花鳥・庭・生き物

冬バラが散っていた 花の別れ。

2015年12月15日(火曜日)

風もなく暖かな火曜日、上越市高田の最高気温が17度とは。
そんな日の庭で、

拙詩)
昨日見たバラの下に花びらがぱらぱらと散っていた
風も無いのに思わぬ暖かさのせいで散ったのだろう
花は突然の別れに呆然としていた
花びらは花よ、花は花びらよ、と呼び合うようだった

風よ吹くな
雨よ降るな
雪よ積もるな
別れても懐かしめ

 

009一枚も重なり合わず花の下に散った花びら。

 

010 - コピー名残惜しそうな花。

 

夕刻から雨が降り出した。
午後のひととき残りの芝に土と肥料を撒いて全て済んだ。
撒いたものを雨が押したり流したり馴染ませてくれていると思う。

昨日はお友達、今日はご主人 冬の庭に二つのローズ。

2015年12月14日(月曜日)

時折薄日が射した曇りがちの一日はそう寒くは無かった。
昼食後、庭に居ると次のように仰ったご夫婦と出会った。

〝昨日友達に初めて連れてきてもらい、良かったので今日主人を連れてきました〟
樹下美術館はこのようなお客様が時々いらっしゃいます。

一方でお一人の方は一人ゆえお似合いになる冬の樹下美術館。
以下は現在12月の空の下で咲いているわずかの花です。

 

006数ヶ月早く一株だけ開花しているクリスマスローズの花がさらに大きくなりつつあります。

 

013庭の入り口で静かにおじぎをしているバラ。

花ではありませんが以下のヤブコウジの実がいっそう赤くなりました。

011あまり構わないのに随分増えました。

白鳥の群は道路に近づいていた。

2015年12月2日(水曜日)

予報通り日中は暖かく晴れた。
午前にお会いした方は、久し振りに晴れたので何から始めたらよいか分からない、と仰った。
畑の大根獲り、銀行、庭掃除、見舞い、雪囲い、大掃除、、、。
お歳暮や年賀状も始まるし12月は特別に忙しい。

そんな日の午後福祉施設の回診の後、昨日の白鳥の場所へ寄った。
同じ場所に昨日と同じくらいの群がいたが、全体に道路の近くに移動している。
道路は広く舗装され、車が次々に通るが、群は悠々としていた。

いくら眺めても飽きないが、いつまでも居るわけにはいかない。

 

2水を張ったしずかな田んぼでくつろいだ様子。
写真では見えないが、左の乾いた田で多くの白鳥が餌を食べている。
食べ終わると水のある方へ来るようだ。

3手前に居たこの二羽はずっと一緒だった。

5歩いているのではなく、片足立ちをして休んでいる。
時々交互に足を上げて温めたり休めたりするらしい。

4水しぶきを上げて着水してきた白鳥。
コハクチョウといえどもとても大きく感じられる。

明日はもう冬型に戻り悪天候に見舞われるらしい。

モミジの落葉、覆される拙説 愛おしいモミジ葉は赤ちゃんのお手々。

2015年11月27日(金曜日)

気温はますます下がり本日季節風が吹き荒れた日。
風はこの所の中では一番強かった。
昼カフェに寄り、先日来記載していたモミジの落ち葉を見た。

切れ込み鋭いモミジの葉は一気に遠く行かず、芝生や障害物に絡みしがみついている。
結果として自らの周囲に散らそうとしているように見える。
こんなことからモミジはケヤキなどよりも自己完結的に、自分を中心に栄養するのでは、が私の拙い説だった。

それが本日、芝生の落ち葉はおよそきれいに吹き払われ、一夜にして私の説は覆された。
もとの木からみな離れて行ってしまったのである。

 

1コブシ表紙差替用 041きれいさっぱりとなっていた芝生。
現在の落葉は主に左の株立ちのモミジによって行われている。

2クリスマスローズ-の落ち葉本日落ち葉は芝生反対側のクリスマスローズなどに厚く集まっている。

3トクサの落ち葉南側に下りた所のトクサにもしっかり受け止められている。

4コブシ表紙差替用 050草木でもない軒下の石にも分配されている。

私の説とはむしろ正反対、本日のモミジ葉はことごとく自分以外の各所に配られていました。
これは自己完結型などではなく、むしろ自己犠牲の様相でした。

そもそも落ち葉の分配は最後に風が決める事になるのでしょう。

但し但し、モミジの葉の複数の切れ込みにはやはり意味があると思いたいのです。
通常の季節、モミジは非常に密集して葉が茂ります。
その分明かりを通すように分裂し、また葉がとても薄くなっているように思われます。
一枚が薄い分、散った後はギザギザで絡み合って集まり濃い肥料になる、、、。

〝モミジ葉は皆で手を繋いで眠るため赤ちゃんのお手々になっている〟

いずれにしてもモミジはどこか愛おしい。

 

アラレ昼の美術館の読書中、ガラス窓に短時間アラレが降った。

毎月伝えられる三ヶ月予報。12,1,2月も暖冬だという。この荒れ模様もそろそろ一段落してもらいたい。

モミジの落葉は自己完結型? もしかしたら落ち葉は遠くへ行かない?

