麗しかった富山市。

2019年5月6日(月曜日)

昨日こどもの日の5月5日、上越妙高駅発17:20の北陸新幹線で初めて富山市へ行った。
新幹線が開通して金沢市と高岡市にはすで出かけ、富山市が懸案のままだった。さらに知りあいから盛んに富山市の話を耳にするようになり、押し出されるように出かけた。今や新幹線のお陰で富山は思い立ったらすぐにでも行けるようになっている。

わずか40分で富山駅に着いた。城址通りを南下したが、道路は胸が空くように広く気持ちが良い。
両側のポールなどにボリュームある花がアレンジされ、驚いた事になま花だった。それがずっと続く。
スッキリしたデザインの電車が二両編成で颯爽と往来し、城址のダイナミックな石垣も現れた。

 

 

 

 

ガラスの街と謳う市。照明された作品が夕刻の通りに美しい。

広く清潔な道路と花、格好いい電車、歴史の香り、夕暮れと灯り、、、。いい町だなあ、一編に富山が好きになった。
運河や城址公園に寄り道してホテルに向かった。
一帯の手入れの良さは、喜んで人を迎えようとしている街の意識を感じ、嬉しかった。

 

翌日6日、訪ねる予定の4施設のうち「佐藤記念美術館」「森記念秋水美術館」「富山市ガラス美術館」の3館は互いが近いので歩いて回った。

以下は企画展として「インドネシアの染織 展」が行われていた佐藤記念美術館

 

石中心の外観は周囲にある石垣への配慮であろう。大変上手く調和している。

 

軽々として素朴なものから繊細かつ重厚なものまで、多彩さには驚かされる。
さらに島々ごとで染めと織りの方法が別れ、風合いが異なる。

 

人を迎えるための施設では常にガラス磨きが欠かせない。
樹下美術館もを熱心に励行している。
しかるに上越妙高駅のガラス管理は、他駅と比べ見劣りを否めない。

 

以下二点は森記念秋水美術館の「備前刀-用と美の系譜-」。

 

美しく展示された刀剣に初めて見応えを感じた。
想像以上に細身、そのことも優美の要素になっていた。
秋水は研ぎ澄まされた険の美しさを現すという。

以下は富山ガラス美術館。

 

ある種無機的な美しさのガラス作品を温めるようとする隈研吾氏の木による壮大な演出。

 

以下はガラス作品。

 

かって枯れ木に通っていた生命本質、水をイメージさせる。
また富山湾海底の埋没林を思い浮かべた。

 

舟からこぼれ落ちる鮮やかな球体のファンタジー。
豊かな漁業への祝辞かもしれない。

市内の予定を終え、ガラス美術館のレストランで昼食の後、タクシーで富山駅へ。そこからあいの風鉄道で福岡駅下車した。

 

旧北陸本線の在来線が名を変えていた。4両編成でかなり混み合う普通列車。

 

以下は高岡市福岡の「ミュゼふくおかカメラ館で開催中の猫写真家・関由香氏の「ねこうらら」展風景。

 

 

気配に敏感で、常に自らも気配を発する動物「猫」。
マニアでなくてもしぐさと表情は何とも魅力的だ。
館内では設計者の巨匠・安藤忠雄氏の世界に包まれる。

都合により富山県立美術館などを中止し、列車を早めて帰ることにした。富山駅の待ち時間に予報通り激しい雷雨が襲ってきた。

 

雨に見舞われる富山駅前。
落雷かと肝を冷やした稲妻と同時の大音響にも遭遇した。
それにしても天気予報は良く的中する。

中心部だけの見聞だったが富山市は想像以上に良かった。当座の外見や数にこだわることなく、長く質を重んじ実に配慮するのは県民性なのか。お金の使い方に堅実で上手な印象を受け、わが樹下美術館の参考にもなった。
当館には時折富山県からお客様が見える。お礼というわけでもないが、まだ見ぬ富山県美術館、高志の国文学館。樂翠亭美術館などを巡るため、近々再訪したい。

