樹下だより

目前に迫った開館。

2018年3月13日(火曜日)

昨年12月26日に閉館して以来ほぼ80日が過ぎて明後
日開館を迎える樹下美術館。
既にこのような冬休みを10回数え、毎年長いようで早
いと、決まったように感じる。
今冬は何度かドカ雪に見舞われて開館には大がかりな除
雪作業が必要かもしれないと考えた。
しかし2月末からの雪解けは劇的で、スタッフの作業とあ
いまって、美術館の雪は見事に消えた。

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本日の樹下美術館。

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庭から。濡れていた芝生が乾いてふかふかしてきた。
木々の芽も温かな今日の日射しを歓迎している。

深い雪に埋もれていた50株のクリスマスローズは、急
な雪解けでまだ眠そうだ。

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庭はいったん目ざめると競うように足並みを早める。
待つ日々は長く、迎えた日の足は早い。
いよいよ今年の開館が迫った。毎年この時期はどきど
きする。

南風の午後、トクサ刈り 雲の猫。

2018年3月8日(木曜日)

季節風に代わって南風になった本日、雲は怪しい
形状を見せた。

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西方の妙高連峰。滑らかな波を描いたモノトーンの雲。
ビュービュー吹く西寄りの季節風ではこうならないようだ。

今月15日の開館が迫ってきた。庭の雪は大方片づき、本
日午後、気になっていたトクサを刈った。
例年、雪による倒伏に備えて短く刈っていたが、今冬はサ
ボって様子を見ることにした。
それがドカ雪に見舞われバラバラになってしまった。

 

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刈る前の様子。

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途中から妻が加わり、一時間少々の格闘でスッキリして
きた。手前と左に刈った草。トクサは庭の大切なアクセン
トなのでひと安心。

作業を終えて見上げた雲はやはり怪しい雰囲気。

 

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中央に猫か子供に見えなくもない模様があった。

 

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以前行ったようにそれらしい部分をなぞって猫を描いてみた。

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少々無理もあるが猫風になり、右目がハートに見えるので
イタズラを加えた。

開館を前に南風が可愛い“招き猫”をプレゼントしてくれた、
ということにさせてもらった。

南風さん、雲さん、ありがとう、猫さんまでも。

健診を受けた日 喫茶去 厳冬の白鳥が救われている。

2018年3月1日(木曜日)

本日低気圧の北上に伴って猛烈な風に見舞われた。
そんな日の午後、例年通り医師会館でドック健診を受け
た。
ちなみに身体計測のBMIが20,6、体脂肪率16,5%と少
し改善したが、臓器保護のためもう少し痩せたいと願っ
ているところ。

帰路、風吹く田んぼの雪消えと鳥の様子を見に回った。

 

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昨日よりも雪が消えた田んぼ。数羽の白鳥ばかり見ていた
ため、大勢いるこの群にほっとした。

一先ず健診を終えた記念に三和区「喫茶去」で早い夕食を
摂った。

 

2
何となく京都の田舎風、いつも良い趣の玄関口。

 

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妻のオムライス。

 

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私の焼きカレー。一口食べるとその後がさらに楽しみな
美味しさ。

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私のエスプレッソ。味も器も良かった。
頸城野の山中に掛かろうというロケーションで長く営ま
れる喫茶去。食べ物商売は常に猛烈な競争にに晒されて
いる。
長く続いているこの店の美味しさと雰囲気の良さには得
に言われぬ深い味わいがあり、ご努力に敬意を禁じ得な
い。
GACKT氏が来店した事も素晴らしい伝説として生きて
いる。

 

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古民家を改造した店のゆかしい敷石土間。

 

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エドウィンのポスター。

 

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柱に掛かっていた陶器のヴァイオリンは時計だ
った。

三和の帰路、三々五々コハクチョウが集まっている所を
通った。

 

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何と所々にモミまたモミガラらしいものが大量に積まれ、
コハクチョウとカモが食餌をしていた。
田のオーナーさんが厳冬の鳥を救うためにこうしているの
だとしたら、何と優しい人だろう。

上下浜の野外造形は風が仕上げた?

