若き倉石隆氏のデッサンと詩文

2011年7月1日(金曜日)

梅雨の中休みが三日続きました。今日は現在展示中の倉石隆のデッサン画から詩文のついた2作品を紹介致します。

いずれも第二次大戦後、高田市(現新潟県上越市)本町の生家に戻っていた昭和20年~25年(29~34才)の制作です。

 

詩文の展示 絵画ホールの右隅のパネルに架かっている作品

 線は
リアルなクルミのデッサンに“技術は手段であって目的ではない”の詩文
高田で氏の骨格は決まっていた。

線は駆使するものであってもてあそぶものではない

 色は美しく附ければよいのではない 色は目的(感激)に対する効果である

 

ビンの群
ビンの群
左すみに蓋付きのビンが3つ描かれて右に以下の詩文が見える。

黒々と毒汁はのどにからみ
しわがれた欲望に
光は失せたれど
しかも鋭く光るガラスの目

 このガラスビンは何だったのでしょう、お酒でしょうか。高田で苦悩する倉石隆の視界に突き刺さる閃光。追い詰められるのか、若き芸術家の鋭敏な感受性が伝わります。

どうぞご来館頂き作品をご覧下さい。戦後品物の不自由な時代、書類の裏に書かれた当時の画家の心情が手応えをもって伝わります。

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