花鳥・庭・生き物

何事もなかった如くに春は来ぬ。

2012年4月16日(月曜日)

桜のつぼみがよけい赤く見える。冬が長いと濃い蕾になるのか、果たして花はどうだろう。

 

それにしても季節の移ろいはドラマだ。風雪に見舞われ眠っていた白い世界は一旦目覚めると、あっという間に色鮮やかなものへと変身した。

 

2月8日の庭 2月中旬の仕事場の庭。このあと一段と降った。

過ぎてみると、白一色の世界も別格な美しさなのだが。

 

今日の庭
今日4月16日、左の桜は昭和61年春、息子の中学校入学で植えた。

 

今日のカワラヒワ

その桜にカワラヒワ。チチチ、りりりと軽やかに鳴き鮮やかに飛ぶ。
飛ぶ時にパッパッと見える翼の黄色模様の美しいこと。

寒くても春。

2012年4月7日(土曜日)

朝に雪が降る寒い一日でした。そんな日だから樹下美術館?幸い午後からお客様に恵まれました。

 

お天気にも都合があるのでしょうか。遅れてはいますが、もうじき髙田の桜は息を飲むほどの美しさで青空を埋め尽くすにちがいありません。

 暖まりゆく石少しずつ暖まる樹下美術館を囲む石

 

 

辛夷膨らんだ辛夷の蕾。5年前の開館の時、町内有志から植えて戴きました。少しずつ大きくなってきました。                

 

手許に春
手許に春

 

いろづく桜

色づいてきた箒桜の花芽

静かなカメラマン。

2012年4月5日(木曜日)

 枝のしずく

春の雨は裸の梢に停まるとぷくっとレンズになり

 

枝や空の記念写真を撮ってはそっと落ちて行く

 

私も一枚撮られたようだ

 

雨の庭は静かなカメラマンでいっぱいだ

 

 

 

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日増しの春。

2012年3月29日(木曜日)

慌てて冬のあと始末をするより、のんびりとお天気を楽しみたい一日だった。数日前から軒下に入ったスズメは抱卵を始めたのか。順番を待つような風情で一羽が巣を見上げていた。

巣を気にするスズメ昨日、降り出した雨の中、巣を気にするようなスズメ。

1もくれん
新堀川沿いの木蓮。
2新堀川沿いの桜
新堀川沿いの桜。

今日、樹下美術館の近く、新堀川に沿う桜並木の蕾が膨らんできた。白木蓮は待ちきれないほどだった。


本日午後のカフェ。

4デッキ
午後のデッキ
5クリスマスローズ
一番に開花した庭のクリスマスローズ

寒くはないが、週末のお天気はくずれそう。春の雨は次々と木の芽、草花を目覚めさせていく。

 

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旅の印象: 花 人 猫舌 田畑 偶然 外人バー。

2012年3月27日(火曜日)

 普段親や故郷について問われれば父親の土地や係累のことを考える。長男として跡を取ればなかば当然なのか。一方鉄路で1000キロはあろう佐賀県の母の故郷は長きにわたり文字通り遠かった。


この旅行で母の生地を、記憶もままならぬ幼児期来はじめて歩いた。また何人かの親族とも会えた。風土と人、自らの血脈には父方とともにもう一つの質量が込められていることを、漠然ながら知らしめられた。

 

無二の親。しかしその人に近づくようになったのは晩年のわずか十数年だ。短かかったが知り得た分で興味を持ちなんとか母を好きになることが出来た。

 

 親を知るのにこれほど時間がかかるとは。だがそれが可能になるまで長生きしてくれた事や、間に合った自分の幸運にも感謝しなければならないことだろう。

 

今回の旅行はあまりに急ぎ足、ほとんど一日2食で過ごした。それでも幼年から成人まで若き母を育んだ土地を辿り、聞いていた話に触れることも出来た。努力家だった母と実直な係累、そして力強い風土。短い旅ながら、どこか懐かし気な春風に吹かれ、母の故郷の気を胸一杯吸い込んできた。

 

これからはそれらを自身に足し直し、残りの人生にいくばくかの膨らみを持たせることが出来れば、有り難い事だと思う。

 

今回は車窓や見聞など余談を記して旅の記録の最後とさせて頂きたいと思います。

 

