樹を植える。
少しでも人が集まる場所には緑が欲しい。まして当館は樹下の冠を戴いている。
それがこの夏、隣地の大きなクルミが2年続きのアメシロの大食害に遭い、秋はもとからあった立派な松が松喰いに罹った。いずれも切らざるを得なかった。
一昨年当たりから当地のアメシロと松枯れは8号線沿いと高速道路の米山山系まで目立って来ている。
あまりの寂しい眺めに、急遽植栽をすることにした。出来れば自分たちの手で植えたい。
10日ほど前にホームセンターでモミジと椿、それにヒメシャラを求めた。店の方針で大きいモミジだけ業者さんがクレーンを用いて植えた。

後は先週末からの私たちの作業。土と肥料を用意し、芝を切って鉢(穴)を掘る。

本日の昼休み、前もってスタッフご夫婦が開けてくれた鉢にヒメシャラを植えた。

何とか終わった。ほど良い変化を付けるため、樹の配置は互いに不等辺三角形を心がけると読んだことがある。今回これが精一杯。どうか無事に育って。
スタッフと作業が出来て幸せだった。
秋のばらに昭和美人の面影。
変わりやすく荒れ気味の空の下で、妻が作っているばらが次々と咲いては交替する。
全体に花はこぶりながら秘めた情熱を漂わせる。本日目にしたのはしっとりした小さな赤い色。どことなく昔の(昭和の)美人を連想させた。
手こずる二つの用件。
今夜は医療の日頃のこと、なかんずく往診の事を書いてみたい。
以前は重篤な心筋梗塞や脳出血なども往診依頼された。
かつて早朝の心筋梗塞で患者さんの救急車に同乗した。途中苦しい呼吸の中で何度も脈が無くなり、昇圧剤の静注を繰り返した。なんとか病院に到着できたが、専門医の到着は未だだった。その時は病院ナースに基礎的な指示をお願いして帰った。(病院に上がり込んでオーダーを出すなど、無謀なことでしたが、この方は助かりました)。
往診依頼の電話の際、緊急性の高いケースでは救急車も呼んでください、と伝えて出かける。しかし到着するとすでに亡くなっていたり、車の到着まで持たなかったケースもあった。脳出血(恐らく蜘蛛膜下の大出血)の女性は蒼白となり嘔吐し、悲鳴とともに激しく頭痛を訴えた。直後に身を反らせ強い痙攣を繰り返して息を引き取った。救急車は間に合わなかった。
真の救急に向けた病院の対応、地域の理解など全体が進み、今では上記のようなケースは直ちに救急搬送されている。わずか10~15年におけるめざましい進歩だったと思う。
ところでさほど頻繁ではないが往診用件で手こずるものが二つある。一つは鼻出血(鼻血)でもう一つは尿閉だ。
往診の一式。カルテのほか、左:主に内科用件の用具、手前:AED、
真ん中:お薬、右:応急処置用具と点滴類、点滴スタンドは常時トランクに。
いずれも夜間の依頼が多い。耳鼻科、泌尿器科とも病院医師が少ない科である。疲れている医師を煩わせたくないが、患者さんはおびえ、あるいは震えている。なんとかしなければならない。
鼻出血ではアドレナリンを浸したタンポンを詰め、氷で冷やし圧迫し、止血剤も注射する。夜間一時間も掛かってようやく止ることがあった。ご家族が心配して見守るなか、再び出血しないよう抜き足差し足、そーと帰った。
次は尿閉で、カテーテル挿入による導尿が必要となる。しかしどうしても奥がつかえて入らないことがある。患者さんは脚を振るわせて辛そうにされ、あまつさえ出血がはじまることも。
申し分けありません、と夜の病院にお願いしたことが数回あった。病院でも入らない場合は、外部から孔を穿ち、直接膀胱へ管を入れる。お一人はそのような方法によって今日もお元気で過ごされている。
さて今週末の夜は超高齢者の尿閉だった。以前外科医に聞いた通り十分麻酔ゼリーを使い、時間を掛けて通した。結局1000mlも出て、ご家族とともに驚きかつ喜んだ。週が明けたらカテーテルを留置しなければならない。
