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樹下美術館6月最後の日、胸がすくようなコンサート。

2012年7月1日(日曜日)

昨日昼、大きな楽器ケースを携えた竹花さんと蓮見さんを直江津駅へお迎えに出た。音楽が服を着ているような魅力的なお二人だ。

 

到着されて間もなく始まったリハーサルは、緊張と期待のもう一つの音楽会。

 

そして本番。バッハ、モンティ、ピアソラ、チック・コリア、サンタナ、さらに豊かなオリジナル、アンコールはカザルスの愛奏曲「鳥の歌」にポール・アンカ!

プログラムは6月最後の日の空気を多彩に振るわせ、心を揺さぶった。

 

1空と雲
雲が気ままに遊んでいた日。

 

2熱演
熱演。

 

3楽しいトーク
間の良い楽しいトーク。

 

竹花加奈子さんのチェロと蓮見昭夫さんのギター。それぞれスペインとドイツでの活動が長かったお二人の音楽には、胸が空くような大きさがあった。

篠崎正喜さんが個展をされます。

2012年6月27日(水曜日)

画家・イラストレーターの篠崎正喜さんが以下のような個展をされます。
美しく、豊かな篠崎ワールドをお楽しみ頂きたいと思います。

 

篠崎 正喜 展 ー見上げる といつも 空があったー 

会期:2012年7月16日(月曜日)~21日(土曜日)
時間:午前11:00~午後6:30(最終日は午後5:00)

会場:銀座4-4-5ギャラリー・オカベ 電話03(3561)1740 

ホルスタイン(上)・希望(下)下
頂いたお葉書から上は「ホルスタイン」、下は「希望(32×41㎝)」です。

物語ただよう幸せな展覧会が期待されます、どうかご覧下さい。

 

篠崎さんの絵は樹下美術館のカフェの大作「午睡(120×180㎝)」でおなじみです。

午睡
2007年6月、樹下美術館の開館に際して篠崎氏に描いて頂きました。

 

カフェの午睡
ここで皆様に親しまれ、喜ばれています。

バッハからピアソラ、チック・コリア、そして竹花さんオリジナル 

2012年6月25日(月曜日)

お陰様で満席となりました今週末30日。竹花加奈子さんのチェロと蓮見昭夫さんのギターによるコンサートが近づきました。

演奏者のお二人から以下のようなprogramが知らされておりますので、掲載いたしました

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ  G線上のアリア
サン・サーンス  白鳥
竹花加奈子 プラザ カテドラル
竹花加奈子  プラードからの祈り
ヴィットーリオ・モンティ チャルダッシュ

休憩

 アストル・ピアソラ   オブリビオン 、リベルタンゴ、 タンゴの歴史よりカフェ1930、
チック・コリア  ラ ・フィエスタ

 

チェロとギターのエキゾチズム、胸おどり心に沁みるコンサートが期待されます。

 


you tubeからチック・コリア自身がトリオで演奏する「ラ・フィエスタ」

雨のち晴れ週末の上京 食事 酒場・ルパン 二つの展覧会。

2012年6月17日(日曜日)

先週末午後から上京した。同夜古い友人の快気祝の食事をし、晴れた翌日の日曜日に展覧会を二つ見た。

 

1群馬県北部の田んぼ 土曜日午後の新幹線車中から、群馬県北部は雨の水田。

 

2六本木のカフェ
都内のオープンカフェも雨降り。かすかな蚊取り線香が雨をすっきり感じさせていた。

 

3マンゴービネガー
最後の最後に出たマンゴービネガー。

4ルパン
ついに行ってみた酒場・ルパン

 

土曜日の食事はル・マノワール・ダスティンで五十嵐安雄シェフの料理を堪能した。すみずみまで氏の真心が込められたアラカルトから夏トリュフの前菜と魚料理を二品選んだ、その後チーズ、デザート、珈琲と進み最後に口直しのマンゴービネガーがママレードと一緒に出されて終わった。4時間が経っていた。

   

五十嵐シェフと一緒に
五十嵐シェフ(後列左から二人目)とともに。
およそ年一回、もう20年近く食事会を続けた仲間で会うのは刻一刻貴重になっていく。

 

 

遅かったが、前々から行ってみようというバー・ルパンへ寄った。文士名士たちが愛しに愛した店。ここのカウンター奥で撮られた太宰治の写真はあまりに有名。今でもその席に座ってみる客は引きも切らないという。当夜20席ほどの店内は満員で、若い男性たちが太宰の席を喜んでいた。

 

大騒ぎしなくとも昭和の遺産というべきバーが残り、流行っている。さすが東京、文化の力だ。

  

5紅型展 沖縄復帰40周年記念 紅型 展図録 サントリー美術館 

サントリー美術館の紅型(びんがた)展は独特な沖縄の美を印象づけられる。親しさとともにあるエキゾチズム。明瞭な色と形。多くの国宝があり、衣服として実用された染色芸術は保存状態が良く素晴らしかった。幸せな旅情へ誘われる第一級の展覧会だった。

 

6大エルミタージュ美術館展IMG_9640大エルミタージュ美術館展 新国立美術館 図録
日本テレビ放送網©2012

 

