印象を受ける。
最近の傾向として初めて、という方たちが増えているよう
に見受けられることがあげられる。
初めての方は展示をご覧になることが多く、また次回お知
り合いを誘って下さることもままあり、心強い。

そんな訳で皆様のお陰で何とかなろう、という気持ちでいら
れることをただ感謝する毎日です。
今後も心身に気を付け、張り合いをもって樹下美術館を営ん
で参りたいと思っています。

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東から見た本日の樹下美術館。

 

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今夕赤々と暮れた大潟区犀潟の海。

梅雨に入ったとは言え毎日雨が降るわけではない。
梅雨晴れや空梅雨だってあろう。但し梅雨開け前の豪雨と
日照不足や低温には警戒が必要なようだ。

良い季節の庭と田んぼ。

2018年6月5日(火曜日)

樹木は青々と繁り花優しく、あたりの自然に力みな
ぎる季節になった。

昼、美術館にいると「歩いてみようか」と言う二人
の女性の声がした。
間もなく庭の向こう、農道を歩く二人の姿が見えた。
一面に水が張られ、苗が植えそろった田んぼは今本
当に素晴らしい。

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先週末、多くの皆様が庭を歩いて下さった。
当館の庭は難しい花を諦め、次第に育てやすいもの
が中心になった。

庭や周囲の田んぼの眺めも美術館の作品の一つに
思われてくる。

HORIKAWA MICHIO EXHIBITION -Possibility of Tensegrity in the Summer Garden-

2018年5月31日(木曜日)

今月27日に春の特別展として開館以来初めて行った常
設以外の作家、故塩﨑貞夫氏の展覧会が皆様のお陰で
無事に終了した。

引き続き夏の特別展「堀川紀夫展 夏庭のテンセグリティ」
の準備が始まっている。
HORIKAWA MICHIO EXHIBITION
Possibility of Tensegrity in the Summer Garden
2018年7月26日(木)~8月28日(火)
※8月3日の開始を7月26日に早めました。

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初めての立体、初めての野外メインのイベント、これまた
初めて尽くしになった。
休診の本日午後、ご本人の美術家堀川さんが来館され期
間、催事内容、展示場所、点数、お知らせ文言の整理など
沢山お話した。

持参された小型の作品を初めて目にして不思議な感覚と
新鮮なカルチャーショックを受けた。

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たまたま来館されたお客様も混じって様々に話が進む。

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繊細な作品のテーブルに映る影も作品の一部。

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展示室の壁ではどこまでが作品でどれが影だろう?
照明も楽しみの一つになった。

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カフェ丸テーブルのテンセグリティは色鉛筆が棒材。

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カウンターで小さな作品が庭と初対面。

一組のヒモ(またゴムなど)と棒財は支え支えられている。
数と組み方、素材、カラーや場所の要素が生み出す緊張と
安定、さらに浮遊などの様々な形状と表情の楽しさ。
庭に予定されている3メートルもの作品は、近くまた遠くか
ら、どのように見え、どのように感じられるだろう。

はたして樹下美術館の夏の庭と館内は、それらをどのよう
に受け入れ応答するか、今から楽しみで期待されます。

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月並みですが、本日の小さな作品を見て幼少で手にしたク
レヨンやマッチ棒、輪ゴム遊びなどの感触と、生まれ始めた
幼い夢の感覚まで蘇りました。
期間は夏休みの最中、お子さんたちにも多く見てもらえたら
嬉しいと考えています。

39日に及ぶ「桜のレクイエム 塩﨑貞夫 展」が終了した。

2018年5月27日(日曜日)

本日、去る4月19日から始まりました「桜のレ
クイエム 塩﨑貞夫展」が終了しました。
会期中、小さな樹下美術館はそれでも600人の
入場者に恵まれ、熱心にご覧頂きました事を感謝し
ています。

従来からの染め付け陶芸作品、人物画作品の中に
混じり、塩﨑作品は美術館の白壁を奮わせ、小気味
良く揺さぶり楽しく刺激しました。

また塩崎氏が加わったことにより、齋藤三郎の焼き
物がより格調高く、倉石隆の人物たちは一層深々と
した表情を見せました。

良い作品は互いに高め合う、これは事実ではないか、
と思いました。

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最後の作品を梱包する。

最終日(撤収日でもありますが)、銀座からフォルム
画廊の美しいあるじ、都内から美しい塩﨑氏奥様とお
嬢様、新潟市砂丘館から優しい大倉館長と美しいスタ
ッフがそれぞれ見えて賑やかなラストになりました。

ご来場頂いた皆様、お世話になった方々、本当に有り
難うございました。
色々勉強もさせて頂きましたことを感謝しております。

満開のナニワイバラにクマバチ。

2018年5月18日(金曜日)

