堀川さんのテンセグリティが初めて芝生に現れた。

2018年7月6日(金曜日)

西日本各地が豪雨被害に遭っている。九州と京都の様子がク
ローズアップされ、いずれも春に旅行した所で切ない。
佐賀県は母の実家があり、佐世保は私が満州から引き揚げた
港でもある。

梅雨前線は私たちの所にまで掛かり、かつ日本海沖に低気圧
が発生したというので当地も油断がならない。

そんな日の昼、今月27日から始まる「堀川紀夫展 夏庭のテ
ンセグリティ」の出品者であるご本人が来館された。
館内に展示される中型といえばいいのか、これまでよりも大
きめの作品を持参され設置してみた。

 

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館内正面に飾られた作品。動きがあり堂々として華やか。
展示中の焼き物がモダンに見えテンセグリティは格調を現した。
作品独自の魅力と共に、思いもよらないコラボレーションも始
まろうとしている。

この度は庭の展示に向けて棒材(ストラット)としてアルミパ
イプが採用されていた。

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初めて芝生に設置してみたアルミパイプ4本の作品。アンカー
(支え)として一本の鉄芯が打たれ、一本のパイプが差し込ま
れ全体を支えている。他の3本は対応するヒモの強い張力によ
って中空にある。

 

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三本アルミの作品を設置する堀川さん。

本日の2点くらいでは庭はびくともしていない。最大3メート
ルになろうという作品も用意されているらしい。形状とともに
どんな色彩が施され、どこに設置されるのかとても楽しみだ。

お茶を飲みながらの話は何かと勉強になり、作者の熱中も伝わ
って楽しいひとときだった。

作品と場所を確認して番号を付け、写真を撮ったら一旦作品を
格納し、7月26日一斉に展示を始めます、どうか楽しみにお
待ち下さい。

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雨と百合の詩 裏手のベンチ。

2018年7月5日(木曜日)

台風から変わった低気圧と梅雨前線が影響し合い強い雨を
降らせている。
まだ数日降るようで上越地方はそのターゲットの一つになっ
ている様子。

庭や畑に良い雨のはずだが何日も続くとなると問題であろう。

この時期盛りとなる百合(とくに鉄砲百合)は雨にたたられ
ることが多く、そうなると本当に気の毒だ。
庭の百合はまだ若々しいので色変わりもせず雨中に香を振り
まき、けなげだ。

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本日の鉄砲百合。

たまたま昼食に詩の本を読んでいたら百合の詩があった。
「百合の花」の前部を略して末尾を取り出してみた。

花の秘密は知り難い。
けれど、百合をば見ていると、
わたしの心は涯(はて)もなく、
広がって行く、伸びてゆく。

我と、我が身を抱くように
世界の人をひしと抱き、
熱と、涙とまごごろの
中に一所に解け合って
生きたいような、清らかな
愛の心になって行く。

作者は与謝野晶子。“世界の人をひしと抱き、熱と涙とまご
ころの云々”。
百合からこんなに思いを広げる、昔人の何と清らかで大きな
心だろう。混濁萎縮している自分がとても恥ずかしい。

 

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雨にけぶる美術館のベンチと水田。雨ならばの良い風景。

大橋秀三さんの「大橋秀三建築展」。

2018年7月4日(水曜日)

昨日樹下美術館でお会いした建築家大橋秀三さん
建築展が以下のように催されます。

期日2018年7月15日(日)~22日(日)
場所:上越市オーレンプラザ
後援:日本建築家協会 新潟地域会

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ちらし表。建築中の家の立面図と平面図を3D風に描
いたイラスト(投影図)が冴えている。
期間中、氏がこれまで手がけた建築作品の模型、ドロ
ーイング、写真パネルなどが展示されます。

 

2
ちらし裏面。写真は上越市大潟区に建築中の家屋模型。
平屋の屋根を取ると中が俯瞰できる。
模型は氏の仕事で大変重要な過程。手作りで制作され、
家のイメージと作家の狙いや情熱が現れ、それ自身も立
派な作品のようです。

