柏崎市立博物館の秋季企画展「かしわざきの木喰さん」最終日。

2020年11月23日(月曜日)

過日は鮭遡上だけ見て帰った柏崎。実は10月10日から同市立博物館で「かしわざきの木喰さん」展が開催されていた。迂闊にもそのことを知らずにいたところ、一昨日A氏から、柏崎の木喰展は明後日で終わりですよ、素晴らしいですから、と聞かされた。

この度の企画展ではもうお一人から貴重さを聞いていたものの、同館に格調高く常設展示されている9体の木喰仏を思い出して、はい見ましたなどと言い、正直聞き流していた。そこへA氏から、もう終わりますよ、早く、と熱い催促のお話で、本日慌てて観てきた次第。

江戸時代後期、二度にわたり新潟県を訪れた上人の作品は佐渡、長岡、小千谷、柏崎に多く残されているという。このたび84体に及ぶ(一体は上越市から)同市安置の木喰仏が一括展示され、規模の大きさは初めてという。好機は二度と無いと思い、昼に出かけた。

 

展示チラシ。

 

チラシ裏面。
チラシも底をついたため自前でプリントされている。

三十三観音、十王尊ほか十王堂の12体の群像の壮観な列に加えて、会場を埋め尽くす諸仏は、圧倒的な力をもって賑わう入館者を迎えていた。
上人の仏力か、入場者の昂揚か、場内に入った途端体が熱くなるのを覚えた。
一晩に一体、時には二体を彫り上げたという仏像の多くくは微笑(みしょう)を湛えつつ、独特の彫刻として全くスキが無いのである。庶民に向けて造られたというものの、高い品格と完成度は、研究とともに深い仏性によるとしか考えようがなかった。しかも九十才を越えた年令時の作品だというから、上人の並外れた体力、健康にも驚かされた。

意外だったのは三十三観音だった。おしなべてお顔がふっくらとしたいわゆる美人顔、明らかに木喰さんと異なっている。後の仏師が手を加えて彫り直し{改刻)したという。仏はどんな気持ちだったろう、凄まじい世界だと思った。

展示は本日最終日。
初日から賑わい、昨日は900名の入場だったそうで、図録は売り切れたと受付で聞いた。
代わって生誕300年を記念して刊行された「廻国放浪の作仏聖  木喰」(広井忠男著 日本海企画平成29年5月23日発行)を求めた。

「廻国放浪の作仏聖 木喰」
彫刻し安置された地域の風土とともに詳細に綴られている。

最後にショップの絵はがきコーナーの一番上にポツンと一枚、小生の「ヒメタイサンボク」が残っていたので求めた。
応対された館員の方が私を知っていて、嬉しかった。

「ヒメタイサンボク」
2002年の最初の個展でDMに用いた懐かしい絵はがき。

博物館の後木村茶道美術館に寄った。
紅葉は峠を越えていたが山荘の園内は賑わっていた。美術館の呈茶席は四名が座った。お点前の方は私が通い始めた昭和六十年代当時からの懐かしい人だった。かって樹下美術館も訪ねていただき、数年ぶりにお目に掛かった。当時の者は私だけになりましたと仰り、終わって短い話をした。

頂戴したお茶は熱く美味しく、お茶碗は奥高麗(おくごうらい)。大ぶりで作行き風合いとも非の打ちようがない立派なもの。一度盗難に遭い、後に出て来たという曰くある名品だった。

博物館、美術館とも、今年は突然生じたコロナ騒動で神経をすり減らしたのでは、と思った。

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