頸城野点景
新潟県立大潟水と森公園に春の光
午前に同級生のT君が見えた。大潟水と森公園の園路はもう十分歩ける、コハクチョウやカモがいると教えられた。
公園は近いので昼食後に行った。普段ここでカモやハクチョウはほとんど見かけないい。いままで知らなかったが、冬場だけのことなのか。
ハクチョウは1月の吹雪の日に見たグループかもしれない。鳥をよく知る人に“厳しい冬だと鳥は痩せる”と聞いていた。気のせいかやはり痩せているようだ。しかしこちらの心配をよそにのんびりと毛繕いなどに専念していた(たいていハクチョウはのんびりしているように見える)。
青空に伸びるクルミの枝が美しかった。

島へ通じる半島の道 晴れやかな赤松

沼を行く道 遠近の常緑樹と落葉樹が溶け合う

遠くのハクチョウ 皆で毛繕いなど

のびのびとクルミの枝
風は冷たかったが光に力があった。
暇そうな海
2月になって1月のそれを裏返したように穏やかなお天気が続いている。午後の休診日、暮れる海を見に行った。ひと休みの表情は期待通りだった。
暮れる二月の海は赤シャツに着替えたものの
だれも相手をしてくれなくて
暇そうに潮だまりを行ったり来たり
本当は荒れたくないんだ、などと言っていた
(2月14日、手を加えました。)
久しぶりの青空に雲 拙誕生日と旧奉天市(現瀋陽市)
正月にわずか穏やかな日があったが、晴天を思い出せないほど悪天候の1月。今朝の新潟日報紙で上越市の1月の日照時間合計が1922年以来の統計史上、最低と報じられていた。歴史的暗さの1月が終わった。
その空が本日小生の誕生日に、久しぶりの晴れ間を見せた。青空に軽々と浮ぶ雲などどれほど見てなかったことだろう。2月は荒天に混じって、うっとりするような良いお天気が現れる。あす日中は今日より晴れるらしい。
恥ずかしながら私が生まれたのは1942年。場所は旧満州奉天市(現中国瀋陽市)だった。父が満鉄病院の医師だったこともあって写真の病院で生まれたらしい。
絵葉書「南満洲鉄道株式会社地方営造物絵葉書帖」より『奉天医院』
(「植鉄 失われた時を求めて」より)
当地は大陸性気候のため冬は寒いがよく晴れるという。手足の細い私はあっという間に生まれたと聞いた。その日もきっと良いお天気だったのだろう。病院の産科は素晴らしかった、と看護師だった母が言っていた。
ところで父は満州を語りたがらなかった。父とは別に、自分も年とるにつれ生誕地への郷愁は薄らいだ。お互いの国が仲良くできればといつも思っている。
こころのすがた 自然 そして波間に宝珠?
テレビを見るのはいつも偶然、しかしどこかで一つはいい番組をやっていて感心する。本日午後「こころのすがた」というのがあった。進行の宮崎哲弥氏に応えるゲストの養老孟司氏の話を興味深く聞いた。
番組の最後に「心とは」と訪ねられた養老氏が「自然に対して開くもの」と答えられた。あまりに明快、しかも驚いたことに人に対して開くとは仰らなかった。厳しい言葉だと思った。人も自然の如くあるなら、と含んでおられたのか。
当ノートのアバウト(プロフィール?)に自分のことを「山河は緑、人また山河」を思っています、と書いている。書いて以来、何かずっと気恥ずかしかった。しかし今日、養老氏の言葉を聞いて救われる思いがした。
沿岸の大潟区の雪はわずかとなった。午後からまた海へ。自分は海辺で育ったのでどんな海でも飽きない。ずっと昔、好きが高じて外洋ヨットで舳倉島(へぐらじま)往復や佐渡海峡横断、そして佐渡一周などのレースに参加させてもらった。クルーはみな超勇敢、個性十分でいい人達だった。
先日、葛飾北斎の波に影響を与えた宮彫り師・波の伊八を取り上げた番組があった。荒波の間に浮かぶ宝珠(宝・幸せ)を彫った作品は強いインパクトがあった。これは真実の表象だろう。しかし、いつしか自分も年寄りの冷や水を考える年になっているのも事実だ。
雪を免れた強風の一日
今日は強い寒波が緩んだ。昼の気温が上がって少しだけ雪が融けた。風が強い悪天候の一日だったが午後4時すぎ、つかの間の青空に月が見えていた。冬至を経て日が長くなっているが、当地は雪の本番。
それにしても昨日の地吹雪は猛烈だった。ハクチョウを見た帰り道、頸城平野を貫く上越市の生命線の一つ、県道30号新井柿崎線を走った。通行はある種命がけの様相だった(普段は水田風景が続く素晴らしい道路ですが吹雪くと大変です)。
昨日午後、観光バスとすれ違う乗用車
手前の広い所で降りて撮ってます。
ブレーキを踏んだドライバーの気持ちが伝わります。
あまり降らないように祈る日が続きます。
寒波がきた 少々不思議なハクチョウの行動
予報通り昨夜から強い寒波が来た。上越市大潟区も75センチほどの積雪となった。
こんな日はどうなのだろうと、午後から朝日池を見に行った。強い地吹雪が舞う湖面にコハクチョウがかたまっていた。みな伏してじっとしている。まさかこの寒波で落鳥?とドキッとした。
見ていると全く動きが無かったが、しばらくすると群から一羽が出てきた。群に向かって「さあ、でかけましょう」と誘うような動きをする。しかし残った鳥たちはほとんど無反応。
するとその鳥は一人で歩きはじめ、4,50メートルの所から突然群に向かって飛んだ。
全く動かず、心配な光景。

