樹下だより

初めての試み「陶齋の器で食事会」が終わった。

2013年10月27日(日曜日)

初めての試み「陶齋の器で食事会」が終わった。10月の毎日曜日正午からの食事はお茶のお点前も加わった。自宅8畳間を用いて24人のお客様に参加して頂いた。

このたびの器にも陶齋は鉄絵、染附(そめつけ)、志野、唐津、辰砂(しんしゃ)、と幅広い技法を駆使していた。用途も向付(むこうづけ:メインの皿)、鉢、手付け鉢、ジョッキー、小皿と多様で形は自在である。

展示品として眠っていた器が、何十年の時を経て食卓で、お客様の手で、輝くばかりの生気を放った。
食べ進むにつれ意匠の全容が現れる。料理と器のやりとりは、陶齋が取り組んだ絵付け陶器の醍醐味であろう。

 

その昔、家で氏の器は毎日使われた。お茶、紅茶、牛乳、お菓子、果物、花、何でも入れたり盛ったりした。食通で工芸芸術の人、陶齋は使われることを願って作った。
お客様のどなたかが〝天国の陶齋も喜んでいることでしょう〟と仰った。父もまたその通りであろう、突然涙が出そうになった。

お造り/染附皿焼き物/手付け鉢 デザート/絵変わり染附皿デザート/鉄釉小皿 炊き合わせ/鉄釉鉢前菜/志野と唐津 焼き物/色絵鉢酢の物/辰砂ジョッキ

お終いに料理人さんへ最終日を終えて、厨房を司していただいた松本氏ご夫婦に茶を差し上げる。

044お茶のため毎回炭を置く灰を整える。

お茶では水指(みずさし)、主茶碗(おもぢゃわん)、建水、香合、花生け、風炉先屏風に陶齋の作品を用いた。今年は陶齋生誕100年、静かに精一杯偉業を偲んだ。ご多用中お運び頂いたお客様、真に有り難うございました。

お手伝い頂いた宗香、宗米両先生のお茶の門弟さん、友人知人の皆様、樹下美術館のスタッフさん、大変お世話になりました。

強風の一日 アンドリュー・ワイエス。

2013年10月26日(土曜日)

見違えでなければ、当初の報道で台風28号の気圧は905hPaというとんでもない勢力だった。それが27号と仲良くなると、どんどん遠くへ去ってしまい、やれやれだった。

それでも仕事場の上越市大潟では朝から風強く、寒さが増して夕食にはストーブを出した。

荒天の日本日夕暮れ間近の四ツ屋浜、晩秋へ足が速い。
晩秋の避けがたきかな草に風

私は地元以外にさほど各地を知らない。狭い視野で毎日のように上越市は頸北地域の一部を見ているが飽きない。似たような雰囲気でもっと素晴らしい所があるに違いないと分かっているが、懐かしさがそう思わせるのだろう。

生まれ育った土地の海辺や水田などを毎日のように写真に撮る。特にブログを書くようになってそうになった。ブログの恩恵の一つだと思う。

ところで上掲の場所は一種アンドリュー・ワイエスの絵を時に連想させる。彼の絵は、人物や動物も登場するが当地とはスケールを異にする広大な大地における静寂ないし寂寥、風が描かれるなど独特の魅力がある。

拙文)
そもそも風景の感動は〝きれい〟ばかりではない。
孤独、荒涼、、、いずれも訴える力を有している。

それで言えば荒れる日本海は他に代えがたい風景であろう。
今から35年も前、思いもよらぬ長い孤独にさいなまれることになった。孤独な人間が安心して行ける場所があれば、とよく思った。
当時柏崎の先から出雲崎あたりまで日本海に面して一種草地の断崖が続く丘陵地は素晴らしいと思った。。
ここに一人旅向けの小さなホテルを建ててみたい、と本気で考えた。10年ほどの間に何度も土地を見に行った。

