樹下だより
新緑の趣きの樹下美術館で。
雪消えの開館から一ケ月と一週間、この所の暖かさで庭は一
気に新緑の趣きとなった。

雀の後にすぐウグイスが来たが浴びなかった。
藪と日陰が好きなウグイスが日向の水盤に来るのは珍しい。
うららかな春の日、閉館の夕刻からあるグループが貸し切り
でティーパーティーをされました。“良い夕べでしたね、有り
難うございました”
春陽の塩﨑作品展。
清々しく晴れた本日、塩﨑貞夫展が始まった。
昼に出向くとJCVのスタッフが取材をされ、十日町
や鎌倉など遠路の方たちもお見えになっていた。
差し込む春陽の中で、設計家大橋秀三氏の白い壁面
に齋藤三郎の青い陶磁器と静かに調和し、塩﨑作品
は本日一層生き生きとして魅力を放っていた。
清々しく命萌える季節の塩﨑作品、皆様に観られ、ま
すます豊かに育てられて行く予感がします。
明日から「桜のレクイエム 塩﨑貞夫展」が始まる。
建って12年目の樹下美術館。これまでずっと上越ゆ
かりの陶芸家・齋藤三郎と画家・倉石隆の作品を常設
展示してきました。
そんな当館の昨年秋、あるお二方のご協力で初めてほ
かの作家さんの展示が浮上し、このたび実現しました。
糸魚川で生まれ、東京を本拠にされ、2014年2月に
80才で亡くなられた画家、塩﨑貞夫さんの作品展です。
小ぶりな美術館ゆえ陶芸ホールとカフェを使い15点が
収まりました。
以下は本日展示作業を終えた塩崎作品の一コマです。
倉石隆作品の絵画をそのままにして、齋藤三郎の染め付けの
陶芸展示を一部アレンジし、ほどよく塩﨑作品が架かりまし
た。
ガブリエル・フォーレの鎮魂歌に深く惹かれた塩﨑氏の絵画
は、想像以上に展示場、さらにカフェや庭とも良く調和しま
した。
作品からは時空を越えて、今に生きる者に対しても氏による
幸福と鎮魂の願いや祈りが伝わるように感じられます。
「桜のレクイエム 塩崎貞夫展」の通り美術館は、遅い山
桜が満開、チューリップもミツバツツジも精一杯咲きまし
た。
来月13日までの会期、入場料はいつもの200円です。
良い季節になりました、お訪ね頂き,不思議と心安らぐ
作品をお楽しみください。
今年から毎水曜日が休館になっています。
特別美しく囀る今年のウグイスの胸元の模様は免状の印?
10日ほど前から潟町の仕事場の庭でウグイスが鳴き
始めた。
毎年4月になるとやってきて鳴くが、今年のは特に鳴き
声が冴えている。
鋭くきれいに「ホーホケキョ ケキョケキョ」と鳴き、
あたかも鳴き声の先生かインストラクターのように滑ら
か。

胸ど元に波状あるいは縞状の模様が見える。
ウグイスは雌雄同体ということで、模様はオスだからという
訳ではなさそう。
下は2015年のウグイス。
胸元に模様などはなく、一般的だと思われる。
やはり今年のウグイスは、美しく鳴く何か特別な免状で
も持っていて、胸元の模様はその印?それとも単なる羽
毛の影?
Amazing!!!
京都に橘高等学校という元女子校、現共学の高校がある。
そこの吹奏楽部の生徒さんたちは驚くべき演奏をする。
カテゴリーはマーチングだが、見せるも含め楽しさにお
いてショーあるいはレヴューと言っても過言ではないほ
ど優れたエンターテイメント性を発揮している。
「退屈させない」はエンターテイメントの神髄。
彼女たちはそれを追求し、毎年わずか3年間でプロフェ
ッションの領域に到達しているから驚く。
曲目も一般的なマーチ曲でなく、基本ジャズ。それもス
イング主体、ほかディズニー音楽やポップス、ゲーム音
楽からガガまで演奏するらしい。
2014年台風被災地で行われたコンサートの後半部。
どうか迫力の演奏とフォーメーションを拡大してご覧下さ
い。
デューク・エリントン、ルイ・アームストロング、ベニ
ー・グッドマン、デイヴ・ブルーベックが演奏した名曲か
らフィナーレのロッド・スチュアートの「Salling」
と「蛍の光」までアマチュアとは思われない秀逸な演奏、
演出が続く。
「Take Five」の倍テンポ(6:35~)は本家
顔負けの圧巻。
「Sinng Sing Sing」ラスト(9:42~)
の迫力。
「Sailling:(航海)」(12;55~)に賑やか
なクルー達と佐渡や能登へ帆走した昔を思い出して涙が出
そうになった。
指導者の“単なる高校のクラブ活動”、
部員の演奏“演技”の謙虚な挨拶も素
晴らしい。
2018年正月、アメリカカリフォルニア州パサデナで1890
年から行われている正月伝統行事「ローズバレード」に招
聘され演奏する橘高校。
女生徒さん中心のバンドは沿道の大歓声の中で約9キロ、
2時間に亘り演奏とダンスを完璧に披露する。
溌剌として疲れた表情も見せず、過呼吸に陥ることもない。
途中水分の補給を受け、ずり下がるソックスを直しながら
頑張る彼女たちのパフォーマンスは独創的で、パレード参
加者の中で文字通りピカイチ、其の世界では「オレンジの悪
魔」と呼ばれているらしい。
成長した樹下美術館の桜 愛は主要なキーワード「桜のレクイエム 塩﨑貞夫展」
暖気のため例年よりも早く咲いた桜が、この数日の寒
気に逢い、満開のまましっかり花をとどめている。

