2021年3月18日

齋藤三郎と棟方志功 上越市大潟区と棟方志功。

2021年3月18日(木曜日)

今年の展示「齋藤三郎の絵と書」に絵入りの葉書が12点展示されています。
昭和20年代中頃のものですが、今の絵手紙と違い、それぞれにはしっかりした内容があります。ちなみに以下の葉書はきれいな赤が施された器に二点の内容が記されています。
その一つは第四銀行支店の前で楽焼きをすることになったこと、もう一点は髙田に於ける棟方志功展開催および座談会の予定です。楽焼きは雁木の下で行ったのでしょう、本人は、“街道に出ての商売いかなることになりますやら あわれな事で御座います」と述べています。

今日貴重な銀行の建物は保存されていますが、はたして70年も前の当日はどんな様子だったのでしょう、一目見てみたかった所です。
何度か当時の楽焼き作品を観たことがありますが、素朴かつ美しい作品でした(残念ながら樹下美術館は収蔵していません)。

 

文面の棟方志功展は昭和26年(1951年)3月31日、4月1日に開催されました。棟方氏は当地の祭踊り「米大舟」見学や柏崎市の個展などで、写真のお二人の家に数回泊まっていることが、以下「大潟小学校で開かれた棟方志功展」に記されています。

(大きくしてご覧下さい)
現在大潟区の郷土史家が地域の歴史を伝えるべく中学校へ出向授業をされている。
本資料は昭和35年11月、小学校で開催された「棟方志功展」や
氏と地元との関係を取り上げています。
かって地域の学校でこのような展覧会が開かれた事を知り、大変驚きました。

当地訪問に際し、棟方氏は一度だけ当家に寄ってお茶を飲まれたことがありました。品川ホールの売り上げは芳しくなかったらしく、父は来訪された氏から5,6点作品を求めたようです。上掲写真の若きお二人も購入されたと考えられ、これらの機会で知己を深め後々も棟方氏と交流されました。

齋藤三郎は戦前、富本憲吉門下時代、すでに棟方志功と知り合っていました。三郎の作った陶印を気に入り欣喜雀躍したと伝わっています。

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