小島正芳先生の来訪 名残惜しい上下浜と四ツ屋浜の夕暮れ。

2020年12月5日(土曜日)

午前の仕事を終えて急いで美術館に戻る。
すでに新潟市から大切な方、小島正芳先生が自宅にお見えになっている。

今夏全国良寛会会長になられた先生は、優しいお心に朗らかな童心をお持ちの方。隣に座っていると澄んだ感受性が伝わってくる。

ふとしたことから先生の知己を得て、今秋樹下美術館で「齋藤三郎と良寛さん」を講演して頂いた。先生は新潟大学時代に髙田の芸能科で齋藤三郎の講義を受けられ、三郎に心酔し敬慕されていらっしゃる。
樹下美術館来年の展示は「齋藤三郎の書画」を予定し、秋にはそのことで再び先生のお話を聞けることになった。

本日は三郎の文字の書き込みがある焼き物と手紙類を見るため来訪して頂いた。関連作品と書に囲まれ、とても幸せそうにされ、ご一緒した私どもも幸福だった。

 

玄関に掲げた額。
齋藤三郎の書はとても鑑賞価値があるという。

来客をまじえた話は良寛の書と逸話に及び、それらに現れる優れた人としてのエッセンスに触れられた。
年末テレビの良寛の特別番組や、来春~夏の東京に於ける良寛展などの企画・監修でお忙しい先生。広く芸術に対する造詣深さが伝わる貴重な時間だった。

NST新潟総合テレビ、2020年12月31日9:50~10:20
「良寛さん出家の謎」 案内:小島正芳
ちなみに昨年の同企画番組の一コマをNSTのブログから以下に引かせていただきました。
昨年の大晦日番組での先生。

 

来客のお一人が庭のモミジをご覧になった。
根本から枝が出ていることがとても変わっていて面白いと仰った。

この木は手入れを怠っているだけと返事をした。が後になってよくよく考えると、購入したものではなく、ここで実生から育った木ではないかと思った。そもそもこの場所は、いまだ十分な手入れがされず半ば野のままになっているところ。来年はもう少しかまいたい。

楽しい時間はあっという間に過ぎる。高速バスの頸城停留所へ先生をお送りした。着いたのは良いが、上り下りの線を間違えてしまい、先生が慌てて強風の隧道を対側へ歩かれるのが見えた。走って行ってお詫びし、あらためてお別れした。

 

さて極端に日が短くなっている。陽の名残を惜しんで上下浜と四ツ屋浜に寄った。
まったく漠然とであるが、あの世では会いたい人に会えるかもしれない。だが風景だけはそうは行かないような気がする。

夕闇迫る上下浜は、いつものマリンホテル・ハマナス。

 

帰路の四ツ屋浜では沖の雲に降水が見られた。
遠くから見ると、時雨はこんな風になっているらしい。

 

心から楽しそうに良寛や齋藤三郎を話される小島先生。思い邪(よこしま)無し、幸福とは何かを垣間見るような時間だった。

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