樹下だより
本日届いた風変わりな「男の像」。
好天が続いている本日一枚の絵が到着しました。
開館前からお知らせ致しました倉石隆作の油彩「男の像」です。
カリカチュア風(戯画風)の男性像ですが、倉石氏ご自身の自画像と理解されます。
氏の制作はよく〝ごしごし〟とキャンバスをこする音がしていた、と夫人からお聞きしていました。
当作品も塗り重ねた絵の具をキャンバスの目がよく見えるまでぬぐっています。
そのため、うす塗りであるにもかかわらず深さが感じられるのです。
倉石隆作「男の像」 1955~60年 72,0×60,0㎝。
画面いっぱいの体に小さな顔と行き場が悪そうな手が印象的です。
顔はどう見ても良い人相ではありません(御本人はとてもハンサムなのですが)。
絵は頭と手で描くものと考えますが、倉石氏は体だけ大きく大切な所をわざわざ小さく描いています。
ある種自虐とも思われますが、実は内省し自らを俯瞰する余裕が無ければ出来ないことでではないでしょうか。
上京して5年が経ち、ようやくひと落ち着きし始めたころのある日の、健康を自覚ながら、
「現在の自身をこの程度として、これから先頑張るぞ」という一種伸びやかな決意の一枚に見えるのです。
よく作家は「ご自分なりの見方でいいですよ」と仰いますが、如何でしょうか。
明日から展示で、現在仮枠ですが、シンプルで楽しい額を選べればなあ、と考えている所です。
男さんの一日 明るいチューリップ 陶齋のチューリップの湯のみ。
本日の来館者さんのうち16人が男性、女性は6人で〝圧倒的に〟男性が多かったとききました。
今年になりこのような傾向の日が時々あるということです。
しかも入館しますと、男性はいっそう男前になると言いますからとても不思議なのです。
さて庭は多様なチューリップが次々に咲いています。
チューリップは強く明るく、年と共に私はますます好きになりました。
列を作って植えるよりもあちらこちらにまとめて植える方が楽しく見えるようです。
陶齋のチューリップの湯呑(左)。右は鉄釉に銀彩でコブシです。
一般にチューリップの湯呑は珍しいのではないでしょうか。
こだわりない陶齋の人柄がうかがれます。
齋藤三郎(陶齋)の六客。
およそ現在日本では皿や茶碗などがセットで販売される場合、5客が普通です。
(かっては10客、20客でした)
ところで陶齋のセットではよく6客が見られます。
今年の展示テーマ「鉄絵と色絵」で出ている「色絵番茶器」は、
「6客というのは珍しいですね」とお客様に言われます。
以下3例は6客ですが、ほかにも皿やジョッキで6客ひと揃えのものがあります。
色絵番茶器。
茶碗が6客で1セット。赤地に丸い窓絵(まどえ)で椿、梅、竹が描かれている。
辰砂葉文珈琲碗皿。
辰砂(しんしゃ)の地にやはり窓絵で葉の模様が描かれている。
染附(そめつけ)絵替わり向付(むこうづけ)。
様々な文様がこれも窓絵で描かれています。窓絵は和やかな雰囲気になりますね。
何故6客だったのか、よく分かりませんが、かって河井寛次郎なども普通6客だったといいます。
西洋式にしたとか、4客では縁起が悪いから5客、それが1客欠けると四になるから最初に6客、など色々あるようです。
「1ケくらい壊しちゃうから6客は便利ですね」とあるお客様が仰いました。
これが正解かもしれません。
また3×2列の箱に入れる場合、6客は丁度良いということもあったようです。
以下は現在展示中の「鉄絵珈琲碗」5客です。
最初は6客で1つ欠けたのでしょうか、それとも最初から5客だったのか、、、。
「鉄絵珈琲碗」。
鉄絵の筆でぐるぐる丸を描いている絵唐津風の器です。
味わいがあり、来年カフェで使ってみたいと考えています。(これは窓絵ではありませんね)。
待っていたコムクドリが来た。
本日昼、診療所の庭のソメイヨシノにコムクドリの姿があった。
昨年営巣したつがいか、あるいはその子だろうか、ちゃんと来てくれて嬉しい。
本日初めて目にした今年のコムクドリ(メス)。
オスも居ましたがすぐに飛び立ちました。
こちらは、先日美術館のカフェの前のヤマザクラに掛けた巣箱(○枠のところ)。
今この木は満開を迎えていますが、どんな鳥が入るのでしょう。
(巣はどうやっても曲がってしまいました)
佐々木忠さんの演奏会が盛会のうちに終了しました。
今夕樹下美術館で催された佐々木忠さんのギター演奏会は、会場いっぱいのお客様で盛会でした。
当館はコンクリートの一体駆体のため弦楽器の音は大変ほど良く響きます。
昨日お書きしました曲の印象は本日はさらに具体的に感じられました。
演奏は誠実な先生らしく端正で品格あふれたものでしたが、刺激的でもありました。
終わってみますと自分の中で眠っていた様々な感受性が目を醒まし、
何故か賢くなったような不思議な気持ちにさせられたのです。
昨日ふれませんでしたが、「浜辺の歌」は涙なしに聴けませんでした。
そしてアンコールの「キューバの子守歌」は素朴で意外でとても良かったです。
