2011年5月22日
頑張れサバイバルするヒナ
昨日5月21日(土)のスズメのことは日にちをまたいで夜遅く書いた。一夜開けて今日も見に行った。足どりがしゃんとして動きが素早くなっていた。猫の襲撃も受けず一晩休息できたのだろう。朝早くからちゃんと給餌も受けたにちがいない。
間もなく親が現れた。ヒナの目の前で地面のものをついばむ動作を繰り返した。親が去った後のヒナは同じようにさかんにあちこちの地面をついばむ。地面には発酵させた私たちの食事の残りがあるらしい。
足は大丈夫らしい、さわやかな感じも親鳥(手前)が来て餌取りの手本を見せている様子
しばらく経って親がもう一羽のヒナを連れて現れた。ヒナは大きく色つやも良い。昨日コナラから飛び立った個体だと考えられる。順調ならばこのようにして育つところを、足のせいか一羽は遅れた。
残されていたヒナは探餌の学習を続け、諦めずに親鳥は給餌を続けていた。それにしてもヒナはよく鳴く。数えてみると一分間に54回鳴いた。親を呼ぶのは必要だが、大きなさえずりは猫や敵に居場所を教えることにもなる。
およそ生き物の成長は危機と背中合わせだ。昨日から見ているヒナは彼独自の忍耐やサバイバルテクニックを持って、この先を生きることが期待される。
自立した鳥は自分が過ごした思い出の場所など覚えてはいまい。私に早くも少々のセンチ。早い親たちは間もなく二回目の産卵を迎えることだろう。
スズメの巣立ち
昨日から診療所の小さな裏庭に二羽の雀のヒナが育っていました。場所は小ぶりなコナラをサカキの茂みが囲む小さな隙間です。親鳥が現れては給餌をしていました。
今日も居ましたので、窓をすこし開けて診察の合間に写真を撮りました。
一羽が親に導かれるようにコナラを上に進み飛び立って行きました。残ったヒナはやや元気がありません。ようやく枝に出ましたが、カメラのモニターをみると右足が痛んでいるように見えました。
右のヒナの右足が痛んでいる? もっと上に行こう 毛繕い |
枝に出てもウトウト よっこらしょ 枝をついばんでみる |
戻っていました。
仕事が終わって見てみますと元の茂みに戻っていました。
ご承知のように、鳥たち(動物たち)はケガや衰弱などでつらくとも表情にだしません。残ったヒナは一見のんびりしている風に見えなくもありませんが、負傷していると思いました。
相当昔の事になりますが、何度か弱って地面に佇むスズメのヒナを育てました。胸の皮膚が裂けていたり、発毛が不十分だったり、巣からの落下などでした。
多くの場合親鳥は衰弱して佇むヒナにも餌を与えようとしますが、猫やカラスも狙っているはずです。
当時の数年間に4,5羽を育てる機会がありました。保健所への届けはしませんでした。最初の一羽は明らかに私の失敗でした。水のかわりに生理食塩水を与えたのが大間違い。小鳥の腎臓は塩分に弱いことを後で知って、とても後悔しました。
ヒナは最初のうち口を開けませんので、クチバシの端に真水を滲ませます。繰り返しますと次第に口を開けるようになりますので→ミルク→小鳥の練り餌へと変えます。給餌は針を取った注射器で行いました。
食べ盛りですから、数時間もすると大いにさえずって餌をねだるようになります。たいてい二三日で容器にしつらえた餌を自らつつくようになります。ぴょんぴよん跳ねる移動から羽ばたきをするようになりますので、大きめの部屋に飛ばして見よう見まねの飛翔訓練もしました。楽しい部屋の飼育はフンの処置も楽しまなければなりません。
10日前後を見計らって放鳥を試みますと、一旦外へ羽ばたきますが、すぐに部屋に舞い戻ります。諦めずにこれを繰り返しますと次第に外の時間が長くなり、開け放した部屋へ出入りをして食餌や休息をするようになります。この後およそ一週間ほどで、朝出て夕方に戻るような生活を続けて、間もなく帰ってこなくなります。それを一応自立としました。
部屋での水浴びや砂浴び。中には早朝、寝ている私をつついて起こし、外へ出すことを催促するヒナもいました。
帰らないヒナは群れに入ったと納得するようにしていましたが、育てたヒナがその中に居ることを確認出来たことがありました。
本で知り、弱いヒナを鳥かごに入れて軒にかけて、親鳥の給餌に任せる方法も試みました。確かに親鳥が給餌に現れましたが、救えませんでした。軽症の場合はうまくいくこともあるようです。
飼育が成功したヒナの可愛さは言葉にできないものがあります。一方救えなかったヒナは本当に可哀想でした。
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- 別れ。
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