倉石隆の挿絵原画/15少年漂流記

2009年11月21日(土曜日)

 樹下美術館常設展示の画家、故倉石隆は生涯人物の油彩画を中心に制作しました。内省の画家にあって自然な志向だったにちがいありません。
 
 一方で見逃がせない仕事に挿絵があります。筆を振るったのは少年少女向けの本でした。物語に応じて銅版画、水彩、スクラッチボード、鉛筆画、ペン画など多彩な技法が駆使されました。挿絵の一枚一枚から、子どもたちの胸ときめかせ感動を願う倉石氏の思いが伝わります。

 

向こう側の男性は倉石氏ご自身によく似ていると思います。
 

 氏は30冊近くの本に挿絵を描きました。当館は数冊分の原画を保管し、いずれまとまった展示をと考えています。ここでは「15少年漂流記」(ベルヌ名作全集12 辻昶 訳 1968年 偕成社)の原画を一部掲載しました。優れたデッサン力を有した倉石ならではの動きと感情表現が伝わり、胸躍らされます。

 
  制作においては熱心に考証を研究していたと、奥様からお聞きしました。

   

 
   

   

  

当原画は黒インクのペン画です。口絵用の一枚だけが水彩で彩色されていました。

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