上掲にある案内文を以下のように別掲しました。
“建築家と家を建てる。それは特別なことではありま
せん。
予算を有効活用し、満足のいく家を建てる近道は「こ
の人にならまかせられる」という建築家との出会いで
す。
大橋秀三がこれまでの建築作品の模型、ドローイング、
写真パネルなどを展示します。
最終日には現在大潟区潟町に建設中の平屋の家をテ
ーマにセミナーを開催、現地見学会も希望の方にご案
内いたします”

チラシ裏面にある大橋秀三プロフィールを以下に拡
大しました。

4

安藤忠雄と吉村順三を敬愛する大橋氏の仕事は自然
や町と清々しく調和し、また真摯で情熱的な人柄は建
築家とは何かを伝えて魅力的です。

樹下美術館を建てるにあたり大橋氏に設計をお願いし
たのは何よりお人柄と芸術的センス、そしてそれが良く
現れた風貌からでした。
「人生と環境景観を大切にした建築」
「“作品”と共に生きる人生」
「人生までが作品になりそうな建物」
樹下美術館が年を経ながらそのようになっている事
にあらためて驚かされています。

地域に一つでも多く大橋作品が出現することを心から
願っています。

樹下美術館の生みの親、建築家大橋秀三氏。

2018年7月3日(火曜日)

台風が九州にあって猛威を振るい始めた本日、当地は薄曇
りで蒸し暑かった。
昼の美術館では庭に出る方が多く、ややあって当館の設計
と施工管理をされた大橋秀三さんが来館された。
近々、ご自分の建築物の模型や図面を展示する催し「大橋
秀三建築展 平屋のすすめ」のパンフレットを持参された。

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ひらめきと存在感の人、大橋氏はドローイングも大変上手い。

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カフェのノートに、椅子を描いてください、とお願いした。
すると、ボールペンを取って目前のセブンチェアに樹下美術
館を乗せた絵をさっと描いて下さった。

久し振りに氏とお話していると色々あった設計施工の一種ス
リリングだった日々が即座に蘇る。
まさかの樹下美術館がいつしか12年目に入り、設計者と現に
そのカフェで話をしている、、、考えて見れば夢のような時間
だった。

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展示を観てお茶を飲み、百合と桔梗が慎ましく咲く庭を散策さ
れるお客様たち。

大賑わいではないが、今日憩いの美術館に相応しい施設とし
てなんとか機能ているのも大橋氏の類い希な設計あればこそ
と、いくら感謝しても足りない。

大橋秀三建築展を後日パンフレットとともにご紹介したい。

特別なことが無くても水田、山、海、雲、まして虹や電車があればもう。

2018年7月2日(月曜日)

台風7号が発生し沖縄に近づいている。
当地が影響を受けるのはせいぜい3日夜半かららしいが、本
日夕刻、早くも慌てた雲がざわついているように見えた。

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18;27頃の南の空。これが胃腸の内視鏡なら小さくても質
の良くない粘膜ヒダの集中所見に似ているものがあった。今夕
の雲はおよそ灰色のような紫のような赤味をおびるような何と
も言えない怪しげな色をしていた。

 

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18:45頃、東の方角に虹が架かった。日没が近いのでとて
も高い。
虹が架かった場所は煙っているが夕立だったのだろう。居た場
所でもいっときパラパラと降った。虹の間に右の高架橋に電車
が来ると良いのだが。

 

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18:57頃、残念ながら虹は消え、怪しげな雲が手を繋いで
作ったトンネルへと電車が通った。

特別なことがなくても水田、山、海、雲、まして虹や電車があ
ればもう十分という日が時にはある。

さてこのたび世界文化遺産に島原・長崎市が潜伏キリシタン関
連の地として世界文化遺産に登録された。
この春、妻ともにまことに珍しく旅行をし、訪ねた先が同地で、
思い出深く、遠くからこの度の登録を祝福させてもらった。
満員だった懐かしい島原鉄道はさらに賑わうことだろう。

それにしてもまだ19才の女子ゴルフ選手、畑岡奈沙は素晴ら
しい。
16年日本オープンをアマチュアで,17年はプロで2連覇する。
17年から米国を主戦場とし、先日米国でのウォルマートNWアー
カンソー選手権で優勝するや、このたび全米女子プロゴルフ選手
権のメジャーでプレイオフの末2位に入り、世界ランクを12位
にまで上げた。

夏雲の日、最後に現れた巨大な王冠?

