堀口大學展の再訪 素晴らしかった永井荷風の序文 谷根の清水。

2017年12月24日(日曜日)

昨日は天皇誕生日の祝日。
連休が絡まない祝日は往々に気がつかずに過ごし、当
日は朝寝坊し、慌てて飛び起きては、「ああ休みだっ
た」と安心する。

そんな日、昼食兼用の野菜サラダを食べてから、新潟
県立近代美術館を再訪した。

本日胸打たれたのは、堀口大學の処女訳詩集「昨日の
花」に捧げられた序文だった。
詩集は1918年(大正7年)4月に上棹され、Wikipedia
によるとボードレールはじめ19人の詩人から60数篇
が訳詩されている。
序文は永井荷風によって書かれ、その原稿用紙が展覧
会作品番号20として読みやすいキャプションとともに
展示されていた。

以下に翻訳詩について荷風の印象的な部分を記してみ
たい。

“異なるものは唯その言葉とその形とのみ、その心とそ
の調にいたりて更に変わるところなき。もっとも美酒の
味、その移し入る甕の形によらざるにひとしかるべし”
訳詩の価値、本質を見事なまで分かりやすく示し、大學
を紹介している。
当時の荷風は慶應義塾のフランス語教授をしていて、中
退とはいえフランス詩の訳詩家として出発した教え子に
対して心から祝賛している。

足を止めた一文で拓けた永井荷風のすばらしさに触れ、
私の枕元に置きっぱなしの「雨蕭々」を続けなければと
反省した。

以下は長岡訪問まえに寄り道をした柏崎市谷根(たんね)
の様子。米山の山頂がのぞいて見えていた。

 

1

 

2

 

3
峠のような所の脇に小さな滝があり杓が掛かっていた。
減菌をほどこしてありません、と市役所の看板があった
がひと口飲んでみた。
さすが冬の清水は冷たかった。

早く良いソフトが入った良いパソコンがこないかなあ。

冬至の本日、今年の開館も残りわずか 冬は最も長い季節。

2017年12月22日(金曜日)

今日は冬至。6月下旬から本日までの半年は短かったよう
であるが、表向き真夏の暑さを越え、爽やかな秋を越え、
日ごと昼を縮めようやく冬至にたどり着いたことになる。
着いてみれば本日お天気も良く、決して日が短かった印象
にはならなかった。風雪の日よりよほど夕刻を明るいと感
じた。

今年の樹下美術館も23,24,25日の三日を残すだけ
になり、改めて展示室の写真を撮った。

 

2
絵画「カリカチュア風な倉石隆」は観やすかった、と思う。

 

1
陶芸「陶齋の色絵と鉄絵」も楽しかったのではなかっただ
ろうか。以上自画自賛させて頂きました。

 

3
夕刻の訪問診療のお宅の前の田んぼにマガンの群が
いた。普段鳥などは私が見つけるが、本日は看護師が
見つけた。
雁も冬陽が貴重なのか、皆その方を向いていた。間も
なくねぐらの朝日池に帰る時間だったであろう。

 

5

 

さて本日60代の方が、「一年の中で冬が一番長いです
ね」と仰った。
そもそもかっての農家で、男衆は稲刈りが終わるとそそ
くさと出稼ぎに行った。途中帰るのは正月くらいで、長け
れば5,6ケ月は家を空ける。

家に残った者はワラ仕事や縫い物などをしながら春と
男衆を待ち続けなければならず、この間は冬なのであ
ろう。
残った者はもちろん、出かけた者たちにとって、それは
とても長かったにちがいない。
これは農家の方ばかりではない、最も強く次の季節、
春を待ち焦がれる点で点で、冬は私たちにも長く感じ
られる。

言葉の方は山間の農家のご出身だ。

ところで私は2月生まれであるため、祖父に玄(ふかし)
と名付けられた。
玄は五行説の冬であり、人生では晩年を指している。
これから何度冬を迎えるのか知るらないが、冬が来るた
び、(本当は嫌いなのですが)、これは私の季節だと思っ
て迎えるようにしたい。

再度話が変わり、私はワードが苦手で、今もって「一太
郎」の愛用者。
どういうわけか、現在使用している一太郎のソフトが「玄」
という名のバージョンなので余計に愛着を感じる。
ワードにも慣れなければということで、図録編集は倉石
隆分を一太郎、斎藤三郎をワードで行った。

冬至ではじまり一太郎で終わりました。

本日も晴れた。

2017年12月21日(木曜日)

昨日に続いて晴れた本時木曜日、美術館周辺の雪は消え、
わずかに残るばかりになっている。

 

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肝心な太陽はのんびり雲とかくれんぼ。

 

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美術館の芝生の雪は地図のようになっている。
青森県、鹿児島県、東京湾、愛知県?

