9月の天地 美田なかりせば国も無い。

2014年9月17日(水曜日)

今年厳しい残暑はなく、日中晴れ間が多かった。
しかし全国の状況と同じように激しい雨にも見舞われた。

雨は主に夜間から早朝に降った。
急な降水によって、せっかくのコシヒカリの刈り入れには苦労が多いようだ。

いつも強気の農家の方が、いやー参った参ったと仰っている。

140908尾流雲去る9月8日、髙積雲が降る如く尾を引いた。
「尾流雲(びりゅううん)」と呼ぶらしい。

140914ぬかるむ田ぬかるむ田。根元が水にひたっている稻も多く、刈り取りを見合わせている田圃もある。

水田の美しい景観(環境)は田舎(地方)において特筆に値する価値を保っている。
それを維持する農家の人々の苦労は大変にちがいない。

田で出会う人々は若者から中年まで想像以上に若く、言われるほど高齢者の生業ではない。
水田(美田)なかりせば日本に国も地方もない。

映像と音楽 こころ旅の貴重。

2014年9月16日(火曜日)

テレビで流れる美しい映像や似た場面を私たちも実際目にする事がある。
街や村、山々、海岸、流れなどの自然や風景、あるいは美術・工芸品、建築物などの作品である。

多くの場合映像、中でも旅や美術の特番では音楽とともに映し出される。
海にも仏像にも朝霧の森にも間髪を入れず音楽が入り、荘厳、壮大さあるいは緊張感まで付加される。

しかるに実際、美術館の作品や華々しい夕焼けを見る時、そこに美しい音楽は無い。
美術館なら靴音やさざめきが聞こえ、海には風や波音あるいは足音などだけである。

そんなせいもあって、美術館で作品を目の前にすると、ただポツンとしてあり、拍子抜けして見えることがある。
また音楽無しの絶景も、どこか違うと感じることがあるのではないだろうか。

007「とうちゃこ」した海辺で霧のため見えない利尻島の方角を眺める火野正平。

昼食からその後の時間、火野正平の「にっぽん縦断 こころ旅」が再放映されていて、よく見る。
視聴者の思い出の地を自転車で訪ねるのだが、移動中も現地「とうちゃこ」においても音楽は限定的、極めて控えめにしか用いられない。

車輪と地面の音、息づかい、風、雑踏、すれちがう自動車、、、聞こえるのは私たちが日常耳にしている音だ。
場面に現実感が漂い、視聴者のエピソードと日野氏の個性があいまって「旅情」が伝わる。

2012年早春、九州の母の故郷を尋ねた際、番組で放映された所と出会った。
他者の思い出と我が胸中が重なって感慨深かった。

効果音に関して、送り手側としてはわずかなサイズの画面で、美や壮大さ、時に侘びさびなど雰囲気を伝えるのに相応(過剰?)な音が必要なのは分かる。
しかし一方音楽なしの大自然や大都会の迫力、あるいは社寺仏閣や村落の静謐の実像は音楽付きのテレビ映像を異次元的に凌駕しよう。
これらを考えると過剰とも思われる音楽付き映像の伝え方は功罪なかばしているように思われる。
割り切ればそれでいい話であるが、敢えて言うならやかまし過ぎるのでは、と感じるのである。

さほどTVを見なくなると、ふとした現実の風景や場面に対して感動が深くなることも希ではない。
「こころ旅」の日野氏には体をいたわっていただき貴重な番組を続けてもらいたい。

連休最後の日の旅情 大きな秋、小さな秋。

2014年9月15日(月曜日)

私は旅情という言葉が好きで当ノート(ブログ)で何回か使っている。
写真を撮るときもそのような光景に目が行きやすい。

ああいいなあ、と感じる情景や場面でよぎるのが旅情(のような)感覚。
この言葉が印象的だったのは檀一雄の小説「火宅の人」だった。

そこで旅情は何度か使われていて、かなでも「天然の旅情」に出会った時は、はっとした。
具体的な説明は厄介だが、言われてみれば分かるような気がした。
小説の主人公は、かなり悲劇的な出来事までも「天然の旅情」として受け入れていたと思う。