いつしか現役とは言えない年になった。夜間などは不安を払拭できないまま出かけ、病院さんにも助けられた37年。文字通りあっという間だった。私が知らない患者さん・ご家族のご苦労も沢山あったにちがいない。
赤とんぼの群。
先日赤とんぼの群をあまり見なくなったと書いたところ、本日午後3時すぎから美術館で賑やかな群と出遭った。
穏やかに晴れた今日を選んでやってきたことだろう。夏は涼しい山で過ごし、秋は里へ下りるという。水気無く何グラムもない小さな生き物が、飛翔しまた休む月日。終止無言なのもどこか神秘的だ。(沢山いるので、どこにピントをあわせたら良いのか迷いました。)
秋のばら 催事の余裕。
毎日何度か仕事場で妻が作っている薔薇のそばを通る。
秋はぽつぽつと数が少ないのでつい探してまで眺める。
もの思いにふけるような姿は秋ならでは。
さて11月の催事ですが、鑑賞会は日によってとてもばらついています。音楽会は残り10席ほどになりました。どうぞお暇をみてお寄り下さい。
大潟区鵜の浜の人魚像 昔公演した芝居。
ひどい悪天候をもたらした寒冷前線が一応去った日。夕刻の空を眺めに鵜の浜へ行った。
夕暮れの浜に人魚像。この時期淋しそうだ。
人魚といえば、以前に書かせて頂きましたが、嘗て私は拙い台本を書き演出をして、地域の人達と芝居をしたことがあります。上越市大潟区に残る人魚伝説を「人魚塚」として楽しめる劇にしてみたのです。
大道具、小道具、照明、衣装、音響、メイク、全て地域の皆さんの手弁当でした。
三回の公演はいずれも大入り。最終公演は500円(だったか?)の入場料を頂きました。以下は最後に行った頸城区希望館での模様です。15年も前になろうかと思います。
1時間20分の公演は大変でしたが、長い稽古を積んで皆で充実した経験をしました。
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拍手が止みませんでしたね。みんなどうしているかな、5年生だった子役さん達。
夕暮れの人魚像を見ながら思い出しました。
北方文化博物館 ある種文化ディズニーランド。
昨日、新潟市の知人から新潟茶会に招かれていたので昼を挟んで北方文化博物館へ出かけた。
知人のお席で主客座に座らせられた。恥を掻かぬよう亭主のもてなしに精一杯応えてみた。60回記念ということで言祝ぎのお道具類が調和を保ち、お茶も美味しく秋が心身に染みた。
北方文化博物館は4回目だが、行くたびに拡充され来館者さんが増えている。
建物は多様でとても写しきれない。待ち時間の間に近くの部屋をまわって灯りを撮った。ほんの何分の一だが、白色電球たちが明治、大正、昭和の光と雰囲気を静かに伝えていた。
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当館では江戸中期~近代の大地主の建物、調度品が極めて状態よく保存されている。そのためかっての農業のありようを頂点から驚きをもって俯瞰することが出来る。
20年数前に訪れた時は案外ひっそりとしていた。しかし現在広大な母屋のほか、複数の茶室に加え、多様な食堂・レストラン・カフェ、そのほかショップ、収蔵品展示館、宿泊施設などが充実展開されている。

この右に満車の大駐車場。
スタッフはよく動く。テーマが生きていて手入れが良く、灯り一つとっても見飽きない。蒲原(かんばら)平野の豪農文化ディズニーランドともいうべきスケールの大きい博物館ではないだろうか。
道への願い。
昨日は良いお天気の一日。本日は、なかなか書けなかった事を遠慮しながら書いてみよう。
私が知る範囲で、道路は一部を除いて荒れている。特にかなりの歩道は雑草繁茂のまま放置され荒れるに任されている。

ヨモギにセイタカアワダチなど、荒れ放題の歩道、ひび割れを伝って国道をも浸食し始めた。 悪観であり、歩くにも、すれ違うにも困ろう。

県道か市道か。かっての歩道はクズと雑草に埋もれ、もう道さえ見えない。
歩くのを拒否する歩道とは?

