今年の陶芸展示は「陶齋の辰砂(しんしゃ)」。

2019年3月1日(金曜日)

今年の陶芸「陶齋の辰砂」のご紹介です。
辰砂は銅を主原料にした釉薬(うわぐすり)で赤色系の発色をします。但し焼く温度や窯の酸素の管理で容易に黒色や緑色に変化し、あるいは飛んで行ってしまうなど、大変難しい技法といわれています。

一般的に濃厚な色として用いられていますが、陶齋の辰砂はやや淡く、時には濃淡があり、穏やかな表情をしています。
辰砂に限った展示は今回が初めてで、作品数が足りるようになりましたので、今年は常設展示として取り上げました。

以下その一部をご紹介致します。

 

 辰砂壺。おっとりとした構えに癒やされます。

 

辰砂陶板額(しんしゃとうばんがく)。亡き父が残しました。
雲が湧く空に詩文が書かれていますが、いまだに読めません。

 

辰砂彫椿文花瓶(しんしゃほりぼたんもんつぼ)。
妹の形見です。

 

 

辰砂彫露草文(しんしゃほりつゆくさもん)花瓶。

 

辰砂窓絵椿文壺(しんしゃまどえつばきもんつぼ)。
美術館に来て三年目ほど。思い切った窓にゆったりと雪椿です。
地模様にも力がこもった大らかな作品です。

辰砂葉文マグカップ。亡きコレクターさんからの品です。

 

 

明るく上がった辰砂の水指。左が牡丹文で、右は山帰来(さんきらい:さるとりいばら)文です。
明るくおっとりした形が親しめます。

食器などを含め20点の合計30ピースの展示を予定しています、どうかお楽しみください。

陶齋(齋藤三郎)は髙田開窯の当初、辰砂は難しいと漏らしていたといいます。そのため当時のお弟子だった志賀茂重氏を京都の河合寛次郎の許へ派遣し、研究の緒に就きました。志賀氏の旅費、滞在費は棟方志功の支援を頼んだと聞きました。

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