花鳥・庭・生き物

冬の雑木林 雀の群れ  

2010年12月25日(土曜日)

 今年いっぱい悪天候が続くようです。大雪が報じられていますが予報では上越地域の気温は数度のレベルということ。湿った雪かミゾレが続くのでしょうか、いよいよです。

林  水田のへりに続くハンノキ林

 

 ところで上越市大潟区・潟田という所へよく往きます。二通りの道があり、最近では岩野集落を回ります。岩野を下がって水田に出るきわのハンノキ林にほっとするからです。

 

 私が高校生のころまで大潟区一帯はフラットで美しい松林が連なり、それに混ってコナラやハンノキ、クリ、ヤマザクラなどの雑木も沢山ありました。

 

 当時結核に罹って、医師だった父に歩けと言われ毎日のように林を歩きました。長い時間歩いてもめったに人に会うことがないほど広大で美しい林でした。林を当時の映画「挽歌」のスチール写真の背景に似ていると感じたことがありましたが、勘違いかもしれません。

 

 草むらの群れ
地中にある草の芽、あるいは根を食べるらしい 

樹上の群れ 
近くの樹上にびっしり

 

 今日は往診の帰りに掲げた林の右端のところで雀の群れを見ました。昔から雀には特別なシンパシーを感じていますので、頑張れと心中叫びました。

 

 群れは今年生まれた若い雀たちにちがいありません。夏以後に見られる若鳥の集団には種の保存を担保する意味が考えられているようです。しかしながら厳しい越冬や移動に際して多くが失われるといいます。

・唐沢孝一 スズメのお宿は街のなか 中公新書1989年11月25日発行 

・佐野昌男 スズメ 人里の野鳥 信濃毎日新聞社 昭和63年12月7日発行

 を参照。

花、突然で魔法のような事件

2010年11月30日(火曜日)

 荒天の中休みで日中はよく晴れた。庭の片隅にリンドウが一輪陽に当たっていた。他の大きな株から実生として自然に着床した幼い株と思われた。わずか10数センチほどの背丈、花を付けるまでまったく気づかなかった。

 

 種から育ったリンドウは二度冬を越えなければ咲かないと言われる。それに今年の厳しい夏をよく一人で耐えたと思う。今日の秋最終日、蕾を膨らませ花の面目を保ってどこか誇らしげだった。

 

 植物が花を咲かすということは、自らを世界に知らしめることにほかならない。それは普段地味で静かな彼女たちにとって、やはり突然で魔法のような事件なのではないだろうか。

   リンドウ

 今日は「思い込み」と「花、突然で魔法のような事件」の二つを書きました。

上越市大潟区の自然 朝日池と新潟県立大潟水と森公園 そしてため池百選

2010年11月21日(日曜日)

 昨日、水野行きまでの時間、上越市大潟区、朝日池は熱気に包まれていた。渡り鳥とそれを追う人々、夕刻になっても県外の車は去りがたく見えていた。皆さんの写真器材は驚くほど高い水準で、バンの荷台に満載の車もあった。

 

 ほとんどのレンズがハクガンに向いていた。ハクガンの飛来地は朝日池を入れて日本で数カ所しかないという。様々な渡り鳥で埋め尽くされる湖面。真っ白な翼の先端を黒く染めたハクガンは遠目にも気品にあふれていた。限界ながら鳥たちを写せて満足だった。

 

 ますます貴重な雁類の飛翔は力強く、元気づけられた。

 

沿道の車 
甲府、水戸、岐阜、浜松などの車が並ぶ
カメラ 
レンズ、カメラ、三脚、みなケタ違い
着水のヒシクイ 
着水するのはマガンらしい
ハクガン 
お尻を向けてるプリンセス、ハクガン
大空のヒシクイ 
青空の飛翔
 散歩の人
今日の新潟県立大潟水と森公園

 