ロシア350年におよぶロマノフ王朝が蒐集した代表絵画作品展。16世紀・人間の世紀、17世紀・黄金の世紀、18世紀・革命の世紀、19世紀・進化する世紀、そして20世紀=アヴァンギャルドの世紀、流れ沿って展示は一見の価値ある。

 

それにしてもまる一日半見ていないコムクドリはどうしただろうか。

開館5周年の日 I氏の訪れ The folks who live on the hill

2012年6月10日(日曜日)

お花
頂いた花束にモネ人形もびっくり。
お客様で賑わった午後、「おめでとうございます」と、花束を手にした男性が現れた。白の麻ジャケットを羽織り、すらりとして日焼けした人こそ懐かしいI氏だった。 忘れていたが今日6月10日は開館5周年の日だった。

氏は開墾農家で、スタンダード曲“The folks who live on the hilll (丘の上の農夫)”の詩情を漂わせる。30年近く経つが、クルーに加えて頂いた佐渡や能登における外洋ヨットレースで誰もが認める名スキッパーでもあった。

最初の佐渡レースに参加した前夜の小木港で、自分は鍋一杯のブイヤベースを作った。あちこちの艇からキャビンに人が沢山集った楽しい一夜などの思い出を語ってくれた。

いま畑作に専念し、仕事は大変だろうが彼の畑をいつも美しいと思って見ている。

 


キリ・テ・カナワの“The folks who live on the hill”
(1937年 ジェローム・カーン作曲、オスカー・ハマースタインⅡ作詩)

 

勝手にかいつまんだ意訳ですが、

“ いつか私たちは丘の上に小さな小屋を作り

丘の上の農夫と呼ばれるようになりましょう ”で始まる曲。

 

最後のさびがいい。

“子どもたちが大きくなってここを出て行ったら

ベランダに座って大好きな景色を眺めましょう

普通の若者二人が睦まじい老夫婦に変わるのね

丘の上の農夫と呼ばれた二人に”

(間違いはお許し下さい)

 

少し疲れた日 夕暮れ電車と音楽。

2012年6月9日(土曜日)

先日の頸城平野の夕暮れ電車

暮れる柳町

頸城平野のはくたか
「はくたか」

 

昨夜聞いたルイス・ミゲル“Inolvidable”。

最後に素晴らしい月の影絵 終わったGW。 

2012年5月7日(月曜日)

最も遠方は18分先の石橋のカメラ屋さん。文字通りお出かけなしの連休が終わった。

 

座ってばかりの毎日で、いつもはあっという間に終わる連休を長いと感じた。我慢の机修行、これまで何度もやり直しを繰り返した図録編集を今度ばかりは終了とさせた。
図録は地獄?などと弱音も吐いたが陶齋では129点の写真とリスト(名称、年代、サイズ)、用語集、年表、アルバム、私の絵をカットに用いた扉、奥付、最後に目次を入れて68ページとなった。

倉石隆氏の分はアルバムを残しているが、ほぼ同じ仕様で124点51ページだった。

夕刻美術館に出向いた。連休は昨年より賑わった印象がある。頑張った若いスタッフをねぎらい、庭と芝生の草取りを小一時間。暮れて最も遠いお出かけとなったカメラやさんへインクを買いに行った。

帰りの車窓の月がまことに見事、昨日が最大だったらしい。樹下美術館のベンチへ寄って田んぼの月を写した。

 

最後の夜に、素晴らしい時間が待っていた。

1IMG_9394
電線で遊ぶなんて。
3IMG_9455水の田で草が祈りはじめた。5IMG_9487
たたんだパラソルの下でつる草がデート。7IMG_9508
お月見して幸せそうですね。
2IMG_9396
ケーブルを這うのですか。4IMG_9465痩せたピエロが笛を吹く。6IMG_9497
恥ずかしそうな草も出てくる。
8IMG_9513
登る月が畦にもぐって終了。

 

大きな月がゆっくり高い鉄塔のテッペンをを横切った。田の月は移動しながら次々に畦の草を影絵として見せた。およそ45分、始まったばかりのカエルの声を聞きながら、あたかも古いディズニー映画を見ている気分だった。本当に素晴らしかった。

 


昭和50年代後半、車でよく聴いていたラロ・シフリンの「MOON GLOW」
子どもたちと夏のお出かけはこの曲で出発。

荒れ模様の祝日 白磁の根付(ねつけ)は判じ文字

2012年5月4日(金曜日)

せっかくのみどりの日が風雨に見舞われた。気温も下がって気象は厳しい一面を見せている。たまっている用が多く、午後美術館に顔を出した以外は一日中机に向かった。

そんな日の昼、ひょうんなことから齋藤三郎の小さな作品が出てきた。両面に文字の透かし彫りを施したわずか4,5センチの白磁の根付(ねつけ)である。読みといい、作りといい思ったより手の込んだ作品だった。

 

まず読みがすんなり行かない。無造作に穴ばかり開けられているようだが、ちゃんと字が彫ってある。出会った6年前に読んだのを忘れていてすぐには分からなかった。

根付け表
根付け裏

ようやく読めたので、妻の所に行って尋ねるとしばらく睨んでいた。表はさんずい(三水)、裏はもんがまえ(門構え)、と言うと「あっなるほど、齋藤さんは天才だわ」と感心した。

小片の裏表に施す透かし彫りは、筒などよりはるかに難しそうだ。漫然と彫るだけでは、相手の文字の裏ばかり見えて興ざめだろう。互いに抜け合う部分と途中で止める所をうまく案配してデザインする必要がありそうだ。面白みも出したいし、紐も通さなければならない。ウーン、たしかに厄介だ。(もしかしたら片面ずつ作って貼り合わせるのかな?)