ほかの人は勿論、少なくとも自分の影法師くらいはどこかに絡んでいる情景、目の前を過ぎ行く時間、、、、。
いわく言いがたい旅情にはそんな旅人感覚がある。

さて9月の連休最後の日の旅情です。

コスモス樹下美術館の近くのコスモスはもう満開。

くびき野の田と雲米山、尾神岳と雲。

四ツ屋浜四ツ屋浜の夕陽。直前、空一杯に広がった群雲も見応えがあった。

大きな秋、小さな秋、ともに過ぎて行く
見送る私たちは旅人でしょうか。

本日ご来場のお客様、とても感謝してます。

緑陰の庭 花の二重唱 夕暮れのはくたか。

2014年9月14日(日曜日)

ベンチ本日、閉館直前の美術館うらのデッキ。

毎年夏今頃の庭は花の少ない時期です。その代わりと言って何ですが緑陰濃く涼しく感じられます。

庭の花に代わって「フラワー・デュエット」です


アンナ・ネトレプコ(ソプラノ・右)とエリーナ・ガランチャ(メゾソプラノ)の素晴らしい歌声。
レオ・ドリープ作歌劇「ラクメ」より。
ジャスミンの門をくぐって川辺に降りましょう、というようなことが歌われているようです。

今夕のはくたか21ほくほく線特急「はくたか」最後の秋を撮るために,、広い水田のあちらこちらにカメラを構える人が見えました。
連休の日中は晴れ間が多くはくたかを沢山撮っています。
撮るほどに難しいなあ、と思います。

秋の日 麗しい天然。

2014年9月13日(土曜日)

連休初日は半ドンの午後から休みとなった。
夜降っては日中晴れることが多く、この所雲も美しい。

午後はカメラを持って近隣のあちらこちらで写真を撮った。
以下、一部載せました。

メヒシバメヒシバと秋空。

マルバルコウソウマルバルコウソウ
南米などから江戸時代に観賞用として渡来したという。
縷紅草(るこうそう)という赤花の蔓草もあるらしい。
国立環境研究所の植生地図では中部以南の植生が示されている。
当地ではまだ珍しいのだろうか、うっかりしていたのか初めて見ました。

055尾神岳と水田。ほくほく線の高架線の影も美しい。

潟川夕暮れの潟川。

はくたか21はくたか21号。はくたかはもはや自然の一部のようだ。

雑草も空も尾神岳や水田、そして夕暮れの川も「はくたか」も麗しかった。

9月の長峰池 ミゾハギ フジバカマ 夜、凄い雨音。

2014年9月12日(金曜日)

昼食後近隣の長峰池へ出かけ湖畔を歩きました。
今日の日中も雲ゆたかに湧き、また浮かんでいました。

米山と雲湖畔から東方、米山方面。口角レンズで撮りました。

西の方角向かって右へ散歩道が続きます。口角レンズです。

ミソハギミソゾハギ。湿地でおなじみ「盆花」ですね。
咲く環境、真っ直ぐな姿、濃い花色、、、好きな花です。
通販で安く購入しましたが、普通の庭で咲くでしょうか(沢山水やりをするにして)。

フジバカマ七草の一つ、フジバカマ。品良く咲いていました。

記載している時間の21時45分ころ、非常に激しく降ってきました。
東の雲にわずか明るい部分が見えて、月の場所でしょう。
それなのにここは大雨、局所的豪雨というのでしょうか、凄いです。

-長峰池は新潟景勝100選の第16位に選ばれた、美しい景観の長峰池。
古砂丘層からの湧水池で、水生植物や昆虫たちの貴重な生息地でもあります。
周囲を巡る散策コースは、春は桜、秋は紅葉と季節のうつろいが楽しめます-
以上上越市ホームページから

※駐車場は道を挟んで池の反対側にあります。そこから米山、尾神岳が良く眺められます。

見応えある雲の日 ジャンゴのNuage。

2014年9月11日(木曜日)

国内では様々に大雨が報じられている。
しばしば凶暴でもある気象、、、
当地新潟県上越地方の私たちの所も作夜から朝はカミナリと激しい雨。
しかし日中は穏やかで、雲は非常に見応えがあった。

頸城野の田圃は早稲が終わりまもなく最後のコシヒカリが刈られようとしている。
先日、農家の方はそのお米のことを「ヒカリ」と仰った。

今日の雲と車10年近く乗っているプログレと今日の雲。

 


