樹下だより
倉石隆が描いた人物 絵画二つの側面 玉川こども・きょういく百科の挿絵から。
樹下美術館設立当初から齋藤三郎の陶芸とともに常設展示をしている倉石隆の絵画。
●収蔵作品の多くは、以下一部をお示したように大人の油彩人物画です。
「琢也」
人物たちは何か重そうで複雑なものを抱えているように見えるのは、それぞれが大人だからでしょう。倉石氏はあえて大人の何たるかを描こうと努力したように思われます。
●少年少女が見られるのは以下のような版画、あるいは書物の挿絵でした。
●少年少女あるいはこどもたちには物語の中で夢中や熱中が見られます。
●今まで、倉石氏が描いたのは少年少女に相当する年令の子たちまでかな、と漠然と考えていました。ところが先日以下の挿絵に出会い、さらに幼いこどもたちが沢山描かれているのを知り、びっくりしました。
「ひかりのくに」昭和52年4月号から。
園児たちの何と軽々として可愛いいこと。倉石氏の作品とはにわかに信じられませんでした。
そんな折、ウエブサイトで倉石氏が挿絵をした本がまた見つかりました。
「玉川こども・きょういく百科」 全31巻のうち7巻。
玉川大学編集 1995年9月30日誠文堂新光社 新装版第4刷発行。
倉石氏が挿絵をしている「ちきゅう」。
A4変形版、芯は固いが表面は柔らかいハードカバーがついた高級本。
以下非常に多くの挿絵やカットから一部をご紹介します。
以下自然や宇宙の挿絵には迫力がありました。
こうしてみますと倉石隆は自在に描けた人だったことが分かります。デッサンのトレーニングの賜物ではないでしょうか。氏に限らず、往々にして昔の画家たちには描こうと思えば描ける絵と、信条や使命として描かなければならない絵の、両方があったことがうかがわれます。双方とも同じ重さで大切だったにちがいありません。
来る3月15日開館の美術館で倉石隆は「細長い絵」と氏が施した「表紙と挿絵」の書物を展示致します。
四月からのお茶会のお知らせ 二度目の積雪。
樹下美術館では今年4月から毎月一回、
以下のように第4日曜日に薄茶のお点前でお茶会を致します。
簡単ながら季節の趣向をもってお迎え致したいと思っています。
第一回目は3月22日(日曜日)。
午後1時からと2時半からの二席です。
どうかお気軽にご参加下さい。
お問い合わせなどは美術館の窓口か以下のお電話でどうぞ。
樹下美術館☎025-530-4155
今夕樹下美術館の寒菊。
本当に辛抱強い花だ。
本日午後、量は少ないが今年二度目の積雪。今のところ苦しみにあえぐこともなく、冬の風情を味わえる今年の雪。因果は分からないが時にはこんな年があってもいい。
今年前半の齋藤三郎(号:陶齋)。
今年の齋藤三郎展示は前半(3月~7月)と後半(8月~12月)に分けて展示致します。
前半は以下のように「陶齋の梅と椿」に致しました。
梅は二人の師富本憲吉と近藤悠三ゆずりの紋様ですが、椿は陶齋独自に始めました。椿は時代と共に変化が見られ、興味深く思われます。
どうか陶齋の春をご高覧下さい。8月~12月の後半は「ざくろ」と「秋草」をテーマに展示の予定です。
今年度の倉石隆 今年初めて辺りが白くなった。
小雪無雪は自然現象なのでともかく、武漢肺炎、よく分からない不倫に汚職に選挙法違反などで紙面?は賑やかですが、多くは例年のことかも知れません。
せめて樹下美術館は何とか爽やかに推移できれば、と願っているところです。
さて開館の3月15日に向けて、今年のラインナップが少しずつ出来てきました。本日は倉石隆の展示をご案内致します。
油彩は昨年好評でした「細長い絵」を延長して展示致します。良く言えばロングランというところです。
このほか氏が挿絵や表紙で携わりました多くの書物のうち当館が収蔵する本を展示いたします。
もとより小さなスペースですが、工夫をして展示する予定です。
