戦争よりまし 減らない死亡者と現場消耗の懸念 いつしか夏の庭へ。

2020年5月13日(水曜日)

宣言の有無に拘わらず、この先もじわっとした不安と緊張に包まれて日々過ごすに違い無い。そんななか、かってある年配の女性の患者さんが仰った、
「それでも戦争よりましです」と。

田植えの季節になった。
一年で最も良い季節の一つであろう。かってそのような折、夫に召集令状が来て出征し稲刈りの頃、遺骨になって帰ってきた。近所の男衆にもたびたび同じ話を聞くようになる。
それが何年も続き、生徒さんたちは工場へ動員、物資は配給、当地でも空襲のサイレンが鳴るようになり、〝欲しがりません勝つまでは〟一色の社会を経験したのである。
まともには比較できないが、言われれば今の所そのような日常よりはまだいい、と思うしかない。

ただ最近の状況をみると、感染報告は減りつつあるものの死亡者20人前後の日がそう珍しくない。
すでに受け入れ機関の関係者は3ヶ月余、ウイルスに身をさらし、連日死と背中合わせで重症者と取り組んでいる。院内感染による一旦撤退も無視できない。
また重積する疲労とストレスで逃げ出したい心情が去来するのは頷ける。実際、耐えきれずに現場を去った関係者がいるやに伝わる。

対象が減少しているのに死亡者が減らない。
バランスを考えれば、質・量とも医療側の消耗の現れではないか、と心配している。
だれ一人としてスーパーマンではない。彼ら彼女らは風邪と戦っているのではなく、基本丸腰でウイルスの相手をしているのだ。

どうか政府には長期戦で消耗しているであろう現場に対し、いっそう手厚い支援を考慮してもらいたい。

 

いつしか樹下美術館の庭は初夏の趣きになった。

 

 

 

 

多くは無いというものの、はっきりとは減らない死亡数が気になる。

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