この根付は6年前、開館に際して齋藤三郎さんの最初のお弟子さんである故志賀重人氏から頂いた。その時、齋藤さんは大変器用な人で、透かし彫りにおける刀(とう)さばきなど実に鮮やかだった、とお聞きした。きっとこの面倒な作品も鼻歌などを歌いながらサッサと作ったことだろう。

 

午後3時すぎ、座ってばかりの机を離れて美術館へ行った。悪天候の中何組もお客さんが見えていて嬉しかった。

忙しくしている若いスタッフに根付けを見せると、「表は清い、裏は閑で、清閑」と即座に答えた。最近これほどびっくりしたことは無い。

幸福のパン種 増補版 「新春、人間に」から。

2012年4月22日(日曜日)

幸福のパン種
幸福のパン種 増補版: 堀口すみれ子編 かまくら春秋社 
平成23年10月11日発行

 

この度の堀口すみれ子さんのご講演に際して「堀口大學詩集 幸福のパン種」の増補版を戴きました。
幸福のパン種は1993年、大學の十三回忌に発行されました。昨年10月、「新春、人間に」および「そして今は」の2編を増補して改版されました。

 
昨日のご講演の最後にすみれ子さんは「新春、人間に」を朗読されました。この詩は1971年の産経新聞の元旦の特別版に掲載されたものです。その年に福島第一原子力発電所が稼働したということでした。

 

大學は生前“僕の詩は50年早かった、50年経ったら理解されるよ、君はそれを見届けておくれね”と話したそうです。

当版の末尾で、「何気なく聞き流していた言葉ですが、ああ、あの言葉は本当だったのだと実感します」、とすみれ子さんは述べられています。昨年の福島の事故を顧みる機運から、この度の増補がなされたのだと思いました。

 

以下は「新春、人間へ」です。

“ 分かち合え

 譲り合え

そして武器を捨てよ

人間よ

 

君は原子炉に

太陽を飼いならした

君は見た 月の裏側

表面には降り立った

石までも持って帰った

 

君は科学の手で

神を殺すことが出来た

おかげで君が頼れるのは

君以外になくなった

 

君はいま立っている

200万年の進化の先端

宇宙の断崖に

君はいま立っている

存亡の岐れ目に

 

原爆をふところに

滅亡の怖れにわななきながら

信じられない自分自身に

おそれわななきながら、、、

 

人間よ

分かち合え

譲り合え

そして武器を捨てよ

 

いまがその決意の時だ ”

 

元旦の特別記事にしては大変重い内容ですが、大學の先見性、詩人の良心の堅さをあらためて認識させられます。すみれ子さん、良い増補を有り難うございました。

 

今日は二つ良いことがありました。一つは放鳥されたトキのペアから初めてヒナが返ったというニュース。もう一つは書くのが恥ずかしいほど大量のハンディをもらってゴルフコンペに優勝したことでした。次回のハンディは29ということで、また挑戦したいと思います。

米山の雪形は“粉雪が舞う”?

2012年4月14日(土曜日)

一度何かが何かに似ていると感じると、それが気になってくる。

 

①09年1,18の米山
2009年の米山(やや西方面から)
②2012,4、12の米山
今冬の米山(柿崎区中心部に寄って)

 

上越市頸北地域の東にそびえる霊峰米山。1000メートル足らずの山ながらすこぶる威厳がある。
ところで、西から東へと進み、柿崎区に近づくにつれて山の中央左に白く抜ける長い菱形の雪形が目に入る。

4、5年前のある日、輪郭だけだがこの形が倉石隆の名作「粉雪が舞う」に見えるようになった。
もちろん被っている“角巻”の開き方や体の傾きなどぴたりというわけには行かない。

大きな同作品は現在上越市立総合博物館に収蔵されているが、あまり展示されることはない。それで冬になると飛んで行って米山で雪の模様となって、故郷を見ているというイメージを楽しんでいる。

 

 ③粉雪が舞う
上越市立総合博物館に収蔵されている名作「粉雪が舞う」
角巻を被る人の顔は倉石隆自身ではないか、と言われている。
(写真:郷土作家シリーズ「倉石隆展」 新潟市美術館1995年9月14日発行)

 

④作品の白黒反転-1
粉雪が舞うのネガ反転
雪形の拡大
雪形の拡大

この形から角度によって白いダイアモンドやクリオネなども浮かぶ。いずれにしても柿崎の方たちにとっては冬から春の山の飾りとして見慣れた模様であろう。

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