ストーケロ・ローゼンバーグのギターは「Nuages(ニュアージュ・雲)」
以前に掲載しましたジャンゴ・ラインハルトの曲です。

午後から地域産業保健センターへ出務 健診や保健事業を活かして。

2014年9月10日(水曜日)

本日午後から上越医師会館にある上越地域産業保健センターで相談医として出務しました。
当センターはおおむね従業員50人未満の事業所の健診結果やメンタルヘルス、長時間勤務などについて助言や相談を行うのが目的です。
上越地域では当機関が一帯をカバーし、毎週水曜日午後に医師会員が順番で出向いています。
本日は年に一度の役回りでした。

三つの事業者さんが来られ、およそ30人分の健診結果や長時間勤務への助言、相談をしました。
担当管理者さんや事業主さんはいずれも熱心で、年々意識が高まっていることを実感しました。

課題はアルコール、肥満、脂質代謝異常、肝機能異常、喫煙、などの生活習慣のコントロールが変わらぬ項目でした。
生活・勤務方法の検討および受診など、健診の事後や保健相談は現在だけでなく、将来の健康/疾病に強く結びつきますので、
人生そのものをバックアップする点でも意義は大きいのです。

せっかくの保健事業を活かすために、このことも皆さんに強調してと、お伝えしました。

 

012出務した上越医師開館から駐車場を望む。
本日も健診の人で多くの車がありました。
私も毎年受けています。

019今夕診療を終えた時間の四ツ屋浜。西から大きな雲がせり出している。
東京は大雨、当地も夜になって雷が鳴り時折強い雨が降った。

明日は晴れてくれればいいのですが。

素晴らしい満月。

2014年9月9日(火曜日)

連日の月で夕刻は落ち着かない。
昨日は仲秋の名月、そして今夜はついに満月、それもスーパームーンだった。
スーパームーンに当たることは午後の往診で看護士から聞いた。
この数日、お天気にも恵まれたが月は本当にきれいだった。

014 - コピー (2)「はくたか20号」金沢行き特急とスーパームーン。

18時15分頃に現れる「はくたか21号」の通過時間に残念ながら月は無かった。
(21号の方が先に来ます)

待つことしばし、雲間から大きな赤い満月が出ると、いきなり上手から「はくたか20号」が現れた。
偉大な?二つの存在の突然の符丁に慌てしまい、思うようにシャッターが押せなかった。
満月には満月の、はくたかにははくたかの都合があるのだ、と自分に言い聞かせた。

027帰り路に寄った中谷内池の月。

032池面の月。

〝名月や池をめぐりて夜もすがら〟(松尾芭蕉)

確かに中谷内池は去りがたかったです。
華の稽古から帰った妻が「見たことがないような凄い月だった」と言いました。
次回のスーパームーンは来年9月、その先しばらく無いとも聞きます。
このたびはしっかり晴れて本当にラッキーでしたね。

 


懐かしいカーメン・キャヴァレロの「Shine on Harvest Moon」
Harvest Moon(刈り入れ時の月、満月の輝き、仲秋の名月etc.)
映画「愛情物語」のサウンドトラックです。

古い曲ですが、学生時代の先輩にこの演奏をそっくりコピーして弾く人がいました。

秋 傷んだ蝶 名月と特急「はくたか」。

2014年9月8日(月曜日)

今年の9月はしのぎやすくいつもより秋のおもむきを感じる。

068 樹下美術館の昼、羽を傷めているヒョウモンチョウ。
ひるむ事無く羽を広げた。

秋蝶の傷みし羽を広げたり

今夜は仲秋の名月、空は連日晴れて月の出番を歓迎している。
別れを告げながらひた走るほくほく線特急「はくたか」にとって、仲秋の名月は最後となった。

感情移入もあって、あっという間に遠ざかる特急自身に名残惜しさが漂って見える。

以下は暗がりですが、今夕の「はくたか」と名月です。

はくたか21号はくたか21号越後湯沢行きを見送る仲秋の名月。はくたかは右手に進んでます。

はくたか20号はくたか20号金沢行き。

 

名月はおほきく登りてはくたかの 頸城の秋に名残惜しけれ

亀の歩みながら。

2014年9月7日(日曜日)

