亡き級友を偲んで三つの「Goodby」。

2020年5月6日(水曜日)

コロナによって日々重い気持ちを、目の前の予定や仕事に向けて、なんとか薄めて過ごす日が続く。そんな折、級友が亡くなりさらに悲しい思いに包まれる。

都合によって会えないでいるのと、相手が亡くなり会えなくなった、のでは、全く違う。とくに急な知らせは、驚き、無念さ、悲しみ、むなしさなど負の心情全てが去来する。また親しくした者ならば、自らの体験でもあるかのように、同一化された怖れをも伴う。

生ける者の理とは言え、父母や妹のように今後何かにつけて思い出すだろう。

集まりをしない、というご遺族のお気持ちに従って精一杯の電報を打った。
昨日の二曲では全く足りないので今日は「Goodby」を三つ載せた。


クラシックの演奏家による2012年、Sibelius Academy of Musicの演奏。
Goodbyには二通りの譜面があり、
これはゴードン・ジェンキンスのもので演奏している。

 


鈴木章治のソロ。氏は1995年に63歳で亡くなっている。
映像は随分古い録画ということになる。
かってカーネギーホールで演奏した人。
当時氏の曲はラジオで聴かない日がないくらい人気があった。
テレビの録画であろうが、普通にジャズの演奏家が出ていた昔が眩しい。

 


ゴードン・ジェンキンスは戦前から作・編曲、指揮で活躍した人。
学生時代のラジオでこの人の名前は時折耳にした。
ただただロマンティックにアレンジされた「Goodby」。
情緒が日常とともにあった昔が懐かしい。

時代・場所・様式・人・みな違う演奏。
だが三者とも演奏キーが揃い(ほぼ)、一続きの演奏のように聞こえる。ピアノを叩くとE♭マイナー(変ホ短調)。各再生音のピッチもある程度忠実だと思う。

亡き人を思って掲載した音楽は果たして当人に届くのだろうか。級友を偲びながらどうみても自分が慰められている。一緒にこのような音楽に親しんだことをいくら感謝しても足りない。

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