2015年11月24日(火曜日)

今日は気温が下がり、空がひゅーっと、海がどーと鳴る強風の日でした。
昨日に続いてモミジの落ち葉でとても恐縮です。

さて午後に寄った美術館ではやはりカフェの前のモミジの落ち葉に目が行く。
カフェに沿った芝生に散ったモミジは北風に吹かれて昨日より南に広がっていた。

しかし強風であるにもかかわらず葉はなぜか大きく移動していない。
見ていると風に吹かれて一つまた一つ、葉が立ったものが飛ばされるが近くに落ちて止まる。
その結果、遠くで吹き溜まることなく一様に分散しているように見える。

遠くへ飛ばないことは一つに雨が、もう一つは芝生のせいもあろう。
目に付いたことに、葉が芝生に刺さるような状態で散乱しているものが多い事だった。
モミジ(楓類)の葉は5裂、7裂などに裂けて先端がとがっている。
さらに長い葉柄が付いているのでよけい芝に刺さる、あるいは引っかかりやすくなっているようだ。

019

018刺さる、引っかかる、あるいは抱きつくように落ちているモミジの葉。

たとえばこれが芝生以外の自然であれば、葉は他の落ち葉や枯れ枝、土塊あるいは草木の幹や茎の中に落ちることだろう。
その中でモミジのように鋭い切れ込みを沢山有しているものは、他(けやきなど)よりも障害物に引っかかりやすく思われる。
その結果さほど遠くへ飛ばず、しかも絡み合って集まりやすいのではないか。

020強い風にもかかわらず落ち葉は樹の下で多く重なり合っている。
明日はどうなっているだろう。

そもそも落ち葉は朽ちて自ら木の肥やしになる仕事がある。
もしかしたらモミジは葉を遠く分散させず、もとの木に対する肥料効果を高める戦略を取っているのでは、と想像してみた。
その点、人間で言えば自己完結的なタイプなのか。

居合わせたスタッフに話してみたが、ハー、という低調な反応だった。

こうなるとケヤキやブナなどは落ち葉を広く融通しあい、集団で森全体を支える仕組みをとっているようにも見えてくる。
芝が乾燥した日の強風のモミジや、来季のケヤキの様子も見てみたい。

いよいよ名実とも冬入り、明日は更に冷え込むようです。

樹下美術館のモミジ 胸打たれた「見る人 ジャコメッティと矢内原(やないはら)」。

2015年11月23日(月曜日)

二日連休だった日が終わる本日は、爽やかな一日だった。
美術館の紅葉は木々によってほぼ順番が決まっている。
いま十数本のモミジのうち最後に残ったカフェの右横にある2本が落葉を始めている。

強い風の日ならどこかへ吹き溜まってしまうが、それほどでなければ満遍なく散る。
昨年のある日、弱い南風で樹下の北側に楕円状に散った

本日は弱い北風で芝生の半分少々を均等に染めていた。

016日射しに暖まる落ち葉。

092それぞれに表情がある。

081山本信さん作品の「少女」は庭の四季に溶け込むが、落ち葉にもとてもよく合う。
樹下美術館に馴染み一段と表情が柔和になった。

四季折々に楽しませてくれる樹木、わけてもモミジは新緑から紅葉まで見所を維持する。

ところで木と葉のことを何かに例えてみたい衝動を時々覚えるが、いつも答えが出ない。
葉は私たちで木は人類?それらを網羅して全てを一人DNAが貫いている?
これではまことに味気ない。

「大切なのは土地でもなく風景でもなく、文化や文明の質でもない。大切なのは創造に仕えること、仕事をとおして生成の鼓動をきき取り、世界と一体となることである。大切なのは人間であり、愛であり、中心を目指す方向、極限を生きつらぬくことである。胸にわきのぼるさまざまな思いを反芻しながら、私は涙に曇った眼で車窓が暮れてゆくのを見ていた。」

アルベルト・ジャコメッティの故郷であるスイスの山奥で最後に彼と会った「見る人 ジャコメッティと矢内原」の作者宇佐見英治は日本への帰路の列車で胸詰まらせる。
超人的な芸術家と親しく交流し、そのはるか遠い寒村の故郷で再会した後の別れだった。
私はその人達のことを何も知らないが、高みを生きる芸術家や文学者たちの心情や言葉が突然胸打つことがある。

先日記したみすず書房の「見る人 ジャコメッティと矢内原」をのろのろと読み進み、本日のカフェでようやく90ページ近くへ来た。
上記に抜粋したところでふと目頭が熱くなり本日の区切りにしました。

めまいは日によって波があり、昨日は不安定でしたが今日のほうが良かったです。

牧野富太郎の歌 賑やかに蕾をつけるハクモクレン。

2015年11月22日(日曜日)