 

この日、朝のホテルで時代の最も先端におられるであろう方にお会いした。ふだん著名な方をお見受けしても声を掛けたりサインの所望などは謹んできた。しかし今朝ばかりは衝動に刈られ、咄嗟に自らを紹介し、サインのほか一緒の写真までお願いした。

思ってもみなかった方のことは次回記させてください。

緑鮮やかな季節 ハレノヒのパン ベンチの昼食。

2019年5月4日(土曜日)

連休は後半に入り、本日は緑の日。
樹下美術館の緑も眩しいほど鮮やかになり、花はテンポ良く交替しています。

 

 

向こうの紫色の花は丁字桜。花期が長く目立つので、よく名前を訊かれます。当館では4カ所で咲いています。

 

現在所々で賑やかにエビネが咲き始めました。根本に生える葉も愛らしいのです。

 

開館当初から咲き続けたクリスマスローズをすべて切り、小鳥の水盤にひたしました。
50日も花をつけたので休んでもらうことにしたわけです。
大きな株に育つものが増え、来年がとても楽しみです。

 

本日その一部が美術館の窓口で齋藤三郎さんの壺に入っていました。

連休はやはり忙しく、昨日私がカフェのパンを店に取りに行きました。店はナルスおおがた店で甥が営む「HARENOHI(はれのひ)」です。5年目に入り、美味しいパンはファンを拡大し、本日夫婦はスタッフ達と忙しそうにしていました。
お陰様で、同店のパンを使った樹下美術館のホットサンドイッチやクロックムッシュ、今年から始まったベーグルサンドはとても好評なのです。

 

 

 

 

本日の昼食は外のベンチに座り、HARENOHIのトーストを食べました。
風に吹かれながら気持ち良い食事でした。
カフェで注文をして、ここに座ってお茶や軽食を頂けます。

前の田んぼに水が入り始め、一段と良い季節になろうとしていました。

さて、開館からお知らせ致してきました6月2日の「須川展也 サクソフォーンコンサート」のお申し込みが定数の50席に達し、締め切りらせて頂きました。
お申し込みの皆様まことに有り難うございました。

樹下美術館のノートから記載とイラスト 庚申塔その20,板倉区から上石さん親子。

2019年5月3日(金曜日)

樹下美術館館内に5冊のノートが置かれていて、皆様にはご自由に感想やラストなどを記して頂いています。
今期すでに沢山記載されていましたので、本日はごく一部ですが紹介させて頂きました。

●展示について
・静かな空気の中で美しいものを拝見いたしました。有り難うございました-東京都Mさん。

・春間近に当館を拝見出来てようやく長い冬の開けるのを感じられます。辰砂のやわらかな色合いが心を落ち着かせてくれました。「粉雪が舞う」、雪国の深い心と迫力を体感出来ましたー上越市Yさん。

・ここにこのような方がおられたのか。今はもうそういう気持ちでいっぱいです-Yさん。

●カフェと庭について
・樹下美術館のカフェと庭のデッキと植物はとてもすばらしくて、ステキです。庭に出ると妖精の世界にタイムスリップしたみたいで、気持ちが良いです。ここに来ると気持ちが良くて、1日いてもいごごちがいいです-長岡市Yさん。

ほか当館のカフェでプロポーズされ、三回目の結婚記念日に来館された、と記された方もおられました。
沢山お書き頂いているノートから、樹下美術館と皆様のさまざまな関わりを見ることが出来、張り合いを感じます。

●次はノートにお書き頂いた皆様のイラストを掲載させていただきました。

 

生き生きしたキャラクターですね、6年生になる春休みのSさん。

 

迫力ある庭の山桜が描かれていました。

 

 


80才をお過ぎの方の絵です。
私も見た事があります。「松が峰の桜満開でした」と書かれていました。

 

生きているような猫は、美術系大学ほやほやの一年生Sさん。

 

