花鳥・庭・生き物
初冬の貴重
季節風と時雨の合間に時々陽が差しました。暦は冬となって黙っていてもあわただしさに包まれます。
ただ今樹下美術館では全館に倉石隆の絵画を架けています。冷えて荒れがちなお天気のなか、昨日は杉みき子さんが、本日は筑波進さん、黒田進さんがそれぞれお見えになりました。初冬の日における文学、美術の人々のご来館は、そっとした物語が漂うような、そんな感じがしました。連日の寒い日頃、ご来館頂いているお客様に心から御礼申し上げます。
わずかの晴れ間に出てみると、ヒシクイが飛び田に白鳥が降りていました。貴重な初冬の訪問者です。
カフェでは荒天であればあるほど、暖かいお茶をお出ししたく思っています。
トキが日本海を渡った?
放鳥後のトキについて驚くようなニュースが昨晩ありました。一羽のトキが海を渡り本土の新潟県胎内市で見つけられたらしい、ということでした。個体の識別に染められている色彩マークも見られ、佐渡でこれまで未確認だったうちの一羽の可能性があるそうです。
胎内まで直線距離で90キロと聞きましたが、にわかに信じられませんでした。地図でみると胎内市は放鳥された佐渡のほぼ真東、地図に向かって右真横にありました。相当な距離です。季節風である一定した西風を使って渡ったのでしょうか。本土を目指して真南(地図で真下)に向かうように飛べばうまく西風に乗って成功した可能性があります。このような飛翔はかなりの揚力が得られ、抵抗も少ないからです。
本当なら若鳥らしいナイストライ、素晴らしいことです。しかし一羽では寂しいでしょうし、成長や結婚?なども色々心配です。まず果たして事実はどうなのでしょう。
富士山麓から
庭では野菊の仲間が盛りとなりました。路傍の花、野紺菊(ノコンギク)は毎年大変な勢いで増えます。その中から10年ほどかけて、濃い色のものを選んで育てていましたら前回掲載のように美しい紫色が残るようになりました。
ところで野紺菊にまじって最近咲きはじめたのが竜脳菊(リュウノウギク)です。関東以西で一般に見られる野菊だそうです。昨年秋、叔母が富士山麓の庭に育ったものを数株送ってくれました。日本海側の砂地にうまく育つか、少々心配でしたが、みごとに着きました。真っ白でやや小振りな花が、ゆっくり前下がりの姿勢で咲いています。さらに秋が深まると赤みを帯びてくるのも見ものと聞きました。
富士山のすそ野から来た白菊ですから白さが格別な風に思われます。そして地元の野紺菊と調子を取るように咲いているのは楽しい眺めです。秋遅くになりましたら両方とも株分けをして増やしてみます。来秋の賑わいに期待して。
※これまで竜王菊と記載していましたが、竜脳菊に訂正いたします。何かヘンだなと感じていましたところ、家内に指摘されました(10月25日)。
頑張るトキたち
さる9月25日の放鳥から3週間が経ちました。昨日のテレビは、田を突っついてドジョウを食べるトキの映像をしっかり放映しました。とても見事な映像でした。この時期のドジョウは田にもぐっているそうです。トキはくちばしを泥の中深く入れて器用に餌を捕っていました。10分間に12匹も食べたということ。あの長く曲がったくちばしが餌とりに好適なんですね。それに人工的な餌場であるビオトープに飛来したことも頼もしい話題でした。この勢いだと餌場をもっと増やさなくては、と地元の方が仰っていました。
環境省の放鳥トキ情報は毎日更新されています。送信機を付けたno1,4,6,9,11はしっかりと確認されてます。また付けていない13,15も極めて元気のようです。しかし付けていない残りの3羽のうち二羽の安否が確認されていません。やや気がかりです。
一方でこれまでばらばらだったトキが、2羽いっしょに居るところを目撃されたと報道されました。群れはトキの命。うれしい知らせでした。
私が好きなno11。よく頑張っています。
(環境省 関東地方環境事務所・佐渡自然保護官事務所のページより)
私のトキノート。毎日トキ情報を見て付けています。
はや10月
刈り入れ前の暑さが効いて頸城野の田は良い米が獲れたようです。頂いた新米の美味しかったこと。10月2日、美術館から見る庭はキキョウも終わり、野紺菊(ノコンギク)がところどころで色を深めていました。また、厳しい夏を越えた糸薄(イトススキ)と矢筈薄(ヤハズススキ)はしっかりと座を守っています。地味な庭ですが今月末くらいから10株ほどのササリンドウが咲くと思われます。恥かしくも拙句を付けました。
矢筈薄:暮れる空に飛び立ちそうでした
暮れる陽を矢筈薄が打ち射たり sousi
野紺菊:路傍の花ながら色がみやびです
野紺菊所を問わぬ花の色 sousi
近くへ出ると妙高連峰が暮れていきました
秋暮れて三郎も見た妙高山(悲しい三郎景虎のことを思いました) sousi
種でトキ