ご高覧頂ければ有り難く存じます。
齋藤三郎(陶齋)の展示および今年の新機軸「毎月一回のお茶会(薄茶点前)」につきましても順次掲載していく予定です。
さて本日予報通り雪が降りました。あたりはせいぜい5~6㎝という感じですが、今年初めて積雪らしい風景を見ることが出来ました。午後は青空が現れ、昼の外出で車が示した車外気温は-1度、室内外とも寒い1日でした。
昨年は多くの催事を行い、オーバーペースを否めませんでした。
年令のこと、注力せねばならない本業。今年は催事を減らし、極力心身の〝安定〟を心がけたいと願っている次第です。
雪の無い冬 柏崎の原惣右衛門工房と刈羽の吉田隆介氏の花入れ 良い作品と作者。
1月の下旬になったもののさっぱり雪が降らない、一体どうしたことだろう。
雪がないのは当地だけではなく全国的な現象らしい。80、90才の人に訊いても、こんなのは初めてだと仰る。
在宅訪問や往診は楽だが、何か騙されている気がしてしっくりしない。
さて1月上旬に二回柏崎刈羽に行き、天神様めぐりをした。行程で鋳物の原惣右衞門工房と陶芸家・吉田隆介宅を訪ねて天神様飾りを楽しんだ。
そのおり作品を拝見したがいずれも魅力的だった。その中から以下の作品を購入させて貰った。
原惣右衞門工房の鋭い四角錐の鋳物花入れ。
長くこの手の花入れを探していた。
ざっくりした風合いが何とも言えず、一輪の花と大変相性が良い。
陶芸家吉田隆介氏のうねりをもって尖った花入れ。
赤く散らした斑点が楽しく、サザンカや冬枝と映え合っている。
ヒマワリやダリアなど大きな花も受つけそうだ。
いずれも偉ぶらず、周囲を和ませ相手を生かす作品であり、案の定花をいれると良い風情を醸し出した。
私の拙い経験から、作家と作品について以下のように思うことがある。
〝およそ良い作品を作る人は偉ぶらず、人を幸福にしようと一生懸命だ。良くない作品の人は偉そうにしたがり、作品よりも自分が前に出てどこか品が無い〟
作品と人柄は互いに似ている。
ところで今年の樹下美術館は毎月第四日曜日に、隣の家の四畳半の間でお茶のお点前をして皆様に呈茶のサービスを予定しています。
1回8名様まで、午後2席を考えているところです。宜しかったらお気軽にお立ち寄り下さい。本日掲載しました花入れも掛けたいと思っている次第です。
樹下美術館のヤブコウジ。
連日の庭です。
樹下美術館の庭の少なくとも四カ所の木の下に、ヤブコウジが集まっています。
今年は雪が無いので真っ赤な実が丸見えで、例年よりも目を引きます。
葉の色は緑色と茶っぽいものの二通りがあるようです。
新しいものと年数が経っているものの違いでしょうか。
以下拙歌です
取る年の浮かぬ心を慰むる木の根に赤きやぶこうじかな
こじつけです→木の根=木の音=拍子木=ことの始まり
2001年に描いた拙絵(B5)。
葉で苦労したが出来上がりは良かった、とメモにありました。
ヤブコウジは以下のような見所があると勝手に思っている次第です。
・実が大きい ・実が艶やか ・赤色が鮮やか ・チビなのに樹木 ・チビなのに常緑樹 ・丈夫である ・良く増えるetc。
縁起が良いとされるのはこのような事からでしょうか。
小雪の冬、クリスマスローズの古葉をいつ切るか。
新しい年が一週間過ぎた。
樹下美術館周辺に雪は無く、初雪として終日積雪が残った日も思い出せない。雪に代わって毎日のように雨が降り、まるで冬の梅雨の様相になっている。
昨日クリスマスローズの事を書きましたが、毎年古い葉を何時切るかで悩みます。早めに切って花芽や蕾に日光を当てる、という助言や記事によく出合います。
但し路地植えの当庭では、積雪に対して丈夫な葉が芽や蕾を覆い、雪で傷むのを守っているように見えるのです。それでこの先、蕾や開花の様子と雪の具合を見て、よしとばかり切る方法を取っている次第です(十分な自信はありません、、、)。
