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ふけゆく秋の夜は音楽会のリハーサル。

2015年10月15日(木曜日)

予報通り爽やかだった一日、次第にこんなお天気も貴重になる。

「三人の大学院生さんによる秋の美術館コンサート」が明後日に迫り、閉館してからみっちりリハーサルがあった。
良い音楽の一点を求めて意見を出し合いながら進める三人はとても立派に見えました。

本日の庭爽やかな日を惜しむような本日の庭。

 

リハーサル熱心なリハーサル。

 私がリクエストした「枯葉」から始まるプログラム。
バッハの名曲、リストの珍しい曲、そして知床旅情eyc、、、。
楽しいプログラムになっています。

2時間あまりのリハの後、家ですき焼きを食べました。
この春北海道、新潟市、横浜市から来た若人の話は興味深く、
旺盛な食欲を目の当たりにして頼もしい限りでした。

新潟市のりゅーとぴあでミヒャエル・エンデの「モモ」を観てきた。

2015年10月12日(月曜日)

今日10月連休の最終日は新潟市のりゅーとぴあ演劇ホールで、ミヒャエル・エンデ原作の演劇「モモ」を観てきた。
(○脚本/演出  栗田芳宏 ○音楽  後藤丹 ○ヴァイオリン  佐々木友子 ○ピアノ  品田真彦
○出演 新潟エクステンションスタジオ 研究生 ○ゲスト荒井和真 (KURITAカンパニー)、今井明 (KURITAカンパニー) ○主催劇団ひまわり)

午後1時から始まり、2度の休憩を挟んで4時間の長丁場。
一言たりともセリフを逃すまいと耳目をこらして惹きつけられた。

モモはその昔、本好きだった娘が小学校を卒業するころに買って遣ったことがあった。

時間と幸福、それを奪う狡猾な者たちに対する奪還のストーリー。
深い命題が網羅されるが、恐らく子どもを含めてそれぞれの立場で理解できるのではないだろうか。
本日のお客さんは子どもよりむしろ大人が、それも若者が多い印象を受けた。

 img133モモのパンフレット表紙。

舞台を観て、昨年マイブームになった「青い鳥」が重なった。
時間と幸福が物語のカギであり、登場する大人と子どもの関係にも通底部分がみられたからだ。
モモでは時間節約と過剰な効率主義から生じる際限のない利潤追求のトリックが、スリリングに解き明かされ、貨幣経済への警鐘も重要な点になっている。

このあたりを子供達はどう読みとるのだろう。
最後にモモたちが本来の時間を取り戻した場面で、暗い舞台いっぱいに光が注ぎ無数の花びらが舞い降りる。
灰色のコートを着た怖そうな時間ドロボーたちや、美しいフィナーレが幼い脳裏に刻まれればそれで十分かもしれない。

〝時間というのは、生まれた時から始まる密かな音楽のようなもの〟
〝時間の源には光が射し花が咲いている〟
というようなニュアンスで語られたセリフを聞けただけでも、1時間半かけて新潟市へ行き長時間座った価値があった。

これらの言葉を述べた時間の司、マイスター・ホラ役の栗田芳宏さんの自然な動きから発せられる極めて明瞭なセリフに驚嘆した。
今まで観た芝居では、身振り大きく大声を出すのに言葉が聞き取れないという役者さんもいたのである。

さて、モモは人の愚痴や悩みをただ聞いているだけだが、彼女に話す人は自らの問題に気づき幸せになる。
このことは、前段で時間を掛けて丁寧に演じられた。
観劇でも読書でもそうだが、私たちは黙って舞台を観、あるいは本を読むだけである。
一方懸命に訴え述べるのは作者や演者だ。

この図式で言うと結果はどうあれ、私たちはモモなのか?
30年ほど前、娘と一緒に読んだ時には浮かばなかった観点だが、年寄りの独りよがりかもしれない。

最後に本日、舞台下手の一角にピアノとヴァイオリンの著名な演奏家が入られた。
セリフに重なる音楽は場面を引き立て、時に美しく時にスリリングに奏でられた。
演奏者とともにコンダクターとしてそこに居られたのは、音楽を担当された上越教育大学の音楽教授・後藤丹先生だった。
フィナーレで召されステージに上がられたが、嬉しかった。

