樹下だより

大人組

2009年1月14日(水曜日)

昼の晴れ間が夕刻に一転、風雨がひどくなりました。そんな昼過ぎ、大阪から雑誌「大人組 kansai」の記者とカメラマンが取材に来られました。私たちには馴染みがありませんが、40代からの”大人”をターゲットにしたオール上質紙の情報誌ということです。関西を中心に月刊4万5千の部数を誇るとお聞きしていました。

次号(3月号)特集、「大人の一人旅」の取材で、初めて新潟県入りということ。メインは岩の原葡萄園で、当館はその立ち寄り先の設定です。サントリー系列である同葡萄園の名作ワイン「深雪花」のラベルを齋藤三郎が描いています。それで彼の作品を収蔵する当館を訪ねるというストーリーでした。

ところで、先月は新潟の「住まいnet」からカフェの特集で取材を受けました。続いてテレビ新潟の突撃取材。口コミ、たまたまなど、取材が増えているように感じられて喜んでいます。

一人旅、、、。これも美術館らしいイメージですね。このたびは久しぶりの関西弁と関西文化。既刊の写真がいずれも美しく、出来上がりが楽しみです。

大人組 kansaiの表紙

私のまちの美術館展・搬入

2009年1月13日(火曜日)

    新潟県文化振興財団と新潟日報社の主催による「私のまちの美術館展」があさってから新潟県民会館で2月1日まで開催されます。作品の搬入日は今日、明日の二日。しばらく荒れ模様の天候予報です。明日はもっと荒れると困るので、私たちは今日搬入・展示作業をしました。

 

 館内は広く、参加した15の美術館に1施設あたり約10メートルの壁面が与えられています。樹下美術館は早出のスタッフのお陰でスムースに絵画2点、陶芸5点を飾りました。ほとんどのブースはこれから作業のようでした。全館の準備完了で、会館スタッフが照明のセッティングをしてくれるそうです。

 

 上越地域から私たちだけの参加で少し寂しい気がしました。まだ照明がなく平板な感じのブース。午後の診療がありますので、頑張れよと作品に声を掛け、急いで会場を後にしました。

 

リーフレットもしっかり置いて 作業中の他館スタッフ達
   

あけましてお目出度うございます

2009年1月1日(木曜日)

 あけましておめでとうございます
ただ今、樹下美術館は冬期休館中です
今年の開館は3月1日(日曜日)からとなります

時代が厳しければこそ文化・芸術がより身近になる予感が致します
今年も何卒宜しくお願い申し上げます。

休館中ですが、何かにとブログは続けて参ります。

 

ホームページ[お声欄」に9月~12月分を掲載させて頂きました。

 

001_2

感謝と始まり

2008年12月28日(日曜日)

 本日で無事今年の展示を終了しました。1、2月は冬期の休館に入らせて頂きます。開館から一年半、ご来館者はちょうど5000人を越えたということでした。ゆっくりと樹下美術館は歩んでいます。お越し頂いた皆様には心から御礼申し上げます。

 

 今年最後のお客様を見送ってスタッフと簡単なお茶とミーティングをしました。
来年前半につきましては、
●1月15日(木)~2月1日(日)の新潟県民会館「私のまちの美術館展」へ参加。
●3月1日から開館。3月いっぱい「倉石隆特別展」を継続。
●4月~7月までの陶芸ホールは「陶齋の食器展」。
と決めました。

 

 きっと春まであっという間でしょう。隣接の庭がクリスマスローズの頃にまたお待ち致します。今年はチューリップと百合を沢山植えました。

 

 ところで午後、季節風の海を見に行きました。例の浜小屋も頑張っていました。よく見ると、苛烈な風を避けるように小屋の後ろに二本の松が。老いた小屋もまた若い命を見守る風情でした。ゴウゴウたる海鳴りの浜で、ひっそりと命の物語が始まったようです。

 

 頑張れ小屋と松。松は今まで全く気づきませんでした。3,4年は経っているのでしょうか。実生だと思いますが厳しい場所です。そっと添え木をするか否か、、、。

Photo Photo_2
遠景 日当たりも考えた距離?
   

荒天と美術

2008年12月26日(金曜日)

 クリスマスの昨日25日は、午後から激しい雷と猛烈な風雨の荒天となりました。それでも14名のご来館があったということでした。美術は晴天ばかりではなく、厳しい日も観てお茶をする良い日頃、ということでしょうか。突撃して頂いた皆様の思いが伝わって心温まりました。栄養士さんのグループ、M先輩ご夫婦、そふぃーさん、高田のお仲間たち、美術館を暖めて頂き有り難うございました。

 

 ブログでよく樹下美術館を紹介して頂いているそふぃーさんから展覧会「私の愛する一点展」というチラシを頂きました。会場は長野県東御市(とうみ市)の梅野記念絵画館です。一般に所有される絵画を一点ずつ持ち寄って飾るとてもユニークな展覧会で、今回は105点!ということです。1月22日(日)まで開かれています。

 

 ところで長野県には多くの市町村に美術館があります。それぞれ維持の努力は大変だろうなと思います。でもこの時代ならばこそ上越地方にも、もう一つ二つ感じの良い美術館があれば、という気もします。

 