2018年2月27日(火曜日)

このところ雪は止んでいて、樹下美術館の頸城区で最
大113㎝、仕事場の大潟区で100㎝だったのがそれぞ
れ58㎝と34㎝に減った。(各区総合事務所の計測)

本日たまたま上下浜で見た捨てられた雪が、面白い形
状になっていた。

 

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西側から見た雪の山。砂が付いて真っ黒状態。

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東側からみると真っ白。

横である南側から見ると、、、

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きれいなツートン。
当初はごつごつ凸凹していたであろう塊が解けて、次
第に滑らかな形状になったと思われる。

ツートンの色分けは季節風の西風が砂を飛ばし、西側
部分だけに砂を付けた結果であろう。
それにしても、きれいに色分けされていて驚いた。

雪解けで全体が小さくなり、砂が密集したため色が濃く
なっていることもツートンを引き立てているかもしれな
い。
このおしゃれなアートは人が仕度をし、季節風が仕上げ
たという事で良いのではないだろうか。

この先また荒れ模様となるらしいが、風雨が主なら雪消
えが加速しよう。

春の特別展「桜のレクイエム 塩﨑貞夫 展」。

2018年2月12日(月曜日)

数日晴れ間が見えたり気温が上がった日が続いたが昨
日から再び寒くなり、本日は吹雪を交えた雪模様。

寒明けとはとても思われないが、2月は中旬を迎え、
樹下美術館の2018年開館までほぼ一ヶ月となった。
今年度の展示は齋藤三郎「染め付け」展、倉石隆「瞑
目する人」展が決まっている。

ところで今年、春の特別展として「桜のレクイエム 塩﨑
貞夫展」を開催することに致しました。
場所は陶芸ホールとカフェを用い、陶芸作品は出来るだ
けそのままで、背後の壁面に14,5点の作品を展示す
る予定です。

塩﨑展バナー
塩﨑貞夫:糸魚川市出身、国画会を経てフリーとなり、東
京、鎌倉、新潟市を中心に発表。2014年2月14日永
眠(享年80才)。
氏はガブリエル・フォーレのレクイエム(死者のためのミサ
曲)に深く触発され、日常の遠くあるいは近くにある鎮魂
を、昼夜独特の空気感で描いています。

女人午睡
↑「女人午睡」。昨年3月、新潟市の砂丘館で最初に
掛けられていたこの作品を観て、すーっと心が安らぎ、
「ああ、いいなあ」と思いました。

東塔
「東塔」

滄溟を爽やかに飛べ
↑「滄溟(そうめい)を爽やかに飛べ」。滄溟:青い海。

樹下午睡
「樹下午睡」。女性が淡く気持ちの良い桜色に包まれて
いる。タイトルの樹下から、作品は当館での展示を待っ
ていたかのようです。

氏の作品はおよそ静謐ですが、時には囁きや呟きが聞
こえるように感じられます。

倉石隆の「瞑目する人」、齋藤三郎の「染め付け」の
展示と馴染み、自然な調和が期待されます。
入場料はいつものように200円です、どうかお越し下
さい。

以下はフォーレのレクイエムからキャスリーン・バトル
のピエ・イェズ(Pie Jesu)です。
今から30年近く前のサントリーホールでこの曲を聴き
ました。パリから来たコーラス付きの室内管弦楽団の
演奏でした。
当時レコードですり切れるほど聴いていましたので、
フォーレの国から来たオーケストラの演奏にとても感動
しました。
同じ頃だったと思いますが、上越文化会館にキャスリ
ーン・バトルが来演し聴きに行きました。
当時の上越には今とは少し違った文化の香りがしてい
ました(昔だけがいい、というわけではありませんが)。

 


