樹下だより

樹下美術館からの「跳ね馬」 連休の合間の胃痛。

2017年5月2日(火曜日)

一昨日、ゴルフ場から見た妙高山の雪形「跳ね馬」の
ことを記載したが、4,50キロは離れている樹下美術
館の庭からもそれは見える。

特に本日は山並みがはっきりしたため、いつもより良く
見えた。

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雪解けが進んだせいか、角度のためか一昨日より
下の部分の輪郭がわずかに薄らいだように見える。
しかしそれはジャンプするような躍動にもも感じられ、
いっそう力強さが感じられる。

連休後半に入る直前の平日、診療が混み図録の第
6校(最終校?)の校正もストレスで少々胃が痛い。

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6校目にもなるというのに、あるページではまだこんなに
直しがあるとは、一体いままで何をしてきたのだろう。

この仕事は高尚過ぎて自分には無理、という観念がどこ
かにある。
出来たとしても余りの粗末さに死にたくなるのでは、という
気持ちを払拭出来ないし、出来る前に死んでしまいたいと
思うほど、ハードルが高くなってくるようだ。

例え小さな美術館の館長であっても図録制作は責任で
あろうと考える一方、他者の作品や人生に言及するのは、
とんでもなく越権ではないのか、という恐れに悩まされる
のもまた事実だ。

うららかな日にパラソルを出した 古代も現代も良い場所大潟水と森公園。

2017年4月30日(日曜日)

昨日午後からお天気が崩れたものの本日は清々しく晴れ
た。
連休前半の日曜日でお客様にお出で頂いた。
今年は展示が親しみ易いためか、熱心に作品をご覧にな
る方が多いが、本日はカフェが気に入ってわざわざ関東か
ら二回目のご来館という方もお見えになったという。

午前中に美術館に出向き、日射しが強まったためベンチに
初めてパラソルを出した。

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気温は25度に近づき、終日うららかな一日だった。

ベンチで第6校となる図録の校正を手がけてから新潟県立
大潟水と森公園を訪ねた。
美術館から車で15分もあれば到着する当公園は広大。
手つかずの自然に囲まれ、近年ますます人を集めるように
なったという。

地形や植生が変化に富んでいるうえ、縄文、弥生、古墳時
代など古代的雰囲気をも伝える良い場所だと思っている。

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葦が一部処理されて水面が広くなり、ミツガシワの群落が拡
大していた(水上回廊から)。

ほどよい起伏に恵まれ、子どもから老人まで楽しめる7つのゾ
ンからなる公園。
なかでも自然観察ゾーンと潟の里ゾーンは比較的静かなので
よく歩く。

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植栽された黄色が入った八重桜が満開だった。

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間もなく終わるコブシ。

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笹の若葉はずきんをかぶったこどものように可愛い。。

本日の潟の里の道中で新しいあずま屋に出会った。

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このあたりは周囲が高く、わき水に恵まれている。
向こうに新しい小屋が見える。

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分厚く敷き詰められたウッドチップの道を行くとそのまま
小屋に入る。

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なんとも気持ちの良いあずま屋。

公園から美術館に戻ると同業の大先輩ご夫婦がお見
えになった。
大潟水と森公園からの帰りということ。
自分も先ほどまで行っていました、とお伝えした。

上越に長く住んでいるが、あんな良い所があるとは知ら
なかった。
故郷の魚沼を思わせる湖沼、豊かな植物、古代的な雰
囲気の良さを語られ、元気な子供たちと出会ったことも
楽しかった、と仰った。
良い場所は海彦山彦の縄文もスマホの現代も変わりな
く人を魅了するのですね、という話になった。

先生とはふとしたところで出会う。
80才を越えてなお変わりないご様子はとても嬉しかった。

樹下美術館の小さな橋。

2017年4月25日(火曜日)

