2015年の開館に向けて。
本日午後、来る15日の開館を前に予定作品の取り出しと庭仕事がありました。
寒くはないが暖かくもなかった曇り空、5名の女性達が出てはかどりました。
また、くびき野NPOサポートセンターからお二人が来られ、今年の予定などのインタビューがありました。
3年前のことを覚えておられ、「あの時も図録を出すので機関誌への投稿はできない、とおっしゃいましたね」と非常に鋭い突っ込みを頂戴しました。
本当に今年こそなので、どうかどうかお許しください。
いつもくびき野NPOサポートセンターさんの熱意には心動かされるのです。
「いまあるものをいっそう磨く」
「お客様には、お迎え以上に丁寧な見送りを」
の目標と意味などをお話してみた次第です。
さて今年の展示です。
齋藤三郎(陶芸)は「鉄絵と色絵」、倉石隆(絵画)は「倉石隆の男性」です。
陶芸はこれまでの作品に幾つかの新たなものを交えて「鉄絵と色絵」を半々ずつ展示致します。
20作品で44ピース(食器などは一作品で5,6点のピースがありますため)展示です。
「落ち着きVS華やぎ」、「渋さVS明るさ」の対比や用途などを思い巡らせながら、どうぞお楽しみください。
絵画はこれまでの作品の中から男性を描いたものを7点架けます。
倉石氏の男性は子供と老人以外は、大抵もじもじしたり、押し黙ったり、滑稽だったりしています。
「美しさより本物」を意識し、「自画自賛を嫌った」倉石氏ならではの骨頂とダンディズムではないでしょうか。
4月末にに倉石氏の縁者さんが「油彩 男の像」を運んで来られ、5月から展示の予定です。
カリカチュア風(漫画的)なとても面白い作品です、どうぞそちらもご期待下さい。
国営越後丘陵公園のクリスマスローズフェスタ シナトラの「コートにすみれを」。
カレンダーの春一日目の今日、3月1日はそぼ降る雨の日曜日。
長岡市の国営越後丘陵公園のクリスマスローズフェスタへ行って見た。
初めて行った同公園と一帯の長岡ニュータウンの開発規模の大きさに目を見張らされた。
雪は場所によって異なるがやや奥まったところにはまだゆうに50~60㎝の積雪がある。。
会場にはクリスマスローズを使ったアレンジメントや押し花、分類された展示や育て方 そして即売のコーナーがあった。
鉢植えもいいが、地植えの雪中で花芽を伸ばし雪消え後早々に開花するクリスマスローズは早春の貴重な花だ。
本日の会場の賑わいを見ると人気の高さがわかる。
クリスマスローズを庭に植えて20年、ようやくどんな風に育てればいいか多少分かってきた。
ほかの様々な事で最近になって「ああなるほど」、「ああそうだったのか」と思うことが少なくない。
さて話は変わり、以下の「Violets For Your Furs(コートにすみれを)」は1940から42年当時のトミー・ドーシー楽団で歌う若きフランクシナトラです。
シナトラの歌声は甘く滑らかで、トミー・ドーシーのトロンボーンも歌声のようです。
マンハッタンの冬の日、あなたのコートにつけるスミレを買った。
その時、雪降る街が手品のように春に変わった。
貴方は微笑み私たちは恋に落ちた。
(以上あちこちをかいつまんだ意訳です。すみれがもたらした春、素敵です)
ほくほく線のはくたかが春めく頸城野の最後の2月を行く。
晴れの予報だったのか、やや寒かったが好天に恵まれた。
2月はほくほく線特急「はくたか」なみのスピードで過ぎ去ろうとしている。
その「はくたか」も来る3月13日をもってお別れ。
ここ頸城平野を颯爽と疾走していた特急が姿を消すなど、いまでも信じられない。
本日夕刻、名残惜しむように思い思いの場所ではくたかを撮る人たちが見られた。
はくたか21号(直江津発17:01)が下る(犀潟-くびき駅の高架線)。
本日のように晴れていれば、直江津着17時29分はくたか18号も撮れる。
〝 春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ 〟
日が長くなっている。
コザックの子守歌 痛ましい中学生。
北方に複数の低気圧があって予報通りの荒模様。
またしばらく不安定な日が続くようだ。
低い雲垂れ込めた本日の在宅、往診でふとロシア民謡が浮かんだ。
自分の学生時代の父のレコードにダークダックスのロシア民謡があってよく聴いた。
以前に書かせて頂いた「道」や本日の「コザックの子守歌」は印象深い。
ダークダックスの「コザックの子守歌」
Youtubeにロシアで歌われてうるであろう子守歌があった。
ダークダックスのものとは随分違うが、こちらの方がすやすやと眠れそうだ。
ロシア語の子守歌.
