こんどこそ開館その1 倉石隆の展示。

2020年5月27日(水曜日)

しばしば湿気を感じる日があり、早くも夏の気配。
人により着ているものが色々なのが面白い。私はまだ時にチョッキが必要で、ひと様のように半袖は無理。

かって書いたように思いますが、昔から一年で一番好きな月が6月でした。
生き生きした樹木と多彩な花々、穏やかな日射しに清々しい風と雲。
梅雨の初めの頃までの自然は、生気と調和がみなぎり、特別なことが無くても、ある種しあわせを感じます。
以前はもっと6月に拘り、2007年の樹下美術館の開館はぜひ6月にと進めたほどでした。

ウイルスパンデミックに見舞われた今年、奇しくも開館が6月1日となりました。まだ曲折があるかもしれませんが、どうか良い月であれば、と願っています。

今後数日は、あらためて展示やカフェなどのお知らせをさせていただきたいと思います。
本日は絵画・倉石隆の展示についてです。今年は「細長い絵と本」です。

正面に油彩「イブ」「黄昏のピエロ」「晩夏(向日葵)」「悲しみの像」「ネグリジェ」の5点を掛けました。好評だった昨年を継続しました。
今年の新機軸は倉石隆が挿絵や表紙として携わった本の展示です。狭いスペースですが、5つのテーブルを用意し21冊の関連した本を並べました。

 

本で賑やかです。

 

5点の細長い絵。
過去に展示した中から特に細長い作品を架けてあります。

 

 

 

倉石隆が本に携わった時代はモノクロ(白黒)からカラー版への移行期でした。

開館以来、関係書物を集めました。まだ十分ではありませんが以下のタイトルで21点を展示致しました。
「不良少年」「一切れのパン」「小公子」「ふしぎな球」「金色のあしあと」「うつくしいおくりもの」「魯迅」「ちきゅう」「人形使いのポーレ」「黒森へ」「森の少女」「十五少年漂流記」「下北半島の風」「罪と罰」「カラマゾフの兄弟」「従姉妹ベット」「二人のイーダ」「ドレミファランド」「ひかりのくに」「宝島」「しあわせの王子」
です。

展覧会出品にみられる油彩の人生への自己表出、対して読者への思いやりに満ちた挿絵・表紙作品。
芸術家が生きるために費やす心の深さを、どうかご覧下さい。
油彩と挿絵。形は異なりますが、生きることへの〝寄り添い〟が共通しているのではないかと思っています。

デッサンを極め、人物画を追求した倉石隆にとって、書物の挿絵は性に合っていたにちがいありません。

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