2018年6月30日(土曜日)

今日で好きな6月が終わる。
6月の晴れ間に相応しく雲が活発だった一日。昼過ぎ、西風
に乗って様々に変化をしながら移動する積乱雲を水田から眺
めることが出来た。
夕刻まで髙田で二つの用を済ませ、再び水田に戻り電車を
撮ると、その帰路に素晴らしい雲と出会った。

 

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12;40頃の四ツ屋浜。

 

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夏雲を背景にほくほく線の電車を撮るべく田んぼへ。南の方角
に積乱雲がずらりと並んでいる。

 

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13:26頃、上り電車が大きな雲に向かって通過した。

 

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13:33頃,先ほどの雲が東へ移動して尾神岳の上にやっ
て来る。

 

1337’
雲の中ほどからモクモクと子あるいは核のような雲の塊が次
々と現れる。

 

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13;38頃,子の雲は前に出ていた雲を抜き、高く発達して
いく。

 

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13;39頃、更に右脇から現れた子(雲核といえばいいの
か)の雲が力強く発達してくる。

 

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13:50頃、その雲の頂に笠雲風のベールが掛かった。

ここで時間が来たため美術館へと向かった。

 

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すると西の方角に低い扇状の雲が現れている。こちらへ来れば
雨が予想され、美術館へ着くと遠雷が聞こえた。

 

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14;08頃、美術館から見た東方の積乱雲。矢印のように大
気の流れが雲を乗り越えているのが見える。
乗り越えていると言えるが、雲が抑えられていると言えるかも
しれない。

美術館で昼食とお茶をして上越市髙田は上越教育大学前の美術
店・深見美術へ行く。
途中夕立なのか激しい雨が始まり、先ほどの低い黒雲(積乱雲
の底?)に入ったと思われた。
深見さんでは修理をお願いしていた扁額を受け取り、美味しい
冷茶を頂き少々の世間話をし、陶齋の絵皿を見た。絵皿は大変
に良いものだったが、約定されていた。陶齋にはまだまだ出合っ
ていない良い品があることをあらためて知り、明日の希望とした。

お店の後、近くの新潟トヨペットへ。新車の一ヶ月点検を受けた。
14年間世話になったプログレと別れた後、4駆のプレミオに替
えていた。
3ナンバーから5ナンバーに、少し小さくなった車。色々と新し
いシステムが加わて戸惑ったものの一ヶ月を迎えて少しずつ
馴れてきた。
ディーラーさんの担当は良い人で親切、迅速。点検もスムースに
終了した。

 

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16:34頃、ディーラーさんのショールームで。激しい雨が上
がり、陽が射してくる。

雨降りの中、急いでおいとましたため深見美術に忘れ物をして
いた。取りに戻り再びお茶を頂いた。

 

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雨上がりの上越教育大学前の道。

 

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帰路の水田で尾神岳の左方にかすかな虹。

 

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18:02頃、尾神岳の西に大きな積乱雲。扇状に広がるカナ
トコ雲の形状になっている。

最初のほくほく線の場所へ戻る。

 

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18:19頃、下り電車。

 

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愛車と西方の雲。

 

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18;40頃の帰路の寄り道。南の方角に真っ白な王冠のよう
な、巨大な高坏か円卓を思わせる、いや形容し難い激しさと
一種神秘的な姿の積乱雲が現れていた。高さは1万メートル
に達していよう。

上掲18:02頃に見た雲の究極の形であろうか。
愛する6月の最後の日に異常なほど迫力ある雲を初めて見て、
一種自然への畏敬と感謝を禁じ得なかった。

色々なことがあるが、出来れば一日でも元気で長生きをすれば、
雲と言わず貴重な人や生物や、その出来事、現象に出会えるこ
とを知された一日だった。

突然の猛暑 本日のトンボとセキレイのヒナ。

2018年6月30日(土曜日)

昨日は雨上がりの一日で雲が水蒸気をたっぷり含み、空は
賑やかだった。
上空に風が強かったのだろう、西の方角にはレンズ雲が消
長していた。

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昨夕、西の方角は妙高連峰の空。賑やかな雲の中で、レンズ
雲が現れては消えた。