胸痛むことが多く、川崎の中学生の事も非常に痛ましい。
無念な生徒に遠くからだがせめて子守歌を聞かせてやりたい。
その昔私が小学生になると妹が生まれた。
5人目の子供で、忙しい合間に母は「からすの赤ちゃん」を歌って聞かせていた。
今の時代、お母さん達はどんな歌を聴かせるのだろうか。
2月の庭仕事 冬眠中のカエルを掘った。
本日午後は休診の日、日中は10℃をやや上回って温かかった。
トサミズキとウノハナを植え足して、苔を削った。
苔を取っていたところカエルが出てきた。
青くて丸くてポニャポニャしたものが見えた時は何?と思った。
つぶらな瞳が可愛いカエル、彼にはまだまだ冬の真っ最中なんだ。
樹下美術館で見られるのはおよそニホンアマガエル。
それより体が一回り大きく、全体が青一色だった。
するとモリアオガエルかシュレーゲルアオガエルらしい。
思ったよりも浅い土中で冬眠している。
ほとんど動かず、写真を撮って土をかけた。
今にも降り出しそうな空の下で2時間半、お腹の空いたこと。
本日のミーティング 〝今あるものにいっそう磨きをかける〟
間もなく3月15日、本年の開館が近づいてきました。
そこで今日午後スタッフと昼食を一緒にして後ミーティングを行いました。
B5の紙一枚に簡単な心構えを書いて説明させて頂きました。
〝今あるものにいっそう磨きをかける〟
単純ですが私たちにはこれ以上の目標はないと思いました。
それはまた私自身に向けた心構えでもあろうと認識されます。
展示も説明力も、お掃除もサービスや庭も、今あるものをさらに磨く。
このシンプルな考えは先日まで脳裏に浮かびませんでした。
それが言葉になって一番嬉しかったのは私自身で、
この事を軸に営めばいいんだ、とある種すっきりした感じがするのです。
それもこれも年を取った恩恵であろう、とふと思う昨日今日です。
人が名刺を作り 雀は水浴びを始める。
昼休みに名刺のプリント用紙を買いに行った。
もう少々すっきりした名刺を作りたいところだが、工夫をしてみよう。
本日午後、農道で水浴びをする雀たち。
周囲の木立にも沢山居てかなり大きな群だった。
多くの雀たちは冬に命を落とすと言われるが、元気で賑やかな姿を見ると嬉しい。
人が名刺を作り、雀は水浴びを始める。人にも鳥にも春が来ているという事なのですね。
新幹線時代の上越を思案する。
新幹線の開業が目前に迫り、ますます金沢、富山の充実ぶりを知らされる。
出遅れの否めない上越妙高ですが、日頃思っていたことをつれづれなるまま少々綴ってみました。
まず上越の観光エッセンスを以下に絞ってみました。
桜、蓮、妙高山、謙信、飲み屋街。
①桜:景観、スケール感とも申し分ない。但し、
●交通の利便性をさらにダイナミックかつこまやかに構築しないと大変なことになる。
●露天は高田花見の特長の一つだったが、新幹線時代を迎えてあらためてあり方を検討してみる。
②蓮:景観、スケールとも申し分ない。但し、
●毎年美しい満開をむら無く迎えるために生育環境の管理研究に一層力を入れる。
●五六八姫の行列などフォトジェニックな催事を一層充実させ、撮影された写真を介して二次的な宣伝効果を高める。
③謙信・春日山城:視覚的インパクトに欠けるが、通年性はある。
●春日山の平場に武家屋敷通りを構築(足軽長屋程度では弱い)。
●背に腹は替えられないとして正面を避けて春日山ロープウエイを設置する。
などあろうが、今々間に合うものでもないし議論も多いだろう。
当面林泉寺と春日山神社の充実と交通の利便化で精一杯か。
④妙高山:景観とスケールは申し分ない。
●課題は宿泊施設の充足、中央の資本にも入ってほしい所だ。
●全体に景観が繁り過ぎている。国立公園の規制もあろうが、各所に手入れが必要な気がする。