マイセンのカップ&ソーサーがレトロなおしゃれにぴったり。

 

赤ちゃんから美系の方まで、どなたがお描きになったものでも、みな楽しませて頂いています。
来館されたお客様もきっと喜んでご覧になっていることでしょう、どうかまた沢山お描き下さい。

さて本日は開館からほぼ終日美術館にいた。皆様にご挨拶をしたり、庭いじりをして幸せだった。
昼前、思いも掛けず板倉区福王子から上石さんが親子でお見えになった。
庚申塔に興味を持ち始めたばかりの昨年11月中旬、県内最古の庚申塔といわれる石塔を見るべく板倉を訪ねた。
福王子が目指す場所。しかし不慣れな地域で人に尋ねながらの探訪となった。
その時偶然お合いし、十二神社へ案内した下さった方が上石さんでした。
父が石塔や地域に詳しいということで、現場からお父様に電話してくださった。

お父様は歯科を受診中だったが、目指す庚申塔のほか、隣接する公民館敷地の石仏の事も伝えられた。
お陰で十二神社で懸案の庚申塔のほか、公民館でさらに一体の庚申塔と二十三夜塔まで見ることが出来、感激した。

その後、お父様から御地の石仏や神社関連の縁起などについての研究資料を幾つもお届け頂いた。
特に庚申塔に関係した詳細な記述は分かりやすく、当時混乱していた頭を随分整理することが出来た。
頂いたお手紙に来年樹下美術館を訪ねたい、と記されていた。
そして本日、清々しく晴れた祝日、お二人がお見えになった。
午前から美術館に居てよかった。初めてお父様にお目に掛かった。

カフェの上石さん親子。

温かく丁寧なものごし、控えめで知的な方たち。
お父様から、記述や文献の貴重さ、福王子の由来、地域に根ざした尼寺、平塚神社分霊碑、ご子息から拙ブログを読んで下さっていたことなど、、、。
短い時間だったが昔から知っている人に出合ったような、安心で心楽しいひとときだった。
本日は遠くから樹下美術館をお訪ねいただき、本当に有り難うございました。

静かに始まった新元号年 四つ目の神器。

2019年5月1日(水曜日)

本日から元号が変わった。
ニュースでは賑やかな慶祝風景が流されていたが、当地は霧雨が降り続き、少なくても周囲は静かに過ぎた。
物事は初めに大騒ぎせず、静かに始める方が良いことが起きるような気がする。

そんな日の朝、紹介状を一通書いた。
それを入れる封書に平成の元号が印刷されていた。一瞬31と書きそうになり、あわてて年号に抹消線を入れ、上に令和と書き、「元」と記した。

 

 

 

拙歌)
頸城野をいざ耕さむ人影は音も無く降る霧雨のなか

一連のご退位と即位において、天皇と上皇両陛下のお言葉で「憲法」と「平和」が繰り返し語られた。
平和の希求を可能にする唯一つの道は憲法の遵守として私に伝わった。
つまりお二人は揃って象徴の具現として、平和憲法に添うことを明確にされたのではないかと感じた。

これは政治的お考えでも感情でもない、天皇家が先の戦争から三代に亘り生引き継がれた確固たるDNAではないのだろうか。
ご一家が、過去として済ますことの出来ない戦争で負われた人道上の深い傷と責任の証左。
DNAがあまりに強靱ゆえ、あたかも四つ目の神器として映るようになった。

私の高田高等学校時代の校長は新皇后のお爺様だった。
一地方の者ですが、心より天皇、皇后両陛下のご健勝をお祈り申し上げます。

昨日,十日町は松之山の百体庚申塔と松代は洞泉寺の庚申塔を訪ねた(庚申塔その19) 仕事して良かった平成の最終日。

2019年4月30日(火曜日)

このノートのカテゴリに「花頭窓、二十三夜塔、庚申塔、社寺」がある。
そもそもは昨年6月上旬、上越市は黒井の大慈院で見た火頭窓の感激から発し→上越市浦川原は顕聖寺の二十三夜塔への興味→10月魚沼行きで見聞した庚申塔という順序で対象が拡がり、新たにカテゴリが出来た経緯がある。

