明け暮れ 我が家 お出かけ
トキが日本海を渡った?
放鳥後のトキについて驚くようなニュースが昨晩ありました。一羽のトキが海を渡り本土の新潟県胎内市で見つけられたらしい、ということでした。個体の識別に染められている色彩マークも見られ、佐渡でこれまで未確認だったうちの一羽の可能性があるそうです。
胎内まで直線距離で90キロと聞きましたが、にわかに信じられませんでした。地図でみると胎内市は放鳥された佐渡のほぼ真東、地図に向かって右真横にありました。相当な距離です。季節風である一定した西風を使って渡ったのでしょうか。本土を目指して真南(地図で真下)に向かうように飛べばうまく西風に乗って成功した可能性があります。このような飛翔はかなりの揚力が得られ、抵抗も少ないからです。
本当なら若鳥らしいナイストライ、素晴らしいことです。しかし一羽では寂しいでしょうし、成長や結婚?なども色々心配です。まず果たして事実はどうなのでしょう。
可愛い園児
長い晴天がようやく雨に変わりました。午後1時から近くの保育園で健診をしてきました。100人も続けて診ますと聴診器でひどく耳が痛んできます。しかし子どもたちのまぶしさは心地よいものでした。
10年前に比べてゼロ才児がとても沢山になりました。この小さな児たちの健診の終わり頃、年上の児たちが入室してきます。すると入って来た小さなお兄さんお姉さんは、保育士さんに抱かれているゼロ才児を次々に撫でたり頬ずりをしたり、抱こうとしました。自分もまだ赤ちゃん風なのに下の児を可愛がることが嬉しくて仕方がないという顔でした。
子どもたちの情景をみていて、皆ずっとこんな優しい人間でいてほしいと、祈るような気持ちにさせられました。
秋雨の保育園
頑張るトキたち
さる9月25日の放鳥から3週間が経ちました。昨日のテレビは、田を突っついてドジョウを食べるトキの映像をしっかり放映しました。とても見事な映像でした。この時期のドジョウは田にもぐっているそうです。トキはくちばしを泥の中深く入れて器用に餌を捕っていました。10分間に12匹も食べたということ。あの長く曲がったくちばしが餌とりに好適なんですね。それに人工的な餌場であるビオトープに飛来したことも頼もしい話題でした。この勢いだと餌場をもっと増やさなくては、と地元の方が仰っていました。
環境省の放鳥トキ情報は毎日更新されています。送信機を付けたno1,4,6,9,11はしっかりと確認されてます。また付けていない13,15も極めて元気のようです。しかし付けていない残りの3羽のうち二羽の安否が確認されていません。やや気がかりです。
一方でこれまでばらばらだったトキが、2羽いっしょに居るところを目撃されたと報道されました。群れはトキの命。うれしい知らせでした。
私が好きなno11。よく頑張っています。
(環境省 関東地方環境事務所・佐渡自然保護官事務所のページより)
私のトキノート。毎日トキ情報を見て付けています。
海
連休の最後日、若い身内と近くの上下浜の海へ行きました。よく晴れて風もほどほど、いい海でした。波は面白く、走ったり物を投げていた子どもさえ、最後は飽かず海をながめていました。
帰りの道中で魅力的なオブジェを眼にしました。一つはガウディ風?一つは前衛風?若いカップルが作ったのでしょうか、仲良く並んだ作品はかなりでしたね。作者の方ありがとう、またぜひ作ってください。
そしてつきあってくれたスーちゃん。九戸浜の「どんどの湧き水」に立ち寄った時、「トトロの森みたい」と言ったのはとても良かったです。
種でトキ
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| 山芍薬の種 |
一応トキです |
昨日、今日とトキの報道がない。あれだけ熱心に始まったのにぱたりと途切れてしまった。良い事、悪いこと、何かあったのかもしれない。少々寂しいので昨日採れた花の種をピンセットでつまんでトキに見えるように並べてみました。