⑤飲食店街;五智は海沿いの高台に住宅に影響しない範囲で、潮風通い漁り火が見えるレトロな飲食店街。
●日本海に最も近い飲食店街と名打つ。
●バス・タクシーの往き来で交通利便を図る。
オプション
⑤齋藤真一画伯の瞽女絵画を展示するレトロで重厚な施設設置。
●施設一帯を典型的な高田町屋街として一服とみやげ物販売の場所とする。
●同じ文化として長岡瞽女をも入れて質量ともスケールアップするのは方法かもしれない。
●絵画をさらに収集し充実させる(どちらかというと絵画メインに)。
※コシヒカリの本当のおいしさを知っている人は全国にまだ少ない、魚、野菜、酒とともにしっかり味わって貰う。
※いずれにしても手間とお金が掛かることは必定。
※いずれにしてももっと真剣に考えることが必要。
※全てに於いて上から目線は絶対に避ける。
※人を呼ぶことも大切ですが、新たな「日本の交通要地]となった今日、全国各地へ出て見て楽しむチャンスも訪れました。このことは今後の街づくりに必ずや生きて反映されるにちがいありません。
以上思いつきばかりを連ねて恐縮を禁じ得ません。ただ下手をすると上越は現状維持どころか埋没が心配なのです。時間はかかるにちがいありませんが、慌てずに目標を決めて着実に巻き返しを図るのが良いのではないでしょうか。
筆者は樹下美術館の維持充足に専念し及ばずながらわずかでも上越の文化に寄与できればと考えている所です。
暑いほどだった日中の庭仕事。
本日、日中は気持ち良く晴れた。
妻は植え残していた百合とチューリップを植えた。
私は先日高田で求めたクリスマスローズ-と雪割草を植え付けた。
後はもっぱら花のエリアに進出している苔をはがした。
よくわからないが、たぶん花に苔は良くないだろうと考えている。
4時ころ、残り物をおやつにお茶を飲んだ。
暑くて喉が渇いていたのでとても美味しかった。
腰掛けた枯れ芝の気持ち良かったこと。
夕食後、疲れて起きていられなくなり早く寝た。
ブログは夜中に一度目ざめて書きましたが,雨が降り出していました。
ぶり返しているインフルエンザ 週末のパブロ・カザルスと山下洋輔 ビストロ サブリーユ。
過日の寒波が過ぎて案の定インフルエンザが再び猛威を振るっている(園児から高齢者まで)。
本日の土曜日、午前だけの診療ながら高齢者のインフルエンザで二件の往診があった。
高齢者の感染は重症感があり、治療をはじめていても回復、悪化の見極めに神経を使う。
どちらにも劇的な側面があるためである。
今日の尾神岳。
この山を見るとしばしば馬に乗ったアラン・ラッドが浮かぶ。
さて午後から約束のお宅に伺い、レコードとお茶のごちそうになった。
真空管を通ったモーツアルト、バッハ、山下洋輔の音からは、じかに訴え問うような迫力が伝わる。
お宅にあった可愛い針金細工のパブロ・カニャルス。
カザルスのSONG OF THE BIRDSは深い悲しみと故郷への愛情が伝わる。
真空管で聞いたレジェンド的?レコード「DANCING 古事記(山下洋輔トリオ)」。
それから新装開店なったビストロ サブリーユで夕食をとった。
もう年なのでメインは肉か魚のどちらかになる。
大抵妻が肉、私は魚で、トレンド通りになっている。
(現在プレオープン中、お電話でご予約なさってください)
飲み物の一コマ、マッカランとチンザノ・ロッソ。
弱い私は懐かしいチンザノ・ロッソ。
ほくほく線はくたかが窓を横切った(ほぼ正面の小さな点状の横線がそうです)。
励ましを受けている方達たちと6人で食べたが、これも長生きの恩恵なのかなと思った。
3月15日開館に向けて仕度を急がなければ。
そして14日には北陸新幹線「上越妙高駅」ホームで「夏は来ぬ」を聞き、新幹線特急「はくたか」を見たい。