庚申塔は近隣の板倉区、浦川原区、三和区、柿崎区、大潟区、頸城区、髙田公園を訪ね、さらに東京都目黒区さらに京都と奈良でも訪ねた。
その後雪と寒さのため、今年は3月3日を最期にひと休みしていた。

昨日、日曜日は何とかお天気が持ったため、午後かねて念願の十日町松之山は黒倉の百体庚申塔を観に出かけた。
途中松代は室野の路傍で予定に無い庚申塔に出会った。庚申塔探訪には思いがけない遭遇があることも楽しさの一つ。

合掌し、弓、矢、宝剣、宝輪を持った青面金剛(しょうめんこんごう)の石塔。

 

ほかに二十三夜塔と地蔵尊および馬頭観音が並ぶ。

 

上った石段途中に庚申の文字塔があった。

石段を上りきると曹洞宗の寺院「洞泉寺」だった。

 

堂々たる大寺の境内には雪が残っていた。
室町時代初期から続くらしい曹洞宗の名刹だった。

 

境内の指定文化材、大ケヤキの足許に石仏群。
衣服やショールをまとったようにほぼ全身苔に包まれている。

 

洞泉寺を後にして進むと、星峠の棚田へ至る道標があり、そちらに寄り道した。

 

連休とあって棚田のビューポイントは混雑していた。

これだけ人が集まっても観光商売をせず、棚田を維持出来るのは農業に強いプライドがあるからだろう。ほかに棚田独特の大規模な営農方法もあるのだろうか。

その後、黒倉集落で道を尋ね、100体庚申塔の駐車場へ着いた。
到着するまでの山あい谷あいに拡がる棚田群の多くが、良く手入れされていることに大変驚いた。山間では荒れて放棄された水田をよく見ているので余計だった。

 

百庚申塔の近くに雪が残っていた。

 

駐車場に車を駐め石段を上ると、わずかに小高い場所に庚申塔群が広がっている。
向かって左下に黒倉から上ってきた道路が通っている。

 

多くは庚申塔と彫られた自然石の文字塔だが、所々に青面金剛を彫り出した仏像塔も見られた。やや南に小さなお堂が建っていた。

 

二体ならんだ青面金剛の庚申塔。

この像に寄ってみた。

 

合掌し、他の4臂で弓矢、宝剣、法輪を持っている。
上方左右に丸い日月紋様が見える。

足許に約束通りの見ざる言わざる聞かざるの三猿(さんえん)と、二鶏(にけい)とおぼしき部分が覗えた。
とても素朴なデザインだった。

向かって右の青面金剛像。
左右二体は様式と姿が似ている。同じ石工(いしく)あるいは師弟の制作なのか。

お堂を覗くと、全体の本尊と思われる青面金剛像が安置されていた。
六臂(ろっぴ・六つの手)であるが、合掌せず左手にショケラ(半裸の女人)と考えられる小さな像を握っている。他の五臂で弓矢、宝剣、槍?と法輪を持っていた。

 

愛らしいショケラの髪を掴んでいる。何故ショケラなのか、定説はない。
男だけの集まりが基本だった庚申待ち行事。当時のこと、女で身を滅ぼさ
ないようにと、いさめを込めたものか。

猿は見当たらなかったが二鶏が彫られていた。

夕刻から夜明けまで経念仏、食事、茶話、時には歌舞あるいは飲酒や囲碁将棋、さらに一休みもあったという60日ごとの庚申の集い。
お開きとなる邪鬼が去る夜明けを告げる鶏は、猿とともに庚申塔定番シンボルの一つ。