 

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お隣の冬木立と白い雲。

 

 

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美術館の帰路、ほくほく線の西側に白鳥が沢山いて電車
が通過した。

同じ情景の日に特急はくたかがシャーっと通ったのは昔の
事。何事もそれはそれ、これはこれ、米山の雰囲気も良かっ
た。

妻のパソコンとキーボードに少しずつ慣れたが、そろそろ返
してと言われている。私のは買い替えになるらしい。

去る17日日曜日の「堀口大學展」のこと。

2017年12月21日(木曜日)

去る17日日曜日のこと、荒れ模様の午後長岡市へ
「堀口大學 展」を見に行った。
同展は12月2日~1月8日まで開催される。この
度大學のご長女堀口すみれ子さんから知らせがあ
り、当日お会いできる時間が約束約束されていた。
早めに会場入りして展示を見た。
審美眼に優れた詩人が著した膨大な書物と趣味の良
い遺品が館内いっぱいに展示され、一般の絵画展など
と一味異なる優れた個人の生活と生涯に触れることが
できた。

 

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会場入口のタペストリーはアポリネールの詩集
「動物詩集 又はオルフェさまの供揃い」から作品
「猫」とデュフィの版画挿絵が掲げられている。


我が家に在ってほしいもの、
解ってくれる細君と
散らばる書冊のあいだを縫って
踏まずに歩く猫一匹、
命の次に大切な
四五人ほどの友人たち。

 

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93ページの展覧会カタログ。表紙「鳥と雲」は長谷
川潔の版画であり、1921年の大學詩集「水の面に書
きて」の別刷、挿画。

会場には、終生心の父母と敬愛した与謝野鉄幹・晶
子の恋文、夫妻の短歌、遺品からはじまり、両親、家
族とともに若くして世界を駆けた15年間に於ける原稿
や写真および愛用品が続く。

館内を巡ると堀口大學の装幀へのこだわりがわかる。
大正期に始まる長谷川との表紙、挿画によr協働は熱
いものがある。
さらに昭和初期の絢爛とも言える装幀文化の中にあ
って、豪華な限定本など装幀は百花繚乱の趣が見て
とれる。
本とその装幀は当展の力点の一つで、古来西洋独特
のものだった革装幀について大學は、日本の古典には
馴染まないものとして、文化の根本的な相違を指摘して
いる。

 

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当館収蔵「水の面に書きて」。長谷川潔にの表紙。
水の面に書きて、は何刷もあり長谷川による異なる表
紙や扉絵が施されているようだ。

 

当展は「美と文学の探究者」の副題の通り親交した画家
たちとともに永井荷風、西條八十、三島由紀夫、佐藤春
夫青柳瑞穂など文学者との交流を示す関係資料も豊富
に展示されている。
1920年代、世界的な人気を博していた詩人ジャン・コク
トーとの交流が生まれている。大學は彼の詩集訳詞に積
極手に取り組み紹介している。コクトーは絵にも優れ、そ
の書籍は流麗な人物デッサンによって飾られ、会場で独
特の流れるような線で描かれた人物画を多数見ることが
できる。
また1930年代にはサン=テグジュペリの「夜間飛行」ほ
かを翻訳していることを知った。

さて大學は1945年7月妻の故郷である新潟県の関
川村(現妙高市)に疎開、
同地で終戦を迎え、時経ず
して父を失くしている。
翌1946年1月に高田(現上越市)
南城町に移ったが、
1950年6月神奈川県葉山町に転居するま
での足か
け6年上越地方に仮寓したことになる。
敗戦による混乱と物資困窮時代にも拘わらす、当地方
に於いて気力を振り絞り一気に5点の詩集を
刊行した。.