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山芍薬の種 |
一応トキです |
昨日、今日とトキの報道がない。あれだけ熱心に始まったのにぱたりと途切れてしまった。良い事、悪いこと、何かあったのかもしれない。少々寂しいので昨日採れた花の種をピンセットでつまんでトキに見えるように並べてみました。
さて、昨日採ったのは紅山芍薬(ベニヤマシャクヤク)の種です。この花は数年来バイオ技術の進歩で育てやすい苗が買えるようになりました。拙庭でも今年、4株ほど咲いて結実しました。初夏に終わったそれぞれの花は、中に30~40ヶの種が入ったサヤを3ヶほど作ります。種には赤と濃い青の2種類があって、赤は私たちの歯のような形、青はまん丸です。変わったことに赤は青を引き立てるための添え物で、青がちゃんとした種ということです。秋を迎えると閉じていたサヤが開き、2色の種が華やかに顔を出します。日ごとに開くサヤは最後にめくれて、種を地面に落とします。落ちる前、サヤに詰まった種は毒々しいほど目立ちますので鳥の気を引く戦略も見事です。さらに青い種は少しの傾斜でもころころとよく転がりますので、遠くの自生地を求めるのに便利です。生物の工夫は形に反映され、それが見た目にも良くていつも感心させられます。せっかくの種ですから撒いてみますがなかなか難しそうです。
トキの今夜は
本日トキが佐渡の空へ飛び立った。本来ならば「喜んで羽ばたいた」と書きたいところだが、「逃げ去った」印象が強い。式典と会場に響くアナウンス、窮屈な小箱、トキには辛かったろう。これも使命の一部なのか、許して頑張って欲しい。
今後,彼らに対する直接の保護はない。はたして10羽のうちどれだけ生存できるか,少々心配される。担当官が亡くなる個体の原因調査が重要だと述べた。辛い話だがその通りだろう。またトキは単体として強靱ではないので群れを作ることも大切だと指摘されていた。しかし今日のトキにはそれが出来なかったようだ。パニックを越えて、一日でも早く群れになることを祈りたい。
夜のニュースで午後には早くも一羽が田に降り立ち、それに向かってカメラが並ぶ映像があった。心配なことだが、一方であまり人を恐れない個体が生き残る可能性もあろう。
昨夕から新潟県はぐっと冷えて風雨が強まっている。向こう一両日も厳しい予報だ。夕食は?今夜はどうしているのだろう?
※すっかり美術館の話題から逸れてしまって大変に申し分けありません。
いよいよトキが
いよいよ明日トキが試験放鳥される。27年振りの野性復帰への試みだ。是非とも成功への第一歩になったほしい。写真で見る飛翔するトキの姿は、格別に上品で美しく、おとぎの国のようだ。雪国、裏日本、近年は地震と大規模原発、、、。10羽のトキに夢とともに新潟県の印象を陽転させる強い期待も掛かった。
ところで自然を模した順化ケージに初めて放たれるトキは当初息切れがみられるという。またケージ内への不意な人の進入には非常に敏感に反応したとも聞いた。専門家ほど不安と緊張を高めているにちがいない。素人ながら佐渡の自然に一定の全うさがあれば生物的な適応は可能に思われる。問題は人間などの関わりではなかろうか。人工的な音響や車両の日常ストレスは初めてだろう。トキ目当てで観光客は激増しそうな予感がする。さらにどう猛なカラスなど天敵もあるだろう。こうみると、いずれ追い詰められて行き場を失うという最悪の事態を避ける策は大丈夫なのだろうか。
一方今年4月、初めて順化ケージで巣作りがされ、5月にはそこで2羽の雛が返り無事に育っているという。また報道される佐渡の方たちの熱心な取り組みは心底頭がさがる。先日、放鳥のためにケージで捕獲された15羽のトキにも現在ストレスは見られていないこともややホッとさせられる。
振り返れば画期的だったパンダの生育は檻の中で果たされた。しかしトキは一端断絶した自然・人間の環境に放たれようとしている。生態系という複雑な総合軸で時間というものを30年前に戻せるのか?異国の遺伝子は佐渡にも適応するか?厳しくも夢のような試みだ。その期待を40グラムの発信器を背負った鳥が担う。SFにも似た出来事の始まりに見える。佐渡と新潟県には真の自然共生を目指すパラダイムシフトの先頭たる一員の名誉もかかった。すべて鳥と自然の側に立つこまやかで根気の要る長い目が必要だろう、是非成功してほしい。明日午前10時半放鳥。野茂やイチローの初試合とまた異質の重い緊張がつのる。
ソバ畑
今朝上越タイムス紙に樹下美術館がソバ畑の写真付きで載っていました。それで美術館のデッキに出てみました。刈り取りが進んだ田に残されたソバ畑は、一面まっ白な花に変わっていました。デッキを降りてあぜ道を進むと、あたかも泡立つ海の中。身心が洗われる思いがしました。
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