 朝日池は全国ため池百選に選定されました。隣り合わせの鵜の池を中心とする新潟県立大潟水と森公園には密かにリスが生息しています。
 新潟県でため池百選に四カ所が選ばれ、そのうち三カ所が上越市内にあります。

ジョロウグモの切なさと愛しさ

2010年11月2日(火曜日)

  トイレの窓の前で10月上旬から見ていたジョロウグモ。およそ一ヶ月間、メスは沢山獲物を捕ってみるみる大きくなった。一方オスはよく見ないと分からないほど小さく、メスから遠く離れて過ごしていた。

 

 メスが成熟するとオスは徐々に近づき、メスが捕食などで気をそらしている時を狙って交尾するらしい。交尾はメスの腹に素早く抱きついて行われ、運が悪ければその前にメスに食べられることがあるそうだ。
 小さなオスが長い手足の恐ろしいメスの腹に抱きつくのは命がけだろう。また運良く交尾出来ても直後に食べられるとも言われる。

10月5日  ジョロウグモのメス、小さなオスは巣の遠くの方にいる(10月5日)

オスが接近していた 冷たい雨の日、成長したメスのそばで交尾の機会をうかがっているようなオス
(10月25日)

オスが居なくなる 
翌日オスの姿はなかった。交尾が成功して食べられたのだろうか。
(10月26日)

誰も居なくなった 一週間後、ぼろぼろの巣にメスも居なくなった
(11月1日)

糸が一本残った 
前夜から大荒れが続いた今朝、糸一本になった巣 
(11月2日)

 順調であればメスは産卵のために巣を離れたのだろう。産卵後は白い糸でしっかりくるんだ卵を守り、何も食べずに過ごして寒さの到来とともに命絶えるという。

 

 歌舞伎役者のクマに似たメスの恐ろしい紋様は、ハチや鳥から自らを守ったり、オスの度胸を試すものでもあったのか。一見ふりかけのようなオスにしても、命をかけて交尾を行ったと考えたい。

 

 荒れた日、一本だけ残った糸に一生懸命な生き物の物語を感じた。
 

秋深まる樹下美術館の庭

2010年10月27日(水曜日)

  「まだまだ」と思っていた秋の花がもう盛りとなっている。昨年に比べて菊類がスケールアップして見応えがある。。

ノコンギクの二種 
二種のノコンギク
リュウノウギクとノコンギク
リュウノウギクとノコンギク
リンドウ 
リンドウが枯葉を集めている
芝生を見る 
野菊と芝生
 ホトトギス
ホトトギス
ホトトギス2 
ホトトギス 

 今年の閉館まであと二月、樹下美術館は晩秋の花たちとともも皆様をお待ち致しています。

 

 ところで先日英国王立園芸協会主催チェルシフラワーショーの様子が放映された。ガーデンコンテストに日本から石原和幸さんとスタッフが参加された。里山のイメージで繊細かつ心弾む庭を創られみごと入賞された。

 

 番組で「庭の風景は見る人を優しくする」という言葉がありました。とても良い言葉だと思いました。

 

The Moon Was Yellow 

2010年10月23日(土曜日)

The Moon Was Yellow というスタンダード曲がある。いつか黄色い月が出たらこの曲を載せてみたいとずっと思っていた。

 

今日の夕暮れ、柿崎の海を歩いた。すっかり暮れてふと見ると、山の端からその月が恥ずかしそうに覗いていた。幸運にも満月が当たるとは。今夜の月をどれだけ沢山の人が見ることだろう、良い月だった。

米山の肩に   振り向いたら黄色の月

登った月
僅かの雲を抜けて登った満月
セイタカアワダチソウなんかに負けるな

 ETHEL ENNISの「The Moon Was Yellow」

  とても素直に歌われます。安定感があって聞きやすい歌手ですね。
“Here we are! Is our romance to continue?”
胸打つ歌詞。

異常なセイタカアワダチソウの繁茂

2010年10月22日(金曜日)