本日見た蕾。
開館まであとふた月少々、あまり早く咲きすぎても困るのです。
この気象下、多少の庭いじりが出来るので助かりますが、異常な暖かさはやはり気持ちが悪い。
冬の梅雨などあろうはずはありませんし、全てはいずれやって来る〝寒波〟次第なのでしょう。
白鳥とクリスマスローズ。
当地の朝日池は日本で数少ないハクガンの飛来地で毎年その貴重な姿を楽しみにしている。
今年は11月13日という異常に早い時期、一羽がマガンに混じって飛んでいるのを目にしただけだった。昨日の外来で、20羽くらいが来ているようです、と詳しい方から聞いた。
上越市東から柿崎区、大潟区、頸城区、南西の三和区まで、広いエリアで20羽の鳥を探すのは容易ではない。雪が少ないので上越市中心部まで行っているかも知れない。
本日午後仕事休みの木曜日、ハンドルを握って周辺を探した。だが白鳥の群を見たもののハクガンには出遭えなかった。
それでしばし白鳥たちを眺めて過ごした。
向こうに送電線の鉄塔。以前、これに衝突したり引っかからなければ良いが、と心配したが、そのような事例がなく過ぎている。鉄塔と送電線が比較的少ないのも当地域に飛来する一因になっているかもしれない。
白鳥は雁よりも人に対して鷹揚なところがあり、5,60メートルならそーっと見ることができる。
前回正月を中心に冬の生活に見られる華やかな色彩のことを書いたが、この鳥はひたすら白一色を誇っている。
寒く広い田で一心不乱に食餌するコハクチョウの群。見ていると向こうが主人公で狭い車中の私が異邦人になっている気がしてくる。
時々4、5羽の鳥が集まり、首を伸ばしてクワクワと羽ばたきながら鳴き合う。但し周囲の鳥たちは全く関心を示さず平然としているので不思議である。
鳴き合った後で一羽の鳥がほかの一羽をを突っついたり追っかけたりするのを何度か見た。調べてみたが、鳴き合いといい、何が起こっているのか分からない。
さて夕刻の庭でクリスマスローズの手入れをした。毎年成長が止まったようなのが何株かある。今年もそれらを掘りおこし、新たな場所で土を作り直して植え替えた。今年は異常に温かく、まだ積雪らしいものに出遭っていない。そのせいもあり、以下のように蕾を膨らませたり、開いているものが見られている。
クリスマスローズを庭に植えて25年ほどが経った。
毎年美術館は冬休みを終えると3月15日にその年の開館を迎える。クリスマスローズは、寒さが残る開館後の庭を温めてくれる貴重な花なので、精一杯大切にしている次第。
2019年の仕事を収めた日の短い午後 雲、土留め、ねぐら入り。
本日28日土曜日、午前で今年の仕事を終了し一応正月休みとした。
以下に本日の動向を写真とともに並べてみた。
冷たい雨、時にアラレの合間に陽が射すような午後の四ツ屋浜。
右の低い雲から吹き出すような降水雲。
言葉は悪いが、常ながら「雲が失禁している」ように見える。
四ツ屋浜から美術館へ。
南に向いたこの傾斜地に煉瓦で土留めをするつもり。
体に障らぬよう手抜き仕事。
高さのある薄く安い煉瓦を用い、根が通っている所は石を置いた。
ヒュウガミズキ、クリスマスローズ、アスチルベ、キョウガノコ、
アジサイ、そして百合やキキョウなども咲くようにしたい。
傍らで冬眠中の樹下美術館。
あっという間に春が来て目が覚めるであろう。
庭が終わると16時を回っていた。お天気が持っていたので雁たちのねぐら入りを見るべく朝日池へ向かった。
間もなくコウコウ、クアワクアと鳴きながら次々に群がやってくる。
明るく賑やかな声は喜びに満ちている。
暮れる朝日池。鳥たちは写真のはるか右方の遠くにいる。
およを30分ほどで全体が静かになって。
休みの間に晴れる日があれば、朝のねぐら立ちも見てみたい。
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