會津八一の歌集「南京新唱(なんきょうしんしょう)」 富本憲吉の挿絵に驚く。
去る2月15日訪ねたお宅で「堀口大學 遠き恋の調査」の録画を鑑賞させた頂きました。
熱心な會津八一ファンであるご主人は、八一の歌集「南京新唱(なんきょうしんしょう)」を見せてくださいました。
新潟県が生んだ歌人で美術史家にして書家の希有な人、會津八一(あいづやいち)は早稲田大学卒業後に上越市板倉区の現有恒高校で英語の教鞭を執りました。
在職中から足繁く奈良を訪れ仏教美術の探究に入ると、それまでの俳句を止め短歌に転向しました。
後に上京し早稲田大学教授へとなりますが、奈良大和の研究と歌詠みは続けらました。
大正13年(1924年)最初の歌集、渾身の「南京新唱」を刊行。
奈良は京都からみて南の都ですから南京(なんきょう)と呼称されています。
小型で携行に便利な印象の「南京新唱」。右はブックケース。
表紙は絵とも八一自身の手による。
ページをめくるうちに、手がとまりました。
丸い窓絵の農家の挿絵があり、明らかに富本憲吉の筆です。
まさか八一と富本が、、、、不勉強な自分には思ってもみなかったことで、驚きました。
絵は富本が得ていた安堵村の風景紋様に類するものでした。
さらに調べますと、以下のような当時の富本の仕事ぶりを詠んだ八一の歌があることも分かりました。
いかるが の わさだ の くろ に かりほ して
はに ねらす らむ ながき ながよ を
(歌集「鹿鳴集」に収載)
歌意:斑鳩の早稲の田んぼのほとりに仮の庵をつくり、陶土を捏(こ)ねているのだろう、秋の夜長に。
奈良県は生家の安堵村(あんどむら)に窯を築いていた富本を大正10年頃に八一が訪ねていたのです。
こともあろうに、後にこの二人と我が樹下美術館の陶芸家齋藤三郎は別々に出会うことになります。
昭和10年、三郎はすでに確固たる地位を築いていた富本の許に入門しました。
昭和26年、會津八一は高田の三郎の窯を一年に三度も訪ね、書き入れ陶器の制作を行い東京で作品展まで行います。
気むずかしい會津八一が戦後陶齋を訪ねたのは優れた力量を見込んだ上でのことでしょう。
加えるにやはり富本憲吉の門弟だった経歴の評価も大いに関係していたのでは、と思い巡らせた次第です。
富本ゆずりの「竹林月夜」風の民家紋様が描かれた齋藤三郎の染め付け香盒(樹下美術館収蔵)。
齋藤三郎宅で草花の鉢を見る會津八一(昭和26年ころ 写真提供:二代陶齋・斉藤尚明氏)。
優れた巨人たちの出会いの詳細は分かりませんが、驚くのは私だけで、それは天の導きであり、静かで美しいものだったと思いたいのです。
お年玉はがきの賞品が来て。
昨日に続いて食べ物です。
去る1月19日にお書きしましたように私たちにお年玉はがきの2等賞が3枚当選していました。
賞品はカタログから選ぶようになっていて、先日その「ふるさと小包」が次々に届きました。
向こうにエキストラバージンオリーブオイル、右・稲庭うどん、手前・横須賀海軍カレー。
本日夕食にいただいたカレー。
肉や野菜などの具がしっかり入り飽きの来ないオーソドックスな味でした。
1万本に3本の確率でしたが、頂戴したおよそ400枚の葉書から1本が当たり、
2本は年末の義母の逝去によって使われなかった葉書およそ400枚から当選したのです。
珍しいことが起こり、看取らせてもらった義母との縁の強さを感じました。
くじといえばその昔、高等学校を卒業した春休み、高田の商店街の福引きで大きな醤油樽が当たりました。
大勢の前でジャランジャランと威勢良く鐘を鳴らされ、顔が赤くなりました。
場所が今はなき「いづも屋デパート」の前。
すぐそばのバス停から樽を抱えてバスに乗り、家もバス停の近くだったので助かりました。
病気ばかりであまり良いことが無かった高校時代でしたが、帰ると母がとても喜びました。