樹下美術館の南側(裏手)に小さな流れがあり、そ
こに小さな橋が架かっている。

10年前の開館の時に設えてもらったが、昨年新しく
架け替えた。

そばにデッキとベンチがあるので時々お客様が橋を
渡って農道を歩かれる。

あまり旅行をしないので、この小さな流れと橋にふ
と旅情を感じることがある。

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耳を澄ますと水音が聞こえる。

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橋の向こうは頸城平野。間もなく田に水が張られる。

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渡った方向から見たベンチとテーブル。


ミルスブラザーズによる「小さな竹の橋の下」。
〝長い年も月も色とりどり、、、〟この歌には日本語の
歌詞があり学生時代の思い出がある。

清々しかった日の花鳥。

2017年4月22日(土曜日)

清々しく晴れた土曜日、昼に新潟市からメディアのライターさん
が訪ねて来られた。
熱心な取材をうけたが、次回二度目の取材の後記事になるらしい。
丁寧に見て聞いて頂き有り難く思った。

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↑新緑が萌え山桜が満開となり、チューリップが咲き始めた。

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↑ライターさんと話していると窓辺にカワラヒワが来た。
この鳥の黄色は本当に素晴らしい。

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↑既に何度か登場しているシメ。
いつも寂しそうだったが本日は元気に雀と餌をついばんでいた。
この鳥には何となくワンちゃんのような人なつこさを感じる。

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↑隣の田んぼで鮮やかにツバメが飛んでいた。

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↑大好きなコムクドリが現れた。

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真っ白な夕刻のジューンベリーは雪を思わせた。

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閉館後の庭で雑草取りをしてクリスマスローズ-の花を切った。
このままにしておきたいほどまだ魅力をたたえている。
もったいないようだが、雪消えから一ケ月は咲き続けた花、疲れを
考え来年のためにいつもより早く切ってみた。

ゆっくりでいい春だが新緑の展開、忙しい花ごよみなどやはり季節
の足は速い。
だが気温がやや低めに推移しているので花もちが良いように感じら
れる。

哀愁のシメ。

2017年4月19日(水曜日)

過日美術館の芝生に来るようになったシメの事を書かせ
て頂いた。
本日昼に寄ると、今年はシメが来ていますね、と教えて下
さったお客様が居て、しかも窓外にそのシメがいた。

実は昨日水盤の回りに小鳥の餌を撒いてみた。
思った以上に早く反応があり、近くに雀たちが沢山いて餌
をついばんでいる。

 どういうわけか、手前のシメは離れたまま雀を見ていた。

 

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哀愁を帯びた後ろ姿、共感したくなる愛すべきシメ。

 

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餌が合わないのか遠慮しているのかずっと離れていたが、
間もなく飛び去った。

 

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そしてメジロのツガイが来て一羽が水浴びをした。

カワラヒワも頻繁に顔を出し、窓の前をハクセキレイが行き交
った。
いよいよ樹下美術館も鳥の季節になってきた。
餌やりは際限無さそうなので、悪天候の後などだけにしよう。
シメには諦めないでまた来てほしい。

昨日に続いて強風に見舞われた本日、昼のいっとき激しく雨も
降った。
安塚区へ行ったという人が、その時間にアラレが降っていたと
仰った。

本日の昼食と庭に来たジョウビタキ。

2017年4月5日(水曜日)

最高気温が上越市高田で23度にもなった水曜日の昼食はカ
フェでホットサンイッチを食べた。

通常は4きれですが、私は前夜の夕食の加減で時々2きれに
してもらいます。

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1,7カップ分のポット珈琲がついて750円。
(通常の4きれの場合980円です)。
今日のカップは今年から入った英国のシェリーはクインアンタイプ
の器でした。

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食事中向かいの庭にきたジョウビタキ(オス)。メスは頭
部がベージュ色だという。
止まっているアジサイの枝から新芽が開き始めています。

気象と自然は行きつ戻りつしながら春へと私たちを誘導し
てくれているようです。

絵画や陶芸の展示を楽しみ、春めく庭を見ながら英国の
食器でお茶を飲む。
忙しい日常の中でこのような時間に身を任せるのも良いの
ではないでしょうか。
展示を観ず入館料(200円)無しでカフェだけのご利用も出
来ます。