以下はいずれも樹下美術館が収蔵する関川および高田時
代に出版された詩集。

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左より「山嶺の気」、「冬心抄」、「雪国」。

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同じく当館収蔵の「あまい囁き」と「人間の歌」。

いずれも1945~47年(昭和20~22年)の発行で「山
嶺の気」は31ページの小冊である。「あまい囁き」の
表紙は東郷青児の細い線とわずかな着色で刷られて
いる。

もう一冊の「人間の歌」の経緯が少し切なかった。
つまり、あとがきによれば、自身のの作詩集は1925年
の「砂の枕」以来20年ぶりということだった。もちろん
その間に何篇もの訳詩集を刊行しているし、きわめて部
数が限定された私家本「ヴェニュス誕生」はあったが、一
般的な発行は長く途絶えていたという。
私にはその訳を知る由もないが、やや辛さが感じられる。

だが上越地方の仮寓中、多くを作詩し過去分も含め集中
して出版を重ねた。
終戦によって重しが取れたのか、疎開先の食べ物が、それ
とも人情が良かったのか、あるいは妙高山の雄姿に押され
たのか、生活ひっ迫だったのか、いずれにしても詩人は当
地で心奮い立たせた。

展覧会会場まで60キロ、再度県立近代美術館を訪ねそ
の人柄に触れてみたい。

慣れないパソコンで四苦八苦し、ミス文が多く失礼しました。
まだあるかもしれません。

降っては消える雪模様の年の瀬。

2017年12月20日(水曜日)

朝日の中の雪がきれいだった水曜日、午後いつもの
ように特養ホームの回診があった。
学校ではインフルエンザが流行している。当特養は今
のところ免れているようだがやはり心配だ。

 

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午後の樹下美術館。例年トクサを短く刈るが今年は常
緑性を当てにしてそのままにしてみている。

 

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蕾をみせていたクリスマスローズ。

 

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はりはり漬けが食卓に出ると年が暮れ新年が近づく。

 

去る17日に訪ねた長岡市の新潟県立近代美術館の
「堀口大學展」を書いているが、妻のパソコンを借りて
Windows10で書くのは難しい。
カーソルがあちらこちらへ跳ねたり、ひょっこり余計な
ウインドウが現れたり、文字が急に大きくなったり、記
事が消えたりする。
普段から操作が下手なので流行りの自己責任であろ
う。

この記事もうまく読まれているか自信がない。

ふんわり降った雪、夕暮れの山々 季節のたくらみ。

2017年12月18日(月曜日)

一晩静かだったと思ったら、今朝そっと置いたようにふんわ
りと雪が積もっていた。だがこれが半日、一日と降り続くなら、
昔で言えば一尺二尺。大変なことになる。

 

1

今朝の仕事場の裏山。春の淡雪がこのように降るのはよくある。
しかし今頃こうして軽い感じで降るのは少し珍しいのでは。

それから本日夕刻、遠くの山々が穏やかに赤っぽく染まりきれ
いだった。

 

2
西頸城方面は憧れのギザギザ山塊。

空は私たちの様子を窺いながら、どう降らそうか、どう喜ばせ、
どうiいたぶろうか、つまりどんな冬にしようか、デザインを考
えているように見える。
一生懸命なのか、気まぐれなのかわからないが、およそ前年
と同じというような事はまず無く、何かしら変え、往々にして意
表を突いてくる。

当館の図録が書店のベストセラーに入った。

2017年12月16日(土曜日)

12月25日まで、今年の樹下美術館は残すこと9日となっ
た。

そんな日の事、「あなたこれ見て」と妻が上越タイムスを持っ
てきた。毎週末掲載される上越市本町「春陽館書店」におけ
るベストセラーの記事で、第五位に「樹下美術館の齋藤三郎
」(美術館)とあった。

 

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赤で本が囲ってある。

飛び込みのようにして置かせてもらった微小な個人美術館の図
録という地味な本が、小学館、幻冬舎、中央公論を抜いて売れ
ていたとは!一体どうしたことだろう。
ローカルな話題だが、ローカルなればこそ,、嬉しくまた責任も感じ
てしまう出来事だった。