 セイタカアワダチソウ
せめてこのくらいであれば、、、。

  今年のセイタカアワダチソウの勢いは異常に写る。先日の高田の行き帰り、至る所で見た一面真っ黄色な花の占拠は驚くばかりだった。

黄色は最も前に出る強い色。異常な酷暑をものともせず旺盛に咲き誇る様には趣でなくおののきを感じる。イネ科のススキや芦などの場所が好んでターゲットにされるという。特に今年は極端に減って青息吐息のススキなどの姿は哀れで心痛む。

 

秋の月、ススキこそ眺めに相応しかろう。デカデカとした真っ黄色の花ではぞっとする。ほかに初夏、芦や茅に巣をかけて喜び歌う大好きなヨシキリたちはどうすればいいのだろう。

 

いずれ旺盛な繁殖がピークを迎える可能性も一部想定されるようだ。しかしそれをも越えるようであれば植生の多様性、文学性の保全などでいい、本気のマターとして大規模な手入れが必要ではないだろうか。そうでもしないと、環境は江戸時代のほうがはるかに良かった、などと涙ながらに暮らさなければならない。

秋の庭へ

2010年10月8日(金曜日)

 かってない厳しい夏を越え、庭もなんとか秋を迎えた。まとまって咲く白のリュウノウギクと紫のノコンギクがもうすぐだ。両方とも酷暑をものともせず非常に旺盛に増えて、菊恐るべしの感がある。

 

 余りの勢いに付近のリンドウやホトトギス、来春のクリスマスローズなどが隠れてしまっている。それで今夕は電気を点して菊をかなり抜いた。

花 咲き出して5年は経ったベニヤマシャクヤク(今年5月末の写真)。
以下は種子。

種子三つの鞘(さや)が開き、その後反転してこぼれんばかりになった昨日の種。
清楚な花から想像出来ないほど強烈な姿になる。
暗色が種子、赤は未受精の物質で種子の保護と引き立て役のようだ。
鮮やかに見せて鳥を魅惑しているのだろう。 

 

 庭は来年への支度が始まる。苗や球根の注文、植え付け、植え替え、施肥など秋も楽しい。今年は上に掲げた三株のベニヤマシャクヤクから一株選んで種まきと株分けに挑戦してみたい(相当難しいことだが)。

我が身を美空の色として

2010年9月17日(金曜日)

 あの酷暑、尻まくりでもするかのように行ってしまった。朝の寒さに蒲団を足さず我慢をしていると、すぐに風邪気味になる。こんな人が増えはじめた。

 

 涼しくなったがさっぱり疲れが取れない、という方も多い。二ヶ月半にわたる異常な暑さ続き、これから涼しさに慣れていくことだろう。一方で食中毒が少なかったのは不幸中の幸いだった。しかし初秋はまだ安心出来ない。

 

家のまわりで雨中、露草がさかりとなっていた。濡れてはいても花はしっかり青空の色。

 雨の露草

ささやかな我が身を美空の色として雨に濡れてる露草の花

草々の闇にこだます歌の主 一寸の体(テイ)五分の魂

2010年9月11日(土曜日)

 午後から夕刻には降るという予報。当てにならないとみて芝に水遣りをした。一時間ちょっと、全て着替えるほど汗をかいた。

 

 いずれ涼しくなろうし、3ヶ月もすれば大雪におびえることもあろう。知ってはいても大愚痴を言ってしまう今日の暑さだった。

 

 水遣りの庭の終わりは一斉に虫の音。思えば一様な虫の音も一命ずつの魂の歌にちがいない。今はどうしても一様に聞こえるが、こおろぎの頃にはそれがよく分かる。

 

 今日の本業で比較的若いボイラーマンが吐血でこられた。原因は服薬中断の胃潰瘍。積もった暑さ疲労もあったことだろう。ほかにショート利用中のお二人の老人が高熱のため無念の帰宅をされた。

 

 明日、日曜も在宅患者さんの点滴に回る。このままだと暑さの影響が蓄積されるこれからが本番の危惧もある。病院も手一杯だろう、まさに災害の様相だ。

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