開花を待つハクモクレンやソメイヨシノ キジバトの吸水 大口満さんの作品展 儀明川のコヒガンザクラ。

2017年4月2日(日曜日)

日中よく晴れて頬に冷たい風が気持ち良かった日曜日。

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樹下美術館の直近、犀潟は新堀川のハクモクレン。開花をまち
きれずそわそわしている風だった。

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当館のソメイヨシノのもすっかり開花の準備が出来ている。

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カフェで今年からメニューに加わったピザトーストを食べた。
食べながら水盤に飛来したキジバトを見た。
つがいで行動することが多いキジバトだがこの鳥は独身の
ようだ。

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一般に小鳥は水を飲む場合口にした水を上を向いて飲み込む。
しかしハトは水にくちばしをつけて下向きのまま直接飲める(吸
い込める)らしい。

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午後、上越市は高田本町の大島画廊へ行った。
裏手を流れる儀明川の一角でコヒガンザクラが良い具合に
開花していた。
澄んだ雪解け水に青空が写り、ひとしお花を引き立ててい
る。

画廊で買い物をして大口満先生の作品展を観た。
乗鞍岳の山岳、花、果物、京都、紅葉、人物など多彩なモ
チーフに合わせ油彩水彩が自由に使い分けられている。
身近で繊細なものから自然や時間のダイナミズムまで楽し
めた。
正面の大作は雪の大潟区海岸に取り残された漁師小屋が
描かれていた。
私が頻繁に行く四ツ屋浜を西に下ったところにある数軒の
廃屋。
これが降る雪の中で崩れるように重なり合って描かれてい
る。
廃屋に降った雪は、かって賑わっていた浜への鎮魂のよう
に心に響いた。

会場でお元気な舟見検二先生と堀川紀夫先生にお目に掛
かって嬉しかった。

用事のあと美術館に戻り、柏崎市から来られた三人のお
客様と話をした。以前から当館を気に入って下さっている方
々で、今年もお会い出来て嬉しい。

本日も切れ目なくご来館頂き、有り難うございました。
やや寒かったが春の歩調がしっくり感じられた日でした。

穏やかだった水曜日 砂丘館館長 ベニマシコ。

2017年3月29日(水曜日)

当地高田の最高気温は12度、風も無く穏やかな水
曜日だった。
晴れの日が賑わうとは限らない樹下美術館、本日晴れ
て、一組また一組とご来館頂いた。

今年は例年以上に展示物をご覧になる方が多い。
「カリカチュア風な倉石隆」と「陶齋の色絵と鉄絵」が見や
すいのではないだろうか。
説明書を手に顔を近づけてご覧になる様子はとても嬉し
い。
1年間、同じ展示なので何度も見られる方は少ないが、
その後カフェだけを利用され、庭を見ながらお茶を飲み
に来られる方もいらっしゃって有り難い。

本日は新潟市から砂丘館館長大倉宏氏が寄って下さっ
た。
このたび好評のうちに終了した同館の「塩崎貞夫展」作
品を戻しに出られた帰路ということ、沢山お話が出来て
幸運だった。
倉石隆と齋藤三郎、二人の作家の取り合わせがとても
良い、と褒めて頂いた。
地元以外の方でこんな風に仰る人は珍しく、光栄に感じ
た。

過日砂丘館を訪ねた折の事は当時図録制作などで忙殺
されていて、とうとう書けなかった。
本日少し振り返ってみたい。

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砂丘館の玄関を入ると目の前に塩﨑貞夫画伯の
「女人午睡」が静かに迎えてくれた。

展示された絵画は全て死と鎮魂がテーマ。手応えとし
て伝えにくい死者のイメージや儀式の象徴性など極め
て深い事象を、「生きる者を代表」して憑かれる如く描
かれた塩﨑画伯。
一点一点は詩の如く言語性を有し、また音楽のようで
もあり、作者が如何に深く死に関わったかを物語ってい
た。