ドカ雪の冬を越えて吹き出すように花を付けた美術館の
ソメイヨシノ。
さて何度か記載している4月19日からの「桜のレクイ
エム 塩﨑貞夫展」。
この数日、氏のどこか不思議な絵の理解について、少々
先へ考えが進みましたので、書いてみました。
樹下美術館の倉石隆と同様人物を多く描いている糸魚川
出身で東京で活躍された塩崎氏。
古来の肖像画ならばポートレートあるいはモニュメントな
ど記録性主体である一方、両氏の人物はそれとは違う。
さらに二人の間でも全く様子が異なり、倉石氏は個々個人
の内面に迫り、多様な感情と物語を個人のものから普遍へ
と包括し、そもそも私たちとは?の問いに挑戦したように
映る。
それに対して塩﨑氏は同じ人物と取り組んでいる。
その人は花の下にあるいは土中や空に横たわる。
余計なものが一切ない細い身体に唯一込められたもの。
それは感謝とともに育まれた一心な愛情ではないのか。
優しく撫でるように描かれた女性から、得に言われぬ
作者の愛おしみの気持ちが伝わる。
愛は塩崎氏の重要なキーワード?遅きに失したがハッ
とした。
氏はガブリエル・フォーレのレクイエムに強く触発され
たという。
普通重厚であるはずの分野にあって、そのレクイエムは
安らかで軽やか、あるいは清澄で愛らく幸福である。
先に逝くつもりの画家が愛する人の究極の姿をどう願い、
どう描くか、先人や自分の魂は何処に眠り、どこに現れる
のか。
わずか十数点ですが、満開の桜、黙した山、そして岩積み
などの霊的な場所にも思いを馳せる「桜のレクイエム 塩﨑
貞夫展」に期待している所です。
来る4月19日から春の特別展「桜のレクイエム 塩﨑貞夫展」
樹下美術館は創立以来、齋藤三郎の陶芸と倉石隆の絵画の常設
展示を続けてきました。
目的および意味として、父と私が行ったコレクションの公開お
よび作家の顕彰と研究を目指し、今後もこの様式を維持して参
ります。
そんな当館ですが、今年初めて常設作家以外の方の展示を行う
ことになりました。
まず「塩﨑貞夫展」です。
但し齋藤三郎と倉石隆の展示を現状のまま維持し、陶芸ホール
とカフェを使って塩崎作品のを架けるという形です。
幸い陶芸ホールとカフェに絵画を架ける釘が仕込んであります
ので展示は容易です。
何より塩崎氏の作風が倉石・齋藤両氏の作品の「静かな力」と
如何にも調和し、一層魅力を発揮する事が期待されるのです。
この度のことは、仲立ちをして頂いた新潟市の砂丘館および新
潟絵屋(えや)の館長・大倉宏氏のアイディアとご理解が、私
たちと自然な形で一致したことでトントンと実現しました。
以下は砂丘館・絵屋で制作されたこの度のチラシです。
見出し部分と案内文(不肖小生)を分けて掲載してみました。
少々小さめですが、クリックしますと大きくなります。
糸魚川市ご出身の故塩﨑貞夫氏の作品を、「ああどこかでこん
なことがあった」とか、「逝った人と桜を懐かしむ」等々、ご自
分なりに自由にご覧下さい。
奇しくもこのたびは、小さな当館で三人展となりました。
風香る春の一日、樹下美術館のひとときをお楽しみ下さい。
●開催期間 4月19日(木曜日)~5月13日(日曜日
、水曜日休館
●開催時間 午前10時~午後5時
●入場料 大人お一人様200円、中高生100円
●協力 新潟市「砂丘館」及び「絵屋」
樹下美術館〒942-0157新潟県上越市頸城区城野腰451番地
電話025-530-4155
カミニート(小径)。
樹下美術館のカフェと庭は展示とともに大切な場所。
当初カフェに名前をつけようか、と考えたことがあった。
ネージュ(雪,フランス語)、カミニート(小径,スペ
イン語)、ラ・バルカ(小舟、スペイン語)などいずれ
も響きが良く、歌もあり、気に入っていた。
ネージュは当館の展示作家倉石隆氏が雪国出身者ととも
に作っていた発表グループの名前でもあった。
かなり決まりかかっていたが、先人に遠慮して止めた。
カミニートとラ・バルカは小ぶりな樹下美術館に相応し
く、良かったがこれも止めた。
結局、美術館の一部であれば特に名を付ける必要もなか
ろう、ということで、全てお終いにした。
現在皆さんには「樹下」あるいは「美術館」と呼ばれて
いるようであり、ああそれが正解と有り難く思っている。
今日はかって候補になった名のなかから「カミニート」
をYouTubeからお借りした。
フリオ・イグレシャスの「カミニート」。
思い出の小径を懐かしみ、それに別れを告げようとする歌の
ようだ。
もとはアルゼンチンタンゴで学生時代にしばしばラジオから
聴えた。当時タンゴばかりの番組があったほどラテン音楽は
人気があった。上掲のフリオの録音は比較的新しい。
近くもう一つラ・バルカ(小舟)の動画をお借りして掲載し
てみたい。
ブログ(ノート)のヘッダーを今日歩いた道に変えました。
若い四人組のお客様 夕は親しさつのるお別れ会。
春雨そぼ降りまた上がる、というような日
中。4人組の若い女性のお客様が見えた。
美術を勉強されている様子で、絵画、陶芸
とも熱心にご覧になった。
カフェでは壁面の篠崎正喜さんの「午睡」を
楽しみ、めざとく松本俊介の画集を見つけた
り、絵本を眺めたり、全て熱心だった。
お茶の後で庭に出ると、根を出し始めたどん
ぐりに夢中、好奇心一杯、若さ一杯のお嬢さ
んたちでした。
ブログに出します、といって撮らせて頂きま
した。来て頂き、とても喜んでいます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夕刻、ある方のささやかな送別会があった。
上越市が誇る美味しい岩の原ワインが
開けられた。