 

030入場の行列。
お尻が痛くなりましたが、りゅーとぴあでの4時間は、最後まで満席のまま盛況でした。

 この度の公演は上越市の「智慧子のブログ」の予告記事で知りました。
智慧子さん、本当に有り難うございました。

柳沢鹿の子さん一門によるバレエチャリティーコンサート。

2015年10月11日(日曜日)

今日午後、上越文化会館大ホールで開催された「第13回 バレエ・モダンダンス チャリティーコンサート」を観てきた。
上越市大潟区土底浜の柳沢鹿の子バレエアンドパフォーミングアーツの主催だった。
二人の素晴らしい男性プロダンサー鈴木真央さん、貫渡竹暁さんが招かれていた。

 

151011バレープログラムから。

演劇的でありながら黙して踊られるバレエは非常に高度な芸術だ。
動きは音楽とともに言葉と情感として感覚されるが、それらの行間まで実にこまやかに身体表現される。

 愛らしい入門クラスから堂々たるパフォーマンスの上級クラスまでが隙間無く披露された。
「風神雷神図-上越降臨」の激しくも優美な踊りで始まったステージ。
アラカルト的にアレンジされた総出演の「パキータ」がフィナーレだった。
高三となり卒業される三人の生徒さんは招待男性ダンサーと心ゆくまで美しく踊られた。

出演者の中には知り合いのお子さんやお孫さん、そして子ども時代に診させて頂いた人もいる。
大潟区という周辺地で永年バレエスクールを主宰される柳沢鹿の子さん。
一心に取り組み困難を越えて喜び踊られる生徒さん、ともに心からおめでとうを申し上げます。

銀座の夜 神田の昼。

2015年9月20日(日曜日)

医局を共にした同級生三人による年一回の会食が、ふとしたことから20数年続いている。
当然三者三様で、何が共通しているのか良く分からないがずっと夫婦で集まっている。
東京の夫婦の出身地は高知県、浜松の男の両親は熊本県、そして私の半分の血は佐賀県。
もしかすると密かな南国の血が懐かしがるのか、、、。

それにしてもみな70才を越えて少なくとも病を一つずつ所有した。
人柄は共に薄味にはなったがそれでも個性のともし火は燃えている。
奥さんたちがそろって元気なのも頼もしいことだ。

昨日の食事は吉野建(ヨシノタテル)氏の店だった。
目にすると絵画、口にすると音楽のような優しい食べ物をゆっくり味わった。

1食事次第に子どもの集まりのような感じになってきた。

 

2挨拶に来られたオーナーシェフ。

 

3ぎんざぼんぼんで銀座シャンソンバー「ボンボン」
月にまつわる特別な日だったようで、元SKD(松竹歌劇団)の皆さんが出演された。
往時のプロフェッションたちが元気な声で楽しませてくれる。

 

5並木通りで 帰路の並木通り。

 

4ガード下の飲食街有楽町のガード下はまるで映画か舞台のセット。
翌日の昼食はここでする予定だったが、早く帰る私の用事で中止になってしまった。

 

6神保町で本日午前に神保町へ行った。
10数年ぶりで寄った古レコード屋さん「フジレコード」で気に入った盤があった。
店が続いているのは本当に貴重なことだと思う。

 東京も、帰って来た上越も晴れて気持ち良い日だった。

樹下美術館の秋の音楽会。

2015年9月14日(月曜日)

中高校生時代によく日記を付けた。
内容はおいつも天気から始まったが、年を取った今ブログも大抵お天気から。

その昔、どうして両親は出かけもしないのに、天気予報ばかり見るのだろうと思っていた。
いま自分が確実にそうなっていることに気づく。
良くても悪くても予報はまず身近な明日の希望、次ぎに行事や予定を案じるためか。
気象や自然の気宇に触れるのも心身に良いかもしれない。

それにしても本日は曇り空で、予報のように晴れなかった。
昨日は気象庁を褒めすぎたかもしれない。
明日は今度こそしっかり晴れるようだが当たってもらいたい。

さて今秋の樹下美術館は以下の音楽イベントがあります。

10月17日(土曜日)は「三人の大学院生さんによる美術館コンサート」
1510院生さんコンサートバナー
次第に夜が長くなりました。
若い音楽家たちの溌剌たる演奏にご期待ください。

