今度こそ開館その2 齋藤三郎(陶齋)の「椿と梅 」。

2020年5月28日(木曜日)

昨日は今年展示の倉石隆作品を紹介させて頂きました。続いて本日は齋藤三郎(初代陶齋)の陶芸作品です。

3月~7月の前半を「陶齋の椿tと梅」展にいたしましたが、コロナに対応し休館のままに二ヶ月半が経ってしまいました。
あと二ヶ月、本日展示25点の作品から一部をご紹介させて頂きまます。

陶芸ホールを入ってすぐ左の展示です。
手前に色絵の椿文壺、向こうは赤絵の椿詩文壺と椿文の筆および香盒です。

 

民芸の味わいを有する鉄絵椿文皿。上越市における比較的初期の作品です。

 

色絵椿文壺。昭和40年代、華やかな椿樹を大らかに描いています。

 

梅文のペンダントヘッドと香盒。
師である富本憲吉の梅が継承されています。
香盒は初期、ペンダントは中期に相当する作品です。

 

手前の酒器は赤地に金彩で梅の枝が一面に描かれています。
向こうの鉢は椿樹を梅が囲む大胆な意匠です。
ともに中期に相当する晴れ晴れとした作品です。

 

向こうは梅枝をあしらった皿6枚。
手前は最初の師・近藤悠三の赤絵と呉巣の描き分けによる梅枝の鉢。
見込みの文字は「壽山萬丈高」でしょうか、参考として展示いたしました。

寿山といいますと、師・近藤悠三に続き、若き陶齋が腕を振るったのが「壽山窯(じゅざんがま)」。
宝塚市雲雀丘で、サントリー創業者・鳥井信治郎が有した窯です。

梅は二人の師、富本憲吉および近藤悠三が好んで描いたモチーフに習って描かれています。椿は、上越市寺町に窯を開いてから独自に創り出した文様で、長く好んで描き、多く愛されました。
時代により花の形状が変わりますし、中頃からは椿樹も描かれるようになりました。

陶齋作品の前期は地味めで一種民芸風、中頃から色数が増えて華やかなになる傾向が見られます。ご自分の好みを考えながら、どうかご覧ください。

 

本日はスタッフで展示準備と庭仕事でした。午後にはコロナの対応を皆で確認をしました。

以下は作業の一部です。

当初から庭にトクサの一角があります。
常緑性ですのが、細いため冬期は雪でバラバラに倒れます。
それで初冬に短く刈ります。
不思議な事に、冬を越すと上部が枯れて白くなり、見た目が良くありません。

 

それで本日、皆で上の枯れた部分を取り去りました。
大変でしたが爽やかになりました。
まじっている植物はこの場所が好きなリンドウです。

 

ようやくカーテンが上がり、呼吸を始めた樹下美術館。

〝良い季節になりました〟

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