佐渡は近く、昔は良寛なむ人も歩いた。どんな季節も良いはずであろう。なかでも晩秋から冬期、大きなガラス窓の向こうに吹雪の荒海がみえる。静かで暖かな室内はモーツアルトあるいはバッハ、フォーレやドヴォルザークなどの音楽が密かに聞こえる。
食事はこじんまりした和食のレストランで白木のカウンターを囲む。各自が選んだ新鮮な魚介と野菜を料理人さんに熱い湯でサッと茹でてらう。もちろん天ぷらも良い。

さすればさほど飲めない人にも地酒はどんなに美味しかろう。

荒海の向こうにわずかな茜が射すならばこの上ない旅情にちがいないない、、、。

いつしか時が経ち2007年6月、それが樹下美術館に変わった。

 画集表紙アンドリュー・ワイエスの画集
樹下美術館のカフェでご覧になれます。

雨の日曜日 三回目の陶齋の器で食事会が終わった。

2013年10月20日(日曜日)

雨降りの肌寒い日曜日、陶齋の器で食事会は三回目を終えた。わずか暖房の効いた室内、外の雑木林と枯れ田が秋の深まりを告げていた。

お客様は6人で、本日はじめて私も会食席に座った。料理は寒暖、塩気と甘み、変化と味わい、みな素晴らしかった。10の皿、33品が器に映え、大吟醸の鮎正宗は優しかった。誰一人何一つ残さず食べた。

昭和12年、富本氏の許で修行を終えた陶齋が作った染め付け鉢のことなど、要所で器の説明をせて頂いた。

玄関玄関に陶齋の額と器。
花はつわぶきと紫陽花の枯花。
「道時来脚忘」は、来た道を忘れてしまった、の意味。
厨房の松本氏厨房の松本氏と陶齋の器。
一時も休み無く動く眼と手。

お点前

恥ずかしながら小生、直前の復習。

陶齋の徳利が回る陶齋の秋草の徳利が行き交う。急遽代行運転に切り替え。

デザートの器向こうに富本憲吉の小皿、右に陶齋の湯飲みと手前にに皿。
栗やワイン漬けの梨などが最後に出る。松本氏のお料理は野菜、果物が多く体にとてもいい。

食後の茶は私の拙いお点前、もう三回目となった。正客さんの心遣いが優しく一種車座の雰囲気となり、名残尽きないお茶にして頂いた。午前11時半にお集まり頂き、午後3時15分に茶を終えた。お越しの皆様真に有り難うございました。

長時間、給仕、水屋をお手伝い頂いた宗香先生社中のお二人様、お疲れ様でした、そして有り難うございました。

樹下美術館の雀たち 間もなく「ななつ星in九州」が走る。

2013年10月14日(月曜日)

快晴だった振替休日。午前中、ホームページの「本」の追加掲載をさぼっていましたので未掲載分を調べました。15冊ほど追加しなければならないことが分かりました。どうか少しお待ちください。

本日の昼食もカフェでホットサンドを食べました。午前中は御常連がお二人、私が居た昼は自分一人でした。間もなく近隣の方や、柏崎市の若い女性、新潟市の赤ちゃん連れのご夫婦はじめ皆様がお見えになりました。有り難うございました。

水盤の雀1庭の水盤に次々に来ては去った雀。とても心和みます

水盤の雀2人間もこんな風に無心になれれば。

水の補給と掃除雀が去って水の補給、洗浄をするスタッフ。

さて本日は鉄道の日ということでした。明15日、いよいよJR九州で「ななつ星in九州」が一般運転されます。さすが九州、ピアノ付きラウンジまであるクルーズ列車(ランチとディナーはスマートカジュアルのドレスコードまであるといいます)による「ななつ星in九州」のスタートです。
私には乗車は絶対無理でしょう。しかしそれはそれでいいのです。日本にスーパーゴージャスな列車があるだけで何か嬉しいのです。

昨年3月に九州の小旅行をしました。普通列車と特急に乗りましたが、スマートさに驚かされました。待っているとどんな電車が来るか、わくわくするのです。乗車してみてJR九州は、乗客をひとまとめに扱うのではなく、一人一人へ配慮をしている印象も受けました。