 時代はますます厳しさを深めています。厳しいと言えば物が不足した戦後、芸術はより広く身近なものだったように振り返られます。今後、街なかの楽しげな施設が、自然に人を元気にさせるかもしれません。作ることも観ることにも、万人が有している「創作という力や楽しさ」が働くからではないでしょうか。

 

※どっと来た介護保険の書類を一生懸命書きましたので、書き込みが日をまたいでしまいました。

 


私の愛する一点展 

テレビ新潟のお二人

2008年12月22日(月曜日)

 昼休みに美術館から、新潟のテレビ局が取材に見えている、と電話が入りました。行きますとテレビ新潟(TeNY)の若いクルーが二人、「ラーメンの旅」ののぼりを手に待っていました。突然、しかもここは美術館なのに、と最初は面食らいました。しかし看板番組の一つ夕方ワイド「新潟一番」のコーナーの突撃取材ということ。県内のラーメン店探しを手がかりに、地域を探訪する内容と聞いて、喜んでお受けしました。放映はこの先、1月21日午後3:55分からの番組内ということでした。

 冬の雨の日、道に迷ったように来訪された諸橋アナウンサーとディレクターさん。とても自然で明るく好感がもてました。思いのほか作品や建物を熱心に観ていただいて有り難うございました。最後に私が近隣のラーメン屋さんを紹介して終了。今度は実況で樹下美術館を伝えてみたいと仰って頂きました。荒れ模様の日に楽しいハプニングでした。 

若いお二人さんお疲れ様でした。花の時期にまたおいでください。

 

寒空をテレビクルーが暖める

上越代表で

2008年12月17日(水曜日)

来る1月15日(木)から新潟市で「私のまちの美術館展」が開かれます。県内各地の美術館から出展を募って開かれる画期的な展覧会です。

●期間 :2009年/1月15日(木)~2月1日(日) am9:30~pm5:00
●会場 :新潟県民会館(電話025-228-4481)  3階ギャラリーA・B
●主催 :新潟県文化振興財団新潟日報社
昨年、新潟県文化振興財団から知らせがあり、私たちも喜んで応募することにしました。結果、県下で15の美術・博物館が出展に応じました。上越市からは樹下美術館だけでした。
当館の出展作品は齋藤三郎の陶芸「色絵椿紋皿」「辰砂蝋抜き草紋壺」「染め付け辛夷紋壺」「染め付け民家香合」ならびに倉石隆の油彩「更紗」と「黄昏のピエロ」です。

はからずも上越代表になりましたので一生懸命頑張ります。足下の悪い時期ですがご来場いただければ有り難く思います。

001_2 Photo
展覧会チラシ・表 チラシ・裏

初冬の貴重

2008年12月6日(土曜日)

 季節風と時雨の合間に時々陽が差しました。暦は冬となって黙っていてもあわただしさに包まれます。

 

ただ今樹下美術館では全館に倉石隆の絵画を架けています。冷えて荒れがちなお天気のなか、昨日は杉みき子さんが、本日は筑波進さん、黒田進さんがそれぞれお見えになりました。初冬の日における文学、美術の人々のご来館は、そっとした物語が漂うような、そんな感じがしました。連日の寒い日頃、ご来館頂いているお客様に心から御礼申し上げます。 

 

わずかの晴れ間に出てみると、ヒシクイが飛び田に白鳥が降りていました。貴重な初冬の訪問者です。

 

カフェでは荒天であればあるほど、暖かいお茶をお出ししたく思っています。

 

 

 

初日

2008年12月1日(月曜日)

 倉石隆特別展が始まりました。当初「特別展」の冠を想定していませんでしたが、「せっかくの機会だから」のご助言でそう致しました。風もなく抜けるようなお天気の初日、お越し下さった皆様に心から感謝申し上げます。館内では、はじめて一堂に会した倉石氏の人物画20点が、伸びのびと喜びあう風でした。

 

トミオカホワイト美術館・長谷部館長様。このたびは新潟日報の「アートピックス」で大変お世話になりました。本日は美しいお弟子さんたちに囲まれた昼食をご一緒できて光栄でした。在りし日の倉石先生のクールなエピソードと、氏の絵画における背景のお話は感銘を受けました。また上越タイムスのTさん、いつもながら掘り下げた取材をしていただいて感謝しています。

 


女性像の一部

男性像の一部

 

星に祈った。

2008年11月30日(日曜日)

 明日から倉石隆特別展が始まる。夕方から現状の片付け。ケースの搬出。絵画展示。照明の調整などを外部の方の力も借りて済ませた。

 

陶磁器の4ケースを残して初めて全館の壁面に人物画を架けた。向かって左側に女性の、右側には男性の絵が合計20枚。奥のホールまでぐるりと架かったので館内にはうねりに似た絵画の迫力が響いているように感じた。

 

見渡すとあらためて倉石隆は「人間の画家」、の感慨がした。一点一点には人間を描く困難とともに、描き切ったすがすがしさが漂うことに気づいた。4点の陶齋の陶磁器が絵画と静かに調和していて嬉しかった。

 

夜遅く美術館を閉めて外へ出た。雲が地上の光を写して白く浮かび、切れ間にオリオンの星が晴れやかに輝いている。辛い人の悲しみが少しでもやわらぐように、心から祈った。

2025年11月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

▲ このページのTOPへ