樹下だより

美術館より人気のフキノトウ そして免許証やこぶしの絵。

2012年3月7日(水曜日)

美術館に隣接する自宅庭の南側は、小さな水路を挟む土手になっている。毎年フキノトウが出ていたが、私が少し植え足し、さらに以前庭を手伝ってくださったおばさんが足した。それで土手は沢山フキノトウが出るようになった。

 

フキノトウの一番乗りは私たちがしたい所だが、あるおじいさんが知っていてしばしば先に取られてしまう。そこへこの数年、あるおばあさんも狙っているという。

 

本日スタッフからもう出ていると聞いた妻が、いくつも取ってきた。これからどんどん顔を出すだろう。私たち、スタッフ、おじいさん、おばあさん、多分ほかにも。みんなで注目している土手。3月早くの美術館はいつもヒマだが、土手の方が先に賑わう。

 

フキノトウさっそく食べたフキノトウ。

 

本日、運転免許証が出来る日なので午後一番に安全協会へ行った。その昔、期限を20日も過ぎて気がつき、講習からやり直した経験があるので、今ではカレンダーに大きな丸を付けて用心している。

 

その足でギャラリー祥さんへ作品「こぶし」を搬入した。小品なので持参というべきか。すると夕刻オーナーから電話があって、私の絵を欲しいという人が二人現れた、と知らされた。

 

彼女は、公平なチャリティなので明後日からの期間、一番に来てとお話した、と仰った。嬉しい反面少し困ってしまうお電話だった。

潮だまり二つ残して行った冬。

2012年3月3日(土曜日)

午前には雪もあろうかという予報が外れた一日。昼過ぎの柿崎の海は、沢山あった潮だまりが僅かとなっていた。

 

これから思い出したように一雪あったり、風花がチラリホラリとするだろう。しかし季節の入れ替えは始まっている。

 

柿崎の浜
時々打ち寄せる波が届いて海水が補給される潮だまり。

 

“ 潮だまり二つ残して行った冬 ” 

 

それから寄った美術館に春の帽子と装いの若い女性。コーヒー、ケーキ、水、お番茶、本、手帳などカウンターいっぱいに並べてニニコニコされていた。

  

いよいよ今年も始まっている。

いつも静かに始まる樹下美術館。

2012年3月1日(木曜日)

樹下美術館は今年の開館日となった。例年初日にこだわってくださるお客様6人とお二人の取材の方が来館された。静かに始まる初日は樹下美術館らしい。

 

木曜午後を休診にしているお陰でちゃんと取材を受けることが出来た。大小15の倉石隆氏の作品は14点が初展示。齋藤三郎の陶芸は初展示4点を交え季節順でみるので新鮮だったとお聞きした。

 

上越よみうりのk氏にはいつもお世話になっている。じっくり話を聞いて下さり窓外の雪に苦労されながら食器まで撮って下さった。お忙しいのに有り難うございました。

 

上越タイムスの若いIさん、初めてでしたがこれからが楽しみです。今後ともどうか宜しくお願い致します。

 

1200301四ツ屋浜
思わぬ夕焼けの四ツ屋浜

また明日弥生の入り陽を見送れり

展示作業の終了 今年も宜しくお願い申し上げます。 

2012年3月1日(木曜日)

一日がかりで絵画と陶芸の展示作業を終了した。

 

樹下美術館は作家二人の小規模な常設展示館。作品は限定されるがそれでもテーマによって雰囲気が変わってくる。未発表の作品も混じるので飾り終えて我ながら面白いと思った。

 

展示作業展示作業は一枚ずつ慎重に。
高さ、水平、相互関係、ワイヤーの平行、照明具合など見て架ける。

 

今年の展示

 倉石隆氏の絵画:「多様な倉石隆」と銘打った。戦後髙田の風景スケッチ(2枚)、髙田の家族や生活スケッチ(4枚)、上京後の作品は「詩人」「室内の裸婦」「秋」の3枚の油彩、「椅子に座る裸婦」のデッサン、挿絵原画「宝島」(5枚)で合計15点を展示した。

 絵画は少々混雑ぎみだが、賑やかさも悪くないということでご勘弁願うことにした。うるさ過ぎるとなれば油彩を一点少なくするつもり。

 

齋藤三郎(陶齋)の陶芸:「陶齋の四季」と銘打った。春は梅(2器)、こぶし、椿、ぼけ(2器)、芍薬。夏にとうがん、浴衣ての俳文、あさがお、あざみ、うばゆり、ふよう、やなぎ、とろろあおいを。秋はどんぐり(2器)、柿、かぶ、ざくろ。冬として柚子、雪輪紋、雪花紋、雪持ち笹(三器)。合計27点を展示し、陶齋の絵画(菜の花、うばゆり、水仙)の3点も架けた.

