準決勝試合直後の行為、金足農業佐々木主将の素晴らしい人柄。

2018年8月24日(金曜日)

すでに旧聞の感はあるが、去る18日の甲子園準決勝の
結末は劇的だった。
金足農業1-2近江高校で迎えた9回裏、攻撃の金農は
無死満塁とした。
ここで意表をついたスクイズが成功、ボールが一塁へ送
球される間に、二塁走者もホームインし、一気逆転で金
農が勝利した。

出来事は一瞬であり、近江の有馬捕手は決勝ランナーへ
のタッチを逸した姿勢のままうつ伏し続けた。背中が波
を打ち嗚咽をもらしているようだった。

得点場面はテレビで見たが、リプレーに目をこらし、何
が起きたのか関連記事や動画サイトで見直してみた。
バントから決勝点までのきわどい攻守は何とか掴めた。
だが勝敗とは別に金農ナインの中で、勝利の直後から短
時間変わった動きをした一人の選手が目に止まった。

 

1
決勝点を決められ倒れ込む近江高校有馬捕手。

 

3
歓喜の金農ナイン。ボールを保持したまま起き上がれない
捕手。

4
喜びの集団から出てバットを片付けようとしている選手
がいる。

5
バットを自軍ベンチ前に置く。

 

6
バットをかたづけた選手が振り向く。うつぶせのままの捕手。

 

7
走る。

7
倒れている相手捕手の方へ向かう。

9
起き上がろうとする捕手に手を貸す。

さて喜び一色の金農ナインの中でバットを片付け、相手捕手
の立ち上がりに手を貸す選手とは誰なのだろう。この選手に
興味を持った。7枚目の写真で背番号7がかろうじて読めた。
サイトで調べると7番は佐々木大夢(ひろむ)左翼手であり、
主将だった。

10
戻って何事もなかったようにピッチャー吉田と抱き合う。

11
整列し、有馬捕手から届いたウイニングボールを審判か
ら受け取る。

12
ナインと全力校歌。

緊迫の場面で複数の選択肢の即断に迫られた近江有馬捕手の
無念と恨悔を佐々木選手は痛いほどわかっていたのだろう。

勝利から約45秒、大切な進行に支障きたさぬよう迅速に二
つの行為を行った金農主将に優れた神経と人格を感じた。
打撃成績も立派であり、大活躍の金足農業にあって、今日ま
でまとめ役など影の功績も大きかったのでは、と思った。

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