さて、昨日採ったのは紅山芍薬(ベニヤマシャクヤク)の種です。この花は数年来バイオ技術の進歩で育てやすい苗が買えるようになりました。拙庭でも今年、4株ほど咲いて結実しました。初夏に終わったそれぞれの花は、中に30~40ヶの種が入ったサヤを3ヶほど作ります。種には赤と濃い青の2種類があって、赤は私たちの歯のような形、青はまん丸です。変わったことに赤は青を引き立てるための添え物で、青がちゃんとした種ということです。秋を迎えると閉じていたサヤが開き、2色の種が華やかに顔を出します。日ごとに開くサヤは最後にめくれて、種を地面に落とします。落ちる前、サヤに詰まった種は毒々しいほど目立ちますので鳥の気を引く戦略も見事です。さらに青い種は少しの傾斜でもころころとよく転がりますので、遠くの自生地を求めるのに便利です。生物の工夫は形に反映され、それが見た目にも良くていつも感心させられます。せっかくの種ですから撒いてみますがなかなか難しそうです。
トキ、一夜明けて
ちゃんと食餌ができたのかやはりトキが心配だった。安否も確認されず、だめだったかなとも思った。そしたらようやく夕刻のニュースで森を背景に飛ぶ映像が出た。風雨の一夜をやり過ごして飛翔するトキたちにあらためて野性を見る思いがした。数羽が確認されたものの、まだ群にはなっていないようだ。
今後きびしい空腹がさらに彼らの野性を呼びさますのかもしれない。そしてたら果敢に餌場に向かってほしい。負けるなトキたち!
トキの今夜は
本日トキが佐渡の空へ飛び立った。本来ならば「喜んで羽ばたいた」と書きたいところだが、「逃げ去った」印象が強い。式典と会場に響くアナウンス、窮屈な小箱、トキには辛かったろう。これも使命の一部なのか、許して頑張って欲しい。
今後,彼らに対する直接の保護はない。はたして10羽のうちどれだけ生存できるか,少々心配される。担当官が亡くなる個体の原因調査が重要だと述べた。辛い話だがその通りだろう。またトキは単体として強靱ではないので群れを作ることも大切だと指摘されていた。しかし今日のトキにはそれが出来なかったようだ。パニックを越えて、一日でも早く群れになることを祈りたい。
夜のニュースで午後には早くも一羽が田に降り立ち、それに向かってカメラが並ぶ映像があった。心配なことだが、一方であまり人を恐れない個体が生き残る可能性もあろう。
昨夕から新潟県はぐっと冷えて風雨が強まっている。向こう一両日も厳しい予報だ。夕食は?今夜はどうしているのだろう?
※すっかり美術館の話題から逸れてしまって大変に申し分けありません。
いよいよトキが
いよいよ明日トキが試験放鳥される。27年振りの野性復帰への試みだ。是非とも成功への第一歩になったほしい。写真で見る飛翔するトキの姿は、格別に上品で美しく、おとぎの国のようだ。雪国、裏日本、近年は地震と大規模原発、、、。10羽のトキに夢とともに新潟県の印象を陽転させる強い期待も掛かった。
ところで自然を模した順化ケージに初めて放たれるトキは当初息切れがみられるという。またケージ内への不意な人の進入には非常に敏感に反応したとも聞いた。専門家ほど不安と緊張を高めているにちがいない。素人ながら佐渡の自然に一定の全うさがあれば生物的な適応は可能に思われる。問題は人間などの関わりではなかろうか。人工的な音響や車両の日常ストレスは初めてだろう。トキ目当てで観光客は激増しそうな予感がする。さらにどう猛なカラスなど天敵もあるだろう。こうみると、いずれ追い詰められて行き場を失うという最悪の事態を避ける策は大丈夫なのだろうか。
一方今年4月、初めて順化ケージで巣作りがされ、5月にはそこで2羽の雛が返り無事に育っているという。また報道される佐渡の方たちの熱心な取り組みは心底頭がさがる。先日、放鳥のためにケージで捕獲された15羽のトキにも現在ストレスは見られていないこともややホッとさせられる。