筑紫線普通電車筑紫線の普通電車(唐津方面への車中)。大きな窓が魅力。
長野-直江津-長岡などどうでしょう。

長崎本線かもめ多くを受賞した長崎本線かもめ(鳥栖駅にて)。見るだけで乗りたくなります。

〝気配りされている感じ〟〝もてなしとは何?〟
無言であっても人を淋しくさせない九州の伝統と文化。数日の旅でしたがそんな感じを受けました。

二回目の「陶齋の器で食事会」が終わった。

2013年10月13日(日曜日)

晴天に恵まれて二回目の「陶齋の器で食事会」が終わった。高田、妙高から8名の方が参加された。

前回から皆で良い緊張が続いていて、器も冴える。

焼き物鉢陶齋の色絵柿文鉢の焼き物鉢。もう一鉢用意して8人で取り回す。
魳(かます)、松茸、むかご揚げなどが盛られた。

 まかない料理途中私たちのために厨房から出される〝こびり・小昼(一休みの軽い食事:方言です)〟

054お茶の点前も無事終わった。
今日もお替わりの所望が多かった。まだ赤々としているお炭が名残惜しい。

本日、食事会はご年配中心でした。一方カフェはお若いご夫婦のお茶、あるいは若いグループの打ち合わせでしょうか、若者が目立っていたようです。樹下美術館はお年に関係なく、どなたでも大歓迎です。

ホットサンドイッチ コナラのどんぐり やれ秋蝶。

2013年10月11日(金曜日)

何度かお書きしましたことですが、本日のお昼も美術館でホットサンドイッチを食べました。

ほんのりピザの香りとパリッとした食感は館長もおすすめです。中身は野菜とサーモンかハム。ピクルスとフルーツ、およそ2杯のコーヒーがついて900円でした。

今までは練習期間として日曜昼の限定メニューでした。今後は一般としてにOKだそうです。少しだけ時間が掛かりますがどうぞお試し下さい。

ホットサンドイッチ

 どんぐり本日コナラのどんぐりが庭に沢山落ちていました。昨日の台風が落としたのでしょう。
まだ青くて可愛いですね。

拙句) 秋蝶よも少し遊べ樹下の庭

紋黄蝶が現れましたがさっさと行ってしまいました。

少々前のことですが、上野でUFO?

2013年10月8日(火曜日)

接近する台風が気がかりです。当地新潟県上越市は明日に圏内となる模様で被害が少ないことが願われます。また前後では果たしてどのような空になるのでしょうか。

さて少々古くなりますが、以前空の写真でハッとすることがありました。去る9月2日のこと、東京は上野精養軒で行われた第49回主体展のレセプションに参加した時の写真です。翌日家に帰ってパソコンで見ますと、空に円盤状の物体が点々と写っているではありませんか。

写した時は気がつきませんでしたが、まさか超常現象、これがUFO?かなり焦りました。

 

上野の空当日夕刻、上野の西の空。
1,2,3,4の部分に円盤形の物体が写っていました。(拡大してご覧下さい)

1の拡大うーん、UFO?

 

2の拡大近くに2機?。

 

3の拡大左にも?

 

4の拡大左上の部分です。

さて当日、会場まで急いでいましたので何処で撮ったかとっさに思い出せませんでした。前後の写真を見て精養軒に入ってすぐ、広いロビーから外を写した一枚だと思い出しました。4の上方には黒く窓枠が写っています。

円盤状のものは大きなガラス窓に写ったロビーの天井灯だったのですね。明るさの残る夕刻、灯がある屋内からガラス越しに空を写せば灯だけ写り込み、時にはこんな写真になるのでしょう。もう少し暗くなりますと外の明かりと共に、屋内の様子もしっかり写るにちがいありません。

以前話題のトワイライトゾーンもこんなイメージと関係があるのでしょうか。仕切られた二つの空間が混じり合う、というようなことで、、、。場所は全く異なりますが、当ブログにやや似た時間帯の写真があります。ほかにはこれもそうですね。

賢明な皆様はよくあることと、初めからお分かりだったかもしれません。私はUFOを信じたことはありませんし、超常現象も詳しくありません。しかし当初はさすが東京、奇妙なものに監視されているのかと、今回ばかりはどっきりさせられました。

陶齋を心深く偲んだ日。

2013年10月6日(日曜日)

