なんでも私たち次第。

2013年5月25日(土曜日)

樹下美術館が建って、裏の田で7回目の田植えが終わった。

新鮮な水田に浮かぶように建つ樹下美術館は何度見ても夢見るように穏やかだ。

私が郷里に帰ることを決めたのは、医家の長男であったことも大きいが、地元の松林と水田の引力は決定的だった。

いまJR線沿いの広大な松林は荒れた。一方水田は踏ん張っている。農業は老人の仕事などと一般に言われるが私が知っている限りそうではない。若年ではないにしてもまだ壮年の人たちの踏ん張りでなんとか成立している。

先日オランダの稲作をTVでみたが、もはや農業ではなく、巨大工業プラントのごときものだった。見渡す限りの農地はすべて透明に近い屋根で覆われ、土は無くダクトが巡らされ、必要な環境管理はすべてコンピュータだった。

今夕、樹下美術館の裏に植えられたばかりの稲は風に揺らぎ、とても愛着が沸く。果たしていつの日かこの稲は大気や日光から切り離され緑のロボットの如きものと化すのだろうか。

 

稲

田んぼ

その可否は消費者の私たちが握っている。自分たちがどれだけ消費者ロボットになるか、世の中何でもそれ次第だ。樹下美術館は建っている限りロボットにはならない。

 

2013年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

▲ このページのTOPへ