お年寄りの昔話その2 「父の戦死で」。

2021年6月30日(水曜日)

カラ梅雨ぎみに推移していたところ、夕刻にいくつも遠雷が聞こえ、1時間ばかりしっかりした雨が降った。
例年この時期、鉄砲百合は咲いて香っては、可哀想なほど雨に痛めつけられる。
しかし今年は雨が少なく、先の予報も曇り時々雨の程度が示されている。今年くらい、百合たちはあまり雨にいたぶられず安心して咲いてもらいたい。

さて昨日のお年寄りの昔話の二回目です。ある奥さんからお聴きしたのはお父さんのことでした。

私は父母の最初の子で、2才になる前に父は招集され仙台の連隊に入った。昭和19年、母は2才になった私を連れて仙台まで父に会いに行った。しかしその後、戦地に向かうため父が乗った船は途中で撃沈され、父は戦死した。
仙台で会ったのが父との最後だった。後々母は再婚したが、私はその相手をずっと「お父さん」と呼ぶことが出来なかった。だが結婚して子どもが出来ると、みなと一緒に義父を「おじいさん」と呼び、初めて親しみを覚えるようになった。義父は早く亡くなったが、長く「父」と呼ばなかったことを今でも後悔している。

 

百合のつぼみで雨を待っているアマガエル。
黄色の花はいま盛りのレダマソウ(連玉草)です。

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