本日の樹下美術館は40名近い来館者さんだったそうです。
17名の方が展示をご覧になり全ての方がカフェを利用されたということでした。

以前に較べますと利用者さんが増えている印象があり感謝しています。

007本日のほくほくせん普通電車と月。

お客様にクラス会帰りの方たちでしょうか、、皆でデッキでお茶を飲まれたそうです。
目の前の田圃は稲刈りの真っ最中。
ある方が「こんな良いところに連れてきて貰ってうれしいです」と仰ったと聞きました。
今後刈り取りが終わった田圃は静かで、またとても良いのです。

大宣伝のもとでケタ違いの賑わいが一過性に創出される昨今、樹下美術館は亀さんのような歩みです。
お客様が10人以下の日もしばしばありますが、それはそれで静かでまた好評なのです。

実る頸城野、几帳面なほくほく線特急「はくたか」。

2014年9月6日(土曜日)

雲涼しい一日、あたりの水田は刈り入れの盛り。
美術館のデッキに隣接する田ではドードーと幾つものコンバインが鳴り、
受け取るトラックが忙しそうだった。

ご来場頂き熱心に展示をご覧になりカフェに降りられた皆様、有り難うございました。

コブシその2 070頸城野の水田と本日の雲。

コブシその2 037実りの頸城野を行くほくほく線特急「くはくたか」。
最後の秋を几帳面に走る姿の立派なこと。

こうして秋は深まっていくのだろう。

11月の「SPレコードを聴く会」のお知らせその2。

2014年9月5日(金曜日)

さる8月28日にお知らせいたしました11月予定の「SPレコード(手回しレコード)を聴く会」ですが、
以下のように概要が決まりました。

日時:2014年11月15日(土曜日)
開演17:30 開場17:00 ※当初の時間を繰り下げ変更いたしました

場所:樹下美術館 陶芸ホール 予定60席

会場費:お一人様1200円 (中高生800円)

内容:クラシック、ジャズ・ラテン、歌謡曲、童謡

お申し込み:樹下美術館窓口で あるいはお電話で
電話025-530-4155 

すでに少しずつお問い合わせやお申し込みをいただくようになりました。
機械とレコード盤はある種アンティークでありますので、どうか音質などへのご理解をお願い致します。

サウンドボックス

 

美しい朝焼け 早起きの人達。

2014年9月4日(木曜日)

今朝5時前に目覚めた。
窓に降ろしたスクリーンが赤く染まり、開けると東の空が華やかな雲に覆われている。

日頃見ているのは夕焼けばかり。
カメラ片手に米山と尾神岳が見える近くの中谷内池に行った。

気温が上がっていて蒸し暑かったが、日の出前の空はきれいだった。

002こんな朝焼けはいつ見たか覚えていない。風景は山や水で一層ダイナミックに感じられた。
左米山、右尾神岳。

008 - コピー間もなく日が昇る。現在当地の日の出は5時15分すぎらしい。

夜明け前から散歩に向かう人達がいた。この時間静かに歩く人には、どこか崇高さが感じられた。
定年退職後アルコールが急増し問題になっている人の姿があった。
頑張ってください、胸が熱くなりました。

繁茂の年 芝の管理。

2014年9月2日(火曜日)

今年は小雪で、庭の草花はいつもより早く咲きしかも多く花を付けた。
一方芝や雑草などの繁茂も非常に旺盛だ。

本日休館日の午後、スタッフと妻たちは飛び石を覆う芝を切る作業を行った。
芝は石を囲むように進出していたが次第に全体を覆う勢いになってきた。
このままでは石は体を失い、庭は芝のものになる。

芝の気持も分かるが、調和は他に代えがたく本日の作業となった。

1おしゃべりも交えて黙々と行われていた作業。

2あるスタッフが一つながりとして芝を引っ張り出した。

柴切作業蚊取り線香を焚きながら執念の作業が終わり、よくここまでという成果。
残りは後日になった。〝皆様本当にお疲れ様でした〟

途中から加わった私はトクサに進出している芝切りを少々だけ、こちらも残りは後日。

公立や余裕ある美術館の美化管理は業者に任せることができるかもしれません。しかし私たちの仕事には造園、草刈りなどもみな加味されています。

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