 

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お客様から頂いたサンキライ(サルトリイバラ)をスタッフが輪を作り
リースにした。

 

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妻の友人がお持ち下さった手作りのリース。

 

 

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お客様が帰ったあと雪の庭を見ているモネ人形。

 

今夕美術館と医院の忘年会があった。お世話になっている
方も交え、和気あいあいと過ぎ行く年を惜しんだ。
それにしてもWindows10で書くのは難しい。

改装なった土底浜の歩道橋に上ってみた。

2017年12月15日(金曜日)

昨日に続いて晴れ間が多かった日、午後からある事業所の
健診結果についての相談に出向いた。産業医として何十年
も携わっている工場は100人規模だが、長く労働衛生の
遂行に実直な姿勢を維持してきた。
当初の担当者の熱心な取り組みが代々継承された結果で
あろう。

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早く出たので建て替えられたばかりの歩道橋にのぼってみ
た。

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JR土底浜駅前交差点の歩道橋、駅と大潟町小学校に近いの
で子供たちが多く利用する、同小学校は私の母校。この時期、
防寒具に身をを包んだ児童たちはとても可愛い。、

 

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歩道橋から国道8号線の西の方角を見る。比較的海が近いの
で雪はなくなっている。ただし左側の狭い松林を越えると10
㎝ほどは残っている。

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東方面を見る。出来たばかりのドラッグストアの向こうに米
山が見える。

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陶芸展示室の白テーブルにツリーと熊?のガラスのフィギュア
が出ている。妻の親族から頂いたものでとてもきれいで可愛い。

日中、昨日よりもよく晴れ、気持ち良く過ごせた。

ひと時の青空、青い海 蓄音機のあと近所で食事。

2017年12月14日(木曜日)

雪の日が続いた後、本日は午前から時々晴れ間が覗いた。

 

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四ツ屋浜から直江津方面の雲。火力発電所から上るもくもく
たる水蒸気の白さが眩しい。

 

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灰色の空と海にブルーの色が戻った。

 

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夕刻のカフェで蓄音機を掛けた。お客様ご持参のアルフレ
ッド・コルトーやリリー・クラウスのピアノを聞かせても
らった。
色々な季節の庭で蓄音機を聴いたが、雪もまた古い友人同
士のようにしっくりと馴染んでいた。
電子加工された日常の音からより自然な音へ、蓄音機は体
にも良いようだ。

 

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蓄音機を聴いた皆様と近くの小さなレストランでパスタや
ピザを食べた。いつしか12月も中旬となった。

冬に群れる

2017年12月13日(水曜日)

寒波によって美術館周囲の積雪は10数㎝ほどになった。
カフェの窓辺は屋根からの落雪で3,40センチはある。
予想以上の雪で慌てている。

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本日午後老人施設の回診の後カフェで食事し、周囲の田などを
巡って帰った。

 

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柿に取りついているムクドリ。

 

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いつもよりマガンが多いようであり、いくつもの群に出会った。

 

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まるで煙のようになって飛翔していた雀の群。車中からの写
真で色調がうまくありません。

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電線に移動した雀。

 

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朝日池にカモの群。何時食事をするのだろう、余裕なのか
皆じっとしている。

 

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水田の一角にガマが沢山あった。穂が散ることもなくしっかり
ついている。見慣れたものより小さく、種類が異なっているの
かもしれない。

さすが冬、急に鳥たちは群れ、寒風の空を凌いでいる。凌ぐ
というより喜ぶ風でもあり、冬も凄いが鳥もすごいなあと感嘆
させられる。

今年三度目の雪 パソコンの故障。

2017年12月12日(火曜日)

昨夜から寒気を伴った荒天に見舞われ、今年三度目の雪とな
った。10㎝にも満たないが、これまででは最も多く降った。
しかし例年でいえばまだ少ないほうかもしれない。

1
雪の樹下美術館。閑散のなかBSN新潟放送テレビの会長がお寄り
りくださった。何度かお目にかかっているが、世間が広く博識で
お話は非常に有益だった。

 

 