歩道の中まで侵食する雑草。以前は気持ちの良い道だった。いま散歩する人は悲しいことだろう。恐らく至るところで見かける光景のはず。

一番上の場所を反対から見る。ボランティアさんはこんなきれいにしているのに、残念だ。
荒れる道は膨大で当然ながらボランティアさんの管轄ではない。一般に緑に関する景観はますます悪化の一途に思われる(合併が拍車をかけたとは思わないが、、、)。
景観は水や大気と同じくらい心身の健康と成長に大切なもの。国、市町村は生活の足許に正しく税を使い、荒廃に歯止めを掛けてもらいたい。
キツネ、タヌキ、クマ、イノシシなどが身近に出現する。食料事情もあるが、道路はじめ地域が荒れ、隠れる場所が十分あることも原因の一つと聞いた。
“良い国、良い地域は道作りから”。 行政はもうムダ使いを止めましょう。
(写真はいずれも昨日午後の撮影です。)
赤とんぼの午前。
午前を中心に晴れていたが、夕刻から雨模様となり、気温が少し下がってきた。
午前の晴れ間に珍しく赤とんぼが多く飛来し、秋の深まりを感じた。オスが赤くなっているのも嬉しい。
昔話で申し分けないが、子供時代の毎秋の夕刻、空一面に赤とんぼが飛翔する日が何日かあった。
あるいは随分前のこと、トンボが大発生した日に、高速道路で新潟まで行った。気になってパーキングエリアでフェンダーを見ると、やはり大量のトンボが隙間に詰まっていた。このところ赤とんぼの大きな群をあまり見なくなったが、また見てみたい。
ところで秋になって田などに出払っていたスズメがつがいとして戻り、軒下の巣を守る様子が見られる。ムクドリの小さな群も家の回りで巣を巡って争っているようだ。もう来年の準備か、、、早い。
秋の紫。
東西を問わず古来から高貴な色と言われる紫は、沈静と共に静かな力を感じさせてくれる。
樹下美術館ではキキョウの残り花が一株ひっそり佇み、あたりでノコンギクとリンドウが盛りを迎えようとしている。
紫というと、赤みがかったものと青みの二通りある。英語はパープルとヴァイオレット。パープルは赤みをおびマゼンダに類し、ヴァイオレットは青味がかっていわゆる江戸紫に属するようだ。
当庭のリンドウはヴァイオレットで江戸紫ということになり、掲載の古いスタンダード曲“Deep Purple”は深い赤紫になろう。
アッカー・ビルクのクラリネットによる“Deep Purple”
“Deep Purple”の前半部の歌詞
When the deep purple falls over sleepy garden walls
And the stars begin to flicker in the sky
Through the mist of a memory
You wander back to me
Breath – ing my name with a sigh.
紫の深いとばりが、眠むそうな庭壁に降りる時
空に星々がまたたき
思い出の霞の中から
貴方の面影が現れる
ため息とともに
私の名をささやきながら
(夕暮れは赤紫でパープル、まずい訳を申し分けありません)
樹下美術館は休館日でしたが、東京から貴重な方が来越され当館にもお寄りになりました。二回目とお聞きし、喜んでおります。
帽子と落ち葉 数と印象。
このところ色々と植えた樹下美術館の庭。今夕外出から帰って寄ると桜の落葉が目立ち始めていた。きれいなので拾ってきた。
それを最近通販で買った帽子に添えて写真を撮った。これに「帽子と落ち葉」などのタイトルを仮定してみた。すると何枚も乗せたものより、減らして三枚などにしたほうが良い感じになった。
多いことが迫力や美であるかと思えば、少ない方良い場合もあろう。
昔、吉本ばななさんのインタビュー記事で、小説を書くことは削る作業でもある。思いついて気に入ったフレーズなどは、むしろない方が良いことが多い、というような話を読んだことがある。
「日頃草子」はもちろんジャンル、レベルとも違うが、彼女の言に照らせばいつも反省しきり。
私の車。
今夕、直前まで雲は良かったのに、どういうわけか、さほど芳しい夕空にならなかった。
せっかくだから海辺で車の記念撮影をした。
愛車(のつもり)2000ccトヨタ・プログレは平成17年12月に購入。「小さな3ナンバー」の概念を体現する当車は、在宅回りや往診で細かい所へ入って行き、4駆なので冬も強い。
10万キロを越えた現在でも大変静かに走り、代行の運転手さんによく褒められる。
車にさほど執着が無かったので、それまで日本車の5ナンバーばかりだった。ただ一度乗った外車は卒業後、1960年代後半に買ったフォルクスワーゲンだった。
当然中古のポンコツで、何度も故障した。ある時、大通りで「クラッチのバネが切れる」という目に遭った。
信号待ちからの発車でクラッチを踏むとスコンと言ったきり全く動かなくなった。どうしょうもない故障だ。ドアを開けて、ハンドルを操りながらソロリソロリと押した。JAFに初めて入ったのは多分その時。
バタバタ、バタバタと走る空冷車。緊張のデートでよみうりランドへ行った時など、なにより無事な帰還を祝った。
プログレは既に廃盤となっているが、15万キロ以上は何とか乗っていたい。
肌寒い一日 保育園の健診。
夜半に雨、そして肌寒い一日だった。暑い夏が恋しいくらい、という感想を聞いた。
午後は近くにある保育園の健診に行った。1~5才児まで70人近く診た。一人も欠席者がいないとは珍しく、胸がすーっとした。
・健診中、列の遠くからニコニコしてこちらを見ている三才児の幼女。前回は大泣きしてとうとう出来なかったという。虫の居所が悪かったのですね。小さな顔、クリクリした髪、娘の幼少に似ていた。
・福島から避難の園児は一時20人前後だった。一年半を過ぎて3人にまで減ったと聞いた。あらためて大変な事が起きていたのだと思った。皆さんの運命は様々に変えられたにちがいない。
善行寺さんの花 遊心堂さんの八雲会・創作アート展 そして恩師との再会。
木曜日の午後休診日。曇りの午後上越市髙田は寺町「善行寺」さんと本町は「遊心堂」さんへ行った。
善行寺さんは昨年秋、何気なく訪れて境内に群れ咲くシロバナホトトギスに驚かされた。帰って髙田出の妻に話すとよく知っている寺という。今年は事前に連絡してお花を拝見した。住職のお母さまにはスコップまで用意して待っていて下さり、沢山お花を頂いた。
「まことに有り難うございました」