                          今年の催事・事業

催事堀口すみれ子さん、三回目の講演会:「堀口大學を巡る人々」
             ・「竹花加奈子さんのチェロ、蓮見昭夫さんのギターデュオコンサート」
      (コンサートは後ほど詳しくお知らせ致します。

事業:5月中に懸案の収蔵図録を陶齋、倉石、それぞれ発行予定。
図書の追加:『世界素描大系全4巻」「パウルクレー画集」「くびき自動車の80年」「ゴヤ展図録」など。

     

深夜に妻と最後の展示調整をして帰ったが、満天の星空だった。

今年もどうか宜しくお願い申し上げます。

 

今年のカフェにドリー・バーデンが加わります。

2012年2月28日(火曜日)

気温の下がりで朝夕は道が氷る。そして毎朝10㎝ほどの新雪がちびりちびりと降る。そんな丁寧に別れをしなくともお気軽にお引き取りをとは、とても言えない。気象は怒ると非常に恐いことを、昨年来知らされている。

それにしても私などが生まれた愛する2月は短い。冬の休館はあっという間でしたが暦どおり春とて、樹下美術館は明後日、今年の開館を致します。

 

ドリー・バーデン
イギリスメルバ社の「ドリー・バーデン」トリオ(カップ&ソーサーにケーキ皿)。

上掲の食器ドリー・バーデンはディケンズの小説に登場する若い女性の名から取られているということ。明るく軽々としていて本当に楽しい食器です。1943年製なので私より一つ年下、作品の人物たちは年を取らなくていいなあ。

さて樹下美術館のカフェの前は屋根の雪が集中して落ちるため、本日まだ膨大な雪があります。明日業者さんにどかしてもらうことになりましたが、開館当日のカフェの眺めはかなりの雪原が予想されます。

毎年、開館日は寒く、がらがらからスタートでした。展示物につきましては明日ご案内させていただきます。

もじもじする冬。

2012年2月26日(日曜日)

もういいもういいと言われながら湿った雪が所在なげに降っている

  春に声を掛けられないであっちへ行ったりこっちへ来たりもじもじもじもじ

博多人形大人のひな祭り?博多人形を飾った。
松田聖子の赤いスイートピーの前奏は可愛かった。
彼女の曲はMajor7thが多用され、その昔私はかなり好きだった。

チューリップ

 

チューリップは先日取材を受けたくびき野NPOサポートセンターの古川さん、吉川さんから頂いた。3月1日はまだ寒いだろう。

その開館に向けて大忙しの日が続いている。新潟市の文化団体へ送る毎月の記事の主題を「戦前の陶齋」にしたら、3200字にもなってしまった。もう少し短くしなければ。

青空や雪ともどもに冬を割る 間もなく開館。

2012年2月22日(水曜日)

朝から快晴、日差しに力があって今年一番の晴れ間だった。

 

年だから投げられませんが、突っつきました。年配の女性が仰った。お天気が出はじめると家まわりの雪はシャベルで突いて割れ目を付けると早く消える。

 

通りのあちこちで投げたり突いたり、雪が片付けられていた。3月1日(木曜日)の開館に向け、樹下美術館は機械が入り除雪が行われた。手つかずだった駐車場にはおよそ70㎝の雪が残っていた。

 

雪割り

 

飛ぶ雪
青空へ飛ばされる雪。

 

まだ戻り寒波などがあるかもしれない。しかし今日は季節を分ける日だったような気がした。

雪持ち笹。

2012年2月17日(金曜日)

平野部の大雪と予報されたが当地はわずかだった。明日も寒波とテレビが言っていたがもう止めてもらいたい。

 

本日は気温が低く風も無かったので木々の梢はうっすらと雪が付き、花が咲いたようだった。何気なく道路脇の笹を見ると丸い雪が乗っていた。

 

写真: 雪持ち笹

雪を乗せた笹:伝統文様「雪持ち笹」のもと。

 

ところで笹の上に雪が乗る姿を文様にしたものに「雪持ち笹」がある。そのことを随分前に二代陶齋の尚明氏から教えてもらった。調べるとそば猪口、家紋、帯、果ては校章にもこれが見られた。いずれも独創的だった。

 

以下は樹下美術館の展示作家、齋藤三郎(陶齋)の作品の「雪持ち笹」。

雪持ち笹1 雪持ち笹2

   染め付け菓子鉢:昭和12年      同じく菓子鉢:昭和15年前後壽山窯
   デザイン化された雪持ち笹は指摘されないと、それだと気づきにくい。
  右菓子鉢の底に描かれた文様は古物商によって「鶴紋」とされていた。