一羽が起きてきて、何か言っているようだ
歩き出した
群に向かって飛んだ
いっときざわついたが
またみな寝てしまった。
まるで「さあさあ、起きて!」と促すようにみえた。群は一旦目覚めてざわついたようだが、間もなくもとと同じに寝てしまった。
一体何があったのだろう。飛んだ鳥は帰らなかった。飛んだのがリーダーだったとすると、もっと敏感に反応しても良さそうなのに不思議なくらいの無視。こんな日はやはり動きたくないにちがいないが、それにしても空腹はどうするのだろう、本当に。
本日スタッフの通路と診療所駐車場の一部がすっぽり新雪に埋まっていた。一時間近くスノーダンプを使った。こんなにするのは何年ぶり、雪の一休みはあるのだろうか。
写真でスペースを沢山使った
小雪の休日、上越市柿崎区芋の島の楞巌寺(りょうごんじ)を訪ねた
小雪の休日、妻と柿崎区・芋の島の楞巌寺(りょうごんじ)を訪ねた。謙信の許で多く先陣を切った文武の武将・柿崎景家の寺。既に何度か参拝していたが、随分前の雪の年に母と訪ねたことがあった。足の悪い母を背負おうかと考えたが、雪の階段を考え山門だけで帰った。その時の風情が何とも言えず良く、いつかまた雪の日にと思っていた。
昨年12月、曹洞宗・大佛山楞巌寺は本堂と山門がついに国の登録有形文化財となった。先回の地震で受けた倒壊寸前の被害を英進ご住職筆頭に長期に渡る復旧を実らせ晴れての成果だった。
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| 山門をくぐって | 本堂 |
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| 晴れやかな屏風と炭飾り(右) | 四季屏風に若松のお生花 |
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| 相馬御風の掛け物 | 山門を振り返る |
本日は見るだけのつもりで本堂に近づくと住職が正月飾りを焚いておられた。雪のためお堂は閉じられていたが、お忙しい中、望外にも中へとご案内頂いた。いま檀信徒衆との正月行事が終わったばかり、という寺内は清々しかった。目を見張る仏具類としつらえを拝見した。一巡後、お庫裡で住職自ら美味しいお茶を入れて下さった。
お話は永平寺における雲水修行と維那(いのう)の日々、福井県山中の宝慶寺(ほうきょうじ)のことなど、、、心洗われる思いで伺った。思い立ったら吉日、今日訪ねて本当に良かった。
ご住職(俳号杉月庵)の句集「峰の色」まで頂戴して誠に有り難うございました。また桜や蝉のころを楽しみに是非お訪ねさせてください。
雪雲を割りて現る白鳥は今日の寺へと先に行くらし
(ゆきぐもをわりてあらわるしらとりは けふのてらへとさきにゆくらし)
お寺へ行く前に大潟区と吉川区でヒシクイ、マガン、ツグミ、ハクチョウ、を見た。雪の間に陽が差した時などそれはきれいだった。
2011年、上越地域の天気予報が外れた正月
大荒れという新潟県上越地域の天気予報が大きく外れました。2011年の年末年始は予想外の穏やかさとなり、近隣の海や池へ行くことも出来ました。
以下年末年始の写真で、海岸は柿崎区です。マガンは大潟区潟田、夕暮れのハクチョウやカモは大潟区朝日池でした。