3
チョコレートの箱.。クリスマス仕様で美しい。

ところで昨日のこと、パソコンのスイッチが切れていて作動
しなくなっていた。本日妻のを用いているが、Windows7に
慣れていたので10は何かともたつく。診断、修理を無事終
えて早く戻ってきてほしい。
それにしても昨日撮れた積み重なったレンズ雲が気に入っ
ていたのに、パソコンとともに使えず残念。

後藤丹先生の退官記念コンサートとお別れ会。

2017年12月9日(土曜日)

本日午後上越教育大学・後藤丹教授の退官記念コ
ンサートが同学講堂であった。満員の大きなホール
の熱気は先生と上越市民の長く濃い交流を如実に
物語っていた。

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コンサートが近づくと構内の芝生に陽が射してきた。

先生は芸術系(音楽コース)の講座と研究室を受け
持ち、主宰されていらっしゃる。
1985年助手で着任され、2003年以後今日まで
教授を勤められた。
音楽理論、音楽分析を研究テーマとされ、作編曲を
数多く手がけられ、全国に向けられた全音楽譜出版
社からの譜面は幾多もある。
9校もの校歌、上越市の市民歌の作曲、あるいは講
演に演奏指導など地域貢献も枚挙にいとまがない。
後年、明治大正期の唱歌の研究に取り組まれた際、
「夏は来ぬ」などの作曲者で音楽教育黎明期の音楽
家小山作之助が不肖小生の大叔父に当たるためお
付き合いして下さった。

本日は門下の大学院生たちが企画し、先生ゆかりの
音楽家と院生そして教授が大勢出演され、プログラム
は全て先生が手がけられた曲目で構成されていた。
曲は、はにかみを交えて楽しく簡潔にご本人が説明さ
れた。

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先生の音楽の多くは長調で書かれ、繊細かつ詩的だ。
だがこのような手法で幅広く音の詩を完結させるのは
容易でないが、先生が敢えて選んだ王道ではないだろ
うか。安易なアイディアに妥協せず、表情ある和声と
洗練されたメロディラインが織りなす叙情は印象的で
心に響く。
また谷川俊太郎、杉みき子両氏の澄んだ詩情と先生
の音楽の相性の良さの説明は分かりやすかった。

ピアノ曲集「高原の町から(仮題)」では、当館のテー
マに欲しい曲目がちりばめられ、後半で演奏されたG・
ガーシュインの「Someone To Watch Over Me」はジ
ャズに親しんだ者に心地良かった。
そして福井大学教授の高木裕美先生のピアノ「三国節幻
想曲(福井民謡から)」と「〈大きな古時計〉によるバ
ラード」の格調に接することが出来たのは幸運だった。

 


ローズマリー・クルーニーの「Someone To Watch
Over Me(誰かが私をみつめている)」

休憩をはさんで2時間半のコンサートは多彩で丁寧、と
ても楽しかった。

終えてやすねに於いてお別れ会があった。
まさか小生が最初の挨拶をするとは、皆様にご迷惑だっ
た事であろう。
パーティーは教授、生徒諸氏の引きも切らぬ演奏で盛り
上がった。

 

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最後に2本のリコーダーを吹かれる先生。このたびは
アルトとソプラノ同時の驚異的演奏。音楽の骨頂であ
るエンターテイメント性の体現に、教える人としての深
い愛情が伝わる。先生の立派なピアノ伴奏も聞いたこ
とがあり、名演でした。

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皆様の音楽への豊かな心ざしに身を浸し、一足早い
クリスマスでもあり、心ゆくまで楽しませて頂いた。

今後さらに広い境地と新たな可能性に向かわれる先生の
ご健康とご幸運を心からお祈りした。願わくばどうかま
た上越に何度もお出でください。

 

長くなりました。

本日,小春日和のアルバム。

2017年12月7日(木曜日)

本日朝からから暖かく晴れ風も感じられず良い日柄だった。

上手い具合に午後は休診、少し気になる人がいたので遠出
をせず近隣を移動した。

 

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一つ覚えの柿崎海岸を30分歩いた。灰色の海が青に変わって
いた。

 

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自転車が置かれた風景は単純だが詩情がある。

 

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美術館近くの水田にトビとカラスが寄り添っている。普段仲が
悪そうなのに、こんなこともあるのかと驚いた。トビが飛ぶとカ
ラスがついて行った。