 

雪持ち笹3
鉄絵手あぶり:昭和20年代後半
雪持ち笹4
鉄絵マグカップ:昭和20年代後半

齋藤三郎の筆はいつも速い。速さは自然界の動き、新鮮さを感じさせてくれる。当然ながら「雪持ち笹」は三郎の師であった富本憲吉も描いている。

 

芸術の脈々には楽しいことがいっぱいある。

 

菓子鉢.最上段左の菓子鉢

再びの寒波 樹下美術館上半期の催しのお知らせ

2012年2月10日(金曜日)

昨日から大きな寒波が再来しています。消えかかった分だけまた降り直すような降りかたです。沿岸の積雪も今年最高となりました。

 

そんな中で、樹下美術館は来る3月1日の今年のスタートに向けて準備を始めました。

 

今年前半の催事をお知らせ申し上げます。

講演会4月21日(土曜日)午後2時:「堀口大學を巡る人々」・樹下美術館陶芸ホール

 

1204すみれ子さん告知

堀口すみれ子さんの三回目の講演会です。

 
これまでの講演で父・大學の紹介とご家族のこと、上越のゆかりや湘南の生活をお話し頂きました。戦前戦後の6年を上越で過ごされた堀口大學。かってのご縁によって日本を代表する詩人・歌人・フランス文学者への理解を深めることが出来ることを幸せに思っています。

 

学生時代の交友、外交官の父とともに過ごした海外での知己、長きにわたる文壇生活。このたびは氏の豊かな親交を通してより堀口大學に近づく、、、。
当日はソメイヨシノあるいは山桜が考えられます、どうかお一人でも多くの方のご来場をお待ち致しております。

 

コンサート6月30日(土曜日)開始17:30:竹花加奈子さん(チェロ)・蓮見昭夫さん(ギター)演奏会
※6月23日→6月30日に変更になりました。

 今後詳しくお伝え致しますが、スペインの曲なども演奏されます。お二人のリリカルなアンサンブルは初夏の美術館にピッタリであろうと期待されます。 

 

陶齋の書簡 脇付のいろいろ 作家・ファンのエッセンス

2012年1月29日(日曜日)

このたびは父に宛てた齋藤三郎'(陶齋)さんの書簡を取り上げてみました。

 

氏は教養の人だけあって手紙の内容、用語とも味わいがあります。絵が添えられているものもあり、和めます。
以下はいくつかある手紙の一部です。候文で書かれた内容は、近況報告と支援など様々な相談がみられます。時代は昭和20年代中頃。窯を築き土を求め大量の薪を用意する、展示会のための手間と旅、水準を維持するためのお付き合い、そして税務署のことまで、、、。

戦後の困窮を引きずる時代にあって芸術活動はあらゆる不足と直面せざるを得なかったに違いありません。父とて無一文になっての満州からの引き揚げ者、決して楽ではなかったと想像されます。その支援に応えるべく、陶齋の文中には精進という言葉が随所に見られます。

二人は互いの切実な事情に配慮しつつ緊張感ある作家・ファンの関係を続けていたと考えられます。電話やメールと異なり、手紙には込められた思いが鮮やかに伝わるのを感じます。

1花が描かれた手紙バラと立葵が彩色画、墨絵で描かれた手紙

玉机下
上掲手紙の末尾部分。第四銀行の個展を知らせている。脇付は玉机下。

後刻の追加です:文中の日付「念九」は二十九日のようです。
手許の漢和辞典「念」の⑤意に「廿(ニジュウ)の俗音が念に近いので廿の代わりに用いる」とありました。念と廿、中国語の発音が類似しているようなのです。

玉案下
手紙の末尾部分。追伸に高浜虚子、星野立子両氏の名が見える。脇付は玉案下!

 

齋藤さん書簡御侍史見事な花瓶が描かれた末尾。脇付は御侍史。

上掲の手紙の後段は特に興味深く思われました。焼成が終わりいよいよ窯出しの知らせですが、一番手になりたい父への気遣いが微妙です。不勉強な自分に読めないカ所がありましたが以下試しに記してみます。

 

髙田の人達には窯のことを何も話し

いたし居らず 人は不来のはずにて候

ただ煙が出候へば人達は見て来るや

も不知候 煙はカクシ様に無く候

 

言葉、器の絵、署名、文字の起伏とリズム、手紙といえども立派な芸術ではないでしょうか。

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