本日新潟市の方が現在上越市で公開中の保阪邸を見学された帰路お寄り下さった。
古美術店を営まれている女性で、かって樹下美術館開業の際などで大変お世話になった。

草花の愛好家で、展示中の陶齋の絵付け陶器を熱心にご覧になった。
そのおり、牧野富太郎の詩歌がお好きだと仰り次の一首を書いて頂いた。

いつまでも生きて仕事にいそしまん また生まれこぬこの世なりせば

富太郎は自ら花の精かもしれないと述懐するほど草花を愛し、94年の生涯を植物学に捧げた。
小学校中退の最終学歴ながら博士号を取得し、ついに文化勲章受章まで受賞した民間出身学者。
1940年に大著「牧野日本植物図鑑」を著し、
〝日本の植物学の父〟と呼ばれた偉人だけあって歌には迫力がある。

もう一度生を受けても同じ道はないと言い切り、現世限りと決めて没頭した研究。
花との心中さえ思うほどの同一化ぶりだったらしい。

花は全てを教える、世の中の人等しく花を愛せば諍いも戦争も起きない。
自分が宗教家だったら花を教義に道を開いただろう、とさえのべています。

 

151121モクレンの蕾さて樹下美術館入り口左にあるハクモクレンの蕾です。

現在みられる蕾つきは大変良いのです。
今夏の気候の穏やかさが蕾を賑やかにしていると思われます。
ほかの花々も同じようであればと期待しているところです。
11月も終わらぬうちに来年の話でした。

モミジの植栽と歳月。

2015年11月13日(金曜日)

本日金曜日は日中はずっと高い雲に覆われた。
今夜は少し降って明日日中も曇るらしい。

さて先日モミジの小さな苗2本を移植をしました。
昨年植えたのですが、ほかの木などに近すぎたためでした。
私にはよくあることで、接近のほか日射しが後で問題になって移植ということもありました。

 

2隣のハクモクレンから離した所。

1ヤハズススキに飲み込まれそうになっていて別の場所へ移動。
いずれも支柱が細いのですが、とりあえずこれで頑張ってもらうことに。

32011年11月10日に植えたモミジの苗。
背は160㎝くらいでした。

42015年11月10日の上記のモミジ。
4年経って背が倍近くなり木のボリュームが現れはじめました。

年とともに歳月はどんどんスピードアップし、どうにかならないものかと日頃文句を言っています。
但し植栽した樹木(特に雑木類)の成長で言えば、あっという間に大きくなりますので、
目に見える張り合いとしてスピード化にもメリット?があるのかなと、この時ばかりは思うのです。

頸城区の小径で赤とんぼに慕われる。

2015年11月12日(木曜日)

本日木曜日は爽やかな陽が射した。
休診の午後の車で美術館を出て上越市頸城区上増田に向かう途中で小さな用水に沿った道を見つけた。

004本日歩いた道。
小さな流れと横切る光が美しい小径でした。

右手に橋が見える場所に赤とんぼが沢山居ましたので立ち止まりました。
するとびっくりするようなことが起きたのです。

 007ズボンにトンボが三羽止まりました。

009次々に来て6羽。

0138羽です。

019とうとうこんなに、、、。

かって赤とんぼが一、二羽なら肩や頭に止まることはありました。
しかし本日、どうしたことか次々にやってきてズボンに止まったのです。
上はグレーのセーターに黒いベスト、ズボンは白でした。
白は太陽光を強く反射しますので暖かさを求めて集まったのだと思いました。

どちらかというと左足が太陽の方向に向いていたので多く止まったのでしょうか。
それにしましてもあっという間の出来事。
何か自分がトンボの神にでもなったような妙な気持ちになりました。

切りがないのと、遠くで人が見ていましたので止めました。

爽やかな日とはいえ冬の足音が聞こえ始めた季節。
トンボたちは少しでも暖かい場所を求めて夢中だったにちがいありません。

時雨の窓。

2015年10月30日(金曜日)

冬型の気圧配置になっていて午後から風強く気温が下がり時雨れました。

遅い昼食に寄ったカフェはひっそりとしていました。
食事のあと、所在なげなスタッフに珈琲をおごり差し入れのチーズケーキを三人で食べました。

秋の庭の話やお天気のことなどおしゃべりをしていると、雨が降り出しました。
次第に強く降る中、突然陽が射し庭が明るくなりガラス窓の水滴が光りました。

 

024降り出しの頃。

029次第に強く降ります。

054ひと時ぱーっと陽が射し大変きれいでした。

059間もなく止みましたが典型的な時雨ですね。

数年前まで月に一二度はどなたも来館されない日がありました。
しかし少なくともこの一両年は、そんな日がなくなったのです。
本日も私の前後に何組かお客様があったそうです。

あ、スタッフの珈琲代と私のはちゃんと会計致しました。
夜になってまた降っています。

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