花鳥・庭・生き物
トキの今夜は
本日トキが佐渡の空へ飛び立った。本来ならば「喜んで羽ばたいた」と書きたいところだが、「逃げ去った」印象が強い。式典と会場に響くアナウンス、窮屈な小箱、トキには辛かったろう。これも使命の一部なのか、許して頑張って欲しい。
今後,彼らに対する直接の保護はない。はたして10羽のうちどれだけ生存できるか,少々心配される。担当官が亡くなる個体の原因調査が重要だと述べた。辛い話だがその通りだろう。またトキは単体として強靱ではないので群れを作ることも大切だと指摘されていた。しかし今日のトキにはそれが出来なかったようだ。パニックを越えて、一日でも早く群れになることを祈りたい。
夜のニュースで午後には早くも一羽が田に降り立ち、それに向かってカメラが並ぶ映像があった。心配なことだが、一方であまり人を恐れない個体が生き残る可能性もあろう。
昨夕から新潟県はぐっと冷えて風雨が強まっている。向こう一両日も厳しい予報だ。夕食は?今夜はどうしているのだろう?
※すっかり美術館の話題から逸れてしまって大変に申し分けありません。
いよいよトキが
いよいよ明日トキが試験放鳥される。27年振りの野性復帰への試みだ。是非とも成功への第一歩になったほしい。写真で見る飛翔するトキの姿は、格別に上品で美しく、おとぎの国のようだ。雪国、裏日本、近年は地震と大規模原発、、、。10羽のトキに夢とともに新潟県の印象を陽転させる強い期待も掛かった。
ところで自然を模した順化ケージに初めて放たれるトキは当初息切れがみられるという。またケージ内への不意な人の進入には非常に敏感に反応したとも聞いた。専門家ほど不安と緊張を高めているにちがいない。素人ながら佐渡の自然に一定の全うさがあれば生物的な適応は可能に思われる。問題は人間などの関わりではなかろうか。人工的な音響や車両の日常ストレスは初めてだろう。トキ目当てで観光客は激増しそうな予感がする。さらにどう猛なカラスなど天敵もあるだろう。こうみると、いずれ追い詰められて行き場を失うという最悪の事態を避ける策は大丈夫なのだろうか。
一方今年4月、初めて順化ケージで巣作りがされ、5月にはそこで2羽の雛が返り無事に育っているという。また報道される佐渡の方たちの熱心な取り組みは心底頭がさがる。先日、放鳥のためにケージで捕獲された15羽のトキにも現在ストレスは見られていないこともややホッとさせられる。
振り返れば画期的だったパンダの生育は檻の中で果たされた。しかしトキは一端断絶した自然・人間の環境に放たれようとしている。生態系という複雑な総合軸で時間というものを30年前に戻せるのか?異国の遺伝子は佐渡にも適応するか?厳しくも夢のような試みだ。その期待を40グラムの発信器を背負った鳥が担う。SFにも似た出来事の始まりに見える。佐渡と新潟県には真の自然共生を目指すパラダイムシフトの先頭たる一員の名誉もかかった。すべて鳥と自然の側に立つこまやかで根気の要る長い目が必要だろう、是非成功してほしい。明日午前10時半放鳥。野茂やイチローの初試合とまた異質の重い緊張がつのる。
ソバ畑
今朝上越タイムス紙に樹下美術館がソバ畑の写真付きで載っていました。それで美術館のデッキに出てみました。刈り取りが進んだ田に残されたソバ畑は、一面まっ白な花に変わっていました。デッキを降りてあぜ道を進むと、あたかも泡立つ海の中。身心が洗われる思いがしました。
あなどるなかれカマキリ
数日前、我が家の階段に大きなカマキリが現れました。それが昨夜は居心地よさそうに温水器にへばりついていました。秋はカマキリの繁殖期だそうです。指を近づけるととても機敏に反応します。こんな所でいつまでも和んでいては繁殖チャンスを逃しかねません。がんばりましょう、と言って庭に放してやりました。
ところでそのカマキリはメスのようでしたので、交尾ではオスを食べるのでしょう。メスは生涯で何度か産卵するそうです。しかしその都度オスを食べるのでは、オスが足りなくなりDNAの繁栄原理に合いません。交尾のあと逃がれて生き延びるオスがいるか、はじめからメスを上回る多くのオスが必要です。もし生まれる雌雄が同数であれば、メスは初めて交尾を経験するようなオス(若いオス)を逃がしてやっている可能性があります。そして食べられるオスは経験済みの、どちらかというと老いた個体が選ばれる?これなら話が合ってきます。食べられるそのとき、オスは甘んじてメスに身を任せると聞きます。DNA(種の繁栄)の摂理に「雌のミッション」、「雄の我慢?」を勝手に感じていました。食されるカマキリのオスの我慢はすでに殉教者ですね。カマキリ、あなどるなかれを思う一夜でした。
ざくろアラカルト
館長の絵に「ざくろ」を載せました。辺りで目にする今年のざくろは例年より早め、そして多めに実を付けているようです。赤色と種子の美しさ、形状の変化の妙味から、ざくろは好んで描かれる果実の一つではないでしょうか。
陶齋も多くの焼き物にざくろを描きました。その陶齋を愛した父は昭和30年前後に庭など数枚の油絵を描きました。 中に一枚、陶齋の赤絵掻き落しざくろ壺の絵があります。油気もなく下手と、大方に邪魔にされた絵は長年押し入れの肥やしになりました。そして案外あっさり絵を描くのを止めてしまった父が考えたのは、ざくろの壺に何十年も絵筆を立てておくことでした。
このたび埃まみれの絵を取り出して見ますと、良い季節に上機嫌で描いているようで、いいなと思いました。ひどく傷んだ額を近々替えて、昭和57年に亡くなった父への遅い孝行として自室に架けようと考えました。
私に関しては、若い頃に手作りのパイプが流行って、陶齋の壺に習って稚拙なざくろを彫ったことがあります。水彩でざくろも描きましたが、色、形、種子、三拍子きれいに揃うタイミングに出会えないことをいいことに、いまいちのままです。恥ずかしながらこの絵を9月からの館長の絵としていつものようにお手洗いに架けました。
陶齋のざくろ壺
父が描いたざくろ壺
ざくろパイプ
ざくろとどくだみ(館長の絵)
9月からはざくろです。前回のどくだみとともに掲載しました。いつものようにお手洗いの鏡の脇に架けました。
ざくろ