振り返れば画期的だったパンダの生育は檻の中で果たされた。しかしトキは一端断絶した自然・人間の環境に放たれようとしている。生態系という複雑な総合軸で時間というものを30年前に戻せるのか?異国の遺伝子は佐渡にも適応するか?厳しくも夢のような試みだ。その期待を40グラムの発信器を背負った鳥が担う。SFにも似た出来事の始まりに見える。佐渡と新潟県には真の自然共生を目指すパラダイムシフトの先頭たる一員の名誉もかかった。すべて鳥と自然の側に立つこまやかで根気の要る長い目が必要だろう、是非成功してほしい。明日午前10時半放鳥。野茂やイチローの初試合とまた異質の重い緊張がつのる。
もう一度お年寄り
近隣の菜園では大根、白菜、キャベツなど植え付けと種まきが一段落しました。それが今日、遠くを通過した台風のせいで熱射に見舞われました。急な暑さほど若い野菜に悪いものはないはずです。畑の死活がかかる一日だったのではないでしょうか。
畑といえば、近くで営む一人に92才のKおばあちゃんがいます。おばあちゃんは長く畑の名人と言われてましたが、残念なことに昨年暮れ、大腿骨骨折で手術を受けました。一冬こえた春、皆の制止を振り切ってKさんは畑に出たと聞いていました。
数日前の往診の帰り道、水がいっぱい入ったバケツを乗せた一輪車を押すKさんに出会いました。退院の際は、せいぜい歩行器がゴールだったに違いありません。それが荷を乗せた一輪車を押すなんて、常識では絶対に考えられないことで,非常に驚きました。動作はかなり不自由に見えました。気丈なことに「ウネ一つ越えるのも考えなきゃいけない」と不満げでした。しかし全体にゆるりとして明るい感じは以前のままです。
私は気の利いたことも言えず、「久しぶりでしたね」と言って肩に手を掛けました。きゃしゃな肩でした。不思議だなと思うことは、私が知っている90才以上で比較的お元気な方たちは大抵きゃしゃなのです。
そして本日の夕刻、畑の安否を見に行ってみました。Kさんはちゃんとおられて、畑には水がくべられていました。「これとあれは駄目だった」と萎えた株を指す表情がわずかに曇りました。柄しゃくを頼りに立ったまま手を休める彼女と少しだけ話をしました。立っているだけで又ポキッと折れそうで、気が気ではありません。話しながら少し涙が出そうになりました。Kおばあちゃんは本当に素晴らしかったです。

水遣りされたおばあちゃんの畑
愛用の手押し車
休日は
このところ遠方からの来館者さんが混じって、たいがい静かだった樹下美術館が珍しく賑わっていました。今日はいつもの静けさに戻りましたので母を誘いました。展示の陶芸作品は父から継いだものが多いため母にも見慣れた作品があります。ホールを何度も見てからカフェで紅茶をしました。
93の母はこの夏、香月泰男の画集を見て以来、彼の人生と画風に打たれてしまっています。それで自らも鉛筆を執って身辺のものを描くようになりました。この日もカフェに座った途端、目の前の紙ナプキン入れを描こうとしました。
ところで母は幼い頃に事故で左官職人の父を亡くしています。最近、女手一つで自分たちを育てた自らの母をよく口にするようになりました。魚の行商をしながら一反歩の小さな田を一人で田植えし、一人で稲を刈り、一人で餅をついてくれたと、この日は聞かされました。車中で話を聞いた遠回りの帰り道、黄金の田園は壮大な刈り入れが始まっていました。
一方、私の妻は妻で、実家の親の介護の用事で何かとまた忙しくしています。
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| 母の絵 | 母の絵 |
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