フキノトウとニシンそば。
厳しい寒波から一週間。再び美術館南の土手が現れてフキノトウが顔を出した。
雪が降ったり消えたり今年のフキノトウは忙しい。
夕食はこの冬三回目となる美術館産フキノトウの天ぷらとニシンそば。
ニシンは3~4月が旬だという。
かって3月になると北海道沿岸ににしんの大群がきて、「春告魚」と呼ばれたらしい。
本日のニシンは半なまのみがきニシンを二日間米のとぎ汁で戻して使ったと聞いた。
カレンダーの冬はいつしか終わろうとしている。
ハイビジョン特集「堀口大學 遠き恋人に関する調査」の再放送 マリー・ローランサン詩畫集。
去る1月15日と23日の当ブログGoogle Analyticsの解析が普段みられない数字に跳ね上がった。後でNHKBSの放送で堀口大學に関する110分番組が2回あり、視聴者が「堀口大學」のネット検索をされた結果だったことが分かりました。
番組はNHKBSプレミアムアーカイブス ハイビジョン特集「堀口大學 遠き恋人に関する調査」でした。
午前9時の放映直後から3倍4倍とビジター、ビュアーが増えたことは、テレビを見ながらスマホで調べるスタイルの人が少なからずいるということがうかがわれました。視聴者が勉強家であることや、番組内容が良かったことも想像されました。
ためしに「堀口大學」を打ってみますとYahoo!の7番目にGoogleは3番目に当ブログ「花はいろ 人はこころ、、、 堀口大學の詩 年と共に響く言葉。がありました。とくにGoogleでは松岡正剛氏の記事の下にあり恥ずかしくも光栄でした。
それなのに私たちは貴重な放送を二回とも見ていませんでした。幸い友人ご夫婦が再放送を録画されていて、昨日念願の映像を拝見に伺ってきました。
取材記者の西島秀俊がマリー(ローランサンの娘の設定?)という女性と出会い、そのまま過去の堀口大學とローランサンの場面に移行したり戻ったり時空が変わる。大學の研究者長谷川郁夫氏や堀口すみれ子さんのインタビューを挟み多次元的な構成で重厚な小説のようでもありました。
若き堀口大學とマリー・ローランサンのマドリッドとパリに於ける親交は恋人同士という言われ方もあります。恋に確証があるわけではありませんが、日本最初の外交官を父に持つ詩人とパリの女神的女流芸術家の交わりは、薄絹で包む如く詩的(部分的にはどきっとするエロティズムもあり)、かつ恋の香りを漂わせて伝えられました。
登場した二人の人物が良く、海外のロケも緻密で美しく、楽しい110分でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところで二人に相応しい本「マリイ・ロオランサン詩畫集」が昭和11年堀口大學訳詩で編纂されています。
知られている「鎮静剤」や「日本の鶯」ほか8篇の詩と23の挿絵が含まれ、三人の詩人の献詩が加わります。
(版により絵の数は異なるようです)
樹下美術館の開館当時に買った「マリーローランサン詩畫集」
(編譯者:堀口大學 昭森社1936年発行 限定700部 手許の本は616番です)
表紙の拡大(さらに大きくしてご覧下さい)
MARIE LAURENCIN 詩畫集 堀口大學譯編 ギイヨオム・アポリネエル ジャン・モレアス序詩
挿畫原色四葉 コロタイプ十二葉 凸版十一葉 限定七百 内局紙版百 木炭紙六百 とある。
※コロタイプ:ゼラチンの物性と感光剤の調整で印刷される技術。階調性に優れ明治大正時代を中心に用いられた。
※凸版:原稿の濃淡を網点や線の大小で現す。コロタイプより階調性は乏しいが強い。
※局紙(きょくし):明治初期から印刷局で株券や賞状に用いられた上質の越前和紙。