本日高い空の日に、冒険とも思われました〝陶齋の器で食事会〟の一回目を終えました。

新潟市から6名のお客様を迎えて割烹「京」のご主人松本末治氏が包丁を振るわれました。

食事部屋の棚に陶齋親子の作品を飾り、用いた器は陶齋および師である富本憲吉と近藤悠三のものでした。

今年は陶齋生誕100年ということ。私どもは特別な事も出来ませんでしたが、本日ご本人とゆかりの人々の品を無事に実用致すことが出来ました。

二人の希有な師と陶齋、陶齋を愛した父。給仕に出ながら亡き人々の有り難みを噛みしめた一日でした。

 

親子二代の棚食事部屋の棚に陶齋の壽皿と香炉および陶箱、そして二代陶齋・尚明氏の白磁花瓶が二器。

 

陶齋の志野と唐津「口取り」に鮑焼きや鴨ロースなど9品が盛られた陶齋の志野皿(左)と絵唐津皿(右)。

近藤悠三の角皿香の物(お漬け物)は近藤悠三作ざくろの角皿に。

富本憲吉の花皿デザートのいちじくワイン煮、茶巾栗など6種が盛られた富本憲吉の花皿と陶齋の梅皿(手前)。

食後の茶は小生の点前でした。一カ所、道具の扱いを明らかに間違えました。しかし暖かなお客様は何服も茶を所望され、一期一会の一座建立となり、深く感謝致しています。

また、皆様がまず美術館の展示をご覧になり、強く興味を示して頂いたこと何よりの喜びでした。

器を生かしきって9つもの素晴らしいお料理(献立)を作られた松本氏ご夫妻。庭、給仕、水屋をお手伝い頂いたスタッフはじめ知人友人の皆様、本当に有り難うございました。あと三回、頑張りましょう。

美しい夕空がある限り。

2013年10月4日(金曜日)

今夕の夕暮は素晴らしい空でした。夕方まで何気ない曇り空でしたが、突然のように優しく鮮やかな色に変わったのです。

いつもながら夕焼けの予想は難しいと思います。いいかなと思えば平凡、あるいは本日のように突然色づいたりと。

しかも最も素晴らしい時間はほんのいっとき、ある意味一瞬で、せいぜい1分前後でしょうか。今夕も家を出る直前の空が最高だったように思われます。
玄関を出た時、ご近所の家々の壁がみな鮮やかなピンクに染まっていました。1分少々、海へ到着した頃には既に幕引が始まっていました。それでもしばし息を飲みシャッターを押したのです。

 

四ツ屋浜でいつもの四ツ屋浜です。

燧岳と焼山紫色の火打山(左)と焼山。

13104夕焼け優しい色に包まれた上越火力発電所。

ブログは日が空くどころか連日となりました。こんな夕空がある限り仕方がないのです。

秋の花 女性が作った新米 シャリマールのカレー。 

2013年10月3日(木曜日)

何とか降らずに済んだ一日、さすが10月、肌寒さを感じた。館内の花もすっかり秋のものに変わった。

ばら庭で淋しげだった秋ばらが白磁壺で
華やいでいた。枝は柏葉アジサイです。
秋草三種のホトトギスと水引き草と紺菊、
ススキと共に手桶の器でお出迎えです。

本日は、かって当館がお世話になった旧上越市の女性から20キロもの新米を頂いた。魅力的な女性が携わる農業!ずしりと重いお米を抱くとひとしお豊かな秋が感じられました。

新米とても楽しみです。台風は大変でしたね、収穫まで本当にご苦労さまでした。

カレー夕食のチキンカレー。

三日後に迫った〝陶齋の器で食事会〟の最後の支度で遅くまで掛かった。寄りつき、食事処、茶席で使う三部屋の片付けとしつらえは、時間と共にしっくりし始め次第に楽しさがつのった。

夕食は樹下美術館の近くのカレー屋さん「シャリマール」で。春から4,5回は来ている。スパイスが効いているのにまろやか、お米が美味しいのも嬉しい。

※ブログが空くと書いた筆先も乾かぬうちに、気がつけば一日2記事も書いていました。

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