そして本日午前は猛烈な熱さ。髙田で35,5℃を記録。患者
さんたちは顔をしかめて参った、参った、と仰った。
昨日から、脱水症、熱中症の方達が見え、点滴がはじまった。
お年寄りや脳疾患の方達は水が足りていないにも拘わらず渇
きを感じない傾向があり、容易に脱水や熱中症になりやすい。
室内にいてもわずかの気温上昇の影響を受ける場合があり
食欲が途絶し、頭痛、倦怠に移行する。

午後在宅訪問の頃から気温が下がり、クーラーを点けっぱなし
で薄着の方では、スイッチを止め、掛け物の調整が必要だった。

しかし降り続いた雨で庭は大助かり。
昨日のトンボたちはめいめい好きな場所で休憩をしていた。

 

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真っ赤になった紅アジサイのアキアカネ。

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テッポウユリの蕾に。

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盛夏に咲くミソハギにもいた。

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↑昨日親鳥と居たハクセキレイのヒナ(あるいは若鳥)が本日
カエデで一人じっと親を待っていた。

間もなく当地も梅雨開けとなり、晴天が続く模様。

 

 

雨上がりの本日美術館で見たアマガエル、アキアカネ、ハクセキレイのヒナ鳥。

2018年6月28日(木曜日)

昨夜から朝方まで久し振りにしっかりした雨が降った。
何日も降らず乾きがちな庭が潤い、ほっとする。

潤いに促されたようにアマガエルとアキアカネが庭に現
れた。

1

 

2
本日芝生を歩くとあちらこちらでアマガエルが跳ねたり動
いたりした。どういう訳かみな細い。
なぜ本日沢山出て来たのか、なぜ痩せているのか全く分か
らない。

 

3
カフェから見えたハクセキレイの親子。向こう側がヒナ鳥。

 

4
給餌を待っているヒナ。

 

5
数羽のアキアカネを見た。今年初めてだが、アキアカネが現
れる時期と彼らが大好きなトクサが伸びる時期がおよそ同じ
なのも面白い。

 

6
こちらは翅の両端が黒いのでノシトンボなのだろう。
トンボたちはまだ幼弱で黄色い色をしている。暑くなると涼しい山
へ移動し秋に赤くなって再び里へ戻るという。

秋、山から帰ったトンボがトクサに沢山止まり心なごむ眺めになる。

本日陶芸ホールに堀川紀夫氏のテンセグリティ作品を架けた。

2018年6月27日(水曜日)

日中、曇天ながらゆらゆらと南気の風が吹き暑かった日。
庭や芝生は心から雨を待っているが殆ど降らなかった。

さて7月26日から開催の「夏庭のテンセグリティ  堀川
紀夫展」が待っている。
「夏庭のテンセグリティ 堀川紀夫展」告知その1
「夏庭のテンセグリティ 堀川紀夫展」告知その2

庭の展示をメインに予定されているが、釘が仕込まれてい
る陶芸ホールにも掛けることになっている。本日作家ご本
人が調子をみるべく室内向けの小型の作品を持参された。

 

1
常設のる齋藤三郎の陶芸作品の間にテンセグリティの小品が
並ぶ。

 

2
いつもひっそりしている室内にわずかなざわめきが生まれてい
る。陶芸作品が少し毛色の変わった作品と出会って、何かそわ
そわしながら喜んでいる風に見える。

 

4
面を見せる陶芸作品に対してテンセグリティは構造と内部空間
を見せる。陶齋の絵付けの妙に対して動きの対比も面白い。

 

5
美術家らしい風貌の堀川さん。大きな体で小さなテンセグリ
ティを掛けている(屋外では地面に設置します)。

 

3
廊下部分にもしつらえた。
白い壁面に浮かび魅力的です。

期間中ホールの作品はそのまま展示を続けるので、室内の堀
川作品は自ずとそれらとのコラボレーションになる。
その点、前回の塩﨑貞夫展と同じであるが、絵画ではなく今度
は立体。
伝統工芸と現代美術。少々風変わりな催事であるが、どう評価
されるかいささか心配しつつ、小規模な美術館ならではの冒険
を楽しみたい。
本日展示されたテンセグリティは既存展示との調和が意識され、
色彩と材質は穏やかなものが多く選ばれていた。
本番に向けて照明の工夫によってより冴えた展示が期待出来楽
そうであり楽しみだ。

