痛ましい上下浜の海難事故 上越にも救助ヘリを 金属バスケットですくい上げては。

2014年5月5日(月曜日)

昨日、大好きな近隣の上下浜の海で痛ましい事故が起った。

午後美術館で庭仕事をした帰り道、すぐ先の空にヘリコプターが飛んでいた。
一機だけではなく、旋回もするので何か事故?高速道路かもしれないと思って家に入った。

すると夕刻の全国ニュースのトップが、こともあろうに上下浜で子ども3人大人2人が亡くなる事故を伝えた。
丘にホテルが建つ美しい景観の海で、余りに痛ましい出来事だった。

一昨日は一日中いやな感じで風が吹いた。
おそらく昨日の海は余波でかなりのうねりが生じていたにちがいない。
子どもは渚が好きだ。
次々と寄せる波は動物のようでもあり、近寄っては逃げる遊びの相手になる。

海辺で育った自分もよく遊んだ。
昨日の子供達も楽しかったことだろう。

それが突然巨大なうねりに襲われたのだ。
寄せ波が子どもを倒し、引き波で一気に沖へとさらったと考えられる。

一帯の砂はざくざくしたツブ状で、足が深く入り容易に流動する。
強い波の中、沖に向かって立つと、寄せ波は足のかかとをえぐり、引き波はつま先を掘る。
突然大きなうねりが来た場合、寄せ波で逃げてもバランスを崩しやすい。
足を取られたうえ坂を下る強い引き波が、次のうねりへと子ども達を飲み込んだのだろう。
横にうねる海岸の引き波は凹みの部分に左右から波が合流して川のような強い流れになる。

波はおよそ一定の大きさで打ち寄せるが、急に大きなうねりが来る時がある。
今回大波の原因は何だったのだろう。
この時期突風が考えられないこともないが、すぐには大波にならない。
私が知る一つの原因は、沖合を通過する比較的大きな船の引き波だ。
これは何度か高いうねりとして繰り返し岸に到達する。

異常に高いうねりは色が濃くボリュームがあり、見ていれば近づくのが分かる。
周囲が気づいて叫んだが、子ども達に聞こえなかったのか。
あまつさえ助けに向かった2人の大人までも飲み込まれた。
一定の波の日は大人も子どももライフジャケットしかないのか。

救助では救助(消防防災)へりがが間に合えば、隊員がロープで下りてかかえ上げるのが一般的だろう。
しかし波が大きいなど不安定な状況では手間取るのも想像できる。
衰弱している遭難者が手を伸ばしたり抱きつくのも容易でないかもしれない。

万一そのようなことであれば非常に残念なことだ。
今後の海難では、丈夫な金属バスケットですくい上げる方法を考慮できないだろうか。

さらに海岸線が300キロメートルもある新潟県のドクターヘリの基地が当地域から100キロ離れた新潟市だけ、
というのも散漫に思われる。
上越地域に一機分設置できればどれほど意義あることだろう。

 

テトラも無く、道路から近いこの場所は季節ごとに長野や群馬の方達の車が多かった。
亡くなられた人達はここを愛していたにちがいない。
自分も大好きな場所だったので、余りに痛ましく涙を禁じ得ない。

亡くなられた方々とご家族のことを思うと言葉も無い。
心から哀悼の意を表します。

釣ある日の上下浜。

倉石隆氏の新たな絵の掲載は次回に致します。

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