・入場料大人お一人1200円、中学高校生800円です。
・お申し込みはお樹下美術館電話025-530-4155へどうぞ。

10月17日の音楽会の演奏者さんはこんな方たちです。

2015年9月3日(木曜日)

来る10月17日(土曜日)の「三人の大学院生による秋の美術館コンサート」の演奏者さんについてお知らせいたします。

お三人とも今年3月に入学された上越教育大学の大学院生さん。
そろって23才と、とてもお若く伸び盛りなのです。

当日はバッハから現代曲、そして日本の歌までどなたにも楽しめることでしょう。
皆さんの音楽歴は十分で、演奏が心待ちされます。

出演者さん左からアルトサックス田村亮太さん、ピアノ鈴木啓斗さん、ヴァイオリン茗荷智光さん。
当日のピアノは電子ピアノを用います。

【三人のプロフィール】
田村亮太:新潟市出身、洗足学園音楽大学管弦楽科でサクソフォーンのほか室内楽および指揮法を学ぶ。第50回新潟県音楽コンクール管楽器部門において優秀賞を受賞。
鈴木啓斗:北海道中標津町出身、北海道教育大学釧路校芸術グループ音楽研究室卒業。NHK 全国学校音楽コンクール北海道ブロック釧路地区大会ほかで入賞。
茗荷智光横浜市出身、東京音楽大学ヴァイオリン科を卒業。リスト音楽院マスタークラスオーディションに合格し選抜演奏会に出演。卒業後1年間フリーの音楽家としてソロ、オーケストラ、室内楽、ミュージカル公演で活動。

【演奏会】
日時:10月17日(土曜日) 午後6時半開演
会場:樹下美術館
入場料:大人お一人1200円、中学高校生お一人800円
お申し込み方法:樹下美術館の窓口かお電話025-530-4155でお申し込みください。
※入場料は当日窓口でお受けいたします。

September In the Rain(9月の雨)を二つ。

2015年9月2日(水曜日)

昨日はしっかり降り、今日は朝から風が強く、それが弱まると夕刻は少し降った。
夏の猛暑を挟んで梅雨と秋雨があり、この先の予報もしばらく曇ったり降ったりするようだ。

さて連日ユー・チューブからで大変恐縮ですが、「September In the Rain(9月の雨)」を付けさせて頂きました。
はじめは1959年、19才の時のスー・レイニー。
次が1962年のザ・ビートルズです。

春がきたというのに、前年9月の失恋から抜け出せない心境が歌われているようです。
両者の趣は大変異なりますが、歌わんとする所はちゃんと伝わりますね。

 


1959年録音の若きスー・レイニーが歌う「September In the Rain」
モダンジャズ隆盛の当時、ジャズヴォーカリスト(特に女性)はひねりにひねって歌っていました。
しかし声の良い彼女は技巧をこらさず丁寧に歌い、とても聞きやいです。
ビリー・メイの編曲、伴奏も半世紀前とは思われないほど洗練されていてさすがです。

 


ザ・ビートルズの「September in the Rain」
(この時はまだザ・ビートルスを名乗っていませんでした)

ビートルズがスタンダード曲であるSeptember in the Rainを録音していたとはとても驚きました。
デビュー前のオーディションに用いた1962年1月のデモテープが音源だそうです。
この時は落ちたようですが、同年10月にめでたく正式デビューを果たしています。

エルヴィス・プレスリーばりに歌うのはポール・マッカートニー。
歌は魅力的でとても上手いですね。
ちなみにドラムスはまだリンゴ・スターではありません。
大げさなエンディングやもたつくリズムなど、少々慌てて作ったテープだったようですね。

雨がちの今夏最後の日、二つの出会い。

2015年8月31日(月曜日)

日中曇り時々雨だった8月最後の日、二つ出会いがあった。
一つは午前の診療で、お母さんに付いて顔をだされた帰省中の娘さん。
私が開業した昭和50年代はまだ小中学生だった。
本日母と一緒に行って小生に会ってみたいと仰ったらしい。

お母さんの診察が終わると、カーテンの陰から出てこられた。
すらりとして丸顔の美人さんは、子どもの頃と同じにこやかな目をしている。
品川区に住んでいて、私が通った大学と病院もよく知っていると仰った。
上越で暮らしているいま、若き日に15年間通った品川の話を聞くと懐かしさがこみ上げる。