 

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どうか皆様にも是非ご覧になって頂きたいと思っています。

一昨日は頸城区の玄僧を抜け、吉川区の朔日峠(ついたちとうげ)を越え、浦川原区の顕聖寺で火頭窓を見て二十三夜塔と出合った。

2018年6月25日(月曜日)

かって石垣、とくにボタモチ石を興味深く見ていた時期が
あった。
ボタモチ石は終わったが、時として私にはマイブームとい
うような事が起きる。

茶花、クリスマスローズ、芝生、ガクアジサイ、ユリ、モミ
ジなど植物、あるいは焼き物や絵画や本そして雲などもあっ
た。
それぞれは数年で終わったものから何十年と続いているもの
まで色々だ。

ところで最も新しいのは火頭窓で、始まったばかりというと
ころ。
過日上越市黒井の大慈院と寺町の久晶寺で見た事を書い
その後ネットで近隣を検索すると浦川原の顕聖寺で見られる
ことが分かった。
室町時代からの名刹だという。
一昨日土曜日の夕刻、思い立って出かけてみた。

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ニラ、ニンニクの臭気と酒気をおびて入山してはいけない、と書
かれている。寺は高台にあり石段を上る。

 

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親切なことに所々平らな石版が敷いてある。その左側を小さな
流れが涼しい音を立てて下っている。

 

1
石段右側の一角に真っ白なユキノシタが咲いていた。

 

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現れた大きな本堂の正面にくっきり火頭窓。

 

5
左にお堂がある。

 

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そこにも火頭窓。

 

 

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禅宗様式を取り入れたという 手入れの良い庭。龍神伝説が伝
わる竜神清水と呼ばれる池と流れがすがすがしい。樹齢数百年
の立派な杉も見た。
建物には興味をそそられる文字や装飾が見られ、知る人の話を
聞いてみたいと思った。

 

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帰り道、寺を下って出合った石塔。
「廿三夜(にじゅうさんや)」と読んで調べてみた。
すると塔は二十三夜月の夕から一晩、主に女性たちが集い(講
あるいは社中として)、経を読み飲食をともにして語り過ごす
「月待ち」行事を行った記念碑だとあった。

古くは室町時代から一部で行われ、江戸時代の中後期で最も盛
んだったという。
月に関係する集まりはほかに十三夜、十五夜、十九夜などがあ
った模様だが、二十三夜は全国あまねく行われ、特に1,3,5,
11月が選ばれている。

二十三夜は下弦の月であり、それは智恵を授けることで邪を払
い幸せをもたらす勢至菩薩(せいしぼさつ)の化身として人々に
親愛され、行事は教えに従い恩恵に浴する特別な晩だったらしい。

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Wikipediaより勢至菩薩(ケルン市東洋美術館蔵)。

夜半に出て明け方まで西の夜空で煌々と輝く半月は、仏として
女性を惹きつけ心酔させる力を有していたのか。
世間と月と信仰。特に江戸時代の庶民の寄る辺なさと心映えを
思わずには居られない。

盛んだった月待ちも、明治期の急な文明開化の中で迷信とされ、
また旧歴から新暦に変わったことなどから行われなくなったよう
だ。

振り返れば去る午後遅く、玄僧という頸城区の不思議な地名の
村落を抜け、新月を意味する峠である朔日(ついたち)峠を越え
て浦川原に出、火頭窓を見ながら顕聖寺境内を巡り、「二十三
夜の月待ちの塔」と出合って帰ったほんの1時間半。
そういえば寺のずーと向こう側、川を挟んだ遠い所に月影という
村落もあったなと、思った。

偶々その日は新暦ながら6月23日だった。

今夕九戸浜に消長した雲。

2018年6月24日(日曜日)

夕食御の大潟区九戸浜で、綾のように出ていたスジ雲が
赤く染まって消長した。

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東は米山方面に見えていた軽やかなすじ雲が遠ざかる。

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西の海の方角から帯状の雲がやって来る。

 