※木炭紙:クロッキーなど木炭で描くためのやや粗めの紙で、画用紙より和紙に近い。
ローランサンの恋人だったが結ばれなかった詩人アポリネールの序詩。
マリイ・ロオランサンの扇。
ローランサンへの堀口大學の献詩(三連詩の冒頭部)
消え去った虹が最も美しい。
堀口大學を謳ったローランサンの詩。
最後の2行などに年上らしいローランサンの容量が感じられる。
ヴェルレーヌ、ボードレール、ボーヴォワールらフランスの詩が日本に伝わり広まったのは堀口大學の優れた訳詩に負う所が多い。。大學の欧州時代、パリ芸術界の女神と称されたマリー・ローランサンとの親交を通して、氏のフランス文学および背後の芸術への理解はより深まったと考えられる。恋心あらばなおさらであろう。
※詩人・仏文学者で文化勲章の堀口大學は戦渦を逃れ1944年に夫人の実家である現妙高市(旧関川村)に疎開しました。その後現上越市(旧高田市)に移り1945年まで住み活躍しました。第二次大戦の戦中戦後、上越、妙高市には大學のほか画家小杉放庵、画家倉石隆、芥川賞小説家小田嶽夫、マグナム写真家濱谷浩、野尻湖に児童文学者坪田譲治、糸魚川に歌人・文学者相馬御風らがいました。
高い教養と芸才に恵まれた齋藤三郎はこれらの人たちに愛されました。遠くからは版画家文化勲章・棟方志功、歌人美術史評論家・會津八一、文学者文化勲章・佐藤春夫、日本画家文化勲章・松林桂月、人間国宝陶芸家・近藤悠三、登山家随筆家・深田久弥、農芸化学者文化勲章・坂口謹一郎、サントリー創業家の人々などが来訪し親交しました。
大きく括って疎開文化という現象は各地にあったと考えられます。その中で上越地域にはまれに見る大輪の花が咲いたのではないでしょうか。陶齋の寄与も大きかったと思われますが、一帯には文化人達を惹きつけた豊かな食と人情味あふれる文化風土があったと思いたいのです。
はくたか、くびき駅の上下列車交換 可愛い鉄ちゃん 「はくたか」から「しらさぎへ」。
本日日曜日、昨日に続いてはくたかを見にほくほく線くびき駅に行った。
本日は昨日にも劣らぬ強風、そのためかダイヤに遅れを生じていた。
乗客の方には申しわけなかったが、遅れのお陰で自分としては珍しい光景を撮ることが出来た。
一般に特急の上下行き違いは虫川大杉駅で行われるところ、本日それがくびき駅で行われた。
最初にはくたか15号が停車し待つことしばし、間もなく14号がやって来て通過した。
近づくはくたか14号。
勾配があるため場面がより立体的(ジオラマ風)に感じられる。
通過するはくたか14号。昨日追加しましたとおり、、
この車両のラインはすでに北陸特急「しらさぎ」の青/オレンジのラインに塗り替えられていました。
もう嫁入り仕度なのですね、少し寂しい気持ちになります。
ところで、くびき駅で可愛い撮り鉄さんとお会いしました。何年か前、おばあちゃんが撮ったはくたかが大好きになり、自分で撮り始めたということでした。カメラの中の写真を見せて貰いましたが、貴重でした。
おばあちゃん、お母さん、妹さんと見に来て写されるのです。
もう胸が一杯になりました。
「はくたか」のなんと幸福なことでしょう。
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- 2025年、樹下美術館秋の催し三題
- 「小3の凄まじい体罰」をお読みいただいて。
- 上越市八千浦中学校の皆さま。
- 小3の凄まじい体罰 その3 終章。
- 小3の凄まじい体罰 その2。
- 小3の凄まじい体罰 その1。
- 小学校に上がるまでジャンケンを知らなかったAちゃん。
- 台風直後の上野駅から大潟町へタクシーに乗る その2。
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