【見て来た花々】

花1車窓の菜の花
筑肥線の菜の花

同キブシ
花5ナンテンとシダレウメ
同じく手前にナンテン、奥にしだれ梅
花2ヤブツバキMG_0270
佐世保への山道でヤブツバキ

同じくアブラチャンとレンタカー
花6ウメ
錦帯橋の公園の梅

【樹木】

樹木2クスノキ
祐徳稲荷のクスノキ
樹木1キンモクセイ
古枝小学校のキンモクセイと校長と教頭先生

 

さすがに山も庭も常緑広葉樹(照葉樹)が主だった。冬でも緑の山、緑の庭、生活や心持ちにも影響しよう。

 

【田畑】

畑2麦畑
母に聞いていた青々とした佐賀県の麦畑
畑1棚田
佐世保への山道で力強い棚田

 

母はかつて故郷の二毛作を盛んに話していた。そして今回突然現れた棚田、とても強靱な感じだった。

 

【垣間見た九州の人
●男性:・きりっとした男前が多く、まめで親切、女性によく気配りしている。
●女性:・活発な美人が多くよく働く。男性をリードしているようだ。

●猫舌:福岡に到着した17日夜、出てチャンポンを食べた。店内は向かいに4人の女子高生と右遠くにOLが一人居た。みなチャンポンを食べている。料理の熱さはちょうど良かった。しかし彼女たちは、麺を箸でとるとしばらく胸元あたりで止めて話などをする。麺を冷ましているらしい。7,8秒するとさらにフーフーしてから食べる。
ほかの子も一様に麺を上げて一旦止め、さらにフーフーして食べる。右端のOLも箸の麺を持ち上げてじっと止めている。それからフーフー、実に根気よく冷ますのである。
まもなく私の隣に若いサラリーマン風の男性が座った。彼もやはり同じようにした。女も男も、お客さんたちが揃って熱心に冷ますのが可笑しかった。これは偶々ではないのでは、と感じるほどだった。
そういえば母も極端な猫舌だった。しばしば「熱っ!」と言っては口をもごもごさせていた。

●外人バーで猫舌の話:3月18日夕刻、ホテルで尋ねるとすぐ前に外人バーがあると教えられた。私は飲めない口だがせっかくの佐世保なので入った。カウンターの向こうに濃いキャップの静かな外人さんが一人いた。ホステスさんが二人、私は二十代の人と話をした。彼女は若い米兵と結婚しているということ、さわやかな普通のお嬢さんだった。
気になっていた博多のチャンポンの店で見たお客さんたちの猫舌を話した。はじめ不思議そうな顔をして聞いていたが、私があまり言うので、もう一人のホステスさんにそのことを話し始めた。
すると、そう言えば私もするということになってきた。麺類に拘わらず熱いものは大抵一旦箸を上げて冷まし、フーフーして食べると。二人で繰り返し食べる仕草をして、やっぱりフーフーするわねと顔を見合わせて笑った。それから「あなたたちはそうしないの?」と怪訝そうに聞かれた。私は博多のチャンポンを冷ましたりフーフーなどせず、ドンブリから直接口に運んだと言った
母もそうだったが九州の人は猫舌が共通しているのではないか。猫舌は可愛い仕草に見えるから全く直さなくてもいいと思う。

●外人バーで雪の話: 新潟県から来たというとすぐ雪の話になった。ところによって4,5メートルと聞くと彼女たちはびっくりして、携帯をいじっている外人にもそのことを話した。当然ながら二人とも英語が素晴らしい。
彼女達が言うには佐世保に一旦雪が降ればその日は町全体がパニック。坂が多いので車は大混乱し、むしろ誰も乗らなくなる。
それから大人も子ども一日中テンションが上がり、雪だるま作りに熱中する。降った雪を総動員して町の至る所に大小の雪だるまが出来上がるらしい。おもむろに一昨年の暮れに作ったという雪だるまの携帯写真を見せてもらった。なかり砂が付いてはいたが、にんじんの目鼻、頭に黄色のオモチャのバケツが乗っていた。
そんなところで私の一杯のチンザノが終わって店を出た。ワンショット1000円だった。10時?から料金が高くなるらしい。短い時間だったが、昼間あちこちで泣いたのを忘れて楽しいひと時を過ごした。