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一瞬萌えるように染まって通り過ぎて行く。

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続いてほとばしるような雲がやって来て日が暮れた。
最初の写真から10数分、ほかに一人の男性と一人の女
性がカメラを向けていた。

明日は浦川原は顕聖寺の火頭窓などを書いてみます。

幸せのための学校保健委員会 芝生の施肥 夏至の夕雲。

2018年6月21日(木曜日)

本日午後休診の木曜日、こんな書き出しで何十回、いや
それよりはるかに多く同じ書き出しをし、工夫の無さに
呆れる。
木曜は週半ばを過ぎた日で午前だけの仕事、年と共に余
計ほっと息をつくようになった。

そんな午後、大潟町小学校で学校保健委員会があった。各
学年から2名ずつのPTA学年委員、地域行政の保健師、栄
養士、学校から体育主任、栄養教諭、養護教諭、校長の21
人が参加して行われた。

何十年も参加してはいるが、毎回新鮮で有意義、そして緊
張を禁じ得ない。
このたびは睡眠がテーマだった。

近年インターネットの検索によって保健医療も幅広く調べる
ことが出来,保護者さんの意識も高い。
二学年つづに別れてグループの話し合いが行われた。
5,6年生のグループに参加したが、このグループは兄弟が
居ることが少なくなく、親兄弟で就寝時間を調整する難しさ
を語る人がいて、なるほどと考えさせられた。
私は5人兄弟だったが、およそ年令順だったと思う。ただ遊
び疲れて8時には寝ていたかもしれない、とふと思った。
疲れや週末との関係は大人も共通のなるほどだった。

普段お年寄りの問題に多く関わるようになっているため、
参加者の真剣な話をあらてめて興味深く聴いた。
保健師、栄養士からはメラトニン、セロトニンなど睡眠覚醒
に関わる脳内ホルモンの話題が出た。
こうなれば私など出る幕もないが、成長ホルモンと二つの自
律神経を例に、睡眠はその日の心身の修復を行い、一方明日
に備えて消化吸収と栄養の調整、心身の発達などが行われる
対切な時間、と追加させて頂いた。
大切の意味として“健康のため”だけではなく“しあわせのため”
と言い換えても良いのではないか、と話した。

会議終了後美術館に向かった。
地域活動に熱心な名立区のAさんが16名の美術愛好者を引率
して来館されていた。
すでに鑑賞を終えてお茶の時間だった。しばらくご一緒したが、
参加者さんから「欲しい絵があるが、売ることはしないのです
か」と尋ねられた。
当館では出来ないが、とても嬉しい話です、と答えさせてもら
った。

その作品は以下の倉石隆のデッサン「(座る女性)」だった。

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今年のテーマ「瞑目する人」の中に架かっている。重めの作品
が多い中で軽やかに感じられる一枚。わずかに瞑目した表情、
肩や胸の魅力、黒髪の強いアクセント、掛け物の軽やかな模
様、そして横長の形式など、とても良い。
油彩で仕上げられているものがあれば是非見てみたい作品。

美術館の後ホームセンターで芝の肥料とガーデニング用土を買い、
芝生に施肥をした。
連日時間があれば行っていて、本日は30㎏を撒き撒水した。

さて先月、十分に肥料を加えて柿の苗を植えた
本日よく見ると周囲の芝が一段と色濃く成長していることが分
かり、あらためて芝に対する肥料効果を知らされた。

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調べた所、芝生の施肥回数と一回量が少ない事が分かり、張
り合いが一つ増えた。

 

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今夕の大らかな夕雲、本日は夏至だった。
庭づくり(維持?)はいくら時間があっても足りず、また飽
きることがない。

アジサイの季節 名を忘れられても品格 静かな花の交替。

2018年6月19日(火曜日)

梅雨になっているが晴れ間が多く、しとしとと降り続く空に
はなっていない。

そんな日頃の庭で我が世とばかりアジサイが咲いている。
樹下美術館のアジサイは何とはなしにガクアジサイばかり
になってしまった。
強いて言えば可憐さと枯れた時の軽い感じから自然とその
ようになった。

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紅(くれない)。小さなものも含めて5株ほど咲いている。

 