展示日2008年9月1日から
水彩・2000年秋作・16,5×35,5㎝
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どくだみ
少しややこしい夏の恋
夏はちょっとした庭の出入りにも忙しそうな昆虫たちを眼にします。
最近恋するシオカラトンボとモンキチョウの二態を見ました。少し見にくい写真ですが、二羽のトンボは色が違っています。青みがかっているのは成熟したばかりのオスのシオカラトンボです。その左下の黄色はシオカラトンボのメスで、普段ムギワラトンボと言われているものです。オスは成熟すると見慣れた白い胴体になります。同種でも名前が異なったり時期や雌雄で色が異なったり何かややこしいですね。この日、若きオス君はがんばりましたが、メスさんのご機嫌はあまり良くありませんでした。
一方、柏葉アジサイの遅い花にとりついた蝶のカップルも色違い。シロチョウとキチョウに見えてあれ?と思いました。調べてみますとキチョウのメスが白味を帯びることはよくあるということでやれやれでした。少々ややこしい同じ昆虫たちの名や形状の異なりはネットで詳しく調べることが出来ますので助かります。それにしましても仲のいい蝶の向きが反対とは、お二人に不満はないのでしょうか。

恋するシオカラトンボ

モンキチョウのカップル
春の田
樹下美術館の南側で春の農作業が進んでいます。
植え終えた田は瑞々しい生気があふれ、しろ掻き中の田には、虫を求めて様々な鳥たちが飛来しています。
初めて分かったのですが、ツバメは一定の風向きがある場所では、おもに風上に向かう時に多く捕食していることが観察されました。
つまり風上へはホバリングなど様々な変化をつけて捕食しながら飛び、田の端で反転するとあまり捕食動作をせず一気に風下に向かうことを繰り返していました。
とても賢そうに見えました。
風上へ向かうツバメ
風上へ向かうツバメ
風下へ向かうツバメ
一年前のこの時期、樹下美術館はまだ一部工事中でした
クリスマスローズ
解放させて頂いてる隣接の自宅庭でクリスマスローズが賑やかです。4月後半まで持ちそうです。花ごよみとして間もなくヒトリシズカとスミレ類、ミヤコワスレが頑張り4月20日頃にヤマザクラでしょうか。さらにシャクヤク類、そして一周年の6月前後からアジサイ・ウツギ類、ユリ、ヤマボウシ、ナツツバキの予定です。うまく咲くといいのですが。
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