外人バー
佐世保の外人バー

 【偶然】
●カメラ18日の昼虹の松原でポケットカメラを落としてしまった。駅に戻って気がつき、探しに行くと広い松林だったがちゃんと見つかった。

松原のカメラIMG_0214
雨に濡れて見つかったカメラ。

●婚姻届け母の旧宅を探すため戸籍を持参していた。昔の戸籍は字が小さく手書きなので読みにくい。18日夜、たまたま戸籍を見ていたら住所の脇に婚姻届け日が書かれていた。昭和14年3月18日とあり、当日がまさに両親の結婚記念日だった。

●お彼岸のおはぎこのたびお会いした90半ばになる現実家のおばあさん(母の義妹)はお元気だった。私たちが佐世保に引き揚げた直後の昭和21年3月に10日間ほどお世話になっている。当時結婚三年目だったというその方は、お彼岸ということで、餅を突いておはぎ作った、と話された。
空腹と疲労におはぎ!どんなに嬉しいご馳走だったことだろう。これまで引き揚げた具体的な期日が分からなかったが、まさに三月の今頃だったことも分かった。

 

【言葉】

●「福祉は地味ばってん堅実だってゆうんよ」。「助言する人がいるなんてうらやましかー」。こんな風に女子高生が話していた。良い方言なら若者たちも自然に使う。言葉に気遣いがこめられ、語感が優しく聞いていると音楽のようだ。上越の方言はどうなのだろう。

●「とっとーと?」 ユーモアがコミュニケーションを和らげる。

とっとーと・?
よく分からなかった地下鉄・筑肥線の広告。
「席を取っているんですか?」「取っているんです!」と言う意味なのか、それにしても。

【九州は独立国?】
ほんの一部をみただけだが九州の海岸線は長大で、海も山河も豊かに見えた。大企業はことごとく進出している。これまで知り得た九州人も含めおしなべて皆さんは自我がハッキリしてまめだ。九州弁は独特で情がこもりやさしい。
なんといってもアジアが近い。今後何か事が起これば九州は独立してしまうのではないか、と少々心配した。

以上恋々として長くなりました。著名な観光地を巡ったわけではなく、隅々まで個人的な旅でしたので面白くは無かったかと思います。読んで頂いた方々に恐縮と感謝を禁じ得ません。

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同じ鳥でも ムクドリとハトは。

2012年3月4日(日曜日)

生き物に上下をつけたくないが本日午前、二種の鳥を見て如何ともし難い違いを感じた。

 

潟町の診療所二階屋根の軒下に毎年ムクドリが営巣する。「ギイギイ、ギャアギャア」と鳴き声は耳障りだ。しかもしばしば争い、壁に激突するほどの大騒ぎも演じる。

 

本日、車に乗ろうと外へ出るとまことに賑やかにやっている。大きなくちばしを開けて攻撃したり絡みあったり、周りも鳴いて騒ぎ立てる。延々と続きそうなので出かけた。

 

ムクドリメスあるいは巣を巡る騒ぎのようにも見えたが、よく解らない。

 

さて用を済ませて帰ると今度は頭上を白い鳥が横切った。伝書バトだ。サーッと羽音がして実に爽やか。騒がしいムクドリを見たばかりなのでハトの優美さがことさら引き立つ。

 

伝書バト久しぶりに見た伝書バト。さすが平和の象徴、静謐かつ優美だ。

 

人も社会も国も世界も、ハトの如くあればいいのに。この時期、ムクドリのように何かと攻撃し騒ぎ合うのは少々うんざり。

2月は厳しいが、希望も垣間見られる

2012年2月3日(金曜日)

まだ吹雪いている午前に遠くの方の看取りに行った。極めて寒い日に長く病んだ人が亡くなることがある。

 

昨晩から吹雪いて溜まった新雪を、四駆のタイヤをグググと鳴らして走る。小さなカーブは雪の角に車をこすりつけ、それをテコにハンドルを切る。タイヤが埋まったら何度も前進バックを繰り返して抜ける。

 

到着したお家に僅かのご家族。ご本人はまるで草花のように静かな人で、お顔も静かだった。帰路はお庭を思い出しながら帰った。梅、レンギョウ、椿、桜、芙蓉、コスモス、モミジ、そして雪は毎年真っ白だった。

 

