回復の途で「何が食べたいですか?」、、、「タコ焼き」。

2025年9月30日(火曜日)

夏の終わり頃、暑いさなかに二ヶ月ほど来院されなかった方が来られた。かなりのお年だがしゃんと反応していたのに言葉無く、表情が失せ、前身がむくみ、末梢の酸素濃度は80%代と別人化していた。
心不全に肺炎の兆しもあり、採血、注射、投薬の調整をして、しばらく通いますと伝えて往診を始めた。
数日後むくみや酸素濃度が改善されはじめ、栄養補助食を追加すると問にも応じられるようになった。

どうですか、お腹空きますか、と聞くとうなずかれたので、何を食べたいですかと聞いてみた。しかし黙ったまま返事は無い。
帰り支度を始めるとベッドから「タコ焼き」という声が聞こえた。
「タコ焼き食べたいですか」
本人は「はい」と言い、傍らの介護者が笑いながら、好きなんです、と仰った。

そうか少し時間が掛かったがタコ焼きという手があったのか。スイカやメロン、時にはあんパンというのもあるがタコ焼きかー。やや微笑ましく妙に胸を打たれた。
これだけの話だが、こんな時に一つでも食べたいものがあるのは頼もしく、しかも具体的なのは元気が出てきた証拠にちがいない。

家で作るのではなく、スーパーのが好きなんですと、介護者さんが仰った。

玄関前の萩。

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