 

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樹下美術館の庭の夕暮れ。冬木立とハケで掃いたような雲が
調和している。

 

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暮れた朝日池。白鳥を追うバードウォッチャーがずらりと車を
停めている。世田谷ナンバーなどを見るといよいよ水鳥のシ
ーズン到来を感じる。

ちなみに、ハクガンはまだですか、と訪ねると「向こうが凍らな
いと来ないね」という返事だった。向こうとは「八郎潟」のことで
あろう。

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道路の近くで憩っていたコサギ、マガモ、オオバン。写真を妻に
見せると「異業種交流」と、いささか古い言葉を発した。

冬将軍の足慣らし 図録は好調かもしれない。

2017年12月6日(水曜日)

昨夜の雨が今朝に雪となりわずかながら積もった。

1
仕事場の庭の雪化粧。

 

2
寒さの中勢いを増しているカニサボテン。

根雪となるまで冬将軍は如何にもそっと足慣らしを
する。
今年三回目の降雪だがこれまでいずれも数センチだ
った。
そのうち朝まで音もなく、いえ、耳を澄ませばすかに
スッスなどと言いながら沢山降ってくる。
テレビが猛烈な寒波と告げるころ、将軍が勢いづき、
数日にわたって吹雪くことがある一方、予報が外れ
てヘナヘナとなり、あえなく青空に覗かれることもあ
る。
「今年の雪は?」は今のところ挨拶がわりだが、冬将
軍は一体どんな顔をしてこちらを見ているのだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先月、当館の作家の図録(収蔵作品の写真集)を上
市の関連店に置かせて頂いていた。嬉しい事に本
日売り切れた、と言って追加注文が入った。追加と言
っても5冊だが、真に有り難い。

現在まで10冊あるいは20冊を買い取って下さった
店もあって感謝に堪えない。美術館では20冊ほど
売れていると聞いた。内容や写真を褒めて頂くこと
があり、励みになる。
本には利益は無いが、作家と当館を知って頂ける
大きな作用がある。お求め下さった皆様には深く感
謝致してます。

去る土曜日午後に迷い込んだ行幸通りの地下通路。

2017年12月5日(火曜日)

去る土曜日の上京の際、東京駅中央口からタクシーに乗るため
南口の乗り場を目指した。
ところが地下鉄利用者の流れに入り地下へ降りてしまった。先
で表に出ようと短いエスカレーターに乗ったはいいが、今度は
突然広い地下通路に出た。

1
雑踏からしーんとした世界へ迷い込み、出口を探したが中々見つ
からない。
通路の壁面には古いポスターらしいものが沢山並んでいた。中に
ジャン・ギャバンの文字があったので映画であろうと分かったもの
の、実際に見た事が無いものばかりだった。
位置方角、時間とも曖昧となり、奇妙な場所を通過することになっ
た。

 

2

 

3

 

4
おぼつかない心で居る私と妻に異国のボスターが一生懸命に
訴えてくる。確かに手書きのポスターはそれぞれ個性と味わい
があり、下段のは写真のコラージュ。
如何に眼を止めてもらうか、時代を超えて製作の苦労と楽しさ
が滲む。映画に詳しい人ならもっと興味深かったことだろう。

 

5
数百メートル歩き階段をのぼるとガラスの向こうに街と人。

 

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出た通りの正面は皇居だった。
南口タクシー乗り場に行くつもりが晴れ晴れしたイチョウ並木の
大通りへと出た。通りの先でタクシーを拾った。

 

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ホテルに着いて部屋を案内してくれたボーイさんに上掲の通路
の写真を見てもらい、
「こんなところを歩いて来たのですが、何処だったのでしょうか」
と尋ねた。
「えー、何処でしょう、誰もいないじゃないですか」と仰った。

家に帰って調べてみると「行幸通り地下通路」へ入り、「地下スク
エアーギャラリー」で「東京国立近代美術館フィルムセンター所
蔵映画ポスター名品選」を眺めたらしいことが分かった。
行幸通りの賑わいは「皇居乾通りの秋」を楽しんだ人々のようだ
った。

東京は色々な意味で不思議で夢多き都だ。

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