午後から明るく晴れて、わずかながら日が長くなった。2月は厳しいが思わぬ晴天が現れ、希望を垣間見させてくれる。

 

スズメ今日、手すりの雀たちは活発だった。

 

今日のマリンホテル
午後のマリンホテルハマナス。いつもフォトジェニック。

この雪に震えるばらの一花あり小さき御身色赤くして

2012年1月31日(火曜日)

連日の大雪警報。毎日恐れているが沿岸の上越市大潟区は今のところ豪雪を免れている。雪はおよそ4,50センチで助かる。

 

ニュースは山間部の凄まじい雪を知らせている。医療や学校まで閉ざされる状況では、一刻も早い自衛隊による救出が待たれる。

 

ばらの花
足許ばかり見ている雪の日々、庭にバラが咲いていたとは。

 

 この雪に震えるばらの一花あり小さき御身色赤くして

 

敢えて雪の庭に咲くのは花なりの訳があったにちがいない。半日、切るのをためらったが夕刻に切った。家ではたちまち部屋を華やかにしてさすがだった。

 

部屋のばら育てている妻によるとへりテージ(遺産、伝統)という名ということ。
普通こんなに赤くはないらしい。 

 

居間は暖かくて弱りも早い。明日は少々寒いが廊下へ移ってもらおう。翻弄しているようで、何か申し分けない感じもする。

 

連日、実家の両親の介護用件で忙しい妻は、見つけてくれてありがとうと言ったが。

 

追加:テレビで記憶術の番組を見終わると、急に妻がお目出度うと言った。午前零時を回っていて70才になっていた。セーターを頂戴した。では、ばらは自然がくれた祝いかもと考えてみた。70はいっそうほろ苦い。

心身を休めながら付いて行く冬

2012年1月25日(水曜日)

今日の上越市大潟区も降られた。音もなく、時にサラサラと静かに降る。今21時をまわり、若干風が出て降ったり止んだりしている。

 

今日の窓二階廊下にある大正時代の窓から見た今夕の庭。

春の窓見ている方向が少し違うが同じ窓の春。
季節によって花園とモンスターワールドの区別がある。

先日雪は一瞬に世界をモノクロにする、と書かせていただいた。あるいは絵画的とも。その雪は一線をこえるとたちまち今度はモンスターとなる。

午後の訪問往診の車のすれ違いは、まだ支障が無かった。しかしもう一晩降れば、あの除雪車が道路の両側に押した雪の壁で新たな難渋が始まる。心身を休めながら付いて行くしかなかろう。

今日の貴重まんさくの花 海霧 スズメ

2012年1月24日(火曜日)

夜半から朝にかけて降雪があった。20㎝ほどで止み午後半ばから薄陽が差した。外気温は0℃、風もなく夕刻には気持ちよく晴れた。

2窓辺のスズメ窓辺の手すりに置いた餌場にスズメ。三年目で初めて来るようになった。
窓から20㎝足らずの位置だが、カーテン越しなので安心している様子。

春、我が家の軒下の営巣はムクドリに大半が占領されてしまった。割を食っているスズメには特別な思いがあるので、冬だけでも助けてやりたい。見えないが右側にもう一つ餌台がある。

 

4四ツ屋浜
在宅回りの帰りに寄った四ツ屋浜、通りから30秒で来れる。
犬と散歩の人は知人。右手の海は立ちのぼる霧のためよく見えない。

1まんさくの花
これほどの季節照準はあろうか「まんさくの花」
秋田県は横手、日の丸醸造。 

 

午前に懐かしいO先生から寒中見舞いであろうか、お酒が届いた。純米吟醸 生原酒 中汲みという貴重なラベルだった。栗駒山の伏流水で作ったというお酒。栗駒山は7年前に仙台で亡くなった妹が大好きだった山だ。

 

かって上越で美術教育の教授をされた先生の教養はあまりに深く、恐くて覗けない井戸のような感じを受けていた。しかも謙遜と遠慮、さらにユーモアのセンスも同じくらい深かった先生。

 

当地を離れて三年、上越に何か火が消えたような淋しさを感じていた。本日、突然このようにされるのは先生がよく仰っていた「仁義」なのか。それもお元気な証拠であり、しみじみ有り難く思った。何をお返しすればいいのか、幸せな悩みだ。体を大切に頑張らなくてはと思った。

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