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現在2011年1月4日午前0時を少し過ぎた所です。2011という文字も新鮮です。4日は医業の仕事始め。ひっそりとしている感じのインフルエンザはどう推移するのでしょう。在宅回りも始まりますが、雪が少ないのは助かります。
冬の雑木林 雀の群れ
今年いっぱい悪天候が続くようです。大雪が報じられていますが予報では上越地域の気温は数度のレベルということ。湿った雪かミゾレが続くのでしょうか、いよいよです。
ところで上越市大潟区・潟田という所へよく往きます。二通りの道があり、最近では岩野集落を回ります。岩野を下がって水田に出るきわのハンノキ林にほっとするからです。
私が高校生のころまで大潟区一帯はフラットで美しい松林が連なり、それに混ってコナラやハンノキ、クリ、ヤマザクラなどの雑木も沢山ありました。
当時結核に罹って、医師だった父に歩けと言われ毎日のように林を歩きました。長い時間歩いてもめったに人に会うことがないほど広大で美しい林でした。林を当時の映画「挽歌」のスチール写真の背景に似ていると感じたことがありましたが、勘違いかもしれません。
今日は往診の帰りに掲げた林の右端のところで雀の群れを見ました。昔から雀には特別なシンパシーを感じていますので、頑張れと心中叫びました。
群れは今年生まれた若い雀たちにちがいありません。夏以後に見られる若鳥の集団には種の保存を担保する意味が考えられているようです。しかしながら厳しい越冬や移動に際して多くが失われるといいます。
・唐沢孝一 スズメのお宿は街のなか 中公新書1989年11月25日発行
・佐野昌男 スズメ 人里の野鳥 信濃毎日新聞社 昭和63年12月7日発行
を参照。
- 仏像、社寺、二十三夜塔、庚申塔
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 高齢者、昔話
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- 館長の作品。
- 出てきた紛失携帯。
- 週末の上京 カーヴ・デ・ランパール 「良寛の書簡」特別展。
- ハリハリ漬け 今夕の食事。
- 荒天後の海岸 戦中生まれのさが カワラヒワの水浴び 初々しいモズ ハクガンの飛来。
- ラベンダーの雪囲い。
- 本日樹下美術館の後片付けの日 ラヴェルの名曲がポピュラーやジャズに。
- 本日2025年度の最終日。
- 今年最終日曜日,午後のひと時。
- 「お婆さんのようなお爺さん」ズボン編 悪天を予告する雲。
- 頂いた椿を挿し木してみた。
- 「お婆さんの様なお爺さん」とは もらい物のセーター。
- 昨日今日の寒波は無事に過ぎた。
- 今冬最強寒波が来る 向こう側の季節から「楝(あふち)の花、いとをかし」。
- 堀口すみれ子さんから届いた詩集「月あかり」。
- 午前柿崎、午後大池 念願のエナガはピンぼけの1枚。
- 再度柿崎の海岸を歩いた 海のチョウゲンボウ 田んぼのマガン 低カフェイン抹茶。
- 暖かな日の朝日池、のんびり過ごす水鳥たち。
- 美味しいイチジクお菓子など、大潟区のマルト歌代商店は特別。
- 樹下美術館の紅葉 再度の木村茶道美術館 唐椿(からつばき)という花。
- 週末の種々。
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