NHK放映「日本ぶらり鉄道旅」の大井町線、等々力(とどろき)で修理されていた齋藤三郎作品の葉文マグカップ 優しい月食。

2021年11月19日(金曜日)

る11月13日のブログで、全国良寛会会長・小島正芳さんが来訪された事を記した。
その日、先生は最近の話として、
NHK放映「日本ぶらり鉄道旅」の大井町線を見たことを話された。沿線の駅等々力(とどろき)のあるお宅を訪ねるシーンで、破損した陶磁器を金継ぎして修繕する女性の仕事場が取材された。驚いた事に修繕されていたのは、齋藤三郎のマグカップの取っ手だった、という。

花の都の郊外で越後の齋藤三郎の器が修理されているとは、私も聴いてびっくりした。
大井町線は縁があり、話には懐かしさもつのった。

その再放送を知人が録画され、本日それを届けてくださった。
15年の東京生活で、大岡山が長く、後に洗足池と尾山台にも住み、母校と病院の旗の台に通った。いずれも大井町線で、それ以外の電車を余り知らないほど同線にはお世話になった。沿線に自由が丘や二子玉川もあって楽しい路線だった。

 

車内のリポーターさん。中延、荏原町、戸越銀座、旗の台、洗足池、、、。
学友や先輩が住んでいたところ。

 いよいよ等々力のお宅。

 

「最近お預かりしたもの」と取り出された器は、ああまさしく齋藤三郎のマグカップ。

持ち主はビールを飲んでおられたという。
我が家では紅茶やミルクを飲んだ。

取っ手は持ちやすいように大きく造れば、その分欠けやすい。

「そんな大事なものを預かるからからには」

「気持を込めて直さないと」

「漆」を主に金あるいは顔料などを共に用いて継ぐ。
器は丸い窓に葉の文様が描かれている。

樹下美術館には同形のマグカップが沢山あり、葉文もある。

右端が葉文マグカップ。

大きくしてみました。

鉄絵を主に藍色の呉須も用いられる。

明るい辰砂を地に同じく葉が描かれている。
上掲の器はいずれも昭和20年代中頃から10年間ほどの作品です。

確かにこのようなカップに冷えたビールを並々注いで飲み干したなら、どんなに美味しかろう。
飲めない私にもよく分かる。

齋藤三郎の器は一般に実用されました。
だが頻用されるほど欠けたり壊れたりしたはずです。家ではセメダインで継いでいました。しかし補修してまで愛用される器は優れた作品ならではであり、持ち主と作者、そして器自身の幸福にちがいありません。

それにしましても等々力のお宅で、金継ぎ修繕されていたのが齋藤三郎作品だったとは。テレビの前の小島先生は本当にびっくりされたことでしょう。良い情報を有り難うございました。録画されたAさん、感謝しています。

 

今夕の月食です。
優しい色になりました。

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