数えてみなかったが100体もの庚申塔が集められている場所など全国的に極めて希ではないだろうか。明治時代前半のころ、篤志家の発案で当地に100体を造り、ここに集めたという。悪事を謹み、先祖を供養し、豊作と地域・家内の安全を願った庚申信仰。篤志に賛同した他地域からの寄進もあったという。
当時の農村の暮らしは、今読んでいる「生きづらい明治社会(松沢裕作著 岩波書店2018年12月5日第三刷発行」にも詳しい。
辛く大変だった明治の農村。
いま庚申塔に出会うと、少しほっとする。

ところで100庚申の駐車場と、園内はきれいに管理されていて気持ち良く、黒倉の人々の丁寧なもてなしの心が伝わってきた。
昨年掘川紀夫さんに大地の芸術祭に連れて行ってもらったが、このたび見覚えある場所を何カ所か通過して懐かしかった。

さて十連休中の本日は平成最期の日。意識した訳では無かったが、予め案内を配り開院した。30名近い受診者があり、入院が必要な方も来られ、開けて良かったと思った。
樹下美術館の昼は、17台の駐車場が珍しく満車になっていた。

本日をもって御退位される両陛下のご健康を心からお祈りしたい。

上越市は吉川区で従姉妹の法要の日。 

2019年4月28日(日曜日)

午後に上越市吉川区は国田の善徳寺で従姉の一回忌法要があった。
大正12年生まれで最年長のいとこの享年は94才だった。
二十才年が離れていたので、子供の頃に「おばさん」と呼ぶと、「いやね、お姉さんでしょう」と言い直しをさせられた。東京女子大出身、東京大学地震研究所に助手として勤務経験がある優しく聡明な人だった。
大正生まれの方はご苦労されている、とはある僧侶の言葉。
亡き従姉も空襲に遭うなどで神戸、東京、旧菅原村、旧吉川町と人生の苦楽を歩まれ、後年坊守の傍ら地域活動や俳句に勤しみ、幸せな晩年を送られた。

若き日苦手だった経は、本日美味しい水でも飲むように心耳に響き、懐かしくも良い時間を過ごさせてもらった。夕刻のおとぎは場所を移し、鵜の浜温泉「みはらし旅館」に会した。食べきれないほどのご馳走を頂き、初めてお会いする浦川原の方のお隣で時間を忘れて興味深いお話をお聞きした。

 

国登録有形文化財「経堂」や市指定有形民俗文化財「仏足石」のある清々しい善徳寺。

 

境内で満開だったドウダンツツジ。

 

 

 

 

一帯の水田には早くも水が張られ、新緑の里は麗しかった。

本日、お陰様で樹下美術館はお客様に恵まれ、好評の展示を見入られ、またカフェが満席になる時間もありました。
誠に有り難うございました。

間もなく平成時代が終わる 強靱な陛下。

2019年4月27日(土曜日)

あと三日で平成が終わる。
いまだ傷跡癒えぬ幾つもの大災害に見舞われた30年間だったが、陛下は先日のお言葉で「日本は国民の平和を希求する強い意志に支えられ、近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちました」と述べられた。
一貫して平和を願われた陛下に相応しいお言葉だと思った。

また都市中心に回りかねない社会にあって、行脚によって常に地方を大切にされ、「国民と共にある」ことを体現されたことも貴重なことだった。
しかるにメディアや人々の一部には、「平和」とその礎たる「民主主義」「友好」などの言葉や感覚を嫌う言説が常に存在したやに思う。
おそらく陛下はそのような事を知っておられ、昭和天皇から引き継いだ「民と共にある平和の象徴」を貫くため、長くこれらの現象と闘われたのではないだろうか。
昨年8月のお言葉はじめ、年と共に陛下には希有な品格のなか、ますます強靱なお考えと意志が感じられるようになった。

 

手許の「皇太子さま」 著者田中徳 大日本雄弁講談社昭和24年11月15日発行。

小学校低学年時代、大きな行事があると地元の分校から本校へ行列して行った。
本校には図書館があり、そこで陛下の皇太子時代の絵本を何度か手に取った。遠泳やヴァイニング夫人との美しいカラー挿絵を見て、その都度子供なのに凄い人だなあ、と驚嘆した記憶がある。