潟町の仕事場のカーポートの屋根一面にナニワイバラが
満開を迎えている。

およそ15年ほど前、新潟市でたまたま入った小さな園
芸店で求めた苗が、今日旺盛に生長し開花している。
わずか6.70㎝の頼りなげな苗がこんなになるとは、苗
が凄いのか、庭土が凄いのか、とにかく感嘆するばかり。

 

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そんな花にブンブン羽を鳴らして大小の蜂が来ている。
大きなクマバチはずんぐりして、熊のミニチュアみたいだ。

 

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黄色が効いているクマバチは真っ白なナニワイバラが良く
似合う。

花から花へまことに忙しそうなクマバチだが、満開のバラの
園で幸せそうだった。

話変わって、蜂のメスは刺すがオスは刺さないという。
クマバチは顔を正面から見ればオスメスの区別がつくらしい
ので、機会があったら良く見てみたい。

もう一つ、蜂のオスは働かず、女王蜂と交尾するためだけに
生きると言われる。
人間でいうと、どのような存在なのか想像し難い。
特に交尾に成功した後にまもなく死ぬと聞けばなおさらであり、
小さな体だが、壮大なロマンあるいは悲劇の生き物にみえなく
もない。

日中の真夏のような気温は夕刻の雨の後、突然肌寒くなり
今も雨が続いている。

8月にも特別展「夏庭のテンセグリティ 堀川紀夫 展」

2018年5月15日(火曜日)

今年の樹下美術館は常設展のほか二つの特別展を企画し、
営んでいます。
一つは4月19日から始まった好評の「桜のレクイエム
塩﨑貞夫 展」で、現在期間を2週間延長して開催中です。

そして8月には「夏庭のテンセグリティ 堀川紀夫 展-樹
下美術館の新たな眺めー
」を開催致します。

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開始を7月26日(木曜日)とし、従来の告知よりも
1週間早く致しました(6月3日追加記載)

上越市生まれの堀川紀夫さんのご略歴を以下に記載します。
・1967 新潟大学教育学部美術科の在学中に新潟現代美
術家集団GUN結成に参加
・1970 「雪のイメージを変えるイベント」(信濃川河
原)参加
第10回日本国際美術展「人間と物資」(東京都美術館)
・1985 環境としてのイメージ展」(兵庫県立近代美術
館)
・2000 「新潟アジア文化祭-見えない境界-展」(新
潟県民会館」
・2001 Century City展(UK/ Tate Modern)
・2005 「東京府美術館の時代1926-1979」展(東京
都現代美術館)
・2007 「地球の洗い方」展(福井市立美術館)
「ART ANTI-ART NON-ART EXPERIMENTATION IN
THE PUBLIC SPHERE IN POSTWAR JAPAN 1950-
1970」(CA/Getty Research Institute)
「平面インスタレーション」展(新潟市砂丘館)
・2008 新潟現代美術家集団GUNの軌跡1967-1970」
(ギャラリーmu-an)
・2009 第4回大地の芸術祭(松之山大厳寺キャンプ場
に作品設置)
2011~12 大震災復興支援チャリティー「アート&ア
ーティストの底力」展を企画開催
・2012 「GUN新潟に前衛があった頃」展(新潟県立
近代美術館)
・2013 第1回小田原ビエンナーレ
・2015 マイナスアート展(帯広)
・2017 「アートハウスおやべ現代造形展」

および
・大地の芸術祭(2000,2009,2012,2015)に参加出展
・大地の芸術祭 雪アートプロジェクト2008~2018に参加
出展(十日町市中里、松代、奴奈川)

ほか多数の発表歴をもって精力的に活躍をされています。
近く堀川さんによるテンセグリティの概要やチラシを掲載致
します。
当館からの新たな眺めとはどんななのでしょう。
美術館内の展示もあります。
何しろ初めての野外展示はとても楽しみです。

春の特別展「桜のレクイエム 塩﨑貞夫展」延長のお知らせ。

2018年5月13日(日曜日)

去る4月13日から始まった春の特別展「桜のレクイエム
塩﨑貞夫展」が本日で終了しました。

当展は大変ご好評を頂き、期間中に600人の入館者に恵
まれ、お陰様で小さな樹下美術館では最高に匹敵する数で
した。

折角の貴重な特別展、意を決し、館長のわがままもあり、向
こう2週間の会期延長をさせて頂くことになりました。

延長期間:5月27日(日曜日)午前まで

1805崎展延長バナー

延長に同意下さった今展ご協力の新潟市「砂丘館」および認
定NPO法人「新潟絵屋」館長の大倉宏さんに深く感謝申し
上げます。

 

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「女人午睡」と手前に「カクダノヤマ」

 

 

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「海」

 