怒りや残酷さが控えられたフォーレのレクイエムは、鎮魂
歌らしくない、と当時批判されたそうです。それに対して
本人は“楽しむために書いた”と述べているようです。

桜の季節の鎮魂、、、塩﨑氏の作品もどうか“楽しむよう
に”ご覧ください。

今夜、明日は三回目でしょうか、大雪の予報です。
こうなるといっそう桜が待たれます。
樹下美術館には一本のソメイヨシノが咲き、続いて7,8
本の山桜が咲きます。
長くなりました

本日、雪の晴れ間。

2018年2月9日(金曜日)

本日概ね晴れて少々気温が上った。
大きくなりつつあったつららが解け,屋根の雪も減った
ように感じられ、有り難い。

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海岸沿いのこの場所でこれほど雪があるのを見たこと
がない。

上越市大潟区の県道(浜線)沿いは懐かしい風景が随所
にある。雪が懐かしさ(あるいは親しさ)をつのらせる。

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本日の雁子浜。

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昨日の潟町。

 

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この所、路上で餌を探すスズメやハクセキレイをよく見る。
車を恐れないのは、豪雪で餌に不自由しているからに違
い無い。このキジバトは痩せて見えた。

明日も気温が上がり晴れ間があるという。

以下は一昨日の樹下美術館と駐車場。

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2007開館来最高の積雪。この分だと、来る3月15日
の開館は雪が残っている可能性があり、除雪機の活躍が期
待される。

妙高山を見に行って。

2018年2月8日(木曜日)

本日日中は澄んだ青空が見られた。
仕事場の大潟区は早朝に降り、雪は1メートルを越え
たようだ。

こんな日は妙高山を見よう、というので板倉の針を目指
して車を走らせた所、中腹までの姿しか見えない。
時間が経てば見えるかも、ということでパインバレーへ
と足を伸ばした。
スキー場は閉鎖されているはずだが、道路は非常にきれ
いに除雪されている。

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私たちのためにだけ除雪されている、と錯覚するほど気
持ち良く、もったいない道路。

だれが利用するのだろう、ホテル、スキー場駐車場など様
々なエリアへのパースがしっかり除雪されていた。

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ホテルを出たすぐの通り。正面の妙高の山頂は相変わら
ず見えないがスケール感は期待どおり。
その昔ゴルフやスキー、そして食事に来た懐かしい場所
だけに寂しさを禁じ得ない。開場するイルミネーションシ
ーズンには訪ねてみたい。

2
施設を出て西側の道を関山まで走った。思わぬ下りの急な
曲がりが続き、日陰は氷り、浅からぬ谷沿いでもあり、肝
を冷やした。

せっかくだからということで、ロッテアライリゾートへ向か
った。

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妙なアングルだが、かっての様子と随分変わっている印象
を受けた。

今冬は浜雪、里雪になっているがやはりスキーリゾートは
豊かな積雪。春めいててきたら一帯の散策や食事などに寄
りたい。

2018齋藤三郎の展示は「染め付け」です。

2018年2月2日(金曜日)

昨日に続いて本日は終日気持ち良く晴れました。
誕生日が私と一日違いの人や、二日違いの患者さん
が見えて親しみを覚えました。

今年の開館は3月15日ですが、昨日の倉石隆に続い
て齋藤三郎(陶齋)のの展示予定「染め付け」につい
て掲載します。

陶齋は染め付けを「染附」と書いていました。酸化コ
バルトを主原料とした絵の具(顔料、うわぐすり)で
地や模様を描き、青く発色させる手法を染め付けとい
います。

爽やかで上品な風合いによって古くから食器や茶道具
で人気があり、格調高く扱われるものもありました。
齋藤三郎は髙田以前の早い時代から染め付け作品を製
作していました。

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本日は焼き物に多くの草花文様(模様)を描いた
陶齋の作品の中から、今年の展示に見られる草花
(植物)を以下に挙げてみました。

 

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   あさがお         あざみ          うめ

 

902176
    かぼちゃ        こぶし         ささゆり

 

5269●● - コピー81
    ざくろ        すいせん          すぎな

 

IMG_2506 - コピー7091
    竹          竹林        チューリップ

 

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つばき          つばき         つばき

