泉のような

2009年6月7日(日曜日)

 美術館の午前は新潟市方面の方たちで少々賑わったようだ。午後に寄って乾いた庭に水を遣った。特にクリスマスローズやアジサイは乾燥と高温に弱い株があって気を使う。

 

 終わって芝に撒水の時、千葉からお仕事で来越されている女性にお会いした。撒水をしながら色々お話をした。花がお好きで為になった。こちらに来てまだ日が浅いということ、車のほかに自転車も駆使して活発に地域を探索されている。寺町も上越一帯の山々もいいということで嬉しかった。

 

 地元の作家や工房などを熱心に訊かれた。ちゃんと地図を持っておられて感心した。人には食べ物だけでは足りない空腹があります。心ときめく泉のような文化のことを思いました。

 

最も活気づく6月の庭。さまざまに変っていく。

齋藤さんと我が家 7 ならば私も

2009年6月6日(土曜日)

  昭和50年代後半、齋藤さんと父は次々とこの世を去った。二人が亡くなって、父の齋藤作品に対する夢中をよく思い出した。それは父の幸福であり、家族の幸福としても実感されたものだった。

 

 作品と作者双方への思い入れは作家・愛好者にとって最も望ましい関係だろう。父が齋藤さんと出会ったことは貴重なことだったと思う。

 

 絵でも陶芸でも、父のように夢中になれる作品や作家と巡り会ってみたい。自分なりの思いだった。暇をみて作品展や展示室を訪ね歩いた。しかし若き日に感触した齋藤作品以上の引力には中々出会えなかった。

 

 「ならば亡き齋藤さんの作品を集めてみよう」、ある日の単純な結論だった。平成になってしばらくして、上越市をはじめ新潟、長岡方面まで骨董屋さんを見に行くようになった。

父の形見分け。アミダくじ(父がこっそり用意していた)で当たった壺。

 

※今回、齋藤さんと我が家を終了するつもりでしたがまとまりませんでした。次回こそ「開館まで」を綴って終了したいと思います、申し分けありません。

展示中の倉石隆作品

2009年6月2日(火曜日)

【8月31日まで展示の倉石隆の作品です】

作品の一部をご紹介致します。   

                 

   

婦人像:倉石の挿絵本の一つに従姉妹ベット(河出書房新社・バルザック原作・佐藤朔/高山鉄男・訳)があります。当作品は挿絵の主人公を角度を変えて油彩にしたものと思われます。小品ですが情念を秘めた女性を赤で燃え上がるように描いています。油彩 50×36㎝  推定1970年代

 

   

馬上の人: 倉石は黒、黄色、各系のモノトーンでよく描きました。当作品では馬に乗った人物が荒涼とした坂を登っていきます。手前に決意の旗。馬にテンポがあり馬上の人(作者であろう)は勇躍前進を開始したようです。沸き立つ黄色がまぶしい。黄色は前進、上昇の色。油彩 65×80㎝ 1979年

 

画室:何度か訪ねた倉石氏のアトリエ。モデルを前にキャンバスはまだ白いままです。その形、大きさから、モデルも居るこの絵(画室)を描くところのようです。絵には逆算された時間と空間が描かれ、めまいでもしそうな次元感覚をおぼえます。

 

 さらに「画室」は画家の日常を、私たちと共有するよう意図されていたかもしれません。「さあ、どうぞ!」というような気持ちです。
全体に素朴で画家らしい作品だと思います。白いキャンバスは映画「田舎の日曜日」の最後のシーンでも見られました。

 

 「主人が描いているときはいつもゴシゴシ、ゴシゴシと画布をこする音が聞こえていました」、とは奥様の言葉です。「画室」もよくこすられ、重ねられた色が染みこみ、深い質感を伝えています。

 

 額縁は上越市大島画廊です。竿の長さがぎりぎり足りて上手く絵に合いました。油彩 100×100㎝ 1980年代

 

 

:氏の同様の「髪」はかって朝日新聞日曜版を飾りました。大きな眼に吸い込まれそうになります。髪と眼に女性の全体を表象させて描いています。ここでも華やかな色彩は省略されています。油彩 65×51㎝ 1982年

 

このほか
・黄昏のピエロ・人生・見つめる・北の山(妙高山)の油彩を架けています。カフェには油彩「魚」があります。

 

過去の掲載分はこちらで見られます
 

雨の白花

2009年5月31日(日曜日)

 一昨日「初夏の海に」を書いたばかりなのに今日は一転して雨模様で肌寒い。雨の中隣接の庭で白い花が目立っていました。白花は遠目が効き清潔で心休まります。

 

 これから梅雨に向かって「ノリウツギ」「柏葉アジサイ」「テッポウユリ」「クチナシ」など白花の大御所たちが咲くことでしょう。

 

 樹下美術館には心がつらい方も来られます。そんな方が、自然や庭を見て良かった、というような感想を残されますと、ほっとした嬉しさを感じます。

 

※今夜の兼続で追加:それが上杉じゃ、と兼続の寛容に驚く幸村に余裕の一言。さすがでした。

 