ところで砂丘館は羨ましい。芸大ご出身の館長の優れた
専門性と展開力、充実したスタッフと熱心なボランティア
による組織的な運営、そして旧家屋の魅力を最大限に活
かした展示と催事の企画。
同館が一体となって運営する「絵屋」も見たが、全体は
生き生きとしてフットワークが良く、私たちに無いものば
かりで、驚きかつ有益だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本日午後施設巡回に出て美術館に寄ったが、途中の雑木
林で赤い鳥が前を横切った。
車を停めて見ると遠くでじっとしている。
慌てて写真を撮った。上手くは写せなかったが「ベニマシコ」
だった。

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私もカメラもいまいち腕力が足りず、歯がゆい思いを禁じ得ない。

春秋は小鳥たちが活発な季節。
樹下美術館の水盤の鳥はかなり近い。
これからどんな鳥が来るか、カメラ片手に楽しみに待ちたい。

大きなヤブツバキの垣根、園芸種の椿は成長が早い。

2017年3月26日(日曜日)

本日椿を見に行く予定だったがまだ花盛りには早かった。
それでもご近所にある垣根は見頃と迎えようとしていた。

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ここのお宅のヤブツバキは垣根仕立てになっている。
私の背の2,5倍にはなっていよう、とても堂々としている。

ヤブツバキの生長が遅いのはが自生種だからであろう。
その点、人手を加えて美しくした園芸種は多様で成長も早い。

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樹下美術館入り口のヤブツバキはようやく2㍍を越えつつ
ある。


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美術館の南隅にあるいわゆる侘び助に類するツバキ。
ピンク系の小さな花を沢山つける。
恐らく園芸種的な品種であり、成長はとても旺盛だ。

本日は寒く、明日は雪が降るかもしれない予報。

寿命との競争?、2冊の収蔵図録。

2017年3月21日(火曜日)

珍しいことではありませんが、中二日空いてしま
った私のノート。開館早々倒れたのではないか、
と心配された方がいらっしゃったやに聞きました。

元気ですが先週は半日ほど倒れかかり、ちょっと
しためまい騒動がありました。
原因は最後の仕上げとなっていた樹下美術館の
収蔵作品図録の制作です。

何しろ10年前から完成まじかと何度アナウンスを
したか忘れるくらいの懸案とモタツキ。
それが開館十周年の今年、電柱にしがみついてで
も出さなければもう後が無いのです。
倉石氏のものが60ページ、齋藤三郎のは70ペー
ジに増え、おまけに急遽10年の歩み風の8ページ
の小冊も手を付けてしまい、三冊同時の仕上げと
なっていました。

先週木曜日は1時間半、昨日は3時間の睡眠でし
た。一応プリント紙に両面を刷って本の体裁にして
おかなければならないのですが、昨夜は刷っては
直しを繰り返し、途中で紙が無くなる始末。
今朝早く妻にホームセンターで買ってきてもらって
昼休みを使って刷り、尋ねてきた印刷屋さんに渡し
ました。

しかし間に合ったのは「樹下美術館の10年」と「樹
下美術館の齋藤三郎」で、倉石隆は今週中の納品
?となった次第です。

170321陶齋表紙
この表紙は今年入った「色絵椿文鉢」からとりました。
拙ノートのヘッダーとおなじです。
今日まで延ばしたのが幸いし?陶齋氏に相応しい表
紙になったのではと気に入っています。

10年誌
10年の小冊はアルバムのような感じです。

色々やってきた結果論ですが、少なくとも3,4年前に
出さなくて良かったと思っています。
当時と今を較べると作品の理解や文に少しくマズイ所
が見当たり、自分の昔の写真のように恥ずかしいので
す(写真はいつも恥ずかしいのですが)。
その点、大きな美術館の展覧会図録は分厚く、内容も
高度で安定しいつも感心させられます。

あたかも寿命との競争になりかけているわが図録、中
身が心配ですが、開館記念の6月10日に間に合うよう
印刷屋さんと一緒に頑張るつもりです。
最後は色の調整、これがまた難しいのです。

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