いっときも時間と経験を無駄に出来ないお立場と日常は、想像を超えるご苦労があるに違い無い。
くわえて幾つかの病を越えられ、健康でおられることも貴重なことであり、年とともに遠くから学ばせて頂きたい事の一つになった。
さらに美智子妃殿下との間に滲む愛情は、象徴に相応しい姿として強く印象に残る。

 

本日の庭は落花によりますます美しかった。
来館された東京のお客様がこの落花にカメラを向けられたと、聞いた。

落花の日幾千万の花びらはいつか根などへ帰らむと喜びて散る土に緑に

 

寒い一日だったが、明日はとにかく晴れるらしい。

ゴールデンウイークの開館 山桜の落花。

2019年4月26日(金曜日)

日中、二日続きの雨が降った日、肌寒くて美術館は暖房が必要だった。
小さな女の子さんが来館され、カフェの食事ではワーッっと歓声が聞こえてきました。

間もなく10連休などという春の連休です。
5月1日水曜日は普段定休日ですが、連休中はお休みせず開館致しますので宜しくお願い致します。

お勤めの患者さん達にお聞きすると、殆どの方達は長休みは取れない、と仰いました。
近隣の病院は4月30日と5月2日の受診を可能にして、長期休診を回避しているようです。全く微力ですが私の診療所もこれに習うよう、一応皆様にお知らせし致しました。

 

さて、樹下美術館の山桜には野の楽しさを満喫させてもらいましたが、本日大方落花していました。

 

 

右の黒い木が花を散らせた本人です。

山桜はソメイヨシノに比して開花期間が短いように感じられます。というよりソメイヨシノが長く咲くように改良されいるのかも知れません。
また木によって開花時期にずれがあり、近隣には今満開を迎えているものも見られます。

今夜も冷え込み、県内の高地では雪が降るということ、なかなか丁度には行きません。
連休中のどこか良い日に庚申塔の探訪が出来れば、と考えています。

裏手のデッキの柵が新しくなった 雨の庭 秋のジャズコンサートの打ち合わせ。

2019年4月25日(木曜日)

樹下美術館の東の裏手には当初から小さなデッキをこしらえ、ベンチを置いている。
その場所は少々高い石垣の上にあり、落下予防として一部に木製の手すりをしつらえてあった。
それが昨年からぐらぐらしてきたため、この度新しく鉄製のものに取り替えた。
白く細くなったが頑丈で、見た目も清々しく仕上がった。

 

2016年7月のデッキ。

以下は本日のデッキ。

 

 

 

昨日の南風大風と打って変わり、本日日中は少々冷たい雨がしとしとと降り続いた。

 

雨は昨日の乱暴な風を詫びるように静かに降り、草木は一息ついている様子だった。
雨中の新緑がまぶしい。

さて本日午後、10月に行われるジャズコンサートの打ち合わせで、メンバーのお一人佐藤俊次さんがお見えになった。
ヴァイオリンが入るクヮルテット編成で、ジャンゴ・ラインハルトの流れを汲むマヌーシュ(ジプシー風の)ジャズが演奏される。

期日は10月5日土曜日午後。
秋の樹下美術館がエキゾチックなジャズサウンドに満たされる日が楽しみです。
詳細につきましては後日お知らせ致します。

庭に悪い風が吹いた日。

2019年4月24日(水曜日)

本日定期休館の水曜日。
日中強い南系の風に見舞われ、花と新緑の草木には悪いお天気だった。

 

 

 

背が高いクリスマスローズは誠に辛そう。

 

 

上はナツハゼ、下イタヤカエデ。

 

カシワバアジサイ。

 

可憐なジューンベリーも散々。

 

