産卵するアゲハ 「Poor Butterfly(プア・バタフライ)」という曲。

2021年9月22日(水曜日)

仕事場のカーポートの後ろにキンカンを植えて5年は過ぎた。
蝶、わけてもアゲハ蝶の仲間は好んで柑橘系の木に産卵する。毎年何羽かの蝶がこの木に丸く小さな黄色の卵を産み付ける。

孵化した幼虫は旺盛に葉を食べるので木は思ったように大きくなれなかった。だが木の我慢の甲斐あって、今春から一気に大きく伸びた。
すぐそばのブットレアの花がよく蝶を集めるので、二本の木は大変相性良く見える。

 

去る9月16日、アゲハ(ナミアゲハ)がヒラヒラとキンカンの周囲を飛び、産卵した。

この蝶の成虫(蝶の姿)としての寿命はわずか2~3週間といわれ、とても短い。産卵から孵化→幼虫→さなぎ、そして羽化、成虫まで全部をいれて精々50~60日程度、これを年に3,4回繰り返すらしい。

こんなに頻繁に生誕を繰り返せば、さぞかし辺りは蝶だらけになりそうだが、卵や幼虫は様々な他の生きものたちに食べられるため成虫になれるのはごくわずかということ。
それにしてもチョウなど、昆虫の複雑な成長過程は不思議に満ちています。

以下は1916年に発表された「Poor Butterfly(プア・バタフライ)」。


サラ・ヴォーンの「Poor Butterfly」 1956年。

導入や伴奏に東洋的な調べが混じります。
そして以下のようなことが歌われています。
“昔、蝶々さんと呼ばれる日本の娘が、アメリカから来た若者と恋に落ちた。彼女が思い出の桜の花の下で毎日佇んでいるのは、必ず帰る、と言って船出した恋人を待っているのです。哀れ蝶、いつまで待っても構わないと微笑むのに、心は悲しみでいっぱいなのです”

歌劇「蝶々夫人」をイメージして1910年代に作られたスタンダード曲。どこか東洋的な情感が漂い、まさに多くのアーティストによって愛され演奏されています。

曲はヴァース(前奏)が長いのですが、とても上手くコーラス(主要部)に繋がっています。
演奏されるスタンダード曲は、ヴァースが付くものが少なからずあり、特に歌唱でそれがよく歌われます。
「セプテンバー・ソング」や「思い出のサンフランシスコ」はじめ、両者がピッタリ合う曲は、曲調が高まり、感心させられます。

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