品と詩情の内山一嶽(順一)さん書展 善導寺。 

2013年10月19日(土曜日)

今夕、高田本町はアートサロン遊心堂さんで「内山一嶽 書展」を見てきました。一嶽(いちがく)さんは新潟県上越市寺町2丁目の名刹・善導寺のご住職です。このたびの書展は四年ぶりということでした。

戦中戦後のこと、マグナム写真家の濱谷浩、芥川賞の小田嶽夫が同寺に疎開、仮寓されました。時代は貧しくとも、寺には詩人・堀口大学、彫刻家・戸張幸男、陶芸・齋藤三郎(陶齋)らも集い、豊かな文化サロンの様相を呈していたそうです。

さて一嶽氏は私の中学・高校時代の同級生で名は順一さん。学校時代から温和で優秀、そして立派な字は当時から有名でした。教職に就かれて以来校長職も長く、妻、小生の子ども共にお世話になりました。

樹下美術館にたびたびお顔を出され、昨年秋、是非一筆をとお願いしますと待ちに待った今春、美しい「喫茶去(きっさこ)」が届きました。唐時代の禅僧・趙州(しょうしゅう)和尚の禅語です。細かいことはともかく〝さあお茶でも飲みましょう〟という無心の境地を指しているようです。

今年初夏に軸装され大切な宝になりました。

遊心堂の掲示遊心堂さん入り口の掲示。

吟月生花展示作品の中から「吟月生花」(月を吟じ花を生ける)。
品と詩情の一行、さすが一嶽先生、私たちの順一君(失礼)です。

喫茶去書いて頂いた喫茶去。
本人の気が済むまでとことん書いたことでしょう。
「去」は喫茶を強調する助辞で、去るという意味はないそうです。

遊心堂さんの展示は人気でした。期間は、昨日から明日までわずか三日間。お人柄同様のスマートさ、貴重な書展ではないでしょうか。

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