 

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「樹下午睡」

 

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「櫻」

 

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カフェの「コスモス」

期間中は現在の展示14点をそのまま継続いたします。

続けて皆様のご来場をお待ち致しております。

小鳥の餌台。

2018年5月5日(土曜日)

昨年鳥のために小さな種類などの餌を買ってきて庭に撒
いてみたら、かなり集まるようになった。
だが間もなく芝生に見慣れない植物の苗が沢山生え始め
た。
元は何、と思案をしたが撒いた餌である種が発芽したと考
えられ、あまりの数に結局止めた。

しかしながら餌に集まる鳥の様子が忘れ難く、この度ネッ
トで餌台を求めた。

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重そうに見えるが、軽い金属に鉄さび風なメッキを施して
ある。屋根など中々趣きがある。果たして小鳥が来るもの
か、楽しみにしたい。

ちょうどカフェの正面にしつらえてみました。

ところで過日、巣箱を架け、雀が入り始めた事を書きまし
たが、その後、営巣をしませんでした。
人の気配が近すぎたためと反省し、二番子のために遠くに
置いてみることにしました。

塩﨑貞夫作品、風景画の気。

2018年5月3日(木曜日)

現在展示されている塩崎貞夫さんの「桜のレクイエム
塩﨑貞夫展」について、予告を含め、文字通り私なり
に何度も書かせて頂いた。

自らの作品の意図あるいは意味について語ることを控
える画家は少なくない。“ご自由にご覧下さい”という
風に、あまねく観る人に任せる姿勢であろう。

当館の常設、倉石隆氏も同様、“説明が必要な作品は
往々にして良い絵ではない、と座談会で語っている。
塩﨑作品の鑑賞者との関係も同様のように思われる。
(ご本人とお会いした事がないこともあり、、、)

氏について私が知っている事と言えば、かなり早い時期
にフォーレのレクイエムに触発された、の一点くらいで、
本人は奥様にも作品の意図などを詳しく話される事はま
ず無かった、とお聞きしている。

文学、音楽と異なり絵画は作品自体の時間軸が明瞭で
はない。
何を感じ、何を読み取るかは瞬時も可能であり、長時間
の反復も厭わず、大変に独特だ。
だが作品は往々、そこに至る年月、手がけた時間、意図と
工夫、費やされた心身エネルギー、はては作家の生活史ま
でを思わずにはいられない、ものがある。
また料理のように噛めば噛むほど味わい深くなる事も。

そんなことで、この度の作品を連日目の当たりにして作者
の風景画には“気”と呼べるような自然の力、わけても霊力
や仏性など、一種神秘性を見逃す訳にはいかない、とよう
やく感じるようになった。

観る人にはよく見える山河の気は、魂あるものとして作者に
描かずにはいられない衝動を起こさせたと、言えまいか。

 

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「夜桜」。闇を己の色に染め上げる花、、、。西行法師、梶
井基次郎、坂口安吾が語った桜の神秘性がほとばしるように
描かれる。

 

2
「カクダノヤマ」。弥彦、角田、国上、新潟県の蒲原平野が
海に接する場所の山々は、古い神々の物語や仏性を帯びる。
この作品の山頂から空高く、明るく吹き出しているのは霊魂の
気のようだ。

 

3
「麒麟山」。幸福の前触れとして現れる中国伝承の動物、麒麟。
山はほのぼのとした大気にまろやか、かつ暖かく包まれている。

 

 

4
「海」。晩秋の日本海か、見慣れた風景。海原は一瞬に波の
姿に変わると同時に時空へ消える。はかなくも果てしない悠久
の心象は心に染みる。

 

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「弥彦山の磐座」。先も書いたが、神さぶる清々しさが空を
澄んだ青色に染めている。軟らかなシンメトリーの安堵。

塩﨑氏の風景は一見静謐で慎ましく、あるいはのどかに描か
れるが、それぞれが有している“気”は心深く届く力を有して
いるのではないだろうか。
“自由に観て下さい”と言われて、勝手気ままに書ける所が、個
人施設の得なのでしょうか。

長くなりました、皆様はいかがでしょうか。

賑やかにして頂いた祝日。

2018年4月30日(月曜日)

昭和の日の振替休日の本日昼、普段のんびりした樹下美術館
が珍しく来館者様で賑やかになった。

 

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美術館では展示をご覧になった後、多くの方はカフェに入ら
れる。
そのカフェが一杯になり陶芸展示のテーブル席も使って頂い
た。

 

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4
昼食時、居場所の無かった自分は田んぼの見えるベンチに
座った。

塩崎さんの絵が架かって、美術館をいっそう品良く感じたと、
お客様の感想が聞かれた。

塩崎展が好評を頂いていて喜んでいます。

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