斎藤尚明さんの華麗な椿があしらわれた
スパークリングワイン。
真剣にまた楽しく過ごした人との別れの会。互
いの思い出を語り、幕末の裏話や歴史を動かす
大災害、あるいは私が全く知らない人達の興味
深い話に時の経つのを忘れた。
いまわの際は、再会を約束し爽やかに手を振り
あった。
穏やかだった県立大潟水と森公園 陶齋が器に書いた「清香満室」。
日中14,5℃、穏やかだった日曜日、大潟水と森公
園を歩いた。ついひと月前は冬のオリンピックの真っ
最中で豪雪、いつまで雪が続くのかと思っていた。
それが一回の嵐で雪はぺちゃんこになり、開館の15
日には辺りから消えた。

↑ミズバショウ。この区画は現在立ち入り禁止だったので
ズームで撮りました。
穏やかな公園で、サッカーの家族やキャッチボールのカ
ップル、散歩の同級生夫婦、読書の人など、休日を楽し
む光景を目にした。
樹下美術館でのこと、
昨年お産の数日前に来られた方が、昨日乳母車に8ヶ月
になった赤ちゃんを乗せて顔を出された。
あるいは初日に来られた方から齋藤三郎の煎茶茶碗に書
かれた文字を尋ねられ、「清香満室(清香室に満つ)」と
お答えした。
本日その方が来られ、調べてみましたら、1941~42年に
病に臥した西田幾多郎の病床へ鈴木大拙が梅を送った。
その梅が咲いているという西田の礼状に「清香室に満つ」
の言葉がありましたよ、と嬉しそうに仰った。
このようなことはみな樹下美術館を営めばこそであり、幸
せなことだと思う。
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