変わらないですねと言っていただき、近頃自分はこの言葉に弱い。
話から立派な方と結婚し熱心な子育てをされ、幸せに暮らしているようだ。
私も頑張ろうという気持ちになった。

 
学生時代、しばしばラジオから流れていたビートルズの「And I Love Her」
アコースティックなサウンドが親しめ、歌詞もメロディも優しい。
比較的単調な曲は、間奏から半音高く転調して引き締まる。

 

次に午後から美術館で陶齋の作品を熱心にご覧になる若いカップルさんにお会いした。
色使いが九谷風ですね、男性がズバリと仰った。
詳しい訳で、石川県から来られたということだった。

陶齋の師・富本憲吉は昭和10年代、色絵磁器習得のため石川県へ、九谷焼の北出塔次郎の許へ通っている。
その時代を師とともにした陶齋は当然同道したと考えられ、強く九谷焼の影響を受けたはずである。

齋藤三郎作「色絵色紙芍薬文鉢(いろえしきししゃくやくもんばち)」現在展示中の、齋藤三郎作「色絵色紙芍薬文鉢(いろえしきししゃくやくもんばち)」
緑の地色、赤、黄色に九谷焼きの風合い。 昭和20年代後半 幅29,0㎝。

作品に字も入れてるのですね、と陶齋の文字にも興味を示された。
落ち着いた雰囲気から、もしかしたら九谷焼きの作家さんかなと思った。

先日自分は北陸を訪ね、九谷焼美術館を見てきたばかりです、とお話させて頂いた。
陶齋を飾れて幸せに感じた。

待ち遠しい雨は今夜降るのか 今秋11月14日(土曜)に第3回SPレコードコンサート 作之助の墓参り。 

2015年8月13日(木曜日)

なか三日お休みして更新したブログ。
その分を補って本日13日もう一記事を掲載致しました。

ようやく猛暑が一段落した盆入りの日、雲多き空から結局雨は降りませんでした。
もうどのくらい降っていないのか判然としません。
まずサルスベリとキョウチクトウだけが、我が世とばかり赤い花を勢いよく咲かせています。

サルスベリ診療所の近く、お地蔵様のサルスベリ。

午後美術館に寄りますと、当館のSPレコードコンサートで蓄音機と盤の厚い協力を頂いているS氏が来られました。

蓄音機夏の昼下がりのカフェでSPレコード。

お客様が帰られた後のしじま、聴きましょう、と持参された二枚のSPレコードを掛けました。
・最初はJ・Sバッハのやや珍しいリュート曲で、歴史的なギター奏者アンドレス・セゴビアの演奏でした。
・次がエルネスト・ブロッホ作曲のヴィオラとピアノの為の組曲からウイリアム・プリムローズのビオラによる一枚でした。

セゴビアが奏でるバッハはこよなくロマンティックに歌い、
プリムローズによるヴィオラは1900年前後のかぐわしさをカフェに響かせました。

今秋の「SPレコードを聴く会」を
11月14日〔土曜日) 18:00開演 に予定致しました。

クラシック、ポピュラー、日本歌謡の古き豊かなレコード音をどうかお楽しみください。
お申し込みは樹下美術館の窓口か、電話
025-530-4155で受付致します。 

本日聴きました二枚はとても良かったので、相談のうえ今度のプログラムに入れることに致しました。

 

作之助墓所当方で守らせて頂いている盆入りの日の小山作之助の墓。
我が家の墓所の隣にあり夕方お参りしました。

10月17日(土曜日)夕刻は三人の大学院生によるコンサート。

2015年8月4日(火曜日)

来る10月17日(土曜日)、樹下美術館において、
“三人の大学院生による秋の美術館コンサートを開催致します。

上越教育大学大学院の院生さんたちは23才、とてもフレッシュな三人です。
若者とはいえ十分な学びとキャリアを積んでおられ、演奏会が楽しみです。

 

コンサート告知どうぞ大きくしてご覧ください。

 

第一報ですが、いずれお三人のプロフィールやプログラムの概要などをお伝えしていこうと思います。

明日より受付を始めます、どうか振るってお申し込みください。

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