シダ。

本日の気温は上越市大潟で最高24,5℃。
過日「春を喜ぶ若芽若葉たち」と記載したばかりの幼弱な春の草木には、辛い熱風だったにちがいない。
施設の帰りに寄って撒水すると、時には竜巻かと思う程の強風に見舞われた。
患者さんたちの菜園はジャガイモの苗を植え終えたばかり、風は夕刻には収まってきたが、心配だったと思う。
三月初めから咲き続けたクリスマスローズも、そろそろ刈らなければならない。

上越市大潟区は潟町一区の火防地蔵尊。

2019年4月23日(火曜日)

上越市は大潟区潟町の西端、旧国道沿いに地蔵尊のお堂がある。
数年掛けてお堂と門が改築されて大変きれいになった。本日4月23日は祭礼に当っていた。
薄明かりが残る夕食前に寄り、食後暗くなって再び訪ねた。

 

夕刻の火防地蔵を門前から見る。
ここの地蔵には門があり、それも立派に改築された。
瓦も下見板も壁も提灯もみな新しくなっている。
地蔵を守っている小さな地域が良くも立派にしたもの、と熱意に驚かされる。

 

門をくぐり日が暮れたお堂へ。

 

地蔵尊。
帽子、前掛け、袈裟衣ほか全てが新調されている。
初めてまじまじとお顔を見たが、笑みを浮かべ、大変良い表情。
花も新鮮でお地蔵様は何とも晴れがましく映った。

 

お賽銭を上げると当番の方が見えて、お札を頂いた。

 

当地蔵尊は1700年代中頃に発する言い伝えがあり、仏は柿崎区は猿毛山中の石工がこしらえたという。
かって地蔵が大火を知らせたと言われ、火防地蔵尊と呼ばれている。地域はまた地蔵町とも称される。
お合いした当番の方は、火の用心とともにお地蔵さんは顔も良いのでみんなが大事にしている、と仰った。
なるほどである。
近くの西念寺さんが読経されていると聞いた。
一体の仏が地域を幸せにしていると感じられ、9月23日には秋の祭礼がある。

大潟区潟町の旧国道沿いにあと二カ所、六地蔵が祀られている。

ジューンベリーとヤシオツヅジ 京都の筍と弟のベーコン。

2019年4月22日(月曜日)

日中、暑からずすがすがしい晴天だった日。さる18日に新芽若葉でご紹介したジューンベリーとヤシオツツジが早くも満開を迎えた。
わずか五日の日がこれほど花を促すとは、花の早さに驚かされる。

ちなみに二つの花の先日と本日の様子を並べてみました。

去る18日のヤシオツツジ

 

本日の花。

 

先日のジューンベリー

 

本日の花。

先日はジューンベリーのことを目立たない、などと書きましたが、
本日あっと驚くほど白さが際立っていました。
昨年からこの辺りに花を沢山植えたため、肥やしが効いたのでしょうか。

話変わって度々の食卓です。
本日は頂いた京都の筍が弟の農場から届いたベーコンとともにバターで炒められました。

 

京都の麗しい野の香いっぱいのひと皿。

弟の豚肉は相変わらず絶品で、最近神戸のレストランから引き合いがあり、とても好評だということです。

近隣に山桜の季節、自然との調和が美しい。

2019年4月20日(土曜日)

ソメイヨシノが終わると山桜が咲いてくる。あたりの新緑と混じり合い野に多彩で穏やかな色調が展開する。
本日は一日中清々しく晴れ、近隣の桜を見て回った。

 

美術館と診療所の間で見る山桜。

 

 

樹下美術館には6,7本の山桜があり、微妙に時期をずらして次々と咲く。

 

 

空の青さがすけて爽やかなコントラスト。

 

 

美術館近くのお宅には大きな山桜がある。何年か見ない間にいっそう立派になっていた。

 

 

大潟水と森公園公園に向かう途中の天ケ池(あまがいけ)の山桜。
古来愛されてきた春の野の風景ではないだろうか。

 

 

西口駐車場で降りると目の前の芝生広場の右手は色とりどりの山桜。

 

 

 

その桜の通路を歩いた。

 

