齋藤三郎、新旧初窯作品が一緒に。

2024年2月21日(水曜日)

旧聞になりますが昨年のある日、上越市本町の遊心堂さんへ寄った折、染附の盒子(ごうす:香合)と色絵の湯呑を求めた。
香合は縦×横×奥行きが3,9×4,6×3,9×3,4センチ、民家の絵柄が描かれている。香合だから小さいが上品さが漂っていた。

道の先の家は蔵のようであり木は竹林に思われ、恩師富本憲吉作品に見られる奈良県安堵村の風景文様を彷彿とさせた。蓋裏の署名は戦前に続く早い時期の雰囲気を引き継ぎ何より嬉しかったのは器の底と箱の裏書きに「初窯」と記されていることだった。

 

蓋裏の署名。

 器の底。

箱の蓋は立ちが取られ
とても丁寧に作られている。

髙田に於ける昭和23年の初窯は初々しさと目出度さがあり、ひとしお嬉しい。署名に「陶齋作」とあり初窯から陶齋を名乗っていることにやや驚いた。

さらに初窯作品がもう一器。こちらは市松模様の色絵湯呑で、花を散らした明るい模様に「五壽年初窯」と縦書きされている。五壽年は昭和50年のこと。、

高台に見える初窯と署名。

齋藤三郎は昭和23年髙田に登り窯を築き奮闘活躍を重ねた。駆使された窯は昭和50年に新工房とともに新たな登り窯に作り替えられ、二度目となる初窯作品が焚かれている。

樹下美術館には飾皿、菱皿セット、鉢、香合、盃など最初の初窯作品があり、二回目の作品として染附妙高山の角皿がある。収集を続けながら、突然のように出会う初窯作品は賓客のようであり格別な感慨を覚える。

上記二作品は3月15日から展示致します。数が多くなりますが見つけて下さい。

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