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ダルマバノリウツギ。美術館をはじめる前から頑張っているが
年取ってきたので数年前から小さな苗を3株足した。名にウツ
ギが付いているがアジサイ科アジサイ属。

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名前があったはずだが、忘れてしまった。無名も格の内と言い
訳をさせてもらっている。

 

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カシワバアジサイ。親株は20年以上前からあり、この株は
6、7年前にひこばえを抜いて移植した。よく育ち親を越えつ
つある。

 

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小型で美しい青のアジサイ。これも名前があったはずだが
忘れてしまった。名は無くとも他に替え難い可憐さと品格を
有している。

先日まで華やかに主役を務めたキョウガノコ、アスチルベ、
ミヤコワスレなどはいつしかひっそりと退きつつある。
黙ってはいるが“来年もよろしくね”と言っているかもしれな
い。

久晶寺にもあった立派な火頭窓(かとうまど)。

2018年6月18日(月曜日)

去る6月12日の当ブログ(ノート)に火頭窓のある寺院
出合ったことを書いた。
後で上越市日ノ出町の曹洞宗の寺大慈院と知った。
曲線が用いられ炎のイメージがある火頭窓は明るく爽やか
で目を引く。

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過日掲載した大慈院の火頭窓。
不思議な事に頭がもやもやしていたが火頭窓を目にしたら
すーっとしてきた。

そこで昨日妙高市への用事のあと、上越市寺町通りへ入り、
短時間であるが、火頭窓のお寺を探してみた。
曹洞宗なのであるかも知れない、と期待した寺町二丁目の
久晶寺はドキドキしながら山門をくぐった。

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右手に齋藤三郎(陶齋)の記念詩文碑を見ながら進む。

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ありました。玄関両脇の火頭窓は期待以上に立派。
かって訪ねたはずなのに窓は気づいていなかった。
寺を現す卍も堂々としていて窓とバランスが取れている。

久晶寺は陶芸家齋藤三郎(陶齋)が中国から復員後、身を寄
せた所。兄泰全が同寺の住職だった。
陶齋はここを根拠に活動を始め、昭和23年隣接地に登り窯を
築き本格的な活動をはじめた。
陶齋亡き後、境内に友人、ファンによって詩文碑「此の男」が
建立されている。

火頭窓は上越市内および近隣でまだまだ沢山出合えそうだ。
何処にどんな窓があるのだろう、今後楽しみにしたい。

ツバメの集団飛行 赤い足環のスズメ アザミ。

2018年6月17日(日曜日)

昨日土曜日午後、柿崎海岸を歩いた。
翌日にキス釣り大会があるというので大勢の釣り人が竿を
振るって練習?をしていた。

その帰路、海岸ぞいに松苗が植林されている場所があり、
そこで沢山のツバメが飛翔しているのを見た。

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かって多くのツバメが集まり飛翔するのを水田で見た。その
時は田んぼに発生した稲虫を補食し、ひな鳥に給餌も行って
いた。

しかるにこの度は給餌動作が見られず、何かを捕食している
様子もなく、大勢でただ飛んでいるだけに見えた。

また集団は100メートルほどの距離で二つあるように思われた。
一つは20羽ほど、他は4,50羽、接点ではその境界が重な
っているように見えた。
スズメと同じくヒナが若鳥へ成長すると次第に大きな群を作り
秋の渡りに備えるという。本日の群はその初まりの段階におけ
る集団行動と長距離飛翔のトレーニングなのか。
今のところ親鳥たちは巣で最後の産卵、子育てに専念している
ことが考えられる。
長命とは言い難い鳥たちの日常は本当に忙しい。

ツバメと別れた後その先の海岸植物にスズメがやってきた。
画像を大きくしてみると左足首に赤い足環が見えた。
残念ながら右足が良く見えなかったが、どこかで捕らえられ
標識された個体かもしれない。

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長時間の飛翔と空中生活を得意とするスマートなツバメに対し、
スズメは地上や草木で地味に?生活する。
近距離で暮らす同じ鳥でも随分と行動が異なる。

 

IMG_2721
海岸からの帰路、高速道路の側道のアザミ。
この花には一定の日陰と湿り気が必要なようで、一帯ではおよ
そそのような場所でひっそり群れて咲いている。

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