2020年4月26日

感覚的な寺院・松代の長命寺 何故?を考え、自分たちにも克つ。

2020年4月26日(日曜日)

昨日土曜日の外出の続きで、頸城区の公園や自然センターの後、十日町は松代に向かった。

これまで松代、松之山は何度も行っているが、この度だけは、いささか遠く感じた。浦川原が思ったよりも奥があり、大島区が広いためであろう。だが遠ければその分旅情がつのるので、問題なしだった。

〝橋を渡ってお参りする〟訪ねたのは松代の長命寺。

 

松代駅裏を流れる渋海川。川音が爽快。

 

確かに、確かに、橋を渡る。正面に山門。

 

渡るとすぐ、実に甘い香りがした。満開のユキヤナギがあり、それでは?と妻の話。鼻を近づけるとしっかり匂っている。

 

仁王像がある立派な山門をくぐると、本堂には青地の卍が二つ掲げられている。青い地色には何か由緒があるのだろうか、清々しい。境内に雰囲気の異なる作りの庭が所々設えられ変化に眼を奪われる。

 

白衣観音の板碑。
日清・日露戦争および太平洋戦争の戦没者追悼と刻まれていた。

 

向かって東へ回るとお稲荷様があり、神にも手厚い。

 

仏舎利、あるいは供養塔と言われる十三重塔(じゅうさんじゅうのとう)。

ほかに千手観音像やすっきりした宝篋印塔(ほうきょういんとう)あるいは立派な無縫塔などの石仏・石塔があり、仏性あらたかな雰囲気に浸れる。

 

コロナの犠牲者の慰霊と無事な収束を祈って鐘を叩かせてもらった。

 

当寺は曹洞宗らしく山を背負い、豊富な清水が境内を巡っている。
ひと周りした後、出口へと歩むと清水を用いた手水があり、あらためて手を浄めて退出した。

出た所にスマートな観音様。

 

観音様の手前に花。ああ、これはコショウノキに違いない。
そばへ行って匂いをかぐとほのかに甘い香りを放っている。
石仏や庭・建物を観て、水音や鐘の音を聴き、
行き帰りに花の香りを嗅ぐ。とても感覚的な寺院だと思った。

樹下美術館も長命寺のように色々と心がけなければならない。

秋、大銀杏の黄葉を楽しみに再訪したい。

 

帰路の棚田で遅い桜が夕日を浴びていた。

およそ四時間近くの外出。お天気に恵まれ無事に帰宅した。

美しい自然と寺院を巡った。春は人間だけをのけ者にして、ほか全てに光を注いでいた。
何もいま無理して希望や誇りを求める気はしない。事態はそんな軽いものではないのではないか。
新型コロナウイルスにうちひしがれながら、ひたすら何故?を繰り返し、突き詰めた方が光が刺すような気がする。

〝自粛ばかりでは駄目なのだ〟

よく分からないが、〝ウイルスに克つ〟と同時に、なにがしか〝これまでの自分たちにも克つ〟のでなければ本当の収束にはならない、と考えている。

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