 

 

上下写真は鵜の池の歴史ゾーン。古代人も見ていたであろう新緑と山桜の軟らかな景観。

 

 

歴史ゾーンから対岸をみる。
自然のままのため位置により見え方が異なる。

 

 

水辺の新緑とともに。

 

 

遊歩道がアクセント。これから最も良い季節が始まる。

 

 

コローの絵のようだ。

山桜の良さは天然木であること。他の樹木との穏やかな調和があげられる。
わずかな色の違いが軟らかな葉とともにパステル調の眺めになる。

もともと山桜が多かった頸城野地域。ほかにも随所に見所があることだろう。

落花 鯵フライ。

2019年4月19日(金曜日)

肌寒かった金曜日、周囲のソメイヨシノはほぼ花を振り払って大方今年を終えた。
何日も満開を続けた花を、こうもあっさり散らすのは気温か、風か、それとも予めメモリにでも書き込まれているのか。
それにしても一斉に散るのはクローンならではの振る舞いであろう。
「ご苦労さまソメイヨシノ、どうか一休みして下さい」

樹下美術館の落花。
北西の風で散ったのか、農道に沿った小さな流れに掛かる橋に向かっている。

釣りの知人から頂いた鯵がフライになった。
美味しい鯵フライを嫌いな人などいるだろうか。

それにチキンのトマト煮。

本日随分寒く感じたのは年のせいであろう。それに風邪をひいているのか。

春を喜ぶ若芽若葉たち。

2019年4月18日(木曜日)

数日うららかな春の陽が射すと一斉に樹木の芽が膨らみ、競うように若葉を広げている。
本日昼、樹下美術館の若芽若葉を中心に、庭木を撮ってみました。

 

カフェ正面ですくすく成長するイタヤカエデ
メープルシロップが採れる樹です、きれいに黄葉します。

 

その下の中低木ナツハゼ
大きな樹木の下で秋に黒い実をつけ、紅葉します。

 

 

その手前のモミジは昨年成長した枝。

 

右少し奥のナツツバキ
初夏に白い花をつけ、株立ちが似合う樹です。

 

その前のアメリカハナミズキ
間もなく開花します、これは白花。

 

さらにその前のヤシオツツジ
もうすぐ品の良いやや大きめの花を咲かせます。

 

建物正面右の中低木のニシキギ
秋の紅葉が見事。

 

正面左のアオハダ
三カ所で爽やかに株立しています。

 

正面右のやや低木のマユミ
ニシキギと兄弟のような木、真っ赤に紅葉します。

 

その右のツツジ
しばらくするとピンクの花が咲きます。

 

右奥の低木はウノハナ
「夏は来ぬ」の白い花は初夏の象徴。

 

そのまた奥のドウダンツツジ
6、7本くらいあり、一部で咲き始めた。

 

その手前の低い木、ヒメウツギ
白い小花をいっぱい咲かせます。

 

カフェ向かって右のこれも低いシモツケ
初夏にピンクの花が可憐。

 

その近くのガクアジサイ
樹下美術館に沢山あり、6月が楽しみ。

 

カフェ正面のカシワバアジサイ
夏庭の女王様、株分けをして四カ所で咲くようになりました。

 

ずっと左奥、実生のコナラ
コナラのどんぐりから生えた幼木です。

 

コナラのそばの中低木タニウツギ
旺盛に成長、夏の野の風情を演出。

 

その手前のやや低いツクバネウツギ
白く小さなトランペット形の花を沢山咲かせます。

 

カフェから右手に見えていたハクモクレンの若葉
モクレンの仲間は花も葉もゴージャス。

 

樹下美術館で現在満開のヤマザクラ
花と若葉の爽やかなトーンに心洗われる。

 

ライラック
まだ小さな苗です。

右手奥に植えて四年目のジューンベリー
そそとして目立たないが可憐。

 

眠りから覚めた彼らはみな柔らかで、軽々とした葉をまとい春の歌を謳っている。

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