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シラン/白花 シャリンバイ
   
アスチルベ/白花 タイツリソウ/白花
   
バラ オオヤマレンゲ
   
ヤマボウシ ツユクサ/白花

初夏の海に

2009年5月29日(金曜日)

 昼下がりの海で美しくダイナミックなマリンスポーツを見た。最初は沖にぽつんとウインドサーフィンの影が一つ見えていた。まもなく二つに、そして突然のようにカラフルなパラシュートがいくつも空に舞いあがるのを初めて見た。パラサーフィンと呼ぶらしい。

 

 初夏となる空と雲の下で自在に風をあやつる様は見ていて胸がすく。きれいでBSの画面のようだった。柏崎の風がいまいちだったので柿崎へ来たという、長岡市の若者たちだった。

 

 

 

海にも夏は来ぬ 

何気ないマンテマ

2009年5月28日(木曜日)

頸城平野の一帯で田植えが終わった。少し前、田植えの直後に強風の日があった。「あんなに強く吹かれると、植えたばかりの苗が浮いてくることがある」と農家の方に聞いた。皆さんの色々なご苦労を聞くと、今更ながら小さなことでは嘆くまい、と思う。

樹下美術館裏の農道で、一面うす赤く花で染まっている所があった。花は30㎝ばかりでほどよい背丈。近づくと懐かしげな小紋を散らしたようで大変可愛い。近づくと可愛いのは、雑草の常、そして人の常かも。

家の図鑑で調べるとマンテマというようだ。江戸弘化年間の帰化植物とあった。年代が同定されるのは運ばれたいきさつが書かれた資料があるにちがいない。「上葉は披針形(ひしんけい)で鋭頭になる云々」といつもながら図鑑の説明は難しい。

帰化植物は本当に多い。自然の寛大な側面といえばいいのでしょうか。

マンテマの群生

博物館協議会

2009年5月25日(月曜日)

 昨夕、北信越博物館協議会が上越市であった。仕事の都合などで残念ながら記念講演、シンポに参加できなかったが、夕刻からの情報交換会に出席できた。
協議会の協会は日本博物館協会の北信越支部にあたる。福井、石川、富山、長野、新潟の5県の博物館・美術館が加盟していて名簿に187施設が載っていた。

 

 当協会長の伊藤文吉氏(北方文化博物館館長)が挨拶された。文化施設を全うするということは「如何に皆さんに喜んでもらうか」であり、現実には「貯金が無くなることでもある」と強調された。身を投げる情熱と、もてなしの心のことだろう、と思った。先達の言葉として心強く、深く賛同出来た。

 

 日本の美術館は国の認めで約1800カ所。先進国では決して少ない方ではないようだ。国・地域の文化の質は、施設の内容や数とともにどれだけ多くの人が足を運ぶかが課題だといわれている。小館ならばこそエバグリーンを胸に歩んで行きたいと思った。

 

 

診療所の庭にもバラが咲き始めた

白花デンドロビュームのボタニカルアート

2009年5月23日(土曜日)

 今年正月から描き始めた白花デンドロビュームを2月に終了していました。それを楕円のマットに金ぶちをあしらって緑の額に入れました。作品は白椿に替えていつものように樹下美術館のトイレ鏡脇にかけてあります。3年ぶりの絵筆で色々反省点もありますが、宜しければどうぞご覧下さい。

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原画紙A4サイズ

アヤメとシジュウカラ

2009年5月20日(水曜日)

 昼、アヤメを見に美術館の庭へ寄った。昨年の春に植えた株が揃って開花していた。アヤメは色が粋で形が引き締まっておしゃれだ。来年もっと増えればいいなと思った。

 

 アヤメを見ていると近くの山桜に掛けた巣箱で賑やかなヒナの鳴き声がした。複数のヒナが育っているようだった。美術館がスタートした2年前に巣箱を三カ所に掛けたが、ヒナがかえるのは初めてだった。餌を運んでいるのはシジュウカラだった。

 

 鳥を撮ったモニターを見ると、逞しくかつ左右対称性が見事だ。そういえば概して動物は左右対称を基本にしている。動くことに存亡をかけると形は左右対称が必要だったのだろう。

 

 そもそも動物以前に出現した植物は、動かずに光を求めることに賭けていた。結果、形はかなり柔軟だ。そして後からやってきた動物は、植物が得た光エネルギーを順に頂戴する(漁る)ために動く必要があった。植物の素朴・素直な形に対して動物が非常に機能的で、どこか狡猾に見えるのもなんとなくうなずける。

 

アヤメとシジュウカラを見ながら、物思う自分のオクテぶりを悲しむ昼でした。

 

アヤメで一つ格好がついてきた 餌取りに出るシジュウカラ
   

   

小さな竹の橋の下。

2009年5月17日(日曜日)