 

2369●●65
     つばき       つゆくさ       ちょうじそう

 

67●●48
どくだみ         葉

 

柔軟な手で素早く描いた齋藤三郎。
不断の観察力によて植物の軟らかさと各々の特有
な魅力を描き出しています。
ご来館の際には近くにも寄ってご覧下さい。

 

2018倉石隆の展示は「瞑目する人」です。

2018年1月31日(水曜日)

寒さ続きで雪は融けないばかりか、じわじわと積雪
を増やし続けています。
節分、立春がそこまで近づいてるので、春の兆しが
欲しいところですが上手くいきません。

そんな折、3月15日の今年の開館に向けて、絵画・
倉石隆と陶芸・齋藤三郎の展示テーマが決まりまし
た。
当初の絵画は「細長い倉石隆」を考えていましたが、
変更して「瞑目する人」に致しました。いずれも数は
足りていましたが、新たな作品2点を加える事が出来
たためにそう致しました。

  2018年の倉石隆「瞑目する人」

倉石隆ファイル - コピー

 

本日は以下に8点の「瞑目する人」について頭部を
拡大してみました。

 

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32●32●

 

4444

 

213-282x330213-282x330 - コピー

 

 

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倉石氏の人物は何か動作をしているとか、あるいは
複数人や群像などは希でした。
場所や風物などの特別な背景も描かず、ひたすら人
物(個人)に絞って描かれています。

動作がほとんど無い人物で動きが見られるのは唯一
表情でしょう。
しかしこのたびの「瞑目する人」では、それが顕著に
表われる目が閉じられています。

ここでは、作品の右側に頭部を拡大して並べそれぞ
れの顔を見てみました。

共通する静寂の中で、笑む人はいませんでした。
しかし瞑目の表情には沈黙、祈り、愁い、悲嘆、恥じ
らい、後悔、あるいは疲れなどのニュアンスが描き
込められていました。
作者は人物の、もっぱらその人らしさと負的な情感な
どの内面に惹かれて描いているように思われます。
さらにそのような内なる心と、その表出に至った「物
語」にも興味があったのかもしれません。
物語の詳細を知らない私たちは、その人がどんな人
で何があったのか、想像してみたくなります。

いずれにしても飾り気の無い心の現れを「真実として
美しい」と捉え、一生懸命描いていたと考えられます。
デッサンが非常に上手かった倉石氏のことですから、
美人を夢のように美しく描く事はいとも簡単だったにち
がいありません。。
しかし敢えてそれをせず、プロとして人間の「もう一
つの真実」に眼を向け探求した倉石隆氏に、ある種越
後人の美学(ダンディズム)、あるいは骨頂を感じるの
は私だけでしょうか。

齋藤三郎作品につきましては、近々掲載したいと思い
ます。

雪がチラチラ 水田に鳥 今年の樹下美術館。

2018年1月29日(月曜日)

雪と風はちらちらしたり、吹いたり止んだりしている。
この状態が続き、さらに何度か寒波がくると厄介な豪雪に
なる。

間もなく2月、そして節分、立春と続く。
普通なら2月半ばを過ぎると時折素晴らしい晴天が現れる。
冬は半分を超えようとしているが、どんなになるだろう。

 

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午後のいっとき陽が射す時間があった。

 

 

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在宅の回診はお宅まで県道から降りて行く。道で車が待
っている。除雪が広く進み駐車や行き違いがスムースに
なった。

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田んぼにいたスズメの群。カワラヒワも混じっていた。
服も着ないで頑張る鳥たちには励まされる。

田んぼは雪に埋もれるほどではなく、稲の株が見えてい
るので鳥の餌場になっている。
マガンも本日沢山いたのでハクガンもまた留まっているの
ではないだろうか。

もうすぐ2月、樹下美術館も今年の展示の構想が固まった。
今年は春に故塩崎貞夫氏の特別展示、夏の庭で堀川紀
夫さんの展示を予定していて、ひと味変わった樹下美術館
になることだろう。

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