先生、本当に有り難うございました。
雨降りの中ご来場の皆様に心から感謝申し上げます。
JCVの取材「樹下美術館のカフェはピクニック」 穏やかな夕暮れ ギター教授佐々木忠さんのご来館。
本日昼休みにJCV(上越ケーブルヴィジョン)の取材がありました。
樹下美術館のような小規模な個人美術館にとって、
地域の新聞や本日のような取材など民間広報は本当に有り難いのです。
レポートやインタビューをされた女性の質問や感想は分かりやすくとても適切だと思った。
カフェでは席が半地下的に低いことを「目線が低くてまるでピクニックにきたみたい」と仰った。
思いもしなかった素晴らしいコメントでした。
明日は上越文化会館で、明後日は当館で演奏されるギタリスト佐々木忠さんが今夕お見えになりました。
穏やかな紳士で展示作品を熱心にご覧になり、明後日予定の演奏会場を評価してくださいました。
私たちは上越文化会館の演奏も楽しみに聴きに行きたいと思っています。
夕陽を浴びて酔い夢み満足するしだれ桜 テネシアン魂。
久し振りに丸一日の晴れでした。
本日大勢さんに混じって外国人のご家族が見えて英語のメモがノートに残されていました。
楽しまれた様子を喜んで拝見しました。
また知人が、テネシー州の邦人会社で管理職が長かったご夫婦をお連れしました。
現地で義理堅いテネシー人(テネシアン)に気に入られ、
「どうだ一緒にヤンキー(北部人)と戦わないか」と
本気のような冗談を言われた、と笑って仰いました。
ボニー・レイットとノラ・ジョーンズの「テネシーワルツ」
絢爛たるグラミー賞歴に輝く二人のカントリーソングはブルースの彩りで何も言うことがありません。
大御所のボニーは ノー・ニュークス、アムネスティ・インターナショナルなどの活動も熱心だ。
写真は夕刻間近に撮りました。
明日散るかもしれないシダレザクラは、何かもう夢の真っ最中という風でした。
夕陽に照らされ、花であることに酔い、ひたすら満足しているように見えました。
花というのは凄いですね。
良い日だったのですが本日ウグイスの声はしませんでした。
「○○をどうするか」から「○○をこうしたい」へ。
一昨日、当県の県議会議員選挙が終わりました。
多くの候補者さんたちはしばしば以下の様に言われました。
「○○をどう作っていくか」
「○○をどう生かしていくか」
「○○とどう向き合うか」
などなど、これらは課題を主におっしゃっているものと思われます。
しかし大抵市民は課題について分かっていますので本当は、
「○○をこう作りたい」
「○○はこう生かしたい」
「○○とはこう向き合いたい」
と具体的方法やビジョンを明確に述べて頂きたいのです。
課題を語るだけでは時間と税とチャンスの無駄使いを避けられません。
また、チェック、代弁、相談機能だけが議員さんのお仕事でしょうか。
アイディアを磨き提案し、議論や地域をリードされることも願ってやみません。
このようなことは上越市議会にも言えるかもしれないと思っています。
本日は火曜で休館日。昼休みに庭仕事をしていましたら、来館者さんがお二人見えました。
やはり冬期以外休館なしにする決定は良かったと思いました(5月1日からです)。
本日賑やかにして頂いた樹下美術館 北陸道大潟SIC-柿崎ICの春錦(はるにしき)。
20名以上で賑わい、30名以上で大入りの樹下美術館ですが、本日40人名様を越える入館がありました。
およそ4分の3の方達が展示をご覧になったそうです。
展示もカフェも小規模ですが、皆様のお陰と深く感謝いたしてます。
大潟SIC-柿崎ICの間、高速道路に沿った桜。
ゴルフ帰りの夕刻でしたが、花の色と濃淡に変化があり、春錦と呼びたいほどの美しさでした。
ゴルフは100の成績で3位賞をいただきました。
もう少し頑張ります。
5月から休館日無しの毎日開館・営業を致すことになりました ほか二つの宣伝です。
お陰様で樹下美術館は今年満8年を迎えています。
皆様のご好意で少しずつながらお客様が増えるようになりました。
ところで2007年の開館以来、毎週火曜日を休館日とさせて頂いていました。
●それを来る5月から休館日無しの毎日開館で営業を致すことになりました。
しばしばく火曜日に来館される方をお見かけすること。
さらに冬期にお掛けしている二ヶ月半余の休館のご迷惑を緩和したいとも考えました。
当分、火曜日は静かであろうと思われますが、どうかご利用ください。
●お陰様で佐々木忠先生のギター演奏会は沢山のお申し込みをいただきました。
4月19日の夕べが心待ちされます。
●皆様お忙しいことと存じますが、以下5月16日のレコードコンサートにも
お暇を見てどうぞご来場ください。昨年大好評をいただきました会です、お楽しみに。
ご予約は樹下美術館窓口で、あるいはお電話025-530-4155でお申し込みください。
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