展示されていた浄興寺本堂内陣の壁画「飛天」と、作者の故・三浦顯栄先生の写真。
寺町を後にして、かねて親しくして頂いている高校先輩のK氏からご案内頂いた八雲会・創作アート展へ行った。
新潟県立髙田高等学校、昭和31年卒業生による作品展は当時の先生方や物故者を含めた特異でボリューム感のある展覧会だった。
書画、彫塑、写真、工芸、文献書籍、詩、、、。同級生を中心に恩師と、よくもこれだけ作者、作品、カテゴリーを網羅出来たものと、驚嘆し、プロフェッション、アマチュアを越えた情熱に心打たれた。
同校は普通科高校のはずである。卒後56年を経て、同級生の学芸の成果を一堂に会させる。最もダメな学年と言われたと、K氏。よく花開くのは、そのような肥やしが効いていたのですか。
会場で故・三浦顕栄先生がご自分の大作の前に立たれる写真を見た。先生は数少ない小生の高校時代の恩人。病気を患い一年間の休学を余儀なくされ、下の学年に混じって以後卒業まで二年間の担任だった。
毎日沢山薬を飲み、週一の臀筋注射。孤独な高校生活で、先生には教科で描いた絵を褒めて頂き、また進路への貴重な助言を頂いた。お礼一つせず今日まで過ごし、本日ご立派なお写真に出遭った。ああ50年、、、故人となられた先生。一気に目頭が熱くなった。
先生は、髙田高等学校を辞されたあと、新潟大学・教育学部教授になられている。師の大きさ、有り難み、当時何も知らずにいたとは。
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