”小さな橋よ竹の橋の下   川の水に流れてゆく
あの日の夢も楽し想い出も 川の水に流れてゆく
長い年も月も色とりどり やがては消えてゆく 赤い薔薇の花びら、、、”
40数年前、学生時代の夏、私たちの軟式庭球部は弘前であった東日本医学部の大会で優勝した。何度も優勝経験のある先輩たちの最後の大会で、終わると特別な感慨に包まれた。誰いうともなく、せっかくだから十和田湖~奥入瀬へ行こうということになった。男女10人くらいだったかで決まった。

路線バスで十和田湖へ寄って遊覧船に乗り、その後酸ヶ湯へ向かった。いつしか乗客は私たちだけになった。だれかが持ってきたウクレレで皆で歌った。そのなかで「小さな竹の橋の下」を歌った。バスも、仲間も、歌声も、奥入瀬の流れも、みな一つの時になって過ぎて行くようだった。

昨日、新潟県村上市に一泊で当時の仲間が集まった。宮崎、広島、愛知、静岡、千葉、東京、兵庫、群馬、新潟の都県からご夫婦も入れて20数人が参加した。長い年も月も色とりどり。良き先輩後輩同輩に恵まれて、どこかであのバスの続きを生きているようにも感じた。

ところで、夜のニュースは神戸、大阪の新型インフルエンザを伝えていた。流行は現行の対策マニュアルをあっさりかわして拡大している。強い感染力と、夏に向かう足が速くて油断できない。国は早くちぐはぐなモノサシを調整し、現実的な指導力を発揮して欲しい。気負った戦いでなく、真摯な科学として直面することが望まれる。

トクサ

2009年5月14日(木曜日)

 強風の一日、隣接の庭で若いトクサが頑張っていた。この時期人間で言えば学童だろうか。逆光で見ると筒状の茎がセルロイドのように透けてきれいだった。

 

 中で特に幼い個体はツクシに似ている。調べてみるとツクシ(スギナ)もトクサ科だそうで、フシや頭の形は確かによく似ている。いずれもシダということ。花も無く地味だが、どこか風変わりなシダはあなどれない。

 

 下の写真は昨年夏の様子。夏に向かってトクサは真っ直ぐに、いっそう涼しげに伸びてくる。今年は昨年の倍近くに増えているようで楽しみだ。すぐ近くに田んぼがあるので水性に属するトクサはここが合っているのかもしれない。

 

 同じ場所に昨年植えたアヤメが元気な蕾をつけて、間もなく開花を向かえる時期となった。

 

逆光のトクサ

昨年の庭/右の石畳の脇にトクサ

   
   

春二品

2009年5月12日(火曜日)

 知り合いからタケノコ、午後には鯵が届いた。シーズン真っ盛りのタケノコは山タケノコで、上品な風味がある。とても人気があり、この時期急峻な山や県外までタケノコ狩りに出掛ける人もいる。今日の方は「思わぬ所にありました」と仰った。見映えのいいタケノコは、秘密の味までしそうだった。

 

 そして夕刻、ある漁師宿から立派な鯵を頂いた。鯵丼もしましょう、と家内。春盛りの貴重な頂き物の日だった。このところ畑や庭にちゃんとした雨がほしい空模様が続いている。

 

 

音楽の力,立花千春さん

2009年5月10日(日曜日)

 大潟区のコミュニティープラザで樹下美術館主催の音楽会が無事に終わった。まちづくり大潟と大潟音楽協会のご後援を得て良い音楽会になった。華麗なフルートの歌姫、立花千春さんには、豊かな音楽の力を会場一杯に満たして頂いた。渾身の演奏だった。ピアノ伴奏の宇枝優見さんもナイスコンビネーションだった。

 

ご来場頂いた皆様、演奏のお二人様、本当に有り難うございました。

 

 

 

   

グループホーム

2009年5月8日(金曜日)

  近くにグループホームがあって、月に一度伺っている。グループホームでは一定の認知症のあるお年寄りの方々が職員さんたちに見守られながら協同的に生活をしている。部屋は個室。介護保険の時代になって伸び、それぞれ地域で大切な場として定着している。

 

 館内は穏やかで、時々皆さんとスタッフさんの歌声が聞こえたりする。今日の訪問では目の前の林に白い藤が沢山咲いていた。
長いつきあいとなったAさんの部屋で小さな箱を見せてもらった。彼女の大好きな可愛い可愛い品が入っていた。ここでは多くの方が、それぞれに大好きな品を持っている。

 

 皆さんが比較的安定していて長くいらっしゃるのが嬉しい。

 

 

押し車の荷台に小さな箱。緑色の蓋が付いている。

 

ゴッホのアーモンドの花の絵に似た白藤。

 

 

思い思いに

2009年5月4日(月曜日)

いつもながら何処へも行かない連休。ある意味贅沢なことかもしれないと感じた。会いたい人達が向うからやってくるのだし。

そして近くの柿崎海岸へ行った。海岸はドラマ「天地人」で兼続がお船と馬で走ったシーンが撮影された場所だ。

海岸ではみんなが思い思いに休暇を楽しんでいた。平和とはこのように何気ない光景のことなのだろうと思った。

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