宿題をしに木村茶道美術を再訪 茶のあとはいととんぼ様のお見送り。

2023年7月30日(日曜日)

去る7月24日の当欄で柏崎市の木村茶道美術館を訪ねた時の事を書かせて頂いた。同美術館は撮影可という温かな対応をされているが、記事では本席の掛け軸の写真を取り忘れていた。
さらに江戸千家茶道の創始者川上不白作の茶杓銘「西王母」の解釈よび如心斎筆による三代宗哲の茶器「詩中次(しなかつぎ)」の詩文の意味を尋ねる事も失念していた。

そこで本日日曜日、上記三つの失念を埋める宿題をすべく同美術館を楽しく再訪した。解説された学芸の方は前回と別の人で、迂闊な私の質問に親しく答えて下さった。

宿題の第一、本席の掛け軸写真は以下です。前回作者を誤って馬遠(ばえん)としましたのを馬逵(ばき)に訂正させて頂きましたs。大変申し分けありませんでした。

「雪景山水」
極めて希な作品のため入手に際し
東京国立博物館で鑑定されている。

絵唐津壺の花入は前回と同じだったが花が替わっていた。

手前から初雪草、ヒオウギ、シマアシ。
毎回スタッフさん達の持ち寄りだという。
いつも美しく新鮮。

本日は名古屋の鳴海織部のお茶碗で頂いた。

織部とはいえとても奇抜だった。

以下は前回出された五代楽家、宗入作の黒楽馬盥(ばだらい)茶碗。本日はちゃんと撮りました。

 

以下は宿題の茶器と茶杓。

手前の茶器は詩文が書かれている。器は三代宗哲の作。文は表千家中興の祖、七代家元如心斎(じょしんさい)の筆(書)。
向こうの茶杓「西王母」は椿であり、季節が合わない。そのことをお訊ねすると、敢えて用いたのは、断捨離をされるお茶人が時にお道具を美術館に寄付をされる。本茶杓も篤志家からのもので、ご好意に応えてお出ししたということだった。同美術館の裾野は豊かで広いのだ。

器の詩文は100則の代表的な禅問答によって教義を示す禅の教科書、碧巌録の一節。説明をお聞きして帰宅後調べてみたところ第17則「坐久成労」ではと推量してみた。
座禅の本質を訊ねられた僧香林が「長く座ったのでくたびれたわい」と応じた公案に相当しているかもしれない。

茶室がある建物を下から望む。

表に出て石垣に沿って歩くと黒く小さな影が横切った。イトトンボだった。

以下は帰路です。

福浦八景の一つ。
夏休みの賑わいが聞こえそう。

何年か前もこのように島影にボートが停泊していた。

本日のお茶で一句
茶のあとはいととんぼ様のお見送り

暑い、